☆ 流 れ 星 ★

第10話 〜 二人の決断 〜

2010.12.20 21:00〜21:54


  • [じゃぁな]

    病院。マリアが眠る病室に忍び込んだ修一。
    マリアの首に静かに手を伸ばす。が、ふと我に返り、病室を出て行こうとする。

      マリア「記者の人?」

    人の気配で目を覚ましたマリアは、修一にそう尋ねる。

      修一 「・・・ええ。そうですけど」



    その頃、梨沙は、神谷の前から立ち去ろうとするが、体が思うように動かない。



    再び病室。

      マリア「どうぞ、何でも聞いて下さい」
      修一 「どんな気持ちですか?お兄さんが、契約結婚した相手をドナー
          にするなんて。梨沙さん…でしたっけ?」
      マリア「契約結婚なんかじゃありません。兄が騙したんです。梨沙さん
          のことを」

    そのマリアの言葉に、なぜか笑い出す修一。

      修一 「お兄さんがやったことはさ、酷い事だよね?」
      マリア「そうですね」
      修一 「どうしてそんなに誇らしげなの?」
      マリア「・・・お兄ちゃんが、私の為にしてくれたことだから」
      修一 「・・・・・・・・・。仲良しなんだね」
      マリア「はい。記者さん、兄弟は?」
      修一 「いるよ。妹がね」
      マリア「へぇ〜」
      修一 「小さい頃は泣いてばかりいてねぇ。僕がいないと何も出来なく
          てね」
      マリア「ふふふ」
      修一 「おかしい?」
      マリア「えっ?私のお兄ちゃんも、そう思ってるんだろうなぁ〜って。
          お兄ちゃんやるのも大変なんですね…」
      修一 「そうだね」
      マリア「だから・・・お兄ちゃんが困ったとき、今度は私が助ける」
      修一 「・・・」
      マリア「どうしたんですか?」
      修一 「あ、いや・・・。小さい頃に妹がそんなこと言ってたなぁ、と
          思い出してね」
      マリア「仲いいんですね」
      修一 「・・・・・・。じゃぁ」
      マリア「もう、いいんですか?また、いつでも」
      修一 「・・・もう来ません」

    静かに病室を出て行く修一。

    (このシーン、よかったですね。修一に兄ちゃんの悲しみや後悔や、妹を思う気持ちやそんなのが、無表情の中に十分こめられていたような気がします。もっと早くからこうやって、2組の兄と妹を比較しながら見せるようなことをしていけばよかったのになぁ。)



    修一が病院の廊下を出ると、看護師の留美と鉢合わせ鉢合せになる。

      留美 「あなた!!」
      修一 「マリアちゃんって、面白い子だね。じゃあ」
      留美 「・・・」

    修一はそのまま病院を立ち去った。



    病院。病室。
    梨沙が目を覚ますと、ベッドの中で点滴を受けていた。そばに神谷がついてる。梨沙は神谷がアレンジしてくれた病院に運び込まれていたのだ。

    神谷は梨沙に「岡田さんの覚悟、わかってあげて下さい」と言うが、梨沙は「もういい」と健吾のことを拒絶する。

    神谷は病院の人に梨沙のことを頼み、帰っていった。


    夜。
    病室で一人の梨沙。携帯に着信が入ったが、それには出ない。



    電話は修一だった。修一はとあるビルの屋上に居た。



    その後、病院を抜け出した梨沙。街中のバス停にまでやってきたとき、携帯を見ると留守番電話にメッセージが入っていた。

       梨沙・・・。
       電話に出てくれないんだね・・・。
       覚えてるか?前に、頼むから死んでくれって言ったよな。
       お兄ちゃんが梨沙に出来ることってそれくらいかな〜。
       お前がいないと、生きられないからさ。だから・・・
       じゃあな。

    修一はビルの屋上から飛び降り・・・、ビルの屋上には修一のマフラーだけが引っかかっていた。

    (もう、単純に号泣シーンでございますぅ…)




  • [一年後]

    (って、番組始まって早々に一年後かい!!そりゃぁ、10話の予告で、兄ちゃんの『じゃぁな』のシーンしか流れないわけだわ。それにしても、兄ちゃんがその後どうなったか、健吾が結局どうなったかを何も言わずに、『一年後』で済ませてしまうというのは、脚本のテクニックと見るか、脚本の逃げと見るか、意見が分かれるところかと。ちなみに個人的には後者。)



