催眠 hypnosis

まとめられないまとめ (^^;) (00.10.01)


催眠のドラマが終わって早、2週間、みなさま無事、催眠が解けてますでしょうか?(抜け出せてないのはもしかして私だけ?(^^;))。舞台の時もこんな気分になっていたような気もしますが、舞台と違ってドラマはビデオで繰り返し見ることが出来るのが厄介なところ。というわけで、本当は、まとめの感想を書こうと思っていたのですが、こういう心理状態ですので、そういう野望はさっさと諦めて(ちゃんとした感想は、それなりのサイトにいっぱいアップされてますからねぇ…と開き直る)、思いつくまま、気の向くままに、順番に、つらつらとここでは書かせていただきます(1週間かけて書いているうちに、どんどん増えていってしまった…(反省))。

なお、以下、ドラマの「催眠」を本心から良かったよぉ〜と思った人間が書いた、非常に個人的な感想ですので、一般的,客観的な評価からはかなりかけ離れ、多少、痛い発言もあるかもしれませんが、予めご了承下さい m(_ _)m 。

 キーワード編
   (冬眠した記憶/親と子/二重人格/矛盾/飛ぶ蝶/夢の中の少女/北海道
    /三岸光太郎美術館/催眠で人が殺せるか?/ホラー/謎解き)
 ドラマの造り
   (「催眠」の世界/ LOVE/視聴率/映像美/音楽/最終回)
 キャラクター編
   (由夏と由夏/倉沢教授/涼平君と狩辺先生/朝比奈宏美/桜庭一希/蒼井由夏
    /外山刑事/森神達矢/嵯峨敏也)
 小ネタ編
   (ごろすけ/クーラー/一輪車/ネコパンチ/髭/子役/ラムネ/走る男/ベッドシーン)
 最後に…
   (稲田秀樹さん/吾郎君/レポ)


キーワード編

冬眠した記憶
もし、嵯峨も由夏も過去の記憶を取り戻さないままだったら、幸せな恋人同士のままでいられたのだろうか?

結局、主要登場人物の「冬眠した記憶」(=過去)が事件の鍵が隠されており、それぞれがその過去と対峙することになるわけですが…

   由夏 「でも、本当に嫌なことだけ記憶の中から全部消しちゃいたい、
       って思うことがあるわ…」(case1)
   嵯峨 「忘れられる訳ないだろう、催眠で記憶を消せって言うのか?
       催眠は万能じゃ無い!精神科医もだ!!」(case1)
   倉沢 「人の記憶は消せてもね、犯した罪は決して消せるものではありません」(case6)
   倉沢 「確かに他人と過去は変えることはできません。
       でもね、自分と将来というのはいつからでも変えていけるんです」(case8)

色々考えると、やっぱり倉沢先生の「記憶を消すことが人を救うこともある」という信念は、同意できない部分があります(まぁ、映画では嵯峨先生もそんなことを言っていたわけですが(^^;))。最後の嵯峨先生と達矢君のツーショットが象徴しているように、過去のつらい記憶を乗り越えることが大事なんだと言っているように思える。
今回のドラマは、公式HPに載っていた脚本の田子さんのインタビューによると 登場人物たちが「本当の自分と出会うための旅」 なんだそうな。「本当の自分」というのを「過去の自分」と解釈するなら、本当の自分を見つけたとき、嵯峨はより強く由夏を助けようとし、由夏は愛する嵯峨を守ろうとし、朝比奈は父親を許し、狩辺も母親の幻影から抜け出そうとし、涼平は強くなろうとした・・・と、私は解釈しています。そうじゃないと、死んだキャラが浮かばれないんで、そう思おうとしているだけかもしれないんですけど。

親と子
今回のテーマの1つが親とこの関係らしい。1つだけ難を言うなら、嵯峨自身が、この親子の関係にあまり関わってないこともあって、ちょっとテーマと言われてもピンと来ないところではあります。でも、達矢君の両親に向かって、意見するあたり、嵯峨先生にもそれなりの過去があるんだろうか?と余計なことを思ったりしています。
みきちゃんの話だけは、サブストーリーとして上手く持ってきたと私は思います。メインのストーリーの進行に沿った形で、解決していったというのに好感が持てました。ドラマオリジナルで、もう少し嵯峨先生が絡んでも面白かったかな?
倉沢と朝比奈親子は、最後に和解できたから良しとするんだろうな。でも、倉沢と由夏親子は、結局、救われてないんじゃない?
見逃してはいけないのが狩辺母子(笑)。母親は登場してこないけど、典型的なマザコンキャラ狩辺先生が、その呪縛から自ら逃れることができたというのも、注目すべきことかもしれません。

