☆ 流 れ 星 ★ 第3話 〜 二人の秘密… 〜 健吾と梨沙は、そのまま役所に向かい、婚姻届を提出し、問題なく受理された。 その頃、修一は梨沙の部屋で、梨沙の携帯に電話をしてみるが、電話は繋がらない。梨沙は電源を切ってるのかな… 婚姻届を出した足で銀行に立ち寄り、健吾は引き出した300万をそのまま梨沙に渡す。そして2人は結婚のことも、お金をもらったことも内緒にしておくことを約束する。 (兄ちゃん、起きるの遅っ!(汗)) 病院。 マリアは、ベッドの上で健吾の結婚式のウエルカムボードのデザインを考えている。回診に来た神谷に健吾と美奈子の結婚を心待ちにしていると話す。 イメクラ。 梨沙はイメクラの店長に借金を返済した。店を出てタバコで一服しようとするも、肝臓移植のことを考え控える。 水族館。 健吾と梨沙の噂話をしている順二と千鶴夫妻。千鶴は「出来ちゃった」ではないかというが、さすがにそれには否定的な順二。 岡田家。夜。 梨沙が戻ってきたことに安堵の表情を見せる和子。更に婚姻届を出したことを告げられる。 遅れて健吾も帰宅して、しばらく一緒に住むことになると和子に告げる。 夕食。3人で食事をしながら、移植までのインフォームドコンセントとして、医者やカウンセラーから色々と聞かれるという話をしている。要は、梨沙としては「契約結婚がバレなきゃいいんでしょ?」 病院。 神谷は健吾からドナー候補が見つかったと連絡を受け、木曜日に病院に行く約束をする。 岡田家。朝。 朝食を取る健吾、梨沙、和子の3人。梨沙は和子の作った食事を口にし、和子は梨沙にこれからは健康管理に充分注意するように告げる。 病院。 マリアの見舞いに来た同級生の瑞希は、涼太が女の人を泣かせいるのを目撃。それをマリアに告げる。 イメクラの店の前。 修一はイメクラにいってみる。修一が店舗の前に居るのを見つけるイメクラの店長。 店長 「あんたか」 修一 「あの…梨沙に逢わせてもらえませんか」 店長 「懲りないねぇ〜」 修一 「僕の妹なんですよ」 店長 「(手首を捻られて)おい、お前もうちょっとマシな嘘思いつか ないか?」 修一 「一瞬だけでもいいんです。妹に逢わせて下さい」 店長 「辞めたよ」 修一 「えっ?」 店長 「借金、ぽーんと返してな」 修一 「・・・」 店長 「残念だな。金ヅルに逃げられて」 修一 「・・・」 梨沙の部屋に戻り、部屋を物色している修一。ゴミ箱から、水族館の半券を見つける。 (兄ちゃん、しっかり探偵さんやってますぜ(汗)) 3人で健吾が運転する車で出かける。和子が2人を夫婦として仕上げるべく、今から思い出作りをしようとしているわけですね。とはいえ、梨沙はそういう安らぎも悪くないと思っている様子で、健吾とのツーショット写真を撮ったり、買い物をしたり、デートを楽しんでいる。 そして、結婚指輪も購入。 その頃、修一は水族館に。 クラゲの水槽のエリアに置いてある『えのすい トリーター紹介』のボードを目にし、健吾の写真を見つける。 クラゲの水槽の前には職員が一人立っているのを確認して、水槽の前に近づいていく。 修一 「癒されるなぁ…。(職員の顔をチラッと見て)ミズクラゲか」 男性 「ムーンジェリー。ミズクラゲだけ月の形に見えるので、英語で はそう呼ばれているんですよ」 修一 「うーん、なるほど。あの、今日は、岡田さんは?」 男性 「あ、健吾さんは今日、非番で。」 修一 「ああ、非番ですか。うーん、彼女とデートかな」 男性 「そういえば、最近なんか、クリオネちゃんみたいな可愛い子と 会ってたりするんですよね」 修一 「クリオネ?」 