催眠 hypnosis
吾郎君中心レポ
〜 CASE3 動き出した悪魔 〜
[空港からのバスの中]
昼過ぎ。北海道帰りのバスの中、嵯峨と由夏が通路を挟んで分かれて座っている。そして、一言も言葉を交わさずに、それぞれがこれまでの思い出を手繰っている…。
バスが停留所に着き、バスから下りる二人:
嵯峨 「じゃぁ、また明日、病院で」
由夏 「うん・・・」
そして、それ以上、何も言わずに歩き出す嵯峨、そして由夏…。
嵯峨のモノローグ 『窓から・・・(三岸好太郎の詩)・・・再び飛び出すことは…』
舞台は既に東京に移っておりまして、個人的には前回のホテルでの由夏ちゃんの涙の後、どうなったのかが気になるところ。でも、バスの中でお互い一言も会話をしなかったところを見ると、何事もなく由夏ちゃんを部屋に帰しちゃったんだろうなぁ、嵯峨先生...
それにしても、前回のダイジェスト版を流すのを二人の回想シーンと兼ねてやってしまうというのは、よかったかも…。
タイトル −催眠− Case3
[嵯峨の部屋]
翌朝。部屋の炊事場でひげ剃り中の嵯峨君。
顔を洗った後、鏡に映った吾郎君の顔を見て「やっぱり格好いいよ!」と叫んでしまった私…。吾郎君の髭面、復活を希望するところではありますが、今回は素直に髭のない格好いい吾郎君を堪能することにしましょう!?(^^;)。
[春日時計店]
髭も剃り、スーツ姿ですっきりした格好の嵯峨の姿を見て、慌てて2Fの階段から駆け下りて耕造のもとにやってくるサチ。
サチ 「おじいちゃん!おじいちゃん!」
その言葉に耕造も窓から顔を出す。そこに嵯峨君登場。
耕造 「どうしちまったんだい?」
サチ 「どこかお出かけ?」
嵯峨 「病院に」
耕造 「どっか悪いの?」
嵯峨 「いえ、仕事です」(^^;)
サチ 「仕事?」
嵯峨 「行ってきます」
と、そのまま出ていく嵯峨先生。外は夏の日差しがまぶしい。
耕造 「最近じゃ、病院で占いもやってるのか?」(^^;)
嵯峨君、ちゃんと家主さんに話をしないと…(苦笑)。ところで、この愛想の無さって、ソムリエの城君に似てません?
[東都大学付属病院 会議室(Conference Room)]
病院のスタッフが集まり、嵯峨の復職についての会議をしている。勝手に行方をくらませた嵯峨に対して、厳しい言葉が飛び交う。その同僚らのやり取りを聞きながら、狩野は嵯峨を復帰に当たり、3ヶ月間の試験期間を設けることを提案する。そして、倉沢はその間に問題が起きた場合は、自分が責任を引き受けることを申し出る。
そこに嵯峨がやってきて、倉沢の握手に嵯峨は応じる。拍手で嵯峨を迎え入れる狩野。
いやはや、ここでも問題発生なんだ〜。確かに嵯峨の勝手な行動に対して批判が出るのは当然のことだから、すっ飛ばさずに描いてあるというのはよかったかな。とはいえ、狩野先生、またまた何か企んでいるようで恐い…。『何かあった場合』ということは、ドラマの展開上、何も無いわけもなく、またまた嵯峨先生が窮地に追いやられていくネタが増えたという雰囲気です。それにしても、今回のドラマってみんな怪しいもんだから、病院全体がメフィスト・コンサルティング(「千里眼 ミドリの猿」参照)の人間に見えてしまうよ〜。
[由夏の部屋]
病院の診察券を取り出し、見つめる由夏。鏡台に貼った嵯峨の写真を眺めながら出掛ける。
[東都大学付属病院 倉沢の居室]
倉沢の部屋に通される嵯峨。倉沢は先程の会議で決まった事項〜3ヶ月、自分が嵯峨の監督をすること〜を告げ、嵯峨は逆に倉沢に迷惑を掛けたことを詫びる。
朝比奈が部屋に入ってきて、患者の担当引継が行われる。特に嵯峨が希望した由夏と達矢は朝比奈から担当が移されることになった。
嵯峨 「勝手を言って、済みません」
同時に涼平の担当を朝比奈から狩野に代えることが決定された。そして、最後に倉沢が一言付け加える:
倉沢 「医師と患者との間にはですね、常にテーブル1つ分の距離が必要です。
これは、忘れないでくださいね。