二重人格
由夏ちゃんの事、レポの方には安直に二重人格と書いてしまいましたが、厳密にはユカが言うように、二重人格じゃないんですね。ちゃんと由夏はユカの虚像,操り人形だと言ってますし、由夏の行動は全てユカは認識しているということになりますから。それでもこれは二重人格と一般的にはあまり違いは分からないわけで(現に、私の周りでドラマを見ている人はそういう表現しかしてないし)、私もつい、そういう表現をしてしまいました m(_ _)m (ただね、操り人形だというのなら、それはそれで、もう少しそいうニュアンスを表現してくれないと、ホラーという点が浮き立たないんだよねぇ。最終回では、この点がちょっと消化不良)。
で、ここで気になるのが、由夏と嵯峨が最初に出会った日と、2回目に出会った日、どちらが由夏でどちらがユカか。普通に考えると、最初に出会ったのがユカで、2回目に出会ったのが由夏なんでしょうね。2日目の由夏が昨日のことを覚えていない、って言ってるし。
ここで、あまのじゃくに逆に考えてみて、最初に会ったのが由夏で、2回目にあったのがユカだったら?1度目は本当に偶然、由夏は嵯峨と出会った。このとき、由夏の中に潜むユカは、ようやく記憶を蘇らせてくれる能力を持った嵯峨を見つけたことに喜びを感じる。そして、翌日、今度は計画的に嵯峨に近づくユカ…。こっちのストーリーの方が恐いんだけどなぁ。でも、2日目の由夏ちゃんは、嵯峨先生の写真を撮って、それを鏡台に貼ってるぐらいだし、この想像はあえなくボツってしまったのでした(苦笑)。

矛盾
と、つらつらとここまで書いていて、TBSのHPを見たら、例の矛盾って、上述のあたりのことだったのねぇ…f(^^;)。稲田Pが種明かしをして下さっているのを見た方もいらっしゃるでしょうか?気づく人は、最初から気づいているのかもしれないけど、私はこうやって色々書いておきながらも、種明かしをされるまで、気がついていませんでした…(苦笑)。(稲田Pのコメントは次の通り:2日目に由夏が嵯峨@占い師に会った時、由夏は記憶が無くなっていることを知ってもさほど動揺しなかった。第二話であれほど動揺していたにもかかわらず…。つまり嵯峨@占い師に近づいたのは全てユカの策略だったんですねぇ…。)

それにしても、数々の精神科医を騙し続けたユカって、凄いのねぇ。

飛ぶ蝶
飛ぶ蝶が象徴していたものって、一体なんだったんだろう?番組が終わってずっと考えているのですが、なかなかこれといった考えがまとまらずにいます。
ずっと、過去のトラウマに囚われていた登場人物達が、最後にようやくその束縛から解放された、と解釈していいかな?(洞察力がなくてスミマセン…)そして、最後に映された飛び立った蝶。嵯峨のトラウマも、由夏のトラウマも、全て解放された。でも、生きていてくれたらもっとよかったのに…。

夢の中少女
嵯峨の夢に出てきた少女。結局は、嵯峨が昔出会った由夏の姿だったのですが、これは嵯峨自身の持つトラウマを表している?ずっと心の奥底に隠れていた少女の姿。昔、助けると言っておきながら、裏切ってしまった辛い記憶(情緒不安定で倉沢先生の所にまで行ったぐらいだから、嵯峨少年はかなりの罪悪感を感じていたのね)。その眠っていた記憶が、由香を救えなかったことで、無意識のうちに表面に現れてきた…。しかも、そのトラウマは、次第に成長していく(その割には最後まで自力では思い出せなかったんだけどね)。
でも、最後の由夏ちゃんの言葉で、きっと嵯峨自身も癒され、2001年の達矢君との映像にあったように、過去を乗り越えて生きていける・・・と