    自転車を駆るマリア。マリアは普通に高校生活を送っていた。
    自宅に戻り、クリスマスツリーの飾り付けをしている和子に、美術コンクールに入選したと告げる。


    そして、マリアは携帯電話で健吾にも報告した。その健吾は、今は運輸会社の配送センターで働いている。


    神谷は、以前の病院を辞め、町の小さな病院で働いていた。マリアは神谷には直接、コンクールに入選したことを伝えにやってくる。
    そこでマリアは、神谷に梨沙から連絡はないのかと聞くが、神谷は否定する。


    その梨沙は、熱帯魚ショップで働いていた。
    水槽の前から動こうとしない少年に、梨沙は声を掛ける。その少年は、引っ越した女の子に『ニモ(クマノミ)』をプレゼントするのだという。



    銀行のATMで、100円玉を投函し、お金を預け入れる梨沙。



    病院。喫茶コーナー。
    兄ちゃんが、二枚目オーラ炸裂しながらコーヒー飲んでます。(普通に生きてるやーん!!)
    そこに梨沙がやってくる。

      梨沙 「おお。何やってんだよ」
      修一 「おお、梨沙」

    そして、梨沙は修一の乗った車椅子を押す。修一はコーヒーカップをテーブルに置き、梨沙は修一が座る車椅子を押して喫茶コーナーを出て行く。

    (ということは、1年前に自殺をして、その後、一命は取り留めたものの、歩けなくなったという解釈でいいのかな。それだけじゃなく、修一、一年前とは全くの別人で、非常に温和な人間になってるよ…(笑))


    同じ病院のリハビリルーム。修一は歩行訓練をしていた。(飛鳥を思い出すなぁ〜)

      修一 「どう?大分歩けるようになったろ?」
      梨沙 「まだまだでしょ」
      修一 「ごめんな、迷惑かけちゃって」
      梨沙 「別に。今始まったことじゃないし」
      修一 「アタタタタ。きついお言葉。梨沙の部屋さ、近所に公園あるか?」
      梨沙 「・・・何で?」
      修一 「続きやろうぜ」
      梨沙 「え?」
      修一 「自転車の練習。乗れるようにしてやるって約束したろう?」
      梨沙 「覚えてたんだ」
      修一 「当たり前だろ。どんな自転車がいい?買ってやるよ」
      梨沙 「自転車ぐらい、もう乗れるよ」
      修一 「え?」
      梨沙 「もうガキじゃないんだから」
      修一 「そうだよな・・・」

    修一は寂しそうな表情を見せる。



    夜。岡田家。
    健吾が帰宅し、玄関の脇に置いてある梨沙にプレゼントした自転車に目をやる。健吾は帰宅するとそのまま自分の部屋に入る。そこにまマリアがやってきて改めてコンクールに入選したことを報告し、美奈子や千鶴ら、皆で見に来て欲しいと誘う。

      マリア「あとさ・・」
      健吾 「うん?」
      マリア「・・・もう一人」
      健吾 「・・・梨沙のことはもう」
      マリア「・・・そっか」

    (この1年間がさっぱり分からないので、何でそうやって離れ離れで居なきゃいけない理由がイマイチ実感としてよくわかんないのよね。)




  • [すれ違う2人]

    熱帯魚ショップ。
    ある日、神谷が梨沙に会いにやってくる。神谷は、留美が偶々ネットで熱帯魚ショップの紹介写真を目にし、そこに写っていた梨沙を見つけたため、たどりついたのだ。

    梨沙の体を心配する神谷だが、とりあえず梨沙は元気そうなので安心する。梨沙は健吾たちには自分のことを内緒にするよう神谷に頼む。一方、神谷はマリアがコンクールに入選したことを告げ、そのコンクールのパンフレットを梨沙渡す。

