稲垣吾郎のボディ・ラビング

〜あるいはインクと肉体の幸せすぎる関係〜

(このサブタイトルもなんか好き!)


 SMAP×SMAP特別企画と題して放送された吾郎君の「ボディ・ラビング」の完全(?)レポです。個人的にことのほか今回の番組を気に入ってしまい、勢いでだけアップしております。

 インクラビングとは、体を使ったアート 人間拓のこと。人間の肉体そのものにインクを塗り、その肉体のエネルギーをアートにする。番組では、奇才アーティスト稲垣吾郎のアトリエを舞台に、吾郎君が依頼を受け、依頼者の願いを叶えるために様々な作品を制作していきます。虚構と現実の入り交じった今回の世界、テーマそのものも素敵なので、番組としては少しおしゃれな作りに仕上がっていたと思います。吾郎君のモノローグも心地よかったし…

 フジのHPには、"単なるバラエティではなくて、きちんと真正面から肉体の美を再認識しようと思った"というプロデューサーのコメントも載っていました。"芸術的な趣の企画には稲垣さんがふさわしいと思った"というコメントもちょっと嬉しかったりします。

 以下、吾郎君のモノローグと共に進行していく番組のレポです。


プロローグ

あのときは。そう、あのとき、あのとき…。本当にどうなることかと思った。僕はとりつかれたように100人もの高校生の体に赤いインクを塗りたくっていた。彼らの運命を変えるために。

こんな風に言ってもわからないか。話を少しも前にもどそう。そう、あのグラマーな女性のときもそうだった。

  吾郎 「私の作品の一つになっていただけますか?」

−アトリエで、黒インクを手に女性をモデルにひたすら芸術活動に打ち込む吾郎君の姿…(^^;) (いいのか〜、こんなのをまだ深夜番組の時間には早いのに放送して〜)

あの日は黒いインクが僕を狂わせた。いや違う。彼女の肉体にひらめいて突っ走ってしまったんだ。僕の職業はインクラビングアーティスト。人間の美しい肉体で拓を取る芸術家。やっぱりあんな約束をしなければよかったんだ…

吾郎 「分かりました。あなたの運命を変える作品をお造りしましょう」

稲垣吾郎のボディラビング

〜あるいはインクと肉体の幸せすぎる関係〜

GORO INAGAKI

−カメラに向かってピストルを打ったり、作品の構図を決めているようなポーズをしたりの吾郎君。こういう早送りの映像って好きだわ。

僕の芸術活動はだれにも止められない。アトリエには二人の助手がいる。
−同じく、カメラの前でポーズを決める小林さん こと パンチUFO氏

妙に冷静な男性と…

assistant

PUNCH UFO

assistant

MAMI KUROSAKA

−最後に同じくカメラの前でインクを混ぜたりの作業をしている黒坂さん

僕の才能の虜になった女性…

インク・ラビングについて話しておこう。フランスの芸術家、イヴ・クラインの大掛かりなパフォーマンスが世界に衝撃を与えた。一言で言えば人拓。肉体に秘められた潜在エネルギーがキャンパスに解き放たれる。まさに運命の芸術。

GORO's Office

−水の入った透明のCUBEにのインクを流し込んでいる吾郎君。その様子を横で見ているアシスタントの小林さん(ちょっと胡散臭そうな男性(^^;))&黒坂さん(若い女性)

  吾郎 「(赤と青のインクを流しながら) よし、そのままゆっくり…」
  小林 「いったいった」
  吾郎 「チッ。いってないよ全然。何も分かってないな小林君は、芸術ってものが」
  黒坂 「小林さんにはセンスがないから」
  小林 「何だよ黒坂君。分かったような顔をして。本当に分かってるの、君?」
  黒坂 「私は分かってますよ。吾郎さんの芸術は全部!」
  小林 「ウソだ、全然分かってないよ。よし、ちょっと見てよ。ほら、よく見てよ」

−といきなり高速で両手をぐるぐる回し始める小林氏。

  小林 「はい、どっちまわりだ?」

−何か、いい所ついてくるわ、パンチUFOさん。思わず素に戻って笑ってしまう黒坂さんと吾郎君。この笑いは素だよね。最初は完全にドラマ仕立てで始まった番組が、この部分でドラマと素とが入り交じった世界に変わっていきます。

  小林 「早く答えてよ。早く答えなきゃ。どっち回り?」
  黒坂 「前…」
  小林 「前?全然分かってない…」

−と嘆かわしいといった顔つき(^^;)。いいなぁ、この間…。そして、一方の吾郎君、その空気の流れを無視して番組を進めようとします。

  吾郎 「ああ!もう少しで、の融合が見られたのに…」

−すると…

  小林 「ユウゴウのユウとは何編でした?」

−とパンチUFO氏。今度は吾郎君への攻撃だ〜(笑)。

  吾郎 「・・・は?」

−と口を開けたまま固まる吾郎君。で、咄嗟に空中にいい加減な文字を指で書いてます…

  吾郎 「融合だよ。これだよ」
  黒坂 「どれですか?」
  吾郎 「(再度、空中に書きながら…) これだって」

−と相変わらずいい加減にごまかす吾郎(^^;)

  小林 「早くて見えないですよ」
  吾郎 「毎回毎回こんなことをやっていたら長くなっちゃうから…大丈夫、大丈夫」
      (さ、さすが吾郎君、逃げが上手いわね(^^;)。