CASE2のところで、嵯峨君って朝比奈先生無視して、勝手なヤツと書いちゃいましたが、ちゃんと自覚していたのね…(失礼しましたぁ m(_ _)m)。
ここでのキーワードはやっぱり『机1つ分の距離』かな?手を伸ばしたら届くのに、絶対触れられない遠い距離。この距離に嵯峨君も、そして朝比奈先生もこれからどんどん悩まされるのかなぁ…。
ちなみに嵯峨君、ここから白衣姿です。精神科医って白衣を着るものなのかどうか、よくは知らないけど、やっぱりこれはファンサービスかしら?!(^o^)
[東都大学付属病院 渡り廊下]
病院の渡り廊下を進む嵯峨と朝比奈
朝比奈「お帰りなさい、って言っていいのかしら?」
朝比奈は1年前の事件を思いやって、嵯峨にこう声を掛けた。そして:
朝比奈「でも、蒼井さんのこと・・・」
嵯峨 「気持ちの整理はついている」
そして嵯峨は朝比奈から、嵯峨のいない二晩、達矢に幻視の症状があらわれたことを聞かされる。
嵯峨君、完全に強がってるよねぇ。由夏ちゃんとのこと、整理が付いているわけ無いじゃないね。それに、1年前の事件から本当に立ち直っているのかどうかも心配。今後、どう描かれていくのか、気になります。
[東都大学付属病院 達矢の病室]
達矢の病室に入ってくる嵯峨と朝比奈。朝比奈は達矢にこれから嵯峨が達矢の担当医になることを伝える。
嵯峨 「オッス!」
ずっとお化けネズミの幻視に怯えていた達矢は嵯峨の顔を見て、笑顔を取り戻す。
達矢 「お兄ちゃん、いつからお医者さんになったの?」
朝比奈「嵯峨先生はね、ある時は魔法使い、ある時はお医者さん、
何でもできちゃうスーパーマンなの」
そして、病室に『お化けネズミ』が現れたことを話す達矢に、嵯峨は別の対策を思いついた、と言って安心させるのだった。
「オッス!」とか言っちゃって、こういう台詞って、普段の吾郎君では絶対に聞けない言葉のような気がする。嵯峨先生、達矢君の前ではまた違ったキャラクターを見せてくれるから好きだわ。
[東都大学付属病院]
朝比奈は、病院にやってきたところの由夏を見つけ、声を掛ける。そしてその由夏の背後に、北海道の美術館で由夏と出会った女性(矢田亜希子)が現れるが、由夏はそれに気づかず、嵯峨の診察室に向かう。
来た来た来た〜
[東都大学付属病院 嵯峨の部屋]
嵯峨と由夏、そして看護婦の3人だけの部屋。嵯峨と由夏は、診察の机を隔てて向き合う。
嵯峨 「おはようございます」
あくまでも医師としはて話をする嵯峨に、看護婦が少し席を外したのをきっかけに、嵯峨に自分の感情をぶつける由夏ちゃん:
由夏 「・・・。やっぱり私には無理よ!」
嵯峨 「そんなことない」
由夏 「無理よ!!」
そこに看護婦が戻ってくる。
嵯峨 「落ち着くまで少し時間を置きましょうか?」
「日を改めても良いんですよ」
大丈夫だと言う由夏に、改めて診察を開始しようとしたときに、外山と牟田の両刑事が診察室に乱入してくる。催眠術で由夏の記憶を取り戻し、事件を解決して下さい、と由夏の前で話す外山に対し、嵯峨は思わず外山の胸ぐらにつかみかかる;
嵯峨 「ふざけるな!二度と彼女に近づくな!出てけ!!」
その場の雰囲気にたまりかねて部屋を飛び出す由夏。
最初は冷静に医者と患者の関係を持とうとする嵯峨先生。ここは非常に微妙な演技ですよね。とにかく平静を装う嵯峨先生なのに、刑事さんが乱入してきた段階で、一気に爆発しちゃいました。由夏以上に嵯峨先生、感情が揺れ動いてるよ〜。
[東都大学付属病院 渡り廊下]
部屋を飛び出した由夏を追いかけてくる嵯峨。また明日来るといって帰ろうとする由夏を嵯峨が引き留める:
嵯峨 「蒼井さん」
由夏 「!」
その呼びかけに、寂しさを感じてしまう由夏。
嵯峨 「頼みがあるんだけど。時々、達矢君の相手をしてくれないかな?」
と、嵯峨は保母である由夏に頼むのだった。
一応、ちゃんと由夏ちゃんに対しても細かい心遣いができるのね(^^;)。でも『蒼井』さんなんだよねぇ。寂しい。(とはいえ、これまで名前を呼び合ってるシーンが無いのですけど、この二人…(^^;))。