      梨沙 「今度、高級イタリアン奢って。サンキューね」

    店の人が呼びに来たため、梨沙は仕事に戻る。



    展望台。
    健吾は、クラゲの展示を準備している順二と柏原の手伝いにやってきた。このクラゲの展示、昔は健吾が担当していたものだ。

    そろそろ仕事に戻ってこないかと誘う順二だったが、健吾はその好意を受けることはしなかった。



    病院。修一の病室。

    相変わらず男前な修一兄ちゃん。着ているパジャマまで男前です(笑)。

    この日も梨沙が修一の面倒を見にやってきている。

      梨沙 「洗濯してくるわ」
      修一 「いつも悪いな」

    梨沙が病室を出ていく。修一はふとベッドの上に落ちた梨沙のクラゲのストラップを見つめる。



    コンクール会場。
    「神奈川県高等学校美術コンクール入賞作品展」会場の玄関で、マリアは瑞希と記念写真を和子にとってもらっている。
    ちょうどそこに、健吾が、美奈子や順二、千鶴を連れてやってきた。全員でマリアの作品を囲み、談笑する。

    健吾と美奈子、久しぶりの再会に2人きりで話しをする。美奈子は両親の薦めもあって、お見合いをすることにしたと健吾に話す。

      美奈子「健吾は?ずーっと待っているつもり?」



    銀行のATM。
    この日もATMで貯金をした後、梨沙はマリアのコンクールの会場に向かおうとする。その途中、健吾、マリア、和子が会場から帰ってくる様子を遠くに見かけるが、声を掛けずに通り過ぎていった。
    その直後、健吾も梨沙の姿を見つけるが、結局、姿を見失った・・・



    コンクール会場。
    梨沙が会場に着く頃には既に日が暮れており、会場は閉館していた。それでも、ガラス越しになかの様子が見えるところまで来ると、マリアの作品を見ることができた。作品のタイトルは「つながる命」と。

    すると、誰かの足音が近づいてくる。健吾かと期待した梨沙だったが、その足音の主は神谷だった。神谷から“ピザまん”を奢ってもらいながら、しばらく話をする2人。神谷は北海道の知人に誘われ大学病院で移植の仕事に戻ることにしたと話す。新しい地でやり直す決意をしたのだ。

      神谷 「梨沙さんもどうですか?」
      梨沙 「せっかくだけど、寒いとこ苦手だから」
      神谷 「いや・・そうじゃなくて。どこか環境をガラっと変えて、やり
          直すのも悪くないかなって」

    (神谷、梨沙を誘ったのかなぁ。だとしたらまた、取って付けた様な展開なんだな。)





  • [バイバイ、兄ちゃん]

    岡田家。マリアの部屋。
    受験勉強中のマリアのところに健吾がやってくる。マリアの机の上には星座早見盤が置かれていた。去年見れなかったため、瑞樹と一緒に見に行く約束をしているという。

      マリア「去年出来なかったことを今年全部やるんだ」
      健吾 「ふ〜ん」
      マリア「お兄ちゃんは?」
      健吾 「うん?」
      マリア「去年できなかったこと全部やった?」
      健吾 「・・・」


    健吾は自分の部屋に戻り、今は何も入っていない水槽を見やる。



    同じ頃、修一が入院している病院。
    修一が杖をつきながら病室に戻ってくると、梨沙は黙って病室の窓から夜空を見つめていた。

      修一 「梨沙」
      梨沙 「・・・」

    杖を付いて歩く修一を助ける梨沙。

      修一 「おぉ、悪い悪い。今度こそさ、ちゃんと働くから」
      梨沙 「もう聞き飽きたよ」
      修一 「本当に、仕事探すから」
      梨沙 「・・・」
      修一 「とりあえず、退院したらさ」
      梨沙 「いいよ」
      修一 「え?」
      梨沙 「そんな体じゃ仕事出来ないだろ。暫く家泊まれよ」
      修一 「・・・」
      梨沙 「コーヒー買ってくる」

    梨沙が病室を出ていくと、健吾は梨沙のカバンを開け、中から通帳を取り出す。口座には毎日100円から1000円単位で預金されていた。そして修一は、通帳の裏表紙のあるもの見て・・・。



    翌日。
    健吾は、配送センターの荷物引き渡しカウンターで魚が入った荷物を受け取りに来た母娘に引き渡した。その女の子は「ニモが入ってるんだよー!」嬉しそう。
    ふと、その荷物の伝票に目をやると、送り主の欄に熱帯魚ショップの住所と担当者として 梨沙の名前を見つける。(何やねん、この偶然過ぎる偶然は。いや、それ以前にそんな担当者の名前書くか?と思うが、これが月9というものなのか?)



