催眠 hypnosis

吾郎君中心レポ


〜 CASE1 ムラサキの蝶−白昼に舞う連続死の謎! 〜


[催眠治療中の頭の中のイメージの世界]

女性(瀬戸朝香)が眠りについている。頭の中で別の女性(羽田美智子)の声が響く・・・。

  朝比奈『まず最初に階段をイメージしましょう。
      あなたは今、その階段に立って下を見下ろしています。
      その階段がまっすぐなのか、曲がっているのか、
      木でできているのか、石でできているのか、
      古いのか、新しいのか、
      そういうことに注目しましょう。
      注目できたら、あなたがイメージした階段を
      一段一段降りていきましょう・・・』

しかし、その声に反して女性は目の前に現れた『ムラサキの蝶』に気を取られ、追いかけていってしまう。
男性のささやき声が重なる;

  嵯峨 『(三岸好太郎の詩)・・・再び飛び立つことは自由だ』

嵯峨先生のスイートヴォイスでございますぅ(*^^*)


タイトル −催眠− Case1

[交差点]

朝の出勤風景。交差点を渡る朝比奈(羽田美智子)とすれ違った男性の目に、青信号の点滅と『ムラサキの蝶』のシルエットと重なる。そして・・・突然、口から泡を吹いて倒れる男性。その男性の首筋には蝶のアザが…

いきなり冒頭から殺人事件発生という、サスペンスとしてはノーマルな入り方をしておりましたが、オーソドックスな作りをしているというのは安心して見れます。でも、口から泡を吹いて倒れるとは…かなりあぶない映像ですねぇ。

[東都大学付属病院]

日向涼平(石川伸一郎)が病院の中で暴れている。朝比奈の患者らしい。朝比奈が診察時間になっても表れないことに対しての暴動である。そこに朝比奈が到着し、暴動は収まる。

いきなりの話の転換に、一体何が起きたの?!という気もしないではないですが、ドラマの異様さを感じさせるには十分な内容です。

[ホテルの一室]

朝、目覚める男女。男性はエアコンのリモコンに手を伸ばし、スイッチを入れる。服を着替えて出掛けようとする女性に、布団の中から紙幣を差し出す男性。

  女  「分かってたんでしょ、できないって…。何で私なんか呼んだの?」

そして、大学病院の精神科に診てもらったら?とアドバイスを残して女性が部屋から出ていくと、布団をはねのけ顔を出す男性(=嵯峨)。

主役なのに、主役なのに、主役なのに、こんな登場の仕方で良いのでしょうか!!!(爆)。嵯峨君、いいです。なんかとっても好きだ〜。

[東都大学付属病院〜朝比奈の診療室]

涼平に催眠治療を施す朝比奈。その光景から涼平は3年前の高校入学頃にいじめにあっていた様子がうかがえる…。

[春日時計店]

金魚売り、神社で遊ぶ子供達・・・そういう光景が日常的に見られる下町の時計店。

  耕造 「最初はグー.ジャンケンポン」

春日時計店の主、構造(下川辰平)にジャンケンで勝った嵯峨は、家賃の支払いを一週間延期させてもらう。丁度、そこに耕造の孫のサチ(江川有未)が帰ってくる。サチにじゃんけんの勝ち方を伝授する嵯峨。サチが晩御飯を食べにくるように誘っても、嵯峨は笑って応じようとはせず、時計店の2階に間借りしている一室に帰っていく。

  サチ 「嵯峨さんって、笑っている時でもいつも目だけは笑ってないのよねぇ」

嵯峨君の今の暮らしぶりと、一方で原作にもある嵯峨の相手の心理を読む優れた力の双方を一気に説明してしまっている場面ですね。原作ファンでもニヤリとできるし、吾郎ファンは"おちぶれた生活をしちゃって…"と涙することもできるという、なかなか楽しませてくれる場面です(^^;)。

[東都大学付属病院]

