催眠 hypnosis
吾郎君中心レポ
〜 CASE5 遂に怒り爆発! 〜
[東都大学付属病院 渡り廊下]
嵯峨が自分の担当を外れたことにショックを受け、嵯峨の診察室から飛び出してきた由夏。朝比奈が後を追いかける。朝比奈は由夏に嵯峨自身もまともに治療できる状態ではないため、辛いのだと、由夏に説明する。由夏は「もうこれ以上誰も傷つけたくない!」と言って、朝比奈に自分の記憶を取り戻して欲しいと懇願する。
[東都大学付属病院 嵯峨の診療室]
由夏が出ていった診察室で、どうすることもできず、一人残されている嵯峨。嵯峨は看護婦の一希にまたせている患者を部屋に入れるように告げる。
一希が少しずつ嵯峨に近づいてきています。当然、嵯峨先生はまだ何も気づいていない訳で…。
[東都大学付属病院 廊下]
朝比奈と由夏。明日から治療を頑張ろうと約束し、分かれる。エレベーターに乗り込む由夏。そこに一希が滑り込んで来て、エレベーターの扉を閉める。二人きりのエレベーターで一希は由夏に;
一希「この前の約束覚えてる?あなたに嫌な思いでいっぱい作ってあげるって言った約束。
手初めに、嵯峨先生とのこと、思い出にしてあげる」
一体、何を考えているんだろう、一希って。今のところ、確かに由夏に対しては何か因縁があるんだろうけど、『ムラサキの蝶』殺人事件とは全く関係のない行動をとってますよねぇ。
[警察の会議室]
警察で実際に催眠術をかけてもらっている外山。しかし、まったく外山はかかる気配がない。そして、牟田が部屋に入って、殺害方法の特定はできなかったと外山に報告する。
外山 「じゃぁ、やっぱり催眠で殺されたわけ?」
牟田 「自分はそう思います」
[東都大学付属病院 朝比奈の診察室]
朝比奈の催眠療法を受ける由夏。記憶の途切れた3日前の記憶まで遡ろうとするが、由夏の記憶は完全に霧の中に包まれていて、何も見えない…。
[東都大学付属病院 達矢の病室]
病室の扉が開く。
嵯峨 「オッス、達矢君」
達矢の様子を見にやってくる嵯峨だったが、未だ由夏と会えないことでショックを受けた達矢は嵯峨に対して心を閉ざしたままでいる。由夏の病気が治れば由夏と会えると思った達矢は嵯峨に言う;
達矢 「由夏お姉ちゃんの心の病気早く治してよ」
嵯峨 「・・・」
達矢 「早く治せよ!」
達矢君にここまで言われて、嵯峨君、そろそろ立ち上がってくれ〜!!
[東都大学付属病院 廊下]
達矢に言われるがまま、黙って病室を出てきた嵯峨は、ゆっくりと廊下を進む。研修医(?)たちの行列とすれ違う・・・
嵯峨のモノローグ 『窓カラ・・・(三岸好太郎の詩)・・・再ビ飛ビ出スコトハ自由ダ』
白衣姿の人が整然と廊下を進む状況って、決してリアリティがあるわけじゃないんだけど、独特というか、印象的な映像に見えてしまいます。(普通に見ると、一体どういう病院なんだ〜って、思うんだろうけど)
タイトル −催眠− Case5
[東都大学付属病院 会議室]
そして、一週間。医局の会議が開かれている。倉沢,狩野,朝比奈そして嵯峨も精神科の全ての医者達が出席している。由夏の治療効果についての審議が行われている。そこで狩辺が、解離性同一性障害ではないかと示唆する:
狩辺 「解離性同一性障害、つまり多重人格も視野に入れて検討した方がいいと思います」
しかし、嵯峨も朝比奈も由夏の中に別人格は存在しないと主張するが、狩辺からも倉沢からも却下されてしまう。そして、なおお意義を唱える朝比奈までも今度は由夏の担当を外されてしまい、狩辺が担当することになる。
会議が終わり;
嵯峨 「狩辺先生、蒼井由夏の治療方針を教えてください」
と狩辺に多重人格の可能性は無いこと、そして今、多重人格の可能性を告げることを告げることは逆効果だと伝える。しかし;
狩辺 「あなたは蒼井由夏の主治医を降りたんですよ。
どうしてそこまで心配するんですか?