[東都大学付属病院 朝比奈の診察室]
朝比奈のカウンセリングにやってくる涼平。涼平は、機能の電話−『先生も共犯者にしてやる』という言葉−の意味を知りたければ、朝比奈の家で教えるので住所を教えるよう朝比奈に迫る。一方で、朝比奈は涼平の担当が狩野に代わったことをなかなか言い出ない。そこに唐突に狩野がやってきて、涼平にそのことを告げ、それを聞いた涼平は:
涼平 「まじで先生も共犯者にしてやる…」
と逆上して部屋を出ていく。朝比奈は狩野の態度にいらだちを感じながら、その後を追う。
狩野先生、朝比奈に気があるという設定のハズなのに、なんでそんなに朝比奈を追いつめていくんだろう?謎だわ…。
[東都大学付属病院 廊下]
担当医が代わったことを、涼平に説明しようとする朝比奈だが、涼平はそれを聞こうとしない。
[東都大学付属病院 庭先]
病院を出ようとする由夏を涼平が呼び止める。朝比奈の住所を聞き出すためだ:
由夏 「朝比奈先生のこと、好きなの?」
涼平の姿を見て、由夏は自宅に行けば朝比奈の住所が分かると涼平に話す。
話が万事、悪い方向に進んでいくんだなぁ、これが。朝比奈先生も由夏ちゃんも大ピンチ!
[東都大学付属病院 オープンテラス]
タバコを吸っている朝比奈。そこに倉沢がやってくる。竹下みきの診察状況を尋ねる倉沢は、朝比奈に:
倉沢 「催眠療法をもし採用するんだったら、嵯峨先生に一度、相談するのも
僕は1つの手だと思いますがね」
朝比奈「私じゃ信頼できないということですか?」
そんな娘の苛立ちを見て、倉沢は父親として悩みがあるなら相談して欲しいという言うが、朝比奈はそれを拒んで立ち去る。
一体、この親子の間に何があったんでしょうねぇ。倉沢さん、そんなに酷いことをするおじさんには見えないんだけど…。
[東都大学付属病院 医局]
朝比奈は竹下みきの家に電話をするが、母親に電話を掛けてこないように告げられる。
[東都大学付属病院 達矢の病室]
夕方、嵯峨は達矢に催眠療法を施している。
嵯峨 『君は今、広い牧場にきています。
その牧場にいるととてもリラックスしてどんどん気持ちが良くなってきます。
そのままでお化けネズミが出てくるちょっと前のことを想像してごらん。
でも、お化けネズミは絶対に出てこないよ。今、気分はどうかな?』
達矢 「胸がドキドキする。息も苦しい」
嵯峨 『でも、お化けネズミは絶対に出てこないよ。
そのままで、気持ちを右手の小指に向けてごらん。
右の小指に気持ちを向けると、小指がピクピクと動き出します。
もっと気持ちを小指に向けると、小指がもっと動き出します。
気持ちを小指に向けるんだ。もっともっともっと気持ちを小指に向けるんだ。
小指がぴくぴく動き出すと、いつの間にか胸のどきどきも出てこないよ。
じゃぁ、これから10から1まで反対に数えると、君は目覚めます。
でも今覚えた小指の感覚は、君の中で消えずに残っています。数えるよ。
10,9,8,7,6、ほら、だんだん目覚めてきた。
5,4,3、もっともっと目覚めてきた。2,1』
「(目覚めた達矢に) 気分はどう?」
達矢 「すごく気持ちがいい」
嵯峨 「右手の小指の事もちゃんと覚えているな」
「でも、最後に必要なのはどんなことにも逃げない君の勇気だ!」
そこに由夏が病室やってくる。
嵯峨 「達矢君、美人のお姉さん、来たぞ〜」
達矢と接することで明るさを取り戻す由夏。
吾郎君の精神科医、はまってるよねぇ…。吾郎君が『普通のお兄ちゃん』を演じている方がきっと不自然さを感じるかもしれない、私(^^;)。あっ、でも、達矢と接しているときは、白衣は着ていても『普通のお兄ちゃん』に近いか。
[朝比奈のマンション]
夜。朝比奈の部屋の前で、朝比奈が帰ってくるのを待ち続けている涼平。部屋のドアに何度も頭をたたきつけ、血を流している。
涼平 「何で帰ってこないんだ!」
嵯峨&達矢のシーンから、一転、またまた恐いシーンです。朝比奈先生、涼平君を救えるのかしら?