作品1:キャベツ食べ放題 モデル:中山エミリさんの場合…

GORO's Office

あの日僕は朝から興奮ぎみだった。彼女の美しいあの部分をついに作品にできる、そう思うとイマジネーションが膨らむばかりだった。

−オフィスに来客を知らせるチャイムの音が鳴ります。扉を開けて登場したのは中山エミリさん。中山さんと面して、吾郎君の両サイドに黒坂さん,パンチUFOさんが座り、作品づくりの前に面談が始まります。

  小林 「この方がインク・ラビング・アーティストの稲垣吾郎さんです」
  中山 「よろしくおねがいします」
  吾郎 「こちらこそよろしく」
  中山 「・・・あの、私、何をされるんですか?」

−とごもっともな質問を投げかけるエミリさんに、自分の世界を展開し続ける吾郎君。

  吾郎 「美しい・・・」
  中山 「?」
  吾郎 「美しい・・・何て美しいんだ。はっ・・・神よ!」(吾郎君、飛ばしてます!)
  一同 「?」

  吾郎 「まぁ冗談はさておき…」
  中山 「冗談なんですか?」
  小林 「冗談なんですか?」
  吾郎 「(笑)」(笑って誤魔化すな!)

  吾郎 「今、どこに来たのか全然わからないでしょ」
  中山 「ええ。どこだかここだかも…」
  吾郎 「この状況がお芝居なのか、何だかもわからないと?」
  中山 「はい」
  吾郎 「いいですねぇ…」

  吾郎 「あなたは、この日本で、いや世界中で一番美しい髪の持ち主なんですよ」

−と言うだけ言って、何故か突然一人で笑い出す吾郎君。

  中山 「あの、先生、私、やりにくいですかね?」(ナイス突っ込みです、エミリさん)
  吾郎 「いや、全然。大丈夫(^^;)」
  小林 「いつもこうなんで」(こっちはナイス フォローです(^^;))

  吾郎 「エミリさん。あなたの一番好きな、野菜は?」
  中山 「好きな野菜は、セロリです」
  吾郎 「セロリ…わかりました。タイトルは『キャベツ食べ放題』!」(爆)
  小林 「ちょっと待ってください。セロリですよ…」
  吾郎 「チッ(--;)
  中山 「あの、私どうしたらいいですかね?」
  小林 「みんな同じ意見です」(苦笑)

のインクが僕を呼んでいた。そう、命の色たち。使用するインクをCUBEのバッグに放出する、至福の瞬間。も20リットルずつ。この扉の向こうに僕のアトリエがある。そこでインクと肉体とが幸せすぎる関係を結ぶ。

GORO's Atelier

−アトリエに場所を移し、いよいよボディ・ラビングが行われます。アトリエにはラビング・アートの道具の他に、楽団ありの、ダンサーありの何でもありの空間。本当に、意味があるようで、まったく意味のない不可思議なアトリエだわ…。そしてモデルとなるエミリさんも着替えを済ませ、準備完了です。

  吾郎 「では、ボディ・ラビング スタート!」

楽曲:「麦畑」 BOSSA NOVA

ここでは、音楽もダンスもすべてが即興。計算できない芸術的爆発が幾度も起きる。この日の僕は美しいキャベツのために、まず彼女の背中に青いインクを塗った。

  吾郎 「いきますよ。ちょっと冷たいかもしれない」
  中山 「ああ、冷たい!」

−悲鳴をあげつつも、吾郎君はエミリさんの背中から腕,指先にかけて、徐々に青のインクで染めていきます。

背中から腕、指先にかけてのしなやかなラインは思った通りだった。上半身全体がキャベツを載せる台座になる。

−そして、音楽を制止する吾郎君。次の段取りに移ります。

  吾郎 「そのままキャンバスに倒れ込んでください」

−両手を上に上げたフォルムのまま、エミリさんをキャンバスの上にゆっくりと寝かせます。

敷き詰めた白いキャンバスが彼女を迎える。そして、僕の全神経は彼女の美しい髪に集中していた。キャンバス全体に髪を広げて、神秘的なフォルムをつくりだしたかった。スプレーで髪の周りに緑のインクを吹き付けて行く。世にも不思議なキャベツがキャンバスの上に現れる。

−長い髪をキャンバスの上に逆立てた形に広げ、その周りに緑のスプレーを吹き付けていきます。それにしても吾郎君、真面目にやってるんだよねぇ。どこまでが素なのか、分からないんですけど、なかなかいい感じで進んでいきます。そして、吾郎君、音楽をストップさせると…

  吾郎 「それでは…失礼します!」

−と中山さんのボディをキャンバスに押し付け、エミリさんの背中の青インクをしっかりとキャンバスに付着させる吾郎(笑)。拓をとるということは、こういう作業が入るのねぇ。視聴者からクレーム来ないか?(笑) とはいえ、そんなこんなで作業終了のようで、キャンバスに横たわっているエミリさんをゆっくりと起こします。丁度、背中から腕の青のラインを台座として、その上に一杯に広がった緑のキャベツが浮き出ています。頭と髪の部分がキャベツの芯の部分になってるのね。

  中山 「すごい、なんかここに自分がいたとは思えない感じですよね」

生命力のシンボルとされる美しい髪と、赤ん坊が産声を上げるキャベツ畑。そんなイマジネーションが見事なまでに融合した作品。正に「キャベツ食べ放題」!

  吾郎 「ああ、このキャベツを思いっきり食べてみたいな」
  小林 「先生、話長すぎて最初の方、忘れてしまいましたよ。
      わかりました、エミリさん?」
  中山 「…食べたい、ということですよね」

−その言葉を聞いて…思いっきり咳き込む吾郎 (オーイ!)