北海道
結局、「北海道」というキーワードは何だったんだろう?(苦笑)。こればかりは、謎として残っちゃうんですね。勝手に想像力を膨らませるなら、実は嵯峨は由夏を助け出し、どうにかこうにか北海道まで逃げ、蝶の絵を二人で見ていたのだった…とかね(^^;)。で、そこで知り合ったのが一希ちゃん(両親が借金苦で北海道まで逃げてきていた(笑い))、なーんていうストーリーは如何でしょう?
もしくは、倉沢がいつか二人が巡り合うように、嵯峨には「蝶の絵」を、由夏には「蝶の詩」の記憶を埋め込んだとか?(爆)。う〜ん、馬鹿な想像だけはいくらでも膨らむんだけど、私の想像力ではそのぐらいが限界でございますぅ。
でも、北海道のシーンは良かったぁ〜。2話のラブラブなシーンが最後であんな風に挿入されるとは、完全にやられました。由夏ちゃんは最期に蝶の絵を見ようと思い、嵯峨も由夏が行くならこの場所しかないと思った蝶の絵のある美術館。わずか1日のデートだったのに、それだけ思い出深い場所なんだよねぇ。二人にはもっと楽しい思い出を作って欲しかったです(;o;)。

三岸光太郎美術館
ドラマオンエア中に蝶の絵のある美術館に行って来ました、私。その時は、こんなラストを想像もしていなかったので、普通に過ごしてしまったというのが今になって口惜しい(^^;)。美術館自体は、道立にもかかわらず、本当に小さな建物で、ドラマで映っていたのがほとんど全てという感じです(平日に行ったこともあってか入館者も少なかったし(^^;))。ドラマに出てきた『飛ぶ蝶』の前に座って、少し落ち着いた時間をすごしてきました。ちゃんとドラマで吾郎君が手にした『飛ぶ蝶』の説明文も入手してきたし…(ミーハーだ(笑))。
三岸光太郎氏の作品そのものは、私的にはちょっと遠慮したい感じのものも中にはありましたが(これは個人の感覚なので許して。どんなに素晴らしい絵でも、暗い絵はダメなの…)、今回のドラマのように、ちょっと変わった様々な世界が入り交じった雰囲気を感じて帰ってきました。『飛ぶ蝶』(および蝶のシリーズ)はよかったですよ、うん。

催眠で人が殺せるのか?(ごめんなさい 愚痴&暴言です(^^;))
ドラマを非常に理性的,冷静にドラマを観る方は、この段階で「そんなこと出来るわけがない」と、ドラマそのものを否定してしまうわけで、何て想像力の無い方々と思うと不憫としかいいようがございません(笑)。日曜劇場の枠の視聴者って、現実的、それでいてもしくは理想の社会,家庭を追い求める人々が多かったりするのかしら?映像だ、何だがこれだけ素晴らしいのに、受け入れられにくかったってことなのねぇ。そういう現実路線の方々には、次から始まる「おやじぃ」でも見て、理想の家族をじっくり研究して下さいませ〜(ああ、それにしても、「催眠」が涙々で終わった直後の、あの「おやじぃ」の予告CMにはこけたわ(--;))。

ホラー(また 愚痴&暴言2)
だから、これはホラーなのよ。サスペンスだったら「催眠で人が殺せる」という設定はナンセンスと言われても仕方ないのだけど、ホラーなんだから、多少の無茶な設定はOKでしょう!と思おうんですけど、ダメなのかなぁ…。
ただ、ホラーと言って言ってた割には、真面目に作りすぎたというのが、逆に一般受けするには難しかったところでしょうか?(いや、私は好きなんですけどね。おどろおどろしいホラーじゃなくて、良かったと思ってるぐらいですから…)。

謎解き(さらに 愚痴&暴言3)
で、同じく、謎解きだけを楽しんでみる人には、やっぱり物足りなかったラストだったんでしょうか?でもね、これはラブストーリーなのだわ。だから、ラブの部分を抜きに、謎解きだけを楽しむなんて邪道よ、邪道!!はっきり言って、私は最初から謎解きなんて諦めてたわ(単に推理が苦手というだけなんだけど…)。