[東都大学付属病院 医局]
夜、救急治療センターでの外科手術を終えて、医局に戻ってくる朝比奈。時計は11:00を指している。朝比奈は気になっているみきの自宅に電話を入れるが、電話に出たみきの母親に間髪入れずに電話を切られてしまう。
[東都大学付属病院 達矢の部屋]
夜中。お化けネズミが近づいてくる恐怖に怯える達矢は、嵯峨に言われたとおり、小指に気持ちを集中させ、必至に胸のドキドキを押さえようとする。
達矢 「勇気、勇気、勇気・・・」
[東都大学付属病院 玄関]
朝。紙袋を手に、病院にやってくる由夏。
[東都大学付属病院 ナースセンター]
看護婦の朝礼風景。新人が紹介される:
一希 「桜庭一希です。みなさんよろしくお願いします」
ここでは可愛い顔をしてるんだよなぁ。可愛い顔して、どんどん由夏ちゃんを陥れていく、そんなキャラなのかしら?まだまだ謎が多いキャラですね。
[東都大学付属病院 医局]
結局、夜通し病院にいた朝比奈。その朝比奈に気づかず、看護婦達が隣で立ち話をしている。どうやら嵯峨のことを話しているらしい:
看護婦A「嵯峨先生が催眠暗示を与えただけなんでしょう?」
看護婦B「それもたったの一回だって」
看護婦A「それだけで達矢君の幻視が無くなっちゃうなんて、凄いですね」
看護婦B「シンドロームシフトって言うのよ。さすが嵯峨先生って感じよねぇ」
その会話を漏れ聞いた朝比奈は、内心面白くない。
[東都大学付属病院 達矢の病室]
達矢と嵯峨のいる病室に由夏が手作りの弁当を持ってやってくる。達矢は、お化けネズミの幻影にうち勝った喜びを由夏にも伝える。
病室の様子を外から覗き見している朝比奈は、静かにそのままその場を立ち去る。
達矢に弁当を渡した由夏は、ついでに嵯峨にも弁当を差し出す:
嵯峨 「悪いけど、受け取れない。
それと、面会時間はちゃんと守って欲しい。じゃぁ、後で…」
その嵯峨の言葉に、傷つく由夏。
嵯峨先生、達矢に接する態度と、由夏に接する態度が対照的・・・。
[東都大学付属病院 庭先]
一人、嵯峨に渡せなかった弁当を食べている由夏ちゃん。
[東都大学付属病院 嵯峨の診察室]
診察時間になっても由夏は現れなかった…。時間になっても現れない由夏が気になり、嵯峨は診察室を出ていく。
[竹下みきの家]
朝比奈は、みきの実家にまで押しかけ、直に母親の説得に当たろうとするが上手くいかずに、結局、引き上げる。その様子を陰から見ているみき。
[東都大学付属病院 達矢の病室]
由夏が達矢の病室に入ってくると、嵯峨からのメモを渡される。
達矢 「おにいちゃんからのラブレターだよ」
そのメモ書きには:
『蒼井様 1時までなら診察ができます。待ってます 嵯峨』
とのメッセージが書かれてあった。達矢に嵯峨の診察をサボったと話す由夏だが:
達矢 「嵯峨先生の診察、ちゃんと受けてよ。
だって、お姉ちゃんが僕のこと忘れちゃったら嫌だもん…」
嵯峨君、達矢君を利用するなんて、頭いい!(笑)。それにしても、達矢君、いいわ。達矢君、今どきのませてる子供というわけではなくて、『魔法』を信じるような可愛い部分もあって、実は今回一番癒しキャラかもしれないですね。
[東都大学付属病院 嵯峨の診察室]
昼。1時15分前。ようやく診察室に訪れた由夏を、嵯峨は穏やかな視線で迎え入れる。
由夏 「今からでも、いいですか?」
嵯峨 「どうぞ」
嵯峨は姿を現した由夏に安堵して治療を行う。
嵯峨 「まずあなたの記憶障害について聞かせて下さい」
由夏は順番に症状について話を始める。−記憶障害は10才から始まり、クリスマス以前の記憶が全く無い。そして去年の10月頃から記憶が途切れるようになり、この夏になって丸一晩記憶がないという状況になった。そして、由夏は、達矢のような施設で育ち、短大に入るときに施設を出たのだと話す;
嵯峨 「ご家族は?」
由夏 「!」
嵯峨 「?」
由夏 「(しばしの沈黙)母は死んだと聞いています。父のことはわかりません」
そう言いながら涙を流す由夏。顔も覚えていないのに、両親のことを考えただけで涙が出てくるのだという。そして嵯峨の診察を終え、病室を後にする由夏。
診察室に一人残った嵯峨は由夏の病状について考え込んでいる;
嵯峨 『10才以前の記憶が全く無い。幼い頃の虐待?