    病院。
    この日も梨沙が修一のリハビリの様子を見に行くと、リハビリ技師から修一が退院したと聞かされる。

      梨沙 「退院!?」
      技師 「ええ、先ほど」
      梨沙 「どこへ行くとか言ってませんでした?」
      技師 「ああ…そこまではちょっと」
      梨沙 「・・・入院費は?」
      技師 「ちゃんと頂いています」
      梨沙 「・・・」



    その頃、修一は病院の外を、杖をつきながら歩いていた。荷物一つ持たずに・・・。 そして、病院の近くで、杖を置くと、そのまま自分の足で歩き出した・・(@o@)



    梨は鞄のなかの預金通帳を探すが、見つからなかった。



    神谷の勤める病院。
    梨沙は神谷を訪ね、修一が姿を消し、貯金を全部持っていかれたことを打ち明ける。

      梨沙 「行っちゃおうかなぁ、北海道。時々さ、全部夢だったんじゃな
          いかなと思うんだよね。あいつに出会ったのもあの家で暮らし
          たのも手術したのもぜ〜んぶ」
      神谷 「・・・夢なんかじゃないですよ」
      梨沙 「え?」
      神谷 「わかってるんじゃないんですか?夢なんかじゃないって。あの
          うちも、あの人も」
      梨沙 「・・・」



    岡田家。
    玄関の脇に止めた梨沙の自転車を今日も見つめる健吾。
    健吾が家の中に入ると、和子がポストに入っていたと、梨沙名義の通帳を健吾に見せる。

      和子 「梨沙さん、私たちにお金を返そうと思って貯めてたのかしら?
          ほとんど毎日貯金してるんだけど」

    最初の、恐らく健吾との契約で得たであろう100万円も使っていない。通帳の裏側には、青とピンクのクラゲのシールが貼ってあり・・・。(兄ちゃんはこの青とピンクのクラゲのシールを見ちゃったんですね)



    その頃、渋谷スクランブル交差点?
    横断歩道を渡りながら携帯で誰かと話す修一。

      修一 『あー、もしもし?元気?久しぶり。うん、暫く海外に行ってて
          さ。久しぶりに君の声が聞きたいなぁ〜と思って。本当だよ。
          今から会える?・・・』

    そのまま修一は雑踏の中に消えていった。

    (以上で兄ちゃんの出番は終了です。兄ちゃん、最後にいいやつなんだか、相変わらずなんだか。まぁ、真面目に働くということだけはあり得ない雰囲気ですが…。だけど、そうやって生きているなら、もっと分かりやすくそういう設定で1話からやっていけばよかったんじゃないのかなぁ。無理に借金生活とかそういう設定にしなくてもよかったんじゃないかと思うのよ。)




  • [ハッピーエンド]

    熱帯魚ショップ。
    梨沙が店にやってくる。だけど、店長の言葉によると、既に梨沙は店をやめたことになってるらしい。というのもどういうわけかこの店を閉めることにしたらしい。
    で、店に男の人が梨沙を訪ねてやってきたけど、そういう理由で帰っていったと。
    (おーい、何かめちゃくちゃ分かりづらい設定だぞー!!別に健吾と梨沙のすれ違いを描くためだけに、また何か強引な設定を作ったねぇ〜。)

    梨沙はその男性は修一だと思い、追うのをやめたが(兄ちゃんだったら追わんのかい!!!)、店長の話を聞くうちに、それは健吾だったであろうと思い至った梨沙は、即座に健吾を追うため、店を飛び出す。


    (※ここでもう、エンドロール!キャストの名前が流れ始めます。


    街中を一人歩く健吾。携帯電話を取り出し、梨沙の名前を出すが、電話をせずに再び歩き出す。


    そんなとき、商店街のテレビが、今夜、ふたご座流星群が見られると伝えていた。 そのニュースに目を留める梨沙。



    結局、梨沙に会えなかった健吾は、そのまま帰る気分にならず、先日、クラゲの展示を手伝った展望台にやってきていた。クラゲの展示を見ていると、突然、そのうちの1つの水槽の照明が落ちた。居合わせた健吾は、早速、修理をする。