  小林 「ちょっとちょっと…」(^^;)


[アイキャッチ1]ブラックなイナガキ
番組予告にもあった、黒の巨大インク容器にFYLのビデオっぽく落ちる吾郎君。それにしても、この後、吾郎君の人拓はとらなかったの?勿体ないなぁ(笑)


作品2:本当は怒るとこわい高木ブー モデル:高木ブーさんの場合…

GORO's Office

あの日僕は一人の人物を探してた。

−オフィスに残っている小林さんと黒坂さん。吾郎君の姿は見えません。

  黒坂 「吾郎さん、帰って来ないですね」
  小林 「心配で仕事が手につかないか」
  黒坂 「そんなんじゃないですよ」
  小林 「黒坂君はアーティストとして吾郎さんが好きなの?
      それとも一人の男として好きなの?」
  黒坂 「両方ですよ」
  小林 「またさらりと言うねぇ。でも本当は安藤政信さんが好きなんでしょ」
  黒坂 「(@o@) 何で知ってるんですか?」
  小林 「全部知ってる」
  黒坂 「格好いいですよね(*^^*)」
  小林 「で、吾郎さんとどっちが好きなの?」
  黒坂 「安藤政信さんが好き…」
  小林 「・・・」(番組進行上、どうしていいのかわからない小林さん(^^;))

−そのとき、オフィスのドアが開く。メチャクチャ格好つけてオフィスに入ってくる吾郎君。

  吾郎 「噂をすれば影。・・・黒坂君、僕じゃダメ?」(と自意識過剰な発言)
  黒坂 「(^^;)」(どう答えればいいのやら…)

  吾郎 「今日はどうしてもボディ・ラビングのモデルになって頂きたい方を
      ここにお連れした!」

  小林 「ど、どなたですか?」

−そして・・・

  吾郎 「♪ド、ド、ドリフの (顔に手をかざすポーズを決めて) 大爆笑」(笑)
      (こういう細かい笑いが今回の番組のツボだったりする…)
  小林 「なんでそんな格好つける意味があるんですか?」

−と、そんな突っ込みを全く意に介する様子もなく、一人の客人をオフィスに招き入れる吾郎君。

  吾郎 「どうぞ」
  小林 「あ。高木ブーさんじゃないですか!」

ターゲットは高木ブー。使用するインクは、そしてこげ茶。ブーさんが内に秘めた真実の姿をキャンバスに描き出したかった。僕がひらめいた作品のタイトルは「本当は起こると怖い高木ブー」。フォルムは当然、雷様。

GORO's Atelier

−吾郎君とアシスタントがインクを用意してアトリエに入ると、そこではボディラビングのために、真っ白な雷様の衣装を身につけている高木ブーさんが待っています。

  小林 「今回はラビングのためにホワイトの衣装を着て頂きました。如何ですか?」
  高木 「やっぱりグリーンの方がいいな」

−その言葉を聞いた吾郎君…

  吾郎 「ああ、心が感電して動けない(吾郎ワールド全開だ〜)
  小林 「ど、どういう意味ですか?『緑がいいな』って…」

−そんな言葉は無視して(^^;):

  吾郎 「では、ボディラビング、スタート!」


楽曲:METAL「ドリフ大爆笑」 (やっぱり曲はこれなのね)

−ブーさんの全身を緑で塗り、次にパンツの部分を茶色で表現する吾郎君。

純白の雷様にのインクを塗り、本来の姿に近づけて行く。このとき僕は本当に感電しそうなくらいブーさんのエネルギーを感じていた。パンツの部分はこげ茶の縞模様。そのまま白いキャンバスにレッツ・ブー(^^;)。

−吾郎君のナレーションに併せて、高木ブーさんは床の上のキャンパスに向けてダイブ!一方の吾郎君、キャンバスの横に立ててある脚立に登り、上から赤インクの入った水風船をキャンパスめがけて投げつけ、キャンバスの上で弾ける風船。この作業がまた、無邪気に楽しそうなんだわ、吾郎君…(^^;)

ここから怖さを表現する。水風船に赤いインクを入れて、キャンバスに叩きつける。果てしない***。僕の興奮はいやおなく高まり、ブーさんの内なる怒りをどこまでも感じた。

  吾郎 「息できないんで、いきますよ。ブーさん生きてますか?」

−そう言って、アシスタント&スタッフ総掛かりで高木ブーさんを起こします。寝かせていたキャンパスを立て、緑ボディに茶色と黒の縞々パンツ。そしてその周りには赤色の雷様の怒りが爆発している作品「本当は怒るとこわい高木ブー」が見事に作品が完成です!