それにあなたは,まだ正式復帰を認められた訳じゃないんですよ
お立ち場をわきまえられた方がよろしんじゃないでしょうか?」
と狩辺は嵯峨をたしなめる。
本当に、悪い方向、悪い方向に話が流れて行くのねぇ。でも、何で倉沢が朝比奈の担当を変えたんだろう?朝比奈の悩みの種を少しでも軽減しようとしたんだろうか?う〜ん、この点だけがよくわからない。
[神社]
夜。サチや近所の子供達が花火をしてる。その横で耕造と一緒に嵯峨はスイカを食べながら石段に腰を下ろしている。耕造はテレビで見た『多重人格』の人が出ていた番組の話をしはじめる;
耕造 「その人は女の人だったんだけどさ、突然男になったりもするんだよ。
ということは、その女の人の場合、男に変わっちゃった場合、
トイレとか銭湯とかどっちへいくのかね」
明日にでも調べておくと淡々と答える嵯峨。そんな嵯峨を心配してサチが声を掛ける
サチ 「占いをやってた時も、嵯峨さん目だけは笑ってなかったけど、
最近は笑いもしなくなった」
嵯峨 「・・・」
そして、差し出された花火に火を付けてもらい:
嵯峨 「そんなことないよぉ」
と、二人の前ではしゃいでみせる。
無理にはしゃいでみせる嵯峨君。でも、こうやって無理してでも笑顔を作らないと…、って思ってしまいます。ちなみに「そんなことないよ」と言ったときの吾郎君の表情が私は好きです(^^;)。
[東都大学付属病院 精神科廊下]
翌朝。廊下を進む嵯峨は、受付の待合所で朝比奈が由夏に、狩辺に担当が代わったと告げているのを見つける。そこに一希がやってきて嵯峨に達矢の入っている児童擁護施設愛育園の園長 橘が面会にやってきていると告げにくる。
ここでも嵯峨は由夏に声を掛けれずに場面は次に進んでいくのねぇ
[東都大学付属病院 オープンテラス]
橘が達矢の母親と共にやってきて、母親の方で達矢を引き取りたいと嵯峨に伝える。達矢は久々に母親と会えた嬉しさからか、それとも嵯峨に対する当てつけからか、母親と楽しそうに接している。そんな達矢を見ながらも、達矢の幻視が完治してない段階で退院させる訳にはいかないと主張する。見た目には普通に見えると言う橘に、嵯峨は:
嵯峨 「勝手な素人判断はやめてください!」
と声を荒げて反論する。婦長に「先生」と制されながらも嵯峨は;
嵯峨 「とにかく、達矢君の主治医として退院は認められませんから」
と言い放って退席してしまう。それを見て、達矢の母親は不機嫌そうにマッチを手にし、タバコに火をつける。
このシーンって、難しいですね。母親の身勝手に振り回される子供の不幸を心配し、案じている嵯峨先生の姿。その憤りをあらわにしてしまう嵯峨先生って、やっぱり若いんだろうなぁ。これじゃぁ、治療の押し付けをしているようにも見えるしねぇ。嵯峨先生にはもう少し、忍耐強く母親を説得して戴きたかったですねぇ。シーンの時間的な制約があるのかもしれないけど…。
[東都大学付属病院 渡り廊下]
朝比奈は涼平が廊下を歩いているのを見つけ声を掛ける。しかし、涼平は;
涼平 「僕には由夏さんがいるから」
と言って、話を聞こうとしない。『記憶障害患者のリハビリテーション』という本を涼平が手にしているのを見て、朝比奈は、涼平が由夏の部屋に行った後、どこへ行ったのか尋ねる。
涼平 「共犯者にしてやるっていったことを気にしてるの?」
そう言って涼平はその場を立ち去る。
結局、謎は解消されず、それどころかますます深くなっていきますねぇ。
[東都大学付属病院 狩辺の診察室]
狩辺の診察を受ける由夏。多重人格の疑いがあると伝えられ、ショックを受ける。夜に記憶が無くなることが多いことから、狩辺は明日の夜に催眠療法を実施することを告げる。
由夏ちゃん、ピンチ!
