小さな恋のメロディ

〜 SEALED WITH A LOVING KISS 〜


今回はとある心理学者(こういう場合って、なぜか外国の方なのよねぇ)の実験という形をとった番組です。その教授の部屋での実験についての解説シーン(もちろん吹き替え)を交えつつ、実験サンプル吾郎君のそのときの行動が映しだされるという趣向。さらにその時々の様子を吾郎君自身が振り返って語る映像も挿入されて、視聴者にとてそのときの吾郎君の心理状態がより分かりやすい作りになっています。

『この世に美女と野獣のカップルは数多く存在するが、その逆はあまり見たことがない。果たして、ハンサムな男性とあまり美しくない女性との間に恋は芽生えるものなのであろうか・・・?』


Prologue

まずはとある心理学者教授の部屋。背後には天井まで届く専門書の並んだ本棚が壁一面に置かれているような、いかにも”学者”という雰囲気の中で、デスクに座っている老紳士。カメラに向って語り始めます。

Prof. Jessi Mcdaniels Oregon States Univ. USA
オレゴン州立大学ジェシー・マックダニエル教授


教授
『みなさん、こんばんは。私はアメリカの大学で心理学の研究をしているジェシー・マックダニエルという者です。長年、男性と女性に働く恋愛の心理を研究し続け、ある壁にぶち当たりました。こちらのグラフを御覧下さい』

そう言ってカメラの