男性 「はい」 修一 「あ、そろそろイルカのショーの時間ですよね?」 (修一兄ちゃん、一体、どの程度悪い人なんだろうなぁ。これだけの悪の才能があれば、別に妹にたからなくても、別の方法で生きていけると思うんだが。) 夕方。デートの帰り道、和子は健吾に買い物を頼み、途中で車を下りた。 スーパーで、健吾と梨沙が買い物を。和子に頼まれたオリーブオイルとその他色々。移植に向けた面接の話なんかもしながら、梨沙は黒のヘアカラーを買い物カゴに入れる。 そんな2人の買い物の様子を、偶然目撃した順二と千鶴夫妻。千鶴は遠慮なく二人に声をかけた。 夜。レストランで、健吾、梨沙、順二、千鶴の4人が食事を。お酒を控えている梨沙に、完全に妊娠していると思い込む千鶴。だが、梨沙は 梨沙 「いとこなんです、私」 と。借金をして家を追い出されたので、健吾のところで世話になっていると説明をする。 順二 「ほらほら。大体、美奈子と別れたばっかりで、な?」 店を出て、健吾たちは順二たちとわかれた。 梨沙 「婚約者ってことは結婚寸前だったってことでしょ?美奈子だっ け?何で別れたの?」 健吾 「・・・」 梨沙 「ま、別にどうでもいいんだけど。私も振られたばっかだから、 一緒だなと思って」 (梨沙もだけど、健吾も本当に自分のことを話さないよね…) 翌日。病院。 今日も、廊下でのすれ違いの際にも涼太がマリアにちょっかいを出してると、そこにやってきたのは涼太のお姉さん。どうやら先日、涼太が泣かせていたというのは、このお姉さんだったようです。 屋上で話をする3人。涼太のお姉さんはいつも涼太はマリアのことを話していてマリアに感謝の言葉をかけるが、涼太が席を外すと、自分が妊娠しているため、涼太のドナーになれなくなったことをマリアに話す。 姉 「私、家族やのに涼太を助けてあげられへんの。家族でドナーになれるのは私しかいいひんかったのに、涼太に移植が必要ってわかった時には、妊娠してて…」 この会話で、自分も移植が必要なのだとマリアは気づいてしまう。 夕方。岡田家。 健吾が帰宅すると、梨沙は洗面所で髪を染めていた。一人ではやりづらそうだったので、それを手伝う健吾。 翌日。病院。 移植に向けての面談の日。梨沙は、髪を黒に近い色に染めただけでなく、清楚な姿で健吾と和子の前に現れた。 神谷の面談を受ける梨沙。健吾と和子も同席してます。 梨沙 「岡田梨沙です」 神谷 「神谷です。マリアちゃんからよく話は聞いてますよ」 健吾 「え?」 神谷 「お二人の結婚式をとても楽しみにしていましたからね」 そう言われて否定できない健吾。 神谷は疑うこと無く、梨沙の面接を続け、危険性の高い手術ではないが、術後に合併症の危険性もあり、強い意志がないとドナーにはなれないと伝える。 まずは血液とCTの検査を行い、適合することが確認できても、移植コーディネーターや精神科医との話し合いが行われていく。最後に倫理委員会で承認されれば、ようやく手術となるのだ。 もちろん、マリアの承諾も必要で、動揺させないよう、今は梨沙がドナー候補として来ていることは隠しておくことに。 病院の廊下。無事に面談が終了し、健吾と和子は安堵する。 マリアの病室。 マリアは先ほどの涼太の姉の発言を思い出し、一人苦しむ。気になって涼太がマリアの様子尾見にやって来たが、マリアは何も言葉が出ない。 そこに健吾がやって来て、涼太は自分の病室に戻っていく。 マリア「ねえ、涼太って、私と同じ病気なんだって」 健吾 「・・そう」 マリア「でね・・・涼太・・・脳死のドナーを待ってるんだよ」 健吾 「・・・そっか」 翌日。病院。 梨沙の検査が行われる。