  吾郎 「すばらしい…」
  小林 「ブーさん大丈夫ですか?」
  高木 「一瞬息ができなかった」
  吾郎 「正に、本当は怒るとこわい雷様、高木ブーさんです!」
  高木 「(作品を見ながら) 怒ってる…」
  吾郎 「怒ってます!(キャンバスの髪の部分を指して)これ、雷様じゃないですか〜。
      飛び込むときはやっぱり怒りの顔でしたよ。
      娘さんなんかはきっと見たことない顔でしょうね」
  高木 「かもしんないね…」

人々が恐れる雷様。それは神の怒りの代弁者。しかし神なりは必ず恵みの雨という愛情を注いでくれる。ブーさんの怒りも、みんなへの愛情の証…。


[アイキャッチ2]ブルーなイナガキ
真っ白の背景の中、完璧美形モードの吾郎君の顔のアップ映像。ああ、もうすてきだわ〜(*^^*)。スタッフの方、よく分かっていて下さるぅ。その吾郎君の髪にのインクが滴り落ちてくる。髪から頬に、そして口の中にインクが…。大変だねぇ、アイキャッチ1つ取るのに体張ってるよねぇ。


作品3:喝采 モデル:輪島功一さん,具志堅用高さん,薬師寺保栄さんの場合…

GORO's Office

−オフィスの机に一人の訪問者が座っている。どうやら次の作品の依頼人のようです。

あの日僕は突然やって来た依頼人を前に、少々困り果てていた。彼はデビューを間近かに控えたボクサー。難しい悩みを抱えて僕のアトリエへ彷徨いこんできたらしい。不良でどうしようもなかった彼を変えてくれた恩人がいる。先輩ボクサー、32歳。30を過ぎたらピークが終わったといわれるボクシング界で世界チャンピオンを目指しているらしい。そして彼は僕の前でこんな願いを口にした。

  依頼人「4月3日、二人とも試合に出るんで、その試合に勝ちたいんですよ」

−それに対するアーティスト吾郎の回答は…

  吾郎 「あなたの運命を変える作品をお作りしましょう…

−そして、スタジオを訪れたのは、歴代のチャンピオン、輪島功一さん,具志堅用高さん,薬師寺保栄さん。3人が並ぶと壮観です。

彼らにパワーを与えたい。そう思った僕は一週間後、3人の男をアトリエに招いた。薬師寺保栄、世界バンタム級チャンピオン。研ぎ澄まされた肉体をもつ、90年代屈指のファイター。具志堅用高世界ジュニアフライ級チャンピオン。その肉体は冠ワシの異名をとる。輪島功一、世界ジュニアミドル級チャンピオン。必殺技、蛙跳びを可能にした驚異の肉体。

GORO's Atelier

−着替えを済ませ、元世界チャンピオン3名がアトリエに登場です。

  小林 「すばらしいですね、吾郎さん」
  吾郎 「世界最強の男たちの凄まじいまでのエネルギーを感じる…」
      (また何か語ってるよ…(^^;))

−具志堅さん,薬師寺さんには王者のポーズで人拓をとらせてもらい、輪島さんには拳にインクをつけて渾身の右フックの拓を取らせてもらうことに。

  吾郎 「そのパンチは僕がこの体で受け止めます。よろしいですね」
      (でも、見ているこっちは吾郎君がちゃんと受けれるかどうかが心配…)

  吾郎 「ボディラビングスタート!」

楽曲:ロッキーのテーマ 〜 slow ballade

二人の王者はリングのシンボルカラーを全身にまとう。どちらもたけき血潮の色だ。二人の全身にペイントを施し、王者のポーズのままキャンバスにぶつかってもらう。

  吾郎 「ストップ!いくよ、せーの」

−そして、キャンバスにチャンピオン2名を押し付け、丁寧に拓をとっていく。そして、とれた拓を見て…

  吾郎 「いや〜、我ながら、素晴らしい出来なんじゃないかと…」
      (と、自画自賛の吾郎君(^^;)。でもこれは本当に素敵だよ、うん)

  吾郎 「トランクのゴムとかも、凄い!」

−仕上げに輪島さんによる右フックのラビングを、吾郎君自身が体を張ってとることに。まずはマネキンを使ってのパンチ力のテストをして戴きます。パンチの威力にマネキンの腕が取れちゃう(吾郎君、や、やばい?!)。そのパンチを見て、言葉が出ないイナガキ。さらにその横から、薬師寺さんが輪島さんをけしかけ…

  薬師寺「輪島さん、柳サイトとやった時のことを想い出して下さい!」
  輪島 「ああ、あれなぁ」(遠い日を懐かしむ輪島さん)
  吾郎 「あの、僕、柳サイトじゃないすからね…。僕、あのスマップ… なんで」

−と、素に戻って抵抗するイナガキ(^^;)。まぁ、とにかく覚悟を決めてミットを構え・・・

  吾郎 「王者の拳!」とミットを構えます

楽曲:あしたのジョー 〜 slow ballade

  吾郎 「では、お願いします」

−輪島さんのパンチが吾郎君が手にしたミットに見事ヒット! ・・・の後、パンチは逸れて腕にヒット!!思わずのけ反る吾郎君。表情は驚きの表情になってます。

  吾郎 「(@o@)ちょっと!ちょっと!
      ちょっと!手に当たりましたよ、こっちの! 過失致死じゃないですか、これ!!!」
      (いや、死んではいないと思うよ、吾郎君…(苦笑))
  小林 「吾郎さん、こっちよりも、こっちの方がついてますよ」

−そして、2度目のチャレンジ…。輪島さんの拳がミットに炸裂し、パンチの威力で後方に倒れ込む吾郎君…;

  小林 「どうですか、吾郎さん」
  吾郎 「・・・と、とれてるねぇ。とれるとは思わなかったけど」

世界を勝ち取った恐るべき右フックが強烈なエネルギーを放ち、赤コーナーと青コーナーから2人の王者が雄叫びを上げる。チャンピオンの小さな拳に世界中が熱狂する。題して「喝采」!