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ドラマの造り編 (というほど、詳しいわけでは無いので、素人の素直な感想)

「催眠」の世界〜日常と非日常
このドラマを見て、日常を感じる時と非日常を感じる時、二通りに別れたような気がします。サントラCDに、この両面を併せ持った世界を表現しようとしたという稲田Pの言葉もありましたが、その言葉を見て、大きく納得しました。両方を感じていいのだなぁ、と。私自身は、非日常を感じて見ていましたが、それでも、ドラマのキャラに強く感情移入ができたのは、ちゃんと日常を描いていたからなんでしょうね。非日常のものを、日常に持ち込んで見ることができた分、上手く余韻を残して「おや?」と思えるところがあったのではないかと思います。(これが、日常だけで描かれたら、きっと生々しすぎて、私は引いちゃったかもしれないですし(^^;))。

LOVE
今回のドラマで珍しいなぁ、と思ったのが、(きちんとした)ラブストーリーが嵯峨と由夏だけに絞られていたということ。普通、サブキャラの恋模様というものも必ずと言っていいぐらいありますよね。その分、親子愛という部分がクローズアップされてましたけどね。「催眠」は嵯峨と由夏だけにラブストりーを絞ったというのは、何て潔い判断なんだ〜。

視聴率
ドラマの内容とは全く関係がないけれど、この際、書いてやるわ(笑)。何で吾郎君のドラマって視聴率とれないんでしょうねぇ(苦笑)?確かに夏のドラマって野球とかの影響受けたりするから、難しいんだけど、それでも、前作(サラリーマン金太郎)よりも明らかに視聴率下がってます。実際、第一回はそこそこ良かったんだけど、2話以降、ガタ落ち。TBSも第1,2話を再放送したり、映画を放送したり、(効果的かどうかは別にして)対策をとっているようですが、やっぱり一般受けしにくいのかなぁ。吾郎君の世界って独特だし、属っぽくないし、派手じゃないからねぇ。いや、まぁ、ドラマそのものが良くなかったと言われればそれまでなんだけど…。
視聴率って、そのときのドラマについてはあまり気にしないんですけど、"次"を考えるとやっぱり欲しいと思ってしまう。以前、『明智』の時の感想でも書いたんですけど、大衆メディアでは数字が大事だから、いいドラマやいいスタッフ,共演者とお仕事するには、やっぱりお数字必要だもんなぁ…。
で、ここまで書いて逆の発想も出てきたんですけど、こうやって数字がとれないのに(いくらSMAPだからって)主役もしくは主役クラスでドラマのお仕事があるということは、やっぱりこれは吾郎君の実力と思っていいのかなぁ、とか?ああ、これってかなり吾郎君に対して失礼な発言だな。吾郎君がこのHPを読んでくれているとは思えないけど、万一読んで下さっていたら、誠に申し訳ありませんでした m(_ _)m 。(謝るぐらいなら最初から書くなと言わないで下さい)

映像美
このドラマを語る上で、「映像美」という言葉は外すことは出来ないでしょう。フィルターを使うなど、色々と工夫されていた映像だったようですが、「催眠」の世界とマッチして、とてもいい感じ。全体的には真面目に作ってある印象を受けてますし、好きな世界ですね。それに、吾郎君自身が、言葉でよりも、雰囲気で表現する役者さんだから、その雰囲気が上手く映像と融合したという点でも評価すべきところでしょう。
私自身が好きなのがCASE1,CASE5そしてLASET CASEのいずれもエンディング前の最後の場面。LAST CASEについては、言うまでもないですね。CASE1も最初から最後までパーフェクトなんですけど、外山さんに連れられて、警察に同行する嵯峨先生がたまらなく好きでした。CASE5は切れて、とことん堕ちた嵯峨先生の描写。どれも、映像美と吾郎君そのものが上手くはまったという感じで、ほんと、スタッフのみなさま、ありがとうございますぅ、と言いたいぐらい、丁寧な描写がされていたように思います。本当に綺麗な映像を楽しませていただきました。
でも、「美」とか「品」とか、そういうものを大事にして作られた世界って、視聴率とは縁が遠いんだ、これが…(涙)。