それにしても、完全に記憶が無くなるものか?救えるのか彼女を?』
「冬眠した記憶・・・」
まだまだ解き明かされない謎が多いっす・・・
[東都大学付属病院 廊下]
嵯峨の診察を受けて帰る由夏の前に、一人の看護婦が声をかけた…!
由夏 「!」
一希 「あなたに思い出をいっぱい作ってあげる。嫌な思い出をね」
[東都大学付属病院 医局]
夜勤明けにもかかわらず、未だ家に帰らずに、病院にいる朝比奈。頭を悩ましているときに、タイミング悪く嵯峨先生が入ってくる。何か不安定そうな朝比奈を見て、
嵯峨 「何だったら、私がカウンセリングをしましょうか?」
タバコの灰を落としながら、黙って嵯峨の言葉を聞いている朝比奈。
嵯峨 「精神科医が悩んでいたら患者の話を聞くどころじゃないだろ」
その嵯峨の言葉に、感情的に言葉を発してしまう朝比奈:
朝比奈「勝手に出て言って、勝手に戻ってきて、もう我が者顔ですか?
朝から病室でデートなんかしてて、まともに患者さんの診察なんかできるんですか?
優秀な嵯峨先生だから、できるんでしょうね」
嵯峨 「ちょっと待てよ、どうしたんだよ!」
朝比奈「医者だったら、けじめつけなさいよ!」
と、言い残して朝比奈は部屋を出て行った。
嵯峨君が話しかけた言葉って、今の朝比奈にとっては、一番痛い言葉なんだよねぇ。で、逆に朝比奈が言ってしまった言葉が、嵯峨君にとっては一番辛い言葉なわけで、少しずつ傷つけ合ってるのが、見ていて痛々しい。
[朝比奈のマンション]
夕方、自宅に帰ってくると、部屋の前で涼平が待っていた。部屋に逃げ込んだ朝比奈に:
涼平 「先生も共犯者にしてやるからな」
「催眠で人を殺す方法を思いついたんだ」
「先生に手出す男みんなぶっ殺してやるからな!」
涼平の叫び声から逃げるため、耳をふさいでうずくまる朝比奈。
だから、涼平君、恐いって・・・
[由夏のマンション]
一人、夕食の準備をする由夏。
[街中]
夜。家路に向かう嵯峨君。頭の中では朝比奈の『医者だったらけじめつけなさいよ』という言葉が繰り返し想い出される:
[由夏のマンション]
携帯に貼った嵯峨とのプリクラ写真を眺める由夏。一瞬、それを剥がそうとするが、思いとどまる。そこにドアをノックする音が…。嵯峨がやってきたのかと期待して部屋の扉をあける由夏だったが、扉の向こうにいたのは涼平だった。強引に由夏の携帯から朝比奈に電話を掛ける涼平だったが、涼平が出た途端、朝比奈は電話を切ってしまう。それに逆上した涼平は、由夏を襲い始める。
由夏ちゃん、涼平君に良かれと思って朝比奈の住所を教えたのに、逆に大ピンチ!!