[嵯峨の部屋]
夢にうなされる嵯峨。時計の針が進む。そしてあの成長する少女の姿が現れる。
サチ 「・・・嵯峨さん、嵯峨さん、嵯峨さん」
朝。額には汗をかいている。サチの声に飛び起きる嵯峨。
嵯峨 「何?」
サチ 「電話」
サチから受話器(子機)を受け取った嵯峨はベッドからズレ落ちるように抜け出して電話に出る。
嵯峨 「・・・。どうして?!」
部屋にいるときの嵯峨って、相変わらず落ちぶれた感があるなぁ…。ベッドからのズレ落ち方って、いかにもっていう感じでいいわぁ…(笑)
[東都大学付属病院 達矢の病室]
急ぎ、病院にやってくる嵯峨。婦長と一希から、達矢は母親に病院から連れ出されたとの報告を受ける
嵯峨 「子供をなんだと思ってるんだ」
慌てて飛び出してきたようでも、きっちりスーツ姿が決まっている嵯峨先生!(*^^*)。これが嵯峨用に作ったオーダーメイドのスーツかな?ってどこ見てるんだか、私(笑)。
[東都大学付属病院 医局]
愛育園に電話を入れる嵯峨だが、達矢の消息を聞き出せない。そのままアテもなく達矢を探しに病院を飛び出そうとするが、朝比奈に他の患者をどうするつもりかと引き止められる。
狩辺 「そうそう、いつもの冷静な嵯峨先生になった方がいいですよ」
そこで、一希が代わって達矢を探しに医局を出て行く。母親の手にしていたマッチ箱に書かれていた店の名前を手掛かりにして…。
ここでも、狩辺先生、オルゴールを鳴らしながら、怪しい…(笑)。あと、怪しいと言えば、当然、一希の行動。これって当然、嵯峨の気を引くための行動なんだろうなぁと思って見てしまう訳で、ここからは要注目です。
[由夏の部屋]
出掛ける準備をする由夏。鏡台には1枚だけ、嵯峨との北海道での写真が貼られている。部屋を出る由夏。
由夏ちゃん、全部外しちゃったのかと思ったけど、ちゃんと残していたのね、写真。
[由夏の部屋の前]
由夏が部屋を出ると、涼平が待っていた。それを見た由夏は涼平に「こういうふうにされると私、困るから」と告げるが、涼平は自分が由夏の記憶障害を治すと話す。
[路上]
由夏にまとわりつく涼平。その姿をコンビニで聞き込みをしていた外山と牟田が眺めている…。ただし、二人の会話は聞こえない。
由夏 「この間のことは、本当、誤るから」
涼平 「やだよ。誤らないでよ」
4人目の被害者と由夏が会っていたコンビニで聞き込みをしている外山と牟田。そして、今度は由夏と涼平が会っているのを見た外山ら。何か今後に関係のあるシーンなのでしょうか?
[東都大学付属病院 医局]
夜。未だ達矢の行方がわからない。朝比奈は嵯峨に達矢を引き戻してどうするつもりかと尋ねる。
嵯峨 「もちろん病院に連れ戻すよ。達也君には治療が必要なんだ。
それに俺には達矢君を治療する責任がある」
こう断言する嵯峨に朝比奈は;
朝比奈「蒼井さんに対しては?」
嵯峨にこんな質問をしたことを詫びつつも、朝比奈は、精神科医の責任についてずっと考えていたことを話す。朝比奈は涼平の治療は拒み、竹下みきの治療は自分から申し出ている…。;
朝比奈「それって、よく考えるとすごく自分勝手なことなんじゃないかって。
精神科医は患者に対してどこまで責任をもつべきなのか…。
私にはその答えが見つからない。嵯峨先生ならこういうときどうするかって」
そこに達矢を探しに行った桜庭から電話が入る。
今回のドラマは、こういった話をある程度はきちんとやってくれているようですね(もちろん、その業界の人から見れば、いろいろ問題はあるのだろうけど…)。精神科医と患者の距離・・・でも嵯峨先生がどう考えているのか、結局聞けずに話は進んじゃいましたけどね。
[東都大学付属病院 玄関]
由夏が狩辺の診察を受けるためにやってくる。そこに丁度、玄関口から出掛ける嵯峨を見つける由夏。そして嵯峨も由夏の姿に気づく。近づいていく二人。その間に1台のタクシーがすべりこむ。そのタクシーから姿を現したのは一希だった。
一希 「嵯峨先生、早く乗ってください。さぁ、早く!」
そう言って、嵯峨をタクシーに乗り込ませる一希。一方、由夏の背後には狩辺が…