音(主題歌・BGM・音響効果)
ついつい、映像美の方の話をしがちですが、忘れちゃいけないのが音。
主題歌については、もう、文句無しですよね?毎回、最後に流れる主題歌は、最終回に近づくにつれ、北海道の二人の映像と共に胸が痛くなりながら聞いてました。
BGMについては、登場人物のその時々の心理状態を表した音楽が毎回上手く挿入されていて、効果的に場を盛り上げていたように思います。私が印象的なのは、タイトルが表示されるときに流れる「メインテーマ催眠」,そして狩辺先生を殴ったとき&最後の由夏とのシーンで流れた音楽,あと「風景」と題した音楽(女の子の声の入った、通称ナウシカBGM(^^;))。
最終回のラストシーンで流れた音楽は、音楽だけ聴くととても雄大なんですけど、情景を思い浮かべると、胸が苦しくなるという、独特の音色。映像と重ね合わさり方も絶妙だったということもあって、特に印象深い音楽になってます。
そして、音響効果。夏のドラマだったんで、セミの音はずーと鳴りっぱなしだったような気もしますが(^^;)、色々音に拘りを持っているなぁというものがあって、特に「火」の音なんかは妙に意味深で、興味深かったです。もっと意味深なのが狩辺先生のオルゴールの音とか?(何せ『メモリー』ですからねぇ…(^^;)。)

最終回
最終回、私は素直に満足しました。そして、いいドラマだったなぁ、と素直に思えました。ほとんどがサスペンスに彩られたドラマでしたが、やはり嵯峨の由夏への愛が中心にあるわけで、それが素直に実感できた、というのは良かったです。一部、謎は謎のまま、解き明かされていない部分もありますが、そのような気分は最後のシーンで全て吹き飛んでいます。それぐらい、最終回の吾郎君およびもちろん他のキャストのみなさま&スタッフの方々のパワーは凄かった。連ドラで、ここまで完成度の高い最終回って、正直、あまり無いんじゃないかな(評価が甘い?)。

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キャラクター編

由夏と由香
結局、由香と由夏って、特に名前に関する因縁って、何も語られなかったのねぇ。この際、嵯峨に近づくために、名前も由夏と嘘をついて気を引こうとした、という方がしっくりくるぐらい(^^;)。
でも、嵯峨にしてみれば、由夏との幼いときの記憶があったから、由香を助けようとしたのは確かでしょう。それは単に人を助けようとしただけなのか、「ゆか」という言葉に反応したのか。(あっ、でも、嵯峨が本当に好きになったのは、千里眼2によると「理恵子」の方だっけ?(^^;))

倉沢教授
倉沢先生については、う〜ん、どうなんだろう。最後は同情できなかった。朝比奈先生のためには生きていてもらいたい人なんだけど…。結局、倉沢先生は、由夏ちゃんに対して、愛情を注いであげられなかった。最終回でユカが言った台詞「だから何なのよ。娘をかばってるだけじゃない」は、まさしくその通りだと思う。自分が楽になりたいとうだけで、由夏の記憶を蘇らせようとし、それでいて朝比奈の記憶は封印したままでいようとするというのは、やっぱり間違っていると思う。せめて、最後に嵯峨先生に「由夏のこと頼みます…」なんていう台詞でもあればよかったんだけど…。だから、結局、父親の愛情を受けられなかったから、由夏は死んでしまったのだろうか?とも考えてしまいます。
とはいえ、倉沢先生は今回の事件について、全てを分かっていたのかなぁ。そして、15年前に、嵯峨と由夏が出会っていたということも、由夏の初恋の人が嵯峨で、そして嵯峨は由夏を救えなかったことで情緒不安定になって倉沢の元にやってきたということも、全て承知の上だったのだろうか。そう考えると、倉沢先生が(過去の自分を反省して)何とかして嵯峨を由夏の担当にしようとしたのも、由夏を救えるのは自分ではなく、嵯峨しかいないと感じたからなのかもしれない、とも思えてきました。そういう解釈をすると、倉沢先生も悲しい…。