−「喝采」ボクシング世界チャンピオンの力強さが表現された作品。キャンバス左手に具志堅さんの赤のインクラビングが、右手には薬師寺さんの青のインクラビングが、フォルムを写しています。そしてその二人に輪島さんの黒地に城の拳が炸裂している作品です。

  輪島 「いや、こういうのが今できる。あのとき頑張っておいてよかったな、
      これを今の若者に教えてあげたい。あの時、頑張っておけばよ、ではない。
      あの時、頑張っていて良かった!と思う人間になって欲しい、みんなに…」

−そして、映像はその後の依頼者のジムでの場面に移ります。

世界チャンピオンの生きざまを描くいたこの作品を、その日、依頼人に託した。彼は先輩に喜々として作品を見せ、自分の思いを綴った手紙を読み始めた。
二人の勇者よその拳に喝采あれ!


[アイキャッチ3]グリーンなパンチUFO氏


作品4:アダムとイブ モデル:素人カップルさんの場合…

GORO's Office

あの日は僕の前に19歳同士というカップルが物おじもせずに座っていた。付き合って1年になる2人の仲が最近ぎくしゃくしているらしい。

  女性 「私の前付き合ってった人のときに浮気をしていたって、彼の友達から
      聞いたんだよね」
  吾郎 「私が前付き合っていた人と浮気をしたの、彼が?男同士じゃない」
      (素人相手にナイス突っ込みですぅ…(笑))
  女性 「違う。違う。彼が、彼のもとかの」
  小林 「もとかのって何?」
  吾郎 「元彼女」(と、冷静に答える吾郎君がちょっとツボ)
  小林 「ああ」
  女子 「元彼女の時に彼浮気をしていたんですよ」
  吾郎 「前科がある…」
  女性 「前科があったんですよ」
  吾郎 「まぁそういう問題があり、ちょっと心配でお互いがギクシャクしている時に、
      作品にして愛の証にしたいということですね」

−そして、顔に手をあてるポーズをとり(このポーズがいいのよ〜(*^^*))、構想を練る吾郎君

  吾郎 「きた!」
  小林 「きましたか」
  黒坂 「きたんですね」
  吾郎 「今回のボディ・ラビングのタイトルは・・・『アダムとイブ』」
  黒坂 「人類最初のカップル」
  吾郎 「そう、二人の全裸をボディラビングする!」(えっ?)
  小林 「どっちも素人さんでしょ…だ丈夫ですか、本当に?」

−た、確かに…。本当にいいのか、そんなのを放送して?! だが、そういった周囲の冷たい目線を振り切るかのように…

  吾郎 「全裸!

−と何かに取りつかれたように叫ぶ巨匠イナガキ…(笑)。

GORO's Atelier

アダムとイブには黒が相応しい。それは再生を意味するからだ。どんなエデンの園ができあがるか、僕はゾクゾクする。

  吾郎 「ボディ・ラビング、スタート」

楽曲:ballade 朝日を見に行こうよ (ここでSMAPの曲がくるとは…(苦笑))

  吾郎 「アダムとイブよ、生まれたままの姿に戻りなさい」
      (とっても恥ずかしい台詞のはずなのに、いともあっさり言ったわね…)

その瞬間彼女の恥じらいがアトリエ全体を緊張させた。と同時に2人の愛情がその肉体から溢れ出ていることを僕は強く感じた。2人の手をギュッと握らせ純白のエデンの園へ向かう…

  吾郎 「それではキャンバスに身を投げてください」

エデンの園にアダムとイブを見つけた。その肉体からは愛の賛歌が聞こえる。見つめ合う2人の愛のエネルギーをキャンバスは確かに受け止めた。
2000年のアダムとイブ。2人の愛の形が衝撃的なフォルムとなって目に飛びこんできた。そして、いつにない満足感が僕の中で広がっていた。白の世界の中で暮らすアダムとイブ。白は永遠を意味し、黒は再生を意味する。二人はどんな危機が訪れても永遠に再生を繰り返す…

−両手をしっかりつないだ男女のシルエットが浮かんでいます。

  吾郎 「できることなら、僕もこの服を脱ぎ捨てこの才能を永遠のものと
      したい!!」
  小林 「許しますよ。脱ぎます?」(^^;)
  吾郎 「僕は脱がないでしょう…」

−で、この後、小林さんにはどんどん突っ込んで欲しかったのに…

  黒坂 「この作品はお二人に差し上げる訳ですが、どうですか?」

−と台本通りに進めちゃう黒坂さん…(^^;)

  吾郎 「それではお二人とも、いつまでもお幸せに!」


[アイキャッチ4]レインボーな黒坂さん


作品5:ハイ!日本の社長です モデル:宮尾すすむさんの場合…

GORO's Office

僕のアトリエには一風変わったこんな作品もある。それは突然の訪問者によってもたらされたのだった。

  宮尾 「はい、お待たせしました。なんと今日はですね、まぁ、豪華豪華。
      すばらしいリッチな社長さんを訪問しております。」

−吾郎のオフィスにやってきた男〜宮尾すすむ。「稲垣吾郎のボディラビング」の台本を片手に説明する。オフィスからアトリエに進んで行く宮尾さん

GORO's Atelier

−アトリエに宮尾さんが入っていくと、そこには既に吾郎君,小林さん,黒坂さんが準備を整えて待っている。

  宮尾 「いいですね、このアトリエは。あなたもついでに」
  黒坂 「はい」(と宮尾さんの決めポーズを両手でする黒坂さん)
  宮尾 「最初は片手です。正式なハイはこうこうハイ」(と指導する宮尾さん(^^;))