検査結果は数日後に出まる。 その頃、水族館に修一が。水槽の前にいるゴローが、ブルーの光に照らされて、素敵なのだが(笑)。 病院。 検査を終えた梨沙がトイレの鏡の前にいると、マリアが駆け込んで来て嘔吐している。思わずマリアの背中をさするなどし、ここで梨沙とマリアがお互いが誰とも知らずに接することになります。 水族館。 健吾は館内に修一がいるのを見つける。 修一 「岡田さん、この前はどうも」 健吾 「どうも・・」 修一は梨沙のことを健吾に尋ねる。 修一 「あのぉ」 健吾 「何か妹がお世話になったみたいで」 健吾 「いや・・・」 修一 「あいつ今どこにいんのかなぁ」 健吾 「・・・」 修一 「あ、岡田さんが知るわけないですよね。あいつ、俺に迷惑かけ ないように、居所も知らせてくれないからちょっと心配でね」 健吾 「・・・」 修一 「なんせ二人っきりの兄妹なんで」 健吾 「・・・」 修一 「あの…失礼ですけど、もしかして妹の借金って岡田さんが?」 健吾 「・・・いや」 修一 「お金、少しずつでも返していきますから」 健吾 「仕事中なんで、失礼します」 修一 「・・・岡田さん、僕が来たこと妹には言わないで下さいね。気 を遣わせたくないんで」 健吾 「・・・」 修一 「また、来ますね」 (何でまた来る必要があるんだよ、兄ちゃん!(笑) 兄ちゃん、別の金づるを見つけたとか思ってるんでしょうか?表情を変えないからよくわかんない。だって、ここだけ見れば、純粋に妹を探している兄としか見えないよね?(いや、普通に心配してるなら、もっと必死に妹が無事かどうか聞くか…)) 岡田家。夕食中。 健吾は梨沙に修一が水族館にやってきたことを言わずにいるが、連絡を取っているのかと尋ねる。もちろん、梨沙は会っていないと。 健吾は今日も病院に向かい、和子は梨沙と2人きりになり、「お疲れ様」と声をかける。 夜。病院。 マリアは涼太の病室を訪れると、涼太は勉強中。病院にはいるがお互い受験生なのだ。そこでマリアは涼太から死神退散の呪文を教えてもらう・・・『アジャラカモクレン、テケレッツのパっ』 健吾がマリアの病室にやってきたが、マリアはベッドには居なかった。 マリアは屋上にいたのだ。マリアは涼太の病気が良くなるよう願い事をするために、流れ星を探しているのだと言う。 マリア「もし、私に移植が必要になっても大丈夫。死神退散の呪文教えてもらっちゃったから」 健気に振舞うマリア。 岡田家。 梨沙は、健吾の部屋で水槽のクラゲをじっと見ている。部屋には健吾と美奈子が置いてあった。 夜の海岸。 病院からの帰り、帰宅する気にもなれず、いつもの海岸にいる健吾。 そこに梨沙がやって来る。 梨沙 「やっぱりここか…。何か眠れなくてさ。何?願い事でもしてた の?」 健吾 「・・・」 梨沙 「流れ星ってさ、消えて無くなっちゃうんだよね、クラゲみたい に…」 数日後。病院。 ドナー検査の結果を聞きに、健吾と梨沙は病院にやってきていた。 神谷から移植可能だと聞く2人。あとは、マリアの様子を見ながら、移植に同意してもらえばいい。 健吾と梨沙が帰り、神谷はマリアの様子を見に行く。マリアは再び健吾の結婚式のウエルカムボードを描いていた。 そこには、結婚する2人の名前。 KENGO & MINAKO 神谷 「『みなこ』って?」 マリア「お兄ちゃんの婚約者だよ」 更にマリアに美奈子の写真を見せられ、神谷は凍りつく。神谷は病室を出て、先ほどまで病院にいた健吾と梨沙を追いかける。がすでに病院内に姿は無く…。 街中。健吾と梨沙はすでに病院を出ていた。 感想 ブラウザの戻るの機能で戻って下さい |