涼平君と狩辺先生
共に途中棄権キャラです。結局、ユカと関係を持ってしまったために、ユカの復讐劇に巻き込まれ、早々にリタイアしてしまった、不幸な方々。結果的には、単なる被害者の数に入れられただけなのですが、それぞれ心の病を持っているキャラクターということで、それだけで片づけられないものがありますね。二人はそれぞれ冬眠状態から飛び出すことができたのか?私は、毎回のレポの所でも少し書いたんですけど、二人とも自らの殻を脱することができたと信じています。

朝比奈宏美
朝比奈先生は、数少ない原作キャラです。それゆえ、一番まともで無難なキャラクターだろうなぁ、と思っていたのですが、さにあらず、結果的に一番美味しいキャラとなったのでした(笑)。吾郎君と羽田さんで、勝手に元恋人という設定を作ったというのも頷けるような、嵯峨と朝比奈の関係は素敵でしたわ(よく由夏ちゃんが嫉妬しなかったもんだ)。男勝りのキャリアウーマン、という印象だったのに、最後は父親と共に死を選んでしまったというのが残念でなりません。自分の犯した罪と、父親を恨んできた事への懺悔と、自分をかばってくれた父への謝罪と、いろんな気持ちが一気に出てしまったんだろうなぁ。(単に最終回の時間が短くて、一番手っ取り早い方法だったというだけの理由だったらどうしよう?(苦笑)

桜庭一希
一希ちゃん、さんざんキーパーソンとして振り回してきた割には、最後のいい人キャラはちょっと辛いものがありましたね。私は、由夏とユカの葛藤を見てしまい、由夏の苦しみを理解したから、由夏を許し、憎しみが消えたことで本当の自分に戻れた、と解釈してるですけど、それにしても、"本当の自分"への戻り方が早すぎかな?最終回、時間がないあおりをまともにくらったキャラクターでした。
一希ちゃんと嵯峨先生の恋物語って、実は密かに期待してたんだけどなぁ(^^;)。実は一希の初恋の人が嵯峨だった、という設定。で、一希が嵯峨を守るために、実は色々画策をしてた…みたいな展開で(ダメ?)。中盤、由夏ちゃんに思い入れができなかった私はそんなことまで考えていたのよ〜(苦笑)。

蒼井由夏
由夏ちゃんは、実はギリギリまで私は感情移入しきれなかったキャラクターでした。でもね、最終回でその全てが許せちゃう(我ながらやっぱり単純)。最後の死ぬ直前の由夏ちゃん、とっても綺麗でしたわ。嵯峨先生に対する愛も本物だ〜、と思えたし。二重人格(と言ってはいけないのかな?)という設定で、ある意味、私にとっては由夏ちゃんに対する見方が変わるような気がします。とはいえ、もう一度、ドラマを最初から見直したら、ユカの存在の方が気になりそうな気もするなぁ…(苦笑)。

外山刑事
外山さん、結局、キャラ的にはかなり美味しかったのはこのお方だったりして…(^^;)。超真面目キャラと朝比奈先生が「顔のない男」を思い出したときの慌て方とのギャップが、いとおかし…(^^;)。それにしても、最終的には外山さんの「刑事の勘」というものの通りになったんだよねぇ。
最初から最後まで嵯峨先生と対立し、「あんたのその甘さが事件を大きくしたんだ」と責めながらも、最後は「先生、死んじゃダメだよ」なーんて言ったり、しかも美術館では他の警官の突入をくい止めて、最後の嵯峨と由夏の二人だけのシーンを作ってくれたし。
とにかく、終盤に近づくにつれ、どんどんファンを獲得していったキャラクターではないでしょうか?主人公以上に洞察力と行動力のあるお方(苦笑)。ほぼ原作イメージ通りの外山刑事でしたが、原作以上に魅力的なキャラクターになっていたように思います。存在感、素晴らしかったですね。

森神達矢
ドラマ中、唯一の心のオアシスであった、達矢君。「森神」なーんていう名字からも、非常に意味深。結果的には嵯峨先生は達矢君に救われたわけで、本当に嵯峨先生にとっては神様的存在だったかもしれません。
このドラマの達矢君、素直に良い少年だわ…と思えたのは嬉しかった。最近のテレビ&ドラマに見られる「すれたガキ」(うわっ、また暴言)ではなく、ああ、まだこういう少年もいたのねぇ、と本当に安心できる子役だったというのは嬉しい限りです。
達矢君、最後はどうなったのかなぁ。やっぱり嵯峨先生が引き取ったのかなぁ。嵯峨&朝比奈イチオシだった私は、てっきり嵯峨先生と朝比奈先生が引き取るもんだと思ってました(^^;)。こうなったら、嵯峨&一希ちゃんでもいわ(バカ)。