そのとき、僕の心の鏡に何か映った…。

  吾郎 「見えた!」
  小林 「タイトルは?」
  吾郎 「『はい、日本の社長です!』」
      (これがまた、カメラに向かって素敵な笑顔ですぅ(^O^))
  宮尾 「気合入ってますね」
  小林 「見えたというわりにはそのままじゃないですか」(確かに…)

  吾郎 「では、ボディ・ラビングスタート!」

楽曲:「日光値千金」 MODERN JASS

「ハイ」とたった一言で日本中を魅了した男、宮尾すすむ。そして次々と登場した日本の社長。富のシンボル金色こそがこの作品には相応しかった。「ハイ」というポーズのまま顔と両腕を金色インクで丹念に染めていく。

  吾郎 「それでは宮尾さん、魂を込めたハイのポーズをお願いします」

その瞬間、黒いキャンパスを上から押し付ける。力強いハイのポーズが黒いキャンパスを押し返す。(またこれが、遠慮なく押し付けているんだ、吾郎君(^^;))

  吾郎 「いきます。我慢して下さい!」

『ハイ、日本の社長です!』はこうして完成した…

−キャンバスが元に戻され、宮尾さんのハイのポーズを決めた手と顔だけのフォルムが金色で黒のキャンバスの上に浮かび上がっている。だが…

  吾郎 「宮尾さん?」

−と呼びかけても応答がない…

  吾郎 「ちょっとお引き取りになられてしまいました…」
     (勝手に殺してるし…)

−再度、宮尾さんに呼びかけて:

  吾郎 「終わりました。ええ、ありがとうございました」

光り輝く日本の社長たちよこの国に、いつまでも反映をもたらしたまえ。


作品6:火の鳥 モデル:坂下千里子さんの場合…

GORO's Office

−おそるおそる吾郎のオフィスに姿を現した一人の女性…坂下千里子さん。オフィスのテーブルに座り、吾郎君と面接です。

僕の創作意欲は止まるところを知らなかった。あの日も彼女の特別なボディが僕のモチベーションを大いに高めていた。彼女のあの部分の美しさ、僕の目に狂いはなかった。

  坂下 「ちょっとお聞きしたいんですけど。私、なぜ今日ここに呼ばれたんですか?」
  小林 「それはですね…」

−小林君が説明しようとするが、それを吾郎君が無言で静止する。言葉で言えばいいのに、ジェスチャーで語ろうとする吾郎君(^^;)。それを見ながら小林君が代弁する。

  小林 「・・・(自分で)説明したい」

−無言でうなずく吾郎君。こういう細かい笑いが好きだわ〜。

  吾郎 「ええ、話しは長くなるんですが・・・
      世界で一番美しいあなたのその足をインク・ラビングしておきたい。
      ・・・そう思っただけです」
  小林 「短いじゃないですか!」(と、お約束の突っ込みが)

  吾郎 「ちょっと立ち上がって戴いてもよろしいでしょうか?」

−そう言われて普通に椅子の上に立つ坂下さん(^^;)。まさか椅子の上に立つとは思っていなかった3人:

  一同 「・・・(@o@)」
  吾郎 「いや…」
  小林 「そこにですか?」
  坂下 「見やすいかなぁ、と思いまして…」
  吾郎 「子供の頃、怒られなかったか、こういうことやって!」(厳格なのね…)
  吾郎 「でも、まぁ、とても見やすいから…」(でも許しちゃうのね(苦笑))
  小林 「はい」

−そして、モデルを前にイマジネーションを膨らませる吾郎君

  吾郎 「来た」
  黒坂 「来ちゃいましたか?」
  小林 「今回のボディラビングのタイトルは?」
  吾郎 「テーマは、火の鳥!」
  一同 「・・・?」(←言葉を失ってる)

−ぱたぱたと手を鳥のように羽ばたかせる坂下さんと吾郎君。なんか無邪気だわ…(^^;)。それにしても、ホント、どこまでが台本で、どこまでがマジなんだろう、これ?

  小林 「飛んでる・・・」(^^;)

最も高貴な色、黄色に情熱のを混ぜるとき、インクは炎の様に燃え上がる。僕の心の中ではすでに火の鳥が羽ばたこうとしていた…

GORO's Atelier

−衣装を変えてアトリエに登場の坂下さんを吾郎君たちが迎えます。

  吾郎 「それではボディラビングスタート!」

楽曲:I wanna be loved by you 現代音楽

  小林 「じゃぁ、まずサンダルを・・・」
  吾郎 「いいですか、足を上げていただいて」

−と、まずは履いているサンダルを脱がせる吾郎君(なぜかこういう動きに反応をしてしまうのは私だけ?)。そして、赤のインクで坂下さんのボディの正面全体を塗っていきます。

細くしなやかだが、ボリュームを感じる彼女の肉体。その神秘的なたたずまいに、僕の感覚は研ぎ澄まされ、いつしかインクを塗るのに没頭しはじめていた。(と言いながら…)

  坂下 「きゃー」

何があっても全身に塗らなければならない (と、自分に言い聞かせるようなナレーション(^^;))

  坂下 「(笑)」
  吾郎 「笑わない、笑わない!」
      (確かに、笑われちゃうとすっごくやりにくいよねぇ)

真紅に染まった彼女はキャンバスに舞う。

  吾郎 「音楽・・・」(と、一旦音楽を停止し…)