涼平の朝比奈に対するストーカー的な行動を心配する同僚の狩辺(宇梶剛士)だが、それを軽く流して自らの診察室に入る朝比奈。中では竹下みき(大平奈津美)とその母親が待っていた。5月から小学校に行かなくなったみきの治療を朝比奈が担当することになる。

[東京ドーム近辺〜占いの店の並ぶ一角]

夕方。一人の少年(秋山拓也)が大声で叫びながら、何かから逃げるように走っている;

  少年 「来るなー!来るなー!来るなー!」

その様子を遠目に見ながら、占いの店を開ける準備をする嵯峨。『占い』の看板にローソクで明かりを灯す。

う〜ん、めっちゃ怪しい店だ。商売をする気があるのか無いのか…(苦笑)。

[東京ドーム近辺〜占いの店の並ぶ一角]

夜。隣接の催眠占いの店には長蛇の列ができている。一方の嵯峨の店は、客足もゼロで、暇そうに本を読んでいる始末(苦笑)。そこに・・・

  女性 「座ってもいいですか?」

客としてやってきた女性の問いかけに対し顔を上げると、嵯峨はなぜか一人の少女の姿をイメージする。我に返ると20過ぎの女性が目の前に立っている;

  女性 「何読んでるんですか?」
  嵯峨 「動物占い。占い師が読んでいたらおかしいか。
      でも俺の占いより、よっぽど当たるんだよねぇ…」

と客を前にどーでもいい話をはじめる嵯峨(^^;)。

  女性 「占って下さい」
     「私の夢が叶うかだけ占ってくれればいいんです」

女性の依頼に、投げやりに「夢叶えたいなら、努力すればいいじゃないですか」とだけコメントする嵯峨だったが、女性はその答えに大いに満足し、嵯峨の頬にキスをして帰っていった…

  嵯峨 「あっ、お金」(^^;)

由夏と嵯峨先生の出会いのシーン。なかなかオチャメな嵯峨先生ですねぇ。占い師のクセして、全く真面目に仕事をしていないという、そりゃ、客は全然来ないよ。
でも、色々と意味深なシーンです。嵯峨のイメージした(夢の中に出てくる)少女と由夏は何か関係があるはずで、一方の由夏も何か思いがあったから嵯峨のお店を訪れたわけで、これがラブストーリーに変化していくのか、映画と同じくホラーになっていく前触れなのか、気になるぅ。

[東都大学付属病院 倉沢の部屋]

翌日。東都大学付属病院の教授倉沢(藤竜也)の下に刑事の外山(塩見三省)と牟田(DAIYU)が尋ねてくる。疾走中の嵯峨の消息を知るためだった。嵯峨は有能な精神科医だったが1年前の連続殺人事件が原因で、療養中、去年の大晦日に八ヶ岳の病院から姿を消していた。しかし、倉沢も嵯峨の消息は知らなかった。

倉沢さん、蝶ネクタイをしたりして、とぼけたおじさん風でなかなかいい感じ。最初はもっと厳格なキャラをイメージしていたのですが、全く逆で、いい意味で裏切られました。一方の外山は原作の通り、頭の固そうな、自分の理解を越えた"催眠術"などというものは受け付けないといったキャラが上手く出来上がっています。ソムリエの菜穂ちゃんのパパをやっていた人と同じ人とは思えない…(笑)。

[街中の陸橋]

白昼。営業マン風の男性が携帯で話ながら女子高生の集団とすれ違う。女子高生の制服の胸元で揺れる紫の蝶結びのリボンを見て、突然口から泡を吹いて倒れる男性。首筋には紫のアザが…

[東京ドーム近辺〜占いの店の並ぶ一角]

夜。翌日も嵯峨は同じように店を開けるが今夜も客はゼロ。そこに昨日の女性がやってくる;

  女性 「座ってもいいですか?」

その女性は確かに昨日、嵯峨の店に客として訪れた女性だったが、女性の方ははじめてだという。からかわれているのかと思いながら嵯峨は、相手の相談を話す前に;