嵯峨敏也
嵯峨先生は、もう、良いっす(^^;)。いや、これは語ることはないですよ、うん。だって、1話から惚れちゃったんですもの、私…(笑)。
「あんたのその甘さが事件を大きくしたんだ」と外山さんに言われてしまいましたが、本当に、大甘で頼りない主人公でございました(^^;)。でもね、その嵯峨先生の甘さ、というより優しさが「癒しドラマ」の中心にあったように思えるので、決して否定できるものでは無いんですよね。
最後、「君は俺を殺せ。俺は君を殺す」と言っておきながら、それでもギリギリまで由夏ちゃんに抵抗しない嵯峨。しかも、そのギリギリ最後に振り絞った言葉が「愛してる」。甘い以外の何物でもないんだけど、とことんまで人を信じる嵯峨の愛の深さというのを表しているシーンで、非常によかったと思ってます。
ところで、嵯峨先生、下の名前(敏也)が呼ばれることは、今回のドラマでは、外山さんとかに事務的にフルネームで呼ばれたぐらいだったのではないだろうか?もちろん「嵯峨」というのがそれだけインパクトある名字だったということもあるのかもしれませんが、主人公って、大体、名前で呼ばれるものなのに、由夏ちゃんの口からも、最後まで聞かれなかったですしね。名前で呼んでもらえる人がいなかったというのは、嵯峨も実はちょっと寂しいキャラクターだなぁ、と思ってしまいました。

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小ネタ編

ごろすけ
朝比奈役の羽田美智子さんが吾郎君のことをこう呼んでいたらしい(羽田さんのHP見てね)。羽田さんのHPで、吾郎君の事を「魂の歴史が古い」という表現をして下さっており(注:決してオヤジくさいということではないと思う…)、逆に「70歳になってもいい友達でいてね」と言う吾郎君との関係って、いいなぁ。ついでに、打ち上げではごろすけがSMAPの歌を歌ってくれた、と書いても下さっていて、そういうのを見ていると、ついつい嵯峨&朝比奈をプッシュしちゃってたんだな、私は (笑)。また、共演していただきたい女優さんです。

クーラー
結局、何だったんだろう?(^^;)。嵯峨が冬眠している状態を表している、ドラマの間中、実は冬眠から目覚めていなかった、ということを象徴していたというのがストレートな取り方でしょうけどね。まさか、暑がりの吾郎君に対するせめてものサービスだったとか?(笑)

一輪車
原作通りの一輪車のエピソード、私にとっての焦点は、「朝比奈先生が本当に一輪車に乗るか」どうかでした。でも、やっぱり吹き替えだったのねぇ(^^;)。

ネコパンチ
まさか、ネコパンチがドラマでも見れるとは思ってもいなかったですね。しかもあんなに印象的なシーンになろうとは…。それにしても、狩辺先生、身体大きいし、殴るのも大変だわ。普通、あれだけ殴ったら、失神しそうなのに、失神させてくれないところがネコパンチの恐ろしいところなのだ!(爆)
でも、吾郎君って"静"のキャラクターが多いから、今回のような激しいシーンはなかなか見応えありました。


今回のドラマの何が素晴らしいって、この吾郎君が髭を生やすという発想がすばらしい!(あれっ?)。ついでに、最終話のすね毛も見応えありましたわ(自爆)

子役
達矢君も可愛い、みきちゃんも可愛い、由夏ちゃんの少女時代も可愛い、朝比奈先生の中学生時代も可愛い・・・なのに、なのに、いくら嵯峨君キャラを探すのは難しいからって、嵯峨君@13歳だけ・・・(これ以上は割愛)。

ラムネ
嵯峨先生が好きなもの?朝比奈先生との最初のシーンでも飲んでいたし、由夏ちゃん@9才とのシーンでも手にしていたし。ただし、病院では、ラムネが気恥ずかしかったのか、単に病院で売ってなかったからなのか、専ら缶コーヒーに変わってましたね(^^;)。

