第1回 04.04.10 23:00〜23:54 | (04.04.18up) |
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ワインショップの片隅に座る吾郎君というシチュエーション。背後には店のワインが棚に並び、目の前のテーブルには、ワインも置かれてます。そういう状況で、今回の撮影は進んでいき、テレ朝の大下アナ(声のみ)がそれぞれの映画についての感想を吾郎君から聞きだしていくというインタビュー形式でVTRは進んでいきます。スタジオでは、慎吾君の他にゲストの菊川玲さん、阿川佐和子さんがこの吾郎君のVTRを見ながら突込みが随時入ってますが、ここでは慎吾君の突っ込みだけを記載(だって、他の人の突っ込みなんて書くの嫌なんだも〜ん)。
まずは、今回の企画に臨むにあたっての吾郎君のコメント…
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この企画はですね,僕にぴったりですね.
−ご自身が選んだのじゃなくて,香取さんが選んだ5本というのも,大丈夫ですかね?
それはちょっと,困ってますね.
《香取:早いな!》
彼が好きな映画がね,観たい映画が,必ずしも僕が薦める映画とはね,違うかもしれないし.僕がピーターパンを見ているところを想像して,密かに笑っているんじゃないかと.基本的には対局だと思うので.
−何かそんな感じがすると思う.
《香取:あんまりあわない》
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とまぁ、そんな挨拶だか何だかわかんないコメントの後、いよいよ吾郎君の映画評。一応、VTRでは1つ1つの映画の紹介前に、吾郎君自身が試写をするシーンも挿入されてますが、これは完全にVTR用にそのカットだけ撮ったものですね。でも、こういう映像は悪くないのだわ。 |
アップルシード 監督=荒牧伸志
結構,僕,こう見えて,「アニメファン」なんですよ.基本的に,僕はあの,ガンダム世代で,「ガンダムチルドレン」なんですよ.うん,だから,ドキドキしちゃって,実はすーごい最初,違和感があったんです,ガンダムチルドレンとして.動きが妙にリアルじゃなかったでした?
−いや,びっくりしました.こういうの,初めて見たな,って.
そう,何かこう・・・動きが妙に優雅で・・・
−うん,滑らかですね.
滑らかで,それが逆に引っかかってしまい.
−ああ,ロボットっぽくない?
うん・・・アニメっぽくない.アニメで見たらいいのか,実写で見たらいいのか,気持ちの中で.どっちのモチベーションで見ていいのかな,っていうのが最初,すごい迷ったとこだったんだけど.でも,そんなの打ち消すほど,とにかく「凄かった」ですね.
−ねえ….
CGといい,世界観というものが.核戦争後の世界という,まぁ,設定なんですけど,何か,こう…,ちゃんと恋愛や人が生きることとか,そういうこともね,うん,描かれてて,ヒューマンドラマも描かれてて,うん,その辺が何かアニメを拒絶していた人や,ねぇ…,逆にこういう女性の方は,少年ロボットアニメっていうと,ねぇ…,抵抗があると思う.
−そうなんですよ.
そういう人でもちゃんと見れるような.今の世の中と,今の世の中の問題とかもちゃんと描かれてますしね,社会的な問題とか.大人もちゃんと…,大人の賞賛も得られるような作品になっていると思うので.まぁ,こんなこと言ってもね,慎吾には分からないと思うんですけどね.うん・・・.慎吾はね,基本的にジブリ派ですから.
−あ,そうですね.
ある意味,「斬新」だったんだね.うん,結構,初めて見るものだったし,初めての世界,そういう意味ではワインだと「ニューワールド系」のワイン.ニューワールド系ですね,いわゆるニュージーランドとかね,
−ああ….
チリワインもそうですけど.フランスとかイタリアとかのね,うん,こう,ワインの王様ではなく,ちょっとニューワールド系なんじゃないかと.そういう感じがしましたけれども.
ロスト・イン・トランスレーション 監督=ソフィア・コッポラ
何かこう…,「酔いしれる」.こう,ワインじゃないですけど.うん,何か気持ちよく酔いしれる,酔いしれることの出来る映画で.基本的には淡々として,進んでいくじゃないですか.別にこう…,すごいドラマチックなことが起きる訳でもないし.ただ,その淡々とした中にある,こう…,さり気ない,何て言うんですかね,笑いとか,ちょっとおかしいところとか,ちょっとほろっと泣けるところとか.具体的にはですね,「音楽」がすっごい,よかった….