狩辺 「お待ちしていました…」
嵯峨は由夏が、由夏は嵯峨が気になりながらも、タクシーが病院を出ていく。
この嵯峨と由夏の引き裂かれ方が、何とも言えないドラマならではのタイミング(^^;)。でも、このタクシーの入り込み方がなんだか好きです。
[街中の車道]
タクシーの中。嵯峨は先程の由夏の姿が気になって仕方がない。その嵯峨の様子を見ながら一希は達矢の母親について、男性と大阪で暮らしていたが一人東京に戻ってきてスナックの雇われママとして暮らしていると嵯峨に話す。
[東都大学付属病院 精神科廊下]
由夏を自分の診察室に案内する狩辺。
[スナック ひまわり]
達矢の母親の店にやってくる嵯峨と一希。達矢を病院に戻すよう、嵯峨は母親に対して説得するが、母親も、そして達矢自身も嵯峨の言葉を聞こうとしない。「親の気まぐれで子供を振り回さないでください」と話す嵯峨:
嵯峨 「親だったら何をしてもいいんですか?子供は親の玩具じゃ無いんだ!」
それでも、母親は:
母親 「だったら、あんたが一生、達矢の面倒をみてくれるの?」
と言い放つ。その言葉に何も言い返せない嵯峨。それを聞いて、今度は一希が達矢を説得する。
一希 「達也君、嵯峨先生ね、今日一日達矢君のことずっと心配してたんだよ。
嵯峨先生の気持ち、本当はわかってるんでしょ。一緒に病院に帰ろう!」
一希の姿を見て、嵯峨は「もういいから」と言って、一希と共に店を出る。
一希の達矢に掛けた言葉、これって一希の本心なのか、それともこれも嵯峨の気をひこうとして発した言葉なのか…。前者だと思いたいんですよねぇ、私は。
[東都大学付属病院 狩辺の診察室]
由夏を椅子に座らせ、今から催眠に入ると説明する狩辺。さりげなく、診察室の部屋のカギを閉める。
[どこかの橋の上]
店を出てきた嵯峨と一希。もう一度出直しだと一希に話す嵯峨は、タクシーを止めて、一希を家まで送ろうとする。が
一希 「嵯峨先生!のど渇きません?おごります」
自動販売機をみつけ、缶ジュースを買って嵯峨を引き留める。
ここだけ見ていると、普通の恋愛ドラマみたい…(笑)。
[橋が見える川べり]
缶ジュースを手に、話をしてる嵯峨と一希。
一希 「私も昔、達矢君がいたような養護施設にいたことがあるんです」
そして、一希は、ネグレクトされていた子供は親の喜ぶことを必死にやってみせるのだと、自分と達矢の姿を重ね合わせて話をする。
一希 「達矢君が羨ましいな。私ももっと早く、嵯峨先生みたいな人に出会いたかった」
そして、そのまま嵯峨の胸に飛び込む一希。
嵯峨先生、誘惑されてます。
[東都大学付属病院 狩辺の診察室]
少しずつ催眠誘導に入る狩辺。しかし、狩辺が由夏に行った催眠は、暑いという感覚を支配する催眠だった。手でオルゴール(曲名:Memory)を回しながら、暑くて服を脱ぎたくなる催眠暗示を続ける狩辺。
その時、隣の部屋でなにやら音がし、その音に必要以上に驚く狩辺。隣の部屋に誰もいないことを確認し、再び由夏の催眠に入る。しかし、隣の部屋では震え、そして声を上げないように必至に手で口を押さえながら看護婦の水木が隠れていた…。
このシーン、本当に恐かったんだなぁ。厳密には看護婦の水木の怯え方を見ていて、一緒に恐くなってきたという方が正解なんですけど、現実にあり得ない恐さじゃなくて、現実にあり得そうな恐さっていうのかな。
[どこかの橋のたもと]
嵯峨は、自分の胸の中にいる一希をゆっくりと抱き起こす。
嵯峨 「そろそろ帰ろう」
と歩きだす嵯峨の背中に向かって再度、飛び込んむ一希:
一希 「蒼井さんのこと、忘れようとしているんでしょ。私が忘れさせてあげる」
嵯峨先生、由夏ちゃんのこと、忘れたいっていう訳じゃないんだよねぇ。
[東都大学付属病院 狩辺の診察室]
由夏に催眠を続ける狩辺。診察室の床には由夏の衣類が散乱している。
狩辺 「ママ・・・」
由夏を抱き締める狩辺。
確かにここでのBGM(子供の歌声)ってナウシカのBGMに似てるよなぁ。何か意味があるのかしら?