走る男
吾郎君、今回はめちゃくちゃ、走っておりました。おかげで見ているこっちは、色んな意味でハラハラドキドキ(^^;)。

ベッドシーン
日曜劇場だし、ベッドシーンなーんていうものは無理だろうなぁ、と最初は思っておりましたが、さにあらず。やってくれました共同テレビ!(笑)。由夏ちゃんとのシーンは2度も、そして、そういう商売の方とも一度(あれをベッドシーンと言ってもいいのかどうかは不明ですが…)。いずれもサービスショット満載でございました〜。

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最後に…

稲田秀樹さん(プロデューサー)
共同テレビのプロデューサーさん、でいいのかな。ソムリエの時もお世話になったし、催眠の時も間接的にお世話になっているみたいだし(他は知らないけど)、吾郎君とは縁の深い方です。今回のドラマでこのような世界を作り出したのは、やはり稲田さんのおかげなのかなぁ、と少し思ってみたりしています。私は、そういう制作側の話は全く疎いんで、間違った理解かもしれませんけどね。今回のドラマは、はっきり言って、視聴率が悪い、でも、自分たちが作っているものを信じて、最後までクオリティを損なわず、かつ視聴率が取れるミーハー路線に路線変更せず(第5話のタイトルが「遂に怒り爆発!」だった時は、一体、この後どうなるかと不安になったりもしましたが(^^;))、最初のポリシー通り(だと思う)、描ききったというのはすごいことだなぁ、と単純な私は感動したりするのです。

吾郎君
今回は、ネット上で「吾郎君の演技が云々…」という批判を見かけなかった、というのはよかったかな。まぁ、TBSのHPのBBSに誹謗中傷が無かったのは、ある程度、取捨選択された後だったからかもしれませんけどね。
今回のドラマは、私は素直に稲垣吾郎という役者の演技を堪能させて頂きました。番組が始まる前、稲田Pは「稲垣吾郎を人間的に描きたい」と、そして西谷Dは「弱い部分をかっこよく見えるようにしていきたい」と言って下さっていますが、確かにそういう格好良い部分も格好悪い部分も含めて、今回は吾郎君の魅力がかなり発揮されていたドラマだったように思います。
癒しと恐怖という相反するものが交錯する今回のドラマで、吾郎君自身の持つ様々な二面性が上手く絡み合っていたような気がする。逆に吾郎君だから「癒しと恐怖」の世界を、見ているこちらが違和感無く受け入れることが出来たという言い方もあるのかな?
単純に私は「稲垣吾郎しかできない役」というものを演じている吾郎君というのは好きだったりするわけで、今回の嵯峨というキャラクターは、吾郎君だから生まれたキャラだし、吾郎君が作り上げたキャラクターだと思っているので、私の中ではかなり愛すべきキャラクターになっています。(厳密には、落合監督が、稲垣吾郎を理解した上で作り上げたキャラクターという方がいいのかもしれないけど…)
他のキャスティングだったら、あの世界観はなかなか作り出せないでしょうしねぇ(断言)。今回はホント、ファンで良かった〜、と思いました。それにしても、サスペンスというものと、吾郎君の雰囲気は似合うのかなぁ。ファンになってからソムリエ以外はリアルタイムで吾郎君のドラマって、サスペンスやホラー系以外、見たことがないのだわ。で、心の中では、もっと違ったドラマも見たいよ〜、と熱望するのですが、実際、今回の「催眠」を見ると、はまってしまっていた自分がいるわけで…。吾郎君の追いつめられたときの演技って、絶品なんだねぇ。こればかりは、サスペンスorホラー系のドラマでしか見れないし、複雑…。

レポ
最後に、毎週アップしてきたレポですが、これで正真正銘の最後です(あっ、後日、細かい修正はするかもしれませんが…)。本当に、最後まで読んで頂いた方には、ありがとうございました。そして、こんな文書でも読んで頂いて、少しでも、私と同じような感想を少しでも持って頂けたら、もしくは様々な意見があるんだなぁ、とドラマについて考える材料になったのであれば、とても嬉しいです。

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