−どういう風によかったですか?
何かね,うん,まず・・・このサウンドトラックの中に入ってる,MY BLOODY VALENTINE というバンドがあって,曲があってですね,そのバンドが僕,大好きだったんですね.うん,で,結構,音楽的にも,このサウンドトラックを作った人と結構,趣味が合うんじゃないかな,という感じがしてね.
《香取:あはははは,自分が?》
慎吾,音楽は好きじゃないかもしんない.
《香取:何それ!》
また,その映画を引き立てたのが,この主人公の,うん…,「スカーレット・ヨハンセン」がやっぱり大きな存在だったんじゃないかな,っていう.僕,結構,一押しなんです.
−一押しですか?
真珠の耳飾の少女っていう映画があってですね.
《香取:他の話してる》
まぁ,それもこの,彼女が主演してるんですけども.フェルメールの,オランダのフェルメールの絵を元にした,映画なんですけど.
−へぇ
もう,これがですね,ここ・・・うーーーん,ここ・・・ここ・・・2,3年の中で「No.1」だった.これはもう,映画というよりもですね,一枚一枚,1カット1カットがですね,「絵画」です.
《香取:俺は選んでない!》
これは僕,頼まれて無いんですよね.
−(^^;)
(思わず額の汗拭いてますが,話を戻して)いいですね,この…,外国人が見る日本っていうのは.今回の映画に関しては,東京というのがですね,まぁ,その,主人公にとても,こう,迷えるですね,迷宮のような「ラビリンス」
−ラビリンス?
うん,そういう風に映ったんじゃないかな.東京の激しさやスピード感と,この主人公の二人の,まぁ,ゆっくりとした心理描写のこのギャップというのが,僕が迷宮に迷い込んじいまいした.
《香取:あはは》
やられましたね.音楽がはまりましたね.うん,何か,さり気なく,この辺(耳元で)でさり気なく囁かれている映画音楽っていう感じがね,よかったなぁ….
−ああ!
うん...慎吾にわかるかな.
《香取:わかるよ!》
これはですね,「ワイン」に喩えると,まぁ,飲み口は,まぁ,熟成されているだけあってソフトなんですけれども,やはり味わい深く余韻がいつまでも残っている,これはフランスはボルドーのサン・テミリオンのシャトー・シュバルブラウンです.しかも73年.
《香取:ワインとかね,あんまり知らないと思うんですよね》
−すごいワインなんですね,きっと.
まぁ,これはスーパーワインですね.
−それだけペラペラペラって出てくるってことは.
いや,もう,これは,サン・テミリオンの中でも,もう,ボルドーの中でも,特にその,格付け無いんですけどもね,サンテミリオンの中では.だけどね,シュバルブラウンっていうのは凄いワインで.
−シュバルブラウン?
うん,1973年というのは,まぁ,僕の生まれた年なんですけど.
−そうですよね
まぁ,僕のように,飲み口はソフトだけれども,余韻がいつまでも残る,男?
《香取:こら!》
みたいな.
キル・ビル 監督=クエンティン・タランティーノ
美女がね,ああいう,全く美しい,こう・・・美しい人が,何かそういう刃物を持っている感じとか,あの,半蔵の(?)刀を持ってる感じの….うん,そういうのって,ちょっと「ゾクッ」としますね.
−ソクッ?美女と刀?
刃物を持ってる感じが.ちょっと僕の中の「マゾヒスティック」なところがくすぐられるというか.
−(^^;)…なるほど.
いや,サディスティックなところも持ってると思うんですけど.人間,両方持ってるじゃないですか.持ってないですか?持ってますよね.
−・・・(←大下アナ,明らかに困ってます)
音楽も良かったですよ.
−******じゃないですか?よかった?(←聞き取れませんでした(ToT))
(笑)(←大下アナに言われた言葉に対して笑ってる).うん.何かほら,B級映画の持つ,格好よさのようなものを追求してるじゃないですか?
−お話っていうか,っていうか...
僕,お話のことに触れて無いですよね?
−お薦め?できるようなところ,っていうのは,何かありますか?
うん・・・とにかくね,慎吾にはぴったりなんじゃないかな!(^^;)(←言いにくそう(^^;))
《香取:どういう意味だよ》
あの…,タランティーノの映画って好きな人,すっごい好きなんですよ.「ユマ サーマン」が見所ですよ(←無理無理言ってる).みんな好きじゃないですか,世の男性は.