[春日時計店前]
嵯峨が帰宅すると、外で外山と牟田が待ちかまえている。
外山 「どうも」
二人の刑事を避けるようにして部屋に戻っていく嵯峨。
[嵯峨の部屋]
部屋に引きこもる嵯峨だが、刑事が後を追いかけてくる。そして、牟田から新たな事実を聞かされる:
牟田 「害者全員に、ムラサキの蝶の標本が送られてきていたんです」
嵯峨 「!? 今、被害者全員に、何が送られてきた、つった?!」
それまで無視を決め込んでいた嵯峨だったが、『ムラサキの蝶』の言葉に反応を示す。
そんなに刑事さんを避けたいなら、嵯峨君、ちゃんと部屋の鍵、閉めなよ…(^^;)。
[由夏のマンション]
ムラサキの蝶の標本が飛ぶ。逆上する涼平から逃げる由夏は手当たり次第に者を投げつける。
[嵯峨の部屋]
嵯峨 「彼女にも同じ物が送られてきたんだ。彼女も狙われてるんじゃないのか?」
その嵯峨の言葉に対し、外山は犯人だから持っていて当然との見解を示す。
外山 「これはまた、誰か死ぬな。次は本当に先生かもしれませんよ」
刑事さんから重要な情報を告げられた嵯峨先生。本当は聞かなきゃ良かった情報なんだろうけど、聞いてしまったがために、またまた嵯峨先生、冷静さを失っていきます。
[由夏のマンション]
襲う涼平から逃げる由夏だが、急に泣き出した涼平を見て、守るように抱き締める由夏。
そして、部屋を照らすロウソクの灯りだけの映像の中、由夏の携帯電話の音が鳴る。
涼平 「電話」
由夏 「いいの」
涼平 「朝比奈先生かも?」
由夏 「忘れなさい」
この辺から由夏ちゃん、なんか恐い。映画版と同じく多重人格という設定ならちょっと安直かなぁという気がするのだけど、これが普通の状態の由夏なのか、"記憶を忘れている"ときの由夏なのか、まだまだ謎が深まっていくぅ。
[春日時計店]
由夏の携帯の発信者は嵯峨だった。先程の外山らの言葉が気になり、耕造に店の電話を借りて、由夏と連絡を取ろうとしていたのだった。
サチ 「それにしても嵯峨さんがお医者さんだったなんてねぇ」
そんなサチらの言葉も耳に入らず、嵯峨は由夏のことで頭が一杯になっている:
嵯峨 「すぐに返します」
と、手にお金を握りしめ、店を飛び出す。
やっぱり心配なんだよねぇ、由夏ちゃんのこと…。
[由夏のマンション前の道路]
急ぎマンションの前までタクシーで乗り付ける嵯峨は、丁度、涼平が由夏の部屋から出てくるところを目撃する。
嵯峨 「?!」
由夏に何かあったかと心配になり、慌ててタクシーを降り、由夏の部屋に向かって走りはじめる嵯峨。その時、涼平の後を由夏が追いかけ由夏が部屋から出て、涼平を見送っている様子を見てしまう。咄嗟に身を隠す嵯峨。由夏はそのまま夜の街に飛び出していく…
最後の由夏ちゃん、かなり恐いっす。由香ちゃんとはまた違った恐さがあるなぁ("妖艶"って感じ)。やっぱり、由夏ちゃん、何か事件に絡んでるよぉ。これで事件に何も関係ないなんて言ったら、みんなこけるよ、ホント…(^^;)。そろそろホラー色、出てくるような、そんな予感を匂わせる最後のシーンでした。
[[次回予告]]
嵯峨 「蒼井さんの部屋には、何しに行ったんだ?」
いよいよドラマが動き出したという雰囲気の第3話。まだ一希の動きがよく分からないので、どう動くか予想できないんですけど、1話,2話と色々と張っていた伏線が話が少しずつ1つに絡み合っていっている感じです。涼平との話は、嵯峨&由夏とのカップルとは別進行する話かなぁ、とも思ったのだけど、絡んできましたねぇ。
今回は由夏ちゃん、恐〜い。おまけに一希も涼平も恐〜い。狩野先生も恐〜い。
それに嵯峨先生の回りは敵だらけ。意外と見方が少ないんだわ、これが。朝比奈先生にまで反感かっちゃって、本当に収拾つくのかこのドラマ?!(^^;)。
今回は何と言っても白衣姿の吾郎君ですわ (*^^*)。今迄、白衣姿は何度も見てきておりますが、今回はかなり貫禄が出てきてません?非常にいい感じですよね!(^^;)。
前のページに
ホームに戻る
|