  嵯峨 「あなたは今、どうしても叶えたい夢がありますね」

と占いの真似事をしはじめる。そして、女性のお腹が鳴ったのを聞いて;

  嵯峨 「あなたは今、死ぬほどおなかがすいている…」
  女性 「(笑)」


そしていつの間にか、占いのテーブルを挟んで食事をしはじめる二人。「今朝、夢が1つ叶った」と相手の女性が先程話していたのを思い出し、内容を聞こうとする嵯峨。

  女性 「覚えてないの。時々、ついさっき会った人まで忘れちゃうことがあるの」
     「でも、本当に嫌なことだけ記憶の中から全部消しちゃいたい、
      って思うことがあるわ…」

その言葉にじっと自分の手を−手の中に残った過去の記憶−を見つめる嵯峨に;

  女性 「あなたの目って素敵」

と告げる。そして、その女性はいきなり嵯峨の写真を取り始める;

  女性 「ナンパした男の写真,コレクションしてるの。趣味悪い?」

2回目の出会いで、二人がお互いに心に傷を負っている様子が描かれていきます。由夏の方は過去の記憶が時々欠落するために、未来に不安を持っている。嵯峨は過去の記憶で思い悩んでいる…。似ているようで、対照的な二人かもしれません。

[夜の公園]

そのまま二人は人気のない公園に場所を移し、嵯峨はビールを飲みながら、女性の方はブランコに立って乗りながら話を続けている。

  女性 「ねぇ、どういう風にHするのが好き?私はね結構ロウソクが好き」
  嵯峨 「?!」
  女性 「今変な想像していたでしょう。ロウソクって照明に使うのよ」
  嵯峨 「・・・。酔いが回るから(ブランコを揺らすのを)やめろって」

バランスを崩してブランコから落ちる女性。嵯峨はそれを支えるような格好になる。

  嵯峨 「何でそんなにはしゃぐんだよ。無理しなくていいから…」

そんな二人の様子を遠くから見ている外山ら。

見ていて辛い場面です。なのに「ロウソク」という言葉で江角さんとのトーク(恋愛の科学SP)を思い出してしまった私(笑)。す、すみません・・・

(で、後日、TBSの公式HPを見ると、このシーン、脚本家さんが吾郎君の出ていたトーク番組を参考に書いたものなんだそうな。ということは、やっぱり恋愛の科学で合ってたみたいです(笑))

[女性のマンション]

女性の家の前までやってきた嵯峨。

  嵯峨 「やっぱ、帰るわ・・・ごめんな。」

見ず知らずの二人がいきなりここまで接近するとは…(苦笑)。結局、嵯峨君って女好きなんだ〜 (゚゚;)バキッ☆\(--;)

[夢の中−嵯峨の部屋]

時計の針が時を刻む。赤ん坊から少女へと成長する女の子の姿が目の前に現れる・・・

時計の音で夢から覚める嵯峨。部屋に刑事の外山,牟田が訪ねてくる。4日前,一昨日,昨日と続いて死因不明の殺人事件が発生しており、その捜査協力を依頼してきたのだ。被害者が共通して「ムラサキの蝶」とつぶやいて死んでいることから後催眠暗示による殺人事件と警察は見ていたのだった。だが、嵯峨は頑なに協力を拒否し、刑事を追い返す。

悪夢に苦しむ嵯峨君もいい感じだし、その後の外山さんとのやりとりも見ごたえありました。画面全体が緊迫感がある分、目が話せないんだよねぇ…。

[東都大学付属病院 倉沢の部屋]

朝比奈が呼び出されて倉沢の部屋にやってくる。娘ではなく部下として朝比奈を呼び出し、本来、子供担当の朝比奈が現在担当している20代の女性の治療効果を尋ねる倉沢;

  倉沢 「朝比奈先生、あなたは催眠療法に頼り過ぎてませんか?」
     「担当を代わって下さい。あなたよりもっと相応しい担当者がいます」
  朝比奈「誰ですか?」
  倉沢 「嵯峨先生です」