彼女の全身拓をリアルに写し、炎色のスプレーで羽と尾を描く・・・永遠に飛び続ける火の鳥が完成した。

−両手を広げ、片足を真っ直ぐ伸ばしたまま斜めに挙げた状態での赤のインクラビングで火の鳥を表現。その周りに炎色(オレンジ色)のスプレーが火の鳥の炎,火の粉を表現している…。ちょっと感動的な作品です。

  小林 「イメージどおりですか?」
  吾郎 「まさに火の鳥」

命の火が決して消えることの無い不死鳥 火の鳥。命に限りがあるからこそ、人間はその鳥を追い求めるという。今、彼女の美しい脚はキャンバスの中で永遠の命を手に入れた…。

  吾郎 「(自分の世界に入り込んで) そう、これはまさしく生命の賛歌!」

−といって小林さんの方を振り向く。ほとんど笑いかけの吾郎君(^^;)

  小林 「いや、ああ」(とリアクションに困る小林さん)

  坂下 「これって、もらえるんですか?」
  吾郎 「これはあの、依頼を受けてるわけですからね、我々は」
  小林 「いや、吾郎さんがですね、呼んだんですよ」
  吾郎 「・・・細かいことは。
      僕は今、これに没頭していたから…」

−と、まるで設定を把握していない吾郎君でした(^^;)。


作品7:魂のボール モデル:高校の生徒達の場合…

−赤のインクの入ったCUBEを前に、固まっている吾郎君。赤のインクを使い果たしてしまっている…。

僕の悪い予感は必ず的中する。あの時、そうあの時もそうだった。気が付いたら赤色のインクの前で金縛りになっている自分がいた。そして嫌な胸騒ぎに襲われた。

  吾郎 「赤色のペンキを100リットルほど買ってきて欲しいんだが?」
  黒坂 「100リットル?」
  小林 「また、何で100リットルも必要なんですか?」
  吾郎 「予感がするんだ」
  小林 「予感って?」
  吾郎 「呼んでいるんだよが。
      ホラ、ほらこうやって耳をすますと聞こえてくるんだ、の声が」
  小林 「どんな声ですか?」
  吾郎 「『おい、吾郎さん、わたしを迎えに来て』 ほら聞こえるだろ」
      (吾郎君、そ、それって…もしかして去年の舞台のハヤブサ君モード?)
  小林 「それ、腹話術じゃないですか!!」
  吾郎 「ばれた?」(ばれるよ〜)
  小林 「そんな人形じゃないから」
  吾郎 「確かに…」(素直じゃない…)

その日、僕のアトリエにやってきた依頼人は、高校の野球部員。彼らの話によると野球部はわずか12人。そしてこの春、3年生が5人卒業すると残りは7人。弱い上に人気もない野球部に対して、学校側からこの春で廃部にすると通告がなされたという。
野球部存続の切なる願いを僕は聞き入れることにした。野球ボールの108つの赤い縫い目、それを生徒達108人のボディラビングで表現し、その思いを託したボールを学校側へ投げ返してみよう。しかしそれは高校野球連盟のルールにそぐわないことだった。

−そして舞台は依頼者の高校に移り・・・ 赤色のインクを入れた容器を手に登場の吾郎君と助手2名。とりあえず超シリアスモードの吾郎君…;

  吾郎 「野球部の運命を、この僕が変えられるだろうか?」
  黒坂 「吾郎さん…」

−そして…

  小林 「素で行きません?長丁場になるでしょう、今日…」
  吾郎 「・・・そうだな」
      (あっさり納得しちゃったその表情が好きだ〜!)
  黒坂 「(^^;)」
  吾郎 「普通に行こう。行きましょうか…」

−というわけで、ナチュラルモードで以下進行…(笑)。まずは高校の理事長室に向かい、理事長に今回の話を直談判する3人。

僕たちはまずは理事長の元を尋ねた。そして生徒達108人の思いが1つになった野球ボールラビングがもし成功したら、廃部を思い止どまってほしいと提案した。

  理事長「それ自身をね、生徒達が望むものなら…」
  吾郎 「よろしいですね、約束ですよ」

学校側のOKをもらい、野球部の12人は必死の準備にとりかかった。体育館に巨大なキャンバスをしきつめ、全校生に呼びかけるビラを作る。そんな彼らの姿を見て、なんとしても成功させたいと思った。そして、約束の日がやってきた…

  吾郎 「では君たちの野球への情熱が試される時がきました。約束の時間は午後4時。
      あと4時間。それまでに108人の全身拓がとれれば野球部は存続します」

−そして、早速、野球部員12名のインク・ラビングから開始することに…:

  吾郎 「では運命の野球ボールラビング、スタート!」

1人の人間が野球ボールの一つの縫い目になる巨大な作品。野球部12人が全裸となり、その肉体に赤いペイントが十二分に施された。そして白いキャンバスにうつ伏せに押し付ける。一見単純だが、108人分、根気よく続けなければならない。制限時間は4時間。本当にゴールにたどり着けるのだろうか?始めて間もなくいやな胸騒ぎに襲われた。その直後野球部の彼らが口々に108人は無理かもしれないないと言い始めた。漠然とした不安を抱えながら時間だけがすぎていく。ようやく野球部12人分の野球ボールラビングが終了した。思いのこもった12本の縫い目…。

  吾郎 「12本、終わった」
  小林 「はい、でも、まだだれも来ていないですよ。僕探してきますよ」
  吾郎 「うんちょっと、今の段階で来て無いというのはまずいから」