−あ,そういう感じ?
僕も好きですし,ユマ サーマンって,ちょっとこう…,アメリカ人的な,何かこう…,どーんとした大味なパワフルな感じがするんだけど.
−大味な?
大味っていっちゃあれだよね.
−ええ,ああ分かるような気がします.
何かこう…,ダイナミックな気がして.だけどその中にある,こう…,目の奥にある・・・ものは,結構,儚げであったりとか.うん,だから今回の役にはすごい合ってたんじゃないかなという.うん.
もう,ちょっと「独特」ですよ.他に無い映画だし,他に無い,比べる映画でも無いし,うん,すごく「クセになる」し,すごいインパクトに残るし,離れない,「こびり付く感じ」.こびり付く感じっていうと,やっぱりワインでいうとですね・・・(と言いながら席を立って,お店のワイン棚から褐色のワイン持ってきます).
−すごい色のワインですね.
これはですね,貴腐ワイン(シャトー・ドファルグ).まぁ,わざと葡萄を腐らせて,貴腐の貴は腐の・・・うん,あ,腐が腐る貴が貴族の貴で.
《香取:間違えちゃってるんだ》
うん,貴腐ワインなんですけど,デザートワインと言われているだけあって,やっぱり料理を食べたあとで,デザートとして召し上がる,もしくはデザートのように召し上がる.まぁ,二つの意味があるんですけども.うん.まぁ,この…,すごく個性的な感じが,タランティーノとの…,タランティーノの映画とあうんじゃないかな,という….
《香取:ちょっと緊張してるのかな,初めてだから》
まさに,葡萄にカビが生えているわけですから.うん.
CASSHERN 監督=紀里谷和明
まぁ,お金がすごい掛かってる映画だなぁという印象がネェ,うん・・・それだけでもすごいですよね.勇気ありますよね.(←最初から映画の内容から逸れてる(^^;))
−勇気ある?(笑)
勇気無いですか?それだけ取り返さなきゃいけないですもんね.
−そうですよね.
うん.だけどまぁ,凄いですよね,CGも,景色,ねぇ…,あの,街並みとか.まぁ…,テーマとしては「人は何故戦うのか」っていう,ちゃんとしたテーマも,こう・・あるわけでねぇ….人間のこういう横暴さとか,ねぇ,そういった色んな問題も伝わってきましたし.ただ,キャシャーンと関係しているのか,っていうことにはね,疑問を持った人も・・・僕以外にもいたんじゃないかなぁ,という声が小ちゃくなっちゃいますけどね〜.うん...あの,及川さん,いいですよね.
−あ,ミッチーさん.
ミッチーさん.寺尾聡さんも声がいいですね.新造人間・・何か可哀想で,涙出ちゃいました,僕.(←本当だな!)
−ああ,涙出ちゃいました?
ええ(笑).(←嘘っぽい)
−可哀想で?
うん・・・.・・・さて,ええーーー.
−ああ,もう,(ワインに)行きますか?
いや・・・(笑).「新造人間」ということに引っ掛けまして.まぁ,引っ掛けるという言葉,非常に嫌いなんですけど,今(何で?).すごい,軽々しく聴こえました,自分で言ってて.
−いえいえ(笑).
何だ,引っ掛けるんだ,引っ掛けるだけなんだ,と思われたくないな・・・まぁ,引っ掛けてですね.
−引っ掛けて(笑).
まぁ,シンゾウ・・・といえば,まぁ,ねぇ,ハートですね.
−あ,そちらの心臓ですね,新しく造る新造人間ではなくて?
うん.そこに引っ掛けて.引っ掛けの引っ掛けです.
−あ,そっか.ごめんなさい.
混乱しないで下さい.
−ごめんなさい.
ええ.新造に引っ掛けて,ハートということで,まぁ,ハートのマークで,うん,親しまれている,フランスはボルドーのシャトーカロンセギュール(きた!).これに決まるんじゃないかと.
−ハートのマークで?
ハートのマーク.このカロンセギュールというワインではですね,ハートのマーク,すごい可愛いですし,まぁ,プレゼントや贈り物なんかでもね,こう…キャッチーじゃないですか,とても.