行方不明だった嵯峨の所在について、警察から倉沢の元に連絡が入ったという。

[定食屋]

昼食を取る外山と牟田。1年前の事件のことを全く知らなかった外山に牟田は、犯人が催眠暗示で人を自殺に追い込み殺したこと、そして嵯峨が今回の事件に協力しないのは、犯人に利用されていた多重人格の女性を救えなかったショックからだと説明する。

ここで唯一映画の映像が使われています。映画で自殺したみなさま、特別出演、ご苦労様です(^^;)

[嵯峨の部屋]

未だに1年前の悪夢に思い悩む嵯峨。右手の中に残る記憶−ビルの屋上で右手で支えていた女性の手がすり抜けて、そのまま女性が落下していった記憶−に苦しむ。そこに朝比奈が嵯峨の部屋を尋ねてくる。

いや〜ん。もう、こんなサービスショット、いいんでしょうか?過去の記憶に悩む嵯峨っていいです!ところで由香を助けれなかった場面は映画とは違いましたねぇ。それに場面も警察ではなく、普通のビルの屋上だったので、設定がドラマでは変更になってるのでしょうか?この過去について、詳細に語られることがあるのかなぁ。

[近所の神社]

子供達が遊神社の境内を嵯峨と朝比奈がラムネのビンを手にして歩いている。

  朝比奈「戻る気、無いの?」

朝比奈は嵯峨に病院に戻るように説得しにきたのだった;

  朝比奈「このままずっとここで冬眠みたいな生活を続けるつもり?」

嵯峨は催眠ももうやらないと答えるが、占い師をやっていること自体、引きずっていると朝比奈に指摘される。朝比奈はさらに、嵯峨は命懸けで頑張ったこと、女性が死んだのは誰のせいでもないと言って説得しようとするが:

  嵯峨 「だったら誰のせいなんだ。彼女を助けられなかったのは誰のせいなんだ」

と嵯峨は朝比奈の言葉を受け入れようとはしなかった。

嵯峨は1年たってもうじうじしている男で、さすが稲垣キャラです(^^:)。このシーンもとても奇麗にできていて、ラムネのビー玉の音が響いたり、幻想的な雰囲気が漂ってます。

[東京ドーム近辺〜占いの店の並ぶ一角]

夕方、占いの店を出す嵯峨。学校帰りに集まってきた女子高生に;

  女子高生「ねぇ、おじさん。おじさんとこって、何占い?」
  嵯峨  「さぁ、何占いなんでしょうねぇ」

と力無く答える。

「おじさん」・・・なのね(苦笑)。

[女性のマンション]

店を抜け、マンションの玄関口で座っている嵯峨。先日の占いの店にやってきた女性が帰ってくる。少し気まずそうな表情の嵯峨に;

  女性 「よっ」

と、女性の方から声を掛ける。そのまま女性の部屋に上がり込む嵯峨;

  嵯峨 「何やってんだ、俺…」
  女性 「どうしたの?」
  嵯峨 「帰るわ…。やっぱさ、ムシが良すぎるわ、こんなの」
  女性 「帰らないで、お願い。私がいて欲しいの…」


夜。ロウソクの明かり、そして蝶の標本が並ぶ部屋で、ベッドに横になる二人;

  女性 「眠れないの?」
  嵯峨 「まだ興奮してる・・・」(^^;)

蝶の標本を見ながら、夢の中にムラサキの蝶を追いかける夢をよく見ると話す女性。一方のその言葉に嵯峨は自分の夢を思い出す。そして、部屋の鏡の周りに貼ってある自分の写真を見つける嵯峨;

  嵯峨 「何で貼ってあるの?」
  女性 「だから、ナンパした男の写真、コレクションしてるって言ったでしょ」

そして、女性は時々ふと思い出すという三岸好太郎の詩を語り始める。窓から飛んで来た蝶が白い壁にとまり冬眠を始める、そのまま冬眠を続けるか、飛び出すかはそれは自由である・・・という詩(これってそのまま転載するとまずいですよねぇ…やっぱり)。