[東都大学付属病院 診察受付]
朝。診察にやってきた由夏。そのとき受付に座ったのは一希だった。
一希 「昨日、嵯峨先生と寝たわ・・・。嵯峨先生と寝ちゃった」
由夏 「嘘よ。いい加減なこと、言わないで!」
一希 「ごめんね」
でも、確かに前のシーンの後、嵯峨と一希の二人は一体どうなったんだ〜!説明しろ、説明を!!
[東都大学付属病院 狩辺の診察室]
診察室に入ってくる由夏。しかし、その場にいた看護婦 水木は耐えられなくなり、部屋を出ていく。二人になった診察室で狩辺は、平静を装って、由夏に昨晩、何か変わったことがあったかと尋ねる。
由夏 「いえ、特には・・・」
その言葉を聞いて安心する狩辺。由夏にこのまま引き続き催眠療法を実施することを告げる。
[東都大学付属病院 医局]
達矢の母親の店に電話をし続ける嵯峨。だが、店には誰もいない様子。そこに水木が入ってくる。嵯峨に何も言わずに一旦は部屋を出ていこうとする水木だが、もう一度、嵯峨の方に振り向き・・・
水木 「あの…。あの…昨夜…狩辺先生が蒼井さんに…催眠をかけて…」
嵯峨 「?」
尋常じゃ無い水木の状態をすぐに察知してあげなよ、嵯峨先生…。
[東都大学付属病院内]
医局を飛び出す嵯峨。狩辺の診察室にやってくるが、部屋には誰もいない。さらに狩辺の診察室も飛び出し、病院中を走りまわる;
嵯峨 「狩辺先生見なかったか?」「な、狩辺先生、知らないか?」
手当たり次第に同僚の医者,看護婦達に狩辺の行き先を尋ねる。そして、T字の廊下を飛び出したとき、その背後で狩辺の声が嵯峨の耳に飛び込む。
狩辺 「ではまた今夜お待ちしています」
狩辺は由夏の診察を終えて見送っていたところだった。
そして・・・(ミ ツ ケ タ …)
狩辺に向かってゆっくりと歩き出す嵯峨。
一歩ずつ近づいていき、そして駆け出し、狩辺に向かって殴りかかる。
訳が分からず、そして何も出来ずに、ただ様子を見ている由夏。
近くにいた、看護士二人が嵯峨を止めに入るが、嵯峨はそれを振り切り、狩辺に向かっていく。
渡り廊下まで逃げてくる狩辺に、警備員に押さえられながらもそれを振り払い嵯峨はなおも向かっていく。
とうとう、狩辺を追いかけ病院の玄関口にまで出てきた嵯峨は、回りを取り囲む人々も目に入らずに狩辺を殴り続ける。
朝比奈が叫びながら嵯峨を止めようとするが、朝比奈が見えていないのか、朝比奈も振り払って、狩辺の顔に拳を浴びせ続ける。
由夏も、そして一希も、病院中の人間がどうすることも出来ずにその様子を見ている・・・
誰もが止められなくなったかに見えた嵯峨を、一人の男性が力づくで止めに入る。刑事の外山だった。
外山 「とまれ!朝から元気な病院だねぇ。手のかかる先生だ」
口ではそう言いながらも嵯峨の顔を見て、ただ事じゃない様子を感じる外山:
外山 「!? どうしたんだ、あんた?」
嵯峨 「あの男は・・・あの男は・・・」
嵯峨が話を続けようとしたとき、その視線の先に由夏を見つける。嵯峨は、由夏のことを考えるとこれ以上何も言うことができなかった。
外山 「まぁ、何があったかは知らないけどさ。
こっちが忙しくなかったら現行犯逮捕されちゃってるよ。」
外山らが病院にやってきたのは、由夏に用事があってのことだった。
嵯峨 「やめろ!これ以上、彼女を傷つけるな!!」
由夏を取り戻そうとする嵯峨だが、嵯峨は別の刑事に押さえられる。由夏と4人目の被害者がコンビニで一緒にいたところを目撃した人間がいたので由夏に話を聞きたいのだと嵯峨に説明する外山。
嵯峨 「・・・」
警察に連れていこうとされながらも、嵯峨が気になり、見つめ続ける由夏。なおも嵯峨は「待ってくれ!」と由夏を取り戻そうとするが、どうすることもできなかった…。
見物人をかきわけて倉沢がやってくる:
倉沢 「嵯峨先生、どういうことですか。どういうことですか?」
嵯峨は何も語らない。
ここの嵯峨君、大好きだ〜。ネコパンチと言われようと、何と言われようと、狩辺に向かって行く嵯峨が好きだ〜。そして倉沢に声を掛けられ、全てのものが無くなってしまったという雰囲気の嵯峨の表情が好きだ〜。
本当に由夏ちゃんのことを好きだったんだね、嵯峨君。それがとてもよく伝わってくるシーンでした。その嵯峨君の気持ちがとても痛くて・・・。
ところで、倉沢教授、最後の最後で出てきたのはいいけど、今回の問題の原因は、あなたなのよ!