ピーター・パン 監督=P.J.ホーガン
何か,こんなにもファンタジックでね,ロマンチックで,こんなにも「ラブロマンス」みたいなのも隠されていたんだな,というのも驚きだったし.慎吾,泣くんじゃないかな.
−泣きますか?
うん,・・・結構,そんな気がするな.何か最後の,I do. I do. って,ねぇ,こう・・・妖精はいるんだ,生きてるんだ!ってみんなで声を揃えて,ティンカーベルをね,生き返らせようと,こう・・・みんなで掛け声をかけるところ.あそこは結構,感動的なシーンだし,あそこで慎吾,泣くね,たぶん.
−あはは(笑)
「妖精」・・・とにかくよかったなぁ.なんか,うん・・・いるのかな?
−ねぇ.大人にはもう・・・.
見えないのかな.よくさ,お化けとかもそうだけど,子供には見えるとか,純粋な心を持ってると,見えないものも見える・・・うちで飼ってる猫なんて,お化け見えてるし.
−えっ・・・(大汗).
見えてますよ,もちろん.
−えっ,どうして分かるんですか?
こうやって見てますもん,うちの壁とか.いや,だから,うちの猫もね,妖精を見えてるんですよ.ああ,そうかもしれない.うちの猫はね,たぶん,「ティンカーベル」が見えてるかもしれない.ってことは僕にも妖精が近づいてきているのかもしれない.「どうしよう・・・」(←これが満30歳の男の発言なんだよね(^^;)).
−どうもしません.
えっ,どうもしません?(笑)
ピーターパンをワインに喩えると,ええ,やはりですね,ボジョレー・ヌーボー.うん・・・.
−ああ・・・新酒.
新酒の年に1本,まぁ,お祭りのワインとして,豊作を祝うための.決して熟成させちゃいけないという決まりは無いんですけれども.必ずその年に飲まれてしまう.まぁ,熟成させておいしいワインかどうかは分からないですけれども,いつまでたっても大人になることのなく,うん…,という意味で,僕はボジョレーヌーボーを挙げます.
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こうして、5本の映画評が揃いました。以上を踏まえてなのかどうかわ分からないけど、ここで慎吾君へのお薦め映画を順位をつけて発表です。ただ、まぁ、何て言いましょうか、ここでも吾郎君=ワインのイメージを強調させたいのか、吾郎君、ワイングラスを片手に語ります(必要以上のそういう演出はやめてくれ!!!>タカ○タ) |
ええ…,とにかく,こんなに僕を,ええ…酔わすことの出来る映画というのは,うん,もう,久々でしたね.『ロストイントランスレーション』.
2位はですね.まぁ,これこそ,我々が誇れる日本の,正に「MIJ」なんじゃないかな,と思いました.『アップルシード』.
ええ,第3位は,この,ワインの涙のごとく,僕は思わずほろりと涙をしてしまいました.『ピーターパン』.
慎吾君は変身物とか大好きですから.スーパーマンチルドレンですから.スーパーマンで育ったこどもだからね,慎吾のSはね.慎吾君も今,新撰組でまぁ,体力も疲れていると思いますから(?),疲れを吹き飛ばすこの映画.『キャシャーン』.
というわけで、5位はキル・ビル vol.2でした。 |
これをまた,香取君が,ええ…,最高だったよ,吾郎ちゃん,と言ってくれれば,二人の親睦が深まる.
−親睦が深まる?
そう.そのためにも,まぁ,今後,僕がこのコーナーを続けていくためにも,ここでうまくかれとこう・・・噛合っておきたい.そこであえて,僕が一番すきなものを,彼にも一番一位としてお勧めしたいと思います.
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その吾郎君の思いが通じたかどうかはわかんないけど慎吾君のランキングは;
1位 アップルシード
2位 キャシャーン
3位 ピーターパン
4位 ロスト・イン・トランスレーション
5位 キル・ビル vol.2
でした.ピーターパンは最初はもう少し下だったのが,「あそこで慎吾,泣くんじゃないかな,というところで,あのえいぞうみてるだけでも,うるうるきそうだな,というのがあるし」「やっぱり吾郎ちゃんの話を聞いてるうちに,あのね,ワインの感じでピーターパンがぐっとあがりましたよね.ボジョレーヌーボーが,すごい,あ,ワイン,何ワインにたとえてんだよ,と思ってたのが,最後のピーターパンで…」ということでした.
次は一ヵ月後・・・っていつなんだろう? |