  女性 「私も早く自由に飛び出したい」
  嵯峨 「俺は冬眠したままでいい」

この場面って、ホラードラマという前提がなければ単純に恋愛ムードを感じるんでしょうけど、どうしても『標本の蝶』とか『コレクションされてる嵯峨君の写真』とか『三岸好太郎の詩』とか、謎が盛りだくさんのシーンなんだろうなぁ、と考えちゃいますね。映画の方でも、嵯峨君が由香と関係持っちゃったことからダークな世界に入り込んじゃった分、今回もこの場面は非常に気になります。

[パチンコ屋→神社]

相変わらず厭世的に暮らしをする嵯峨。三岸好太郎の詩が頭の中をリフレインしている。

[東都大学付属病院]

竹下みきの父親がみきの通院を断りに朝比奈の所にやって来た。催眠術という怪しいものを娘にかけて欲しくないというのだ。憤りを感じる朝比奈に倉沢は自分の部屋に朝比奈を連れて行き、みきの父親の誤解をゆっくりと解いていけばいいと諭す。気が治まらない朝比奈は;

  朝比奈「子供は親を選ぶことはできませんから」

と言って部屋を出て行く。

[東京ドーム近辺〜占いの店の並ぶ一角]

夕方。今日も店だけは真面目に出している嵯峨。今日も女性がやってくる。

  嵯峨 「よう!」

買い食いをして歩きながら、嵯峨は女性の部屋にあった蝶の標本と同じ絵を札幌の美術館で見たのを思い出したと話す。そこに;

  少年 「来るな〜」

と先日と同じ少年が、何かから脅えながら逃げている。そのまま車道に飛び出し、車にはねられてしまう。嵯峨は係わるまいとするが、相手の女性の方はたまらず苦しむ少年を抱きかかえる。見ぬふりをしてその場を立ち去る嵯峨だったが・・・

  嵯峨 「だめだ、動かすな」

と少年の診察をし始める。頭の中で三岸好太郎の詩が頭の中を駆け抜ける:

    『…再び飛び出すことは自由だ』

結局見過ごすことができなかった嵯峨は、足の傷に苦しむ少年に、催眠によりぺインコントロールを始める。見る見る少年の苦痛の表情が和らぐ。少年が落ち着いたのを見て立ち去ろうとする嵯峨だったが、少年が嵯峨のズボンをつかみ、引き留める。

いいシーンです。嵯峨の催眠を施す最初の場面。本物の催眠がどんなものかは知らないけど、やっぱり堂に入っているのではないでしょうか?おまけに嵯峨先生の声がいいんだ、声が!

[東都大学付属病院]

救急車で病院に少年が運ばれる。一緒に付き添ってきた二人だが、外山の姿を見つけ、外で待っていると言って女性は姿を消す。嵯峨は朝比奈に少年の処置を依頼する。

ここはなかなか格好いいバージョンの嵯峨先生です。映画では医者じゃないので血を見るのはダメというカウンセラーだったのに、ここでもドラマオリジナルの設定変更が入ってますね。

[病院の外]

夜になり、女性を探しに病院の建屋から出て来た嵯峨だが、缶コーヒーとメモ書きが置いてあった:『ごめんなさい、先に帰ります   由夏』

  嵯峨 「ユカ・・・?!」

一夜を共にしておきながら、名前も知らなかったのか、嵯峨君は!!!(爆)

[由夏のマンション]

夜、家に帰ると、隣の住人から小包を受け取る由夏。差出人も書かれていない。

[病院の一室]

夜の病室。そのまま少年に付き添っている嵯峨君。嵯峨は少年に事故のとき、何から逃げていたのか尋ねるが、話しても誰も信じないと言って話そうとしない。仕方なく逆に嵯峨は自分の話をし始める:

  嵯峨 「僕にもさ、人に信じてもらえないことがある。だから誰にもまだ話していない」

1年前に大事な人がある事件に巻き込まれて死んでから、毎晩女の子の夢を見るようになった。最初は赤ん坊だったのが、半年で6歳ぐらいに、今では10歳にまで成長している…

  嵯峨 「今、僕が言ったこと、信じられるか?」

それに対し、少年は自分も同じような夢を見るという。顔の無いお化けネズミの夢で、最初は小さかったが今では1mぐらいに成長し、追いかけて来るというのだ。激しく脅えはじめる少年。

嵯峨の抱える悪夢の内容が説明される場面です。少年と嵯峨君、同じような心の傷を持っています。少年を助けようとする嵯峨ですが、逆に嵯峨の方が少年によって助けられていくんでしょうね、きっと。

[由夏のマンション]

一人、部屋で届いた小包の封を開け、中身を見て息をのむ由夏。

[病院の一室]

脅える少年に落ち着かせようと、魔法をかける嵯峨。少年の脅えが消える;

  少年 「お兄ちゃん、魔法を使えるの?」
  嵯峨 「ちょっとだけな」
  少年 「お兄ちゃんの魔法で、お化けネズミをやっつけられる?」
  嵯峨 「やっつけられるさ!」

そんな二人のやり取りを部屋の外で朝比奈は静かに聞いている。

このシーン、いいですね。子供と触れ合うお芝居ってあまりイメージが無かったのだけど、嵯峨君の優しさいっぱいで。これからの少年と触れ合うシーンが楽しみです(^O^)。

[病院の外]

夜が明けて、病院の外の階段に座って缶コーヒーを飲む嵯峨。そこに朝比奈がやってきて少年の経過状況を報告する。そして嵯峨が少年にペンコントロールしたことを指摘し、

  朝比奈「目の前に苦しんでいる人がいたら、絶対に放っておけない。
      だからこそあなたには催眠が必要なんじゃないの?」

過去のことは忘れて、病院に戻るように説得する朝比奈だが;

  嵯峨 「忘れられる訳ないだろう、催眠で記憶を消せって言うのか?
      催眠は万能じゃ無い!精神科医もだ!!」

結局、嵯峨は朝比奈に心開く事なく、立ち去ろうとする。嵯峨に向かって;

  朝比奈「催眠が人を幸せにするって、私に教えたのはあなたよ!」

そこに外山が牟田と共に、なおも嵯峨に捜査の協力を依頼しようと現れる。そして、蒼井由香を殺人事件の容疑者としてマークしていることを告げる。さらに朝比奈によると、由夏は朝比奈の患者でもあり、記憶障害を持っているという。そして外山によると事件の被害者は皆、由夏と付き合っていたことがあるという。名付けて『ムラサキの蝶連続殺人事件』・・・

[由夏のマンション]

開けた小包をじっとみつめている由夏。小包の中身はムラサキの蝶の標本。

[病院の外]

嵯峨と由夏との関係も知っている外山は、嵯峨に警察に同行するように依頼する。嵯峨は黙って外山の後に続いて歩きだす…

うわー、このシーン好きだ〜!!!そういや明智(part2)のときも、私は最後に吾郎君が歩き出すシーンがたまらなく好きだったりしたのですが、今回も同じように私はやられてしまいました。またエンディングの歌がいいのだわ。この吾郎君の表情って、微妙で、深くて、素敵です(*^^*)


[次回予告]

  嵯峨 「彼女の記憶障害について話してくれないか?」


第一話の感想としては、期待していた以上に良かった・・・。

当然、テレビし等々で色々情報を入手しているので、第一話の展開とか、勝手に色々とイメージを膨らませたりしていたのですが、それでも十分に見応えのある第一話だったのでした。あまりに贅沢すぎる内容だったので、逆に2話目以降が心配になるぐらい。2話は嵯峨君と由夏ちゃんの札幌デートだ〜。


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