−そして小林さんが体育館の外に出て行く。しばらくして急ぎ足で戻ってくる…

  小林 「吾郎さん、来ましたよ!」
  吾郎 「来た!すごい、すごい、すごい」

大勢の生徒達が来てくれたこのとき、最後の最後であんなことになるなんて、夢にも思わなかった…

−そして次にやってきたのは…

  生徒 「ごろうちゃん!」

−体育館の入り口から女子生徒達がやってくる。そのすごい勢いを前に、駆け足で逃げる吾郎…(う〜ん、逃げ足だけは速い…)。で、少し落ち着いて…

  吾郎 「君は本当に高校生か?」(何て失礼なヤツ…)

二年生の女子生徒が水着で参加してくれた。みずみずしい肉体がまぶしい。

  吾郎 「君はあの、彼氏はいるのかな?」(と唐突な質問に…)
  生徒 「オヤジっぽいよね!」(爆)

−突っ込まれて、思わず恥ずかしさに頭をうなだれる吾郎君

  小林 「実はオヤジなんだよ…」(すばらしいフォロー(?)ですぅ、パンチさん…)

もうすぐ2時間が経とうとしていた。でもまだ半分もいかない…。野球部のために、柔道部の連中や、つっぱりグループも一肌脱いでくれた。野球部を廃部にしたくない、生徒達のそんな思いが大きく膨らんで行く。野球部のOBたちも思いは同じだった。開始から2時間半、1つ目のボールが完成

  吾郎 「この倍やらなきゃいけないんだから」
  小林 「そうですね」
  吾郎 「それよりも人が来るかだね」
  小林 「時間もかなり予定よりも押してます」
  吾郎 「急ごう!」

ちょうど折り返し地点を過ぎたころ、またひとつ厄介な問題が起きた。自分の体が思うように動かない…。

  吾郎 「ああ、疲れた。結構手首とかいたくなってくるね。きついね。
      でも、ちょっと、とりあえずいる人数だけでもやりましょう。急ぎましょう」
      (と、まじめに作業を再開する吾郎君たち)

赤いインクと格闘し続け、残りあと4人。しかしここで人が途切れた…

  吾郎 「あと、4人。もういないかな、人が」

この日は土曜日、学校にはもうだれもいない。野球部員の表情も曇る。僕たちのボールはどこに転がっていくのだろうか?

  小林 「どうしましょう?」
  吾郎 「じゃぁ、学校の先生に」

学校の職員室に先生が3人残っていた。野球部存続のために、何とか協力してほしいと頼み込んでようやくOKがもらえた。年齢を、性別を越えて思いがひとつになっていく。そしてあと1人。

  小林 「あとひとりですよ」
  吾郎 「後一人だ」

あと1人、時間がのこり10分となった。そのとき…:

−野球部員の1人が最後の人拓は監督に頼みたいと提案する…

13年間、野球部の監督を務めるその人は70歳をこえているという。野球部の**君が何としても監督に頼みたいと話をしに行った。本当に苦しい道程だった。奇しくも最後の1人は野球部の老監督…

  監督 「我が野球人生でこういうことになるとは…」
  吾郎 「なるとはね、まさかおもいませんよね」

野球部のみんなの思いが一つの巨大なボールとなる。このとき僕は思った、芸術とは目に見えるものを写すだけではない、見えないものを見えるようにすることなんだと…(このナレーションにちょっと感動…)。ボロボロになった体を支えながら理事長との約束の時間を迎えた。立っているのがやっとだった。

−夜。高校のグランドに準備された舞台に移ります。舞台に登場する吾郎君と小林君&黒坂さん:

  吾郎 「理事長先生。お約束通りご覧下さい。
      108人の思い1つ1つが野球のボールとなった作品。
      名付けて『魂のボール』!」

−3人の背後で完成した作品〜巨大なキャンバスに描かれたボールの下地に沿って、108の縫い目が1つ1つ赤のボディラビングで表現されている〜がライトアップされます。そして壇上に上がってくる理事長さん。

  吾郎 「では理事長先生、108人の思いをくんで、野球部を存続させて下さいますね」

そして今回の依頼人から108人の人々に感謝の言葉が贈られた…。


稲垣 吾郎
パンチ UFO
黒坂 真美

中山エミリ
高木 ブー
輪島 功一
具志堅用高
薬師寺保栄
宮尾すすむ
坂下千里子

−大仕事を終え、高校を後にする3人。

  小林 「いやー大仕事でしたね、吾郎さん」
  黒坂 「早く私も吾郎さんみたいな素敵な
      アーティストになりたいな (ハート)」

−突然、足を止める吾郎君:

  吾郎 「あ。緑色のインクを700リットル程
      集めてくれないか?」
  黒坂 「700リットル?」
  小林 「またどうして?」

吾郎 「うん、聞こえるんだ、緑の声が…」 (爆)

  小林 「どんな声ですか?」
  吾郎 「外国語だからわからない…」(苦笑)
  小林 「そう来ましたか…。いや、分かる範囲で
      ちょっと聞きたい気もしますね」(うんうん)
  吾郎 「間違っても私は腹話術はやらんぞ(爆)。
      じゃぁ、行こうか」

プロデューサー 田中 猛彦
        小島 美佳
ディレクター  井上 晃一
構   成   高瀬 真尚
        鈴木おさむ

制作協力    ジーワン 
制  作    関西テレビ


インクラビングアーティスト稲垣吾郎の世界は仮想空間です


おまけ:「THE TIME HAS COME!」
次回のスマスマはいよいよマラソンだ〜


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