[下町−春日時計店のある商店街]
風鈴の鈴が鳴り響く商店街。嵯峨は力無く道を進む。
一言もせりふの無い、風鈴の音だけの静かなシーン。綺麗な映像なんですけど、とても悲しい…。
[警察取調室]
目撃者の証言により由夏が4番目の被害者と会っていたことを確認した牟田。
[春日時計店]
嵯峨は無言で春日時計店に戻ってくる。耕造が居眠りをしているが、声も掛けずに部屋に上がっていく。
[警察取調室]
何も覚えていないという由夏の目の前に、外山はそれを証明するためにポリグラフ=嘘発見器で検査をすることを持ちかける。
[嵯峨の部屋の前]
部屋の前に郵便物がおいてある。3〜4件の封筒と1件の小包。特に関心を示すわけではなく、部屋に持って入る嵯峨。
[警察取調室]
ポリグラフ検査のため、検査官が入ってくる。
[嵯峨の部屋]
ゆっくりと小包を開ける嵯峨。そして小包から取り出したのは、ムラサキの蝶の標本。
嵯峨の、どうしようもない、静かな笑い声が部屋に響く・・・。
このシーン、言葉の形容が出来ないんですけど、吾郎君の震える笑い声がすばらしいと感じました。私にとって今回のドラマで今のところ一番のお気に入りシーンです。由夏に対して何もできなかったと、沈んだ気持ちでいるときに届いたムラサキの蝶の標本。もう、本当に全てが無くなった感じが、見ていて辛かったです。
[次回予告]
嵯峨 「もっと自分のこと考えろよ!」
第6話でいよいよ犯人が分かる!いいのかこんなに早くばらしてしまって!!
いや〜、今回は凄い!かなり凄い!!めっちゃ凄い!!!
と、いきなり意味不明の感想で申し訳ありませんが、今回は話の展開,緊張感とか、映像的にも素直に『凄い』と思ってしまった第5話でした。
前半は引き裂かれる二人がメインで、狩辺や一希に邪魔されてすれ違う二人なんですけど、夜、病院玄関口で二人の間にタクシーが滑り込んでくるという場面も好きだったなぁ。もう、切なすぎるぅ。だって、ここで二人がちゃんと話せていたら、またその後の展開だって違ってきたんでしょうしねぇ。おかげで今回、今迄と同じエンディングなのに、北海道デートの映像が今迄で一番切なく見えました。
で、後半はやはり「切れる嵯峨」というより「壊れる嵯峨」という方が正しいかしら?4話まで、ずっと悩み揺れていた嵯峨君ですが、最後に一気に爆発してしまいました。警備員も朝比奈さんまでも振り切って狩辺に向かって突進する嵯峨君。由夏ちゃんのこと、本当に好きなんだね…。
で、その後の自分の部屋に戻って、自分宛に送られてきたムラサキの蝶の標本を見たときの嵯峨君が、どうしようもなく悲しくて、痛々しくて、切なくて・・・。『深い意味で自分自身をぶちのめしてるって感じ』と演出の西谷さんのコメントがTBSのHPに載っていましたけど、最後にそれを実感した回でした。
ああ、でも、とうとう嵯峨君にもムラサキの蝶が送られてきちゃって、8話か9話ぐらいで送られてくるのかなぁ、と思っていた私としては、早くも第5話で送られてきてしまって、はてさて、どうしよう…、とあたふたしております。嵯峨君、これから怯えた日々を過ごすことになるんでしょうか?それとも・・・。
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