    そして、修理を終え、再びクラゲの水槽に明かりが灯る。すると、その水槽の向こう側に、梨沙が立っていた。梨沙も1年前の健吾との約束を思い出し、展望台にやってきていたのだ。信じられない気持ちで水槽越しに見つめ合うふたり。

    健吾は梨沙に、預金通帳を返すために熱帯魚の店に行ったのだと話す。

      健吾 「(通帳を渡して)ポストに入れたでしょう」
      梨沙 「クソ兄貴。余計な事しやがって」
      健吾 「あ・・・そっか」

    2人は星空を眺める。

      梨沙 「あんたんちのクラゲ元気?」
      健吾 「もう、いないよ」
      梨沙 「え?」
      健吾 「水族館に全部引っ越した」
      梨沙 「そうなんだ。今頃寂しいって泣いてんじゃないの?」
      健吾 「クラゲには脳が無いからね。寂しいとか悲しいとかそういう感
          情はないよ」
      梨沙 「それ前に聞いた」
      健吾 「梨沙、一緒に帰ろう」

    健吾は梨沙を後ろから抱きしめながら、もう一度、「帰ろう」と梨沙に言う。

      健吾 「帰ろう」
      梨沙 「・・・うん」

    そして、梨沙も健吾を抱きしめ、頬にキスをした。








  • 感想

    全10話、終了しました。

    兄ちゃん、最後、死んじゃうとそれはそれで、上手く梨沙側の話が完結しないだろうから、死なないとは思ってましたが、あのビルから飛び降りて不死身だったのがびっくりでした(笑)。個人的には、下半身不随&記憶喪失ぐらいの感じで結論付けるかなぁ、と思ってたんですが…(酷っ)。

    ドラマとしての終わらせ方は、最終回だけを見ればそれほど悪くは無いなという印象でした。ただ、10話通してみた場合、やっぱり私の中で色々と繋がんない部分や納得がいかない部分があって、そこが連ドラの難しさなのか、連ドラの限界なのか、月9の限界なのか(笑)、そんな印象の残るドラマかな。いや、いいドラマだとは思うので、細かい設定の詰めが十分ではなかったのが、つくづく勿体無いと思うので。

    吾郎君に関しては、『十三人の刺客』に引き続きの悪役(汗)。
    フジテレビには『十三人の刺客』が好評だったのを利用されたんだろうな、という想いはあるのですが、それでもテレビドラマは観る人の数が圧倒的に違いますし、観る層も違うので、何はともあれ、多くの人が役者として吾郎君を観てもらえた、というのは収穫だったと捕らえています。
    今まで演技が下手だの何だのと、世間から言われ続けた吾郎君ですが、なぜか今回のドラマでは急に「演技派」の括りに入れられているという…(汗)。世間というのは無責任なものだと実感しましたが、そういう世間の意見は非常に重要なので、これからも「演技派」としてのカテゴリーで評価されていくなら、嬉しいことです。

    修一という役柄は、上手く描けば非常に魅力的なキャラクターだったと思うのですが、いかんせん、キャラクターの背景が全く表現されていなかったのが観ていて難しいな、と思ったところでした。
    昔の両親が居た頃の「いいお兄ちゃん」から「今の修一」までの間をつなぐものが何も無いからねぇ。もう少し修一と梨沙がどういう生活を送ってきたのかを描いてもいいと思うし。(あの、品がある/ないの兄妹の差も、最後まで描かれなかったし。)
    どこまでの設定を吾郎君が言われて演じていたのかが分からないですが、吾郎君の中で膨らませていかないといけない部分が多かったんじゃないかなぁ。吾郎君の演技があればこそ、それなりに視聴者を騙せたんじゃないかと思うのです(修一のキャラクターの矛盾を言及してるのは吾郎ファンぐらいでしたし)。ああ、勿体無い。
    あと、一番残念だったのが、最後の最後まで梨沙が修一のことをどう思っているのかが表現されなかったこと。健吾とマリア、梨沙と修一という2組の兄妹という関係を持ってきた以上、そこは必要だったと思います。これは勿体無いというより、最後まで悲しかった部分かな。

    それでも、最終回に近づくにつれ、吾郎君の演技というものは堪能できましたし、上述のように多くの人から賞賛を得られたのは収穫でした。業界のみなさん、吾郎君って本当に素敵な役者でしょ?


    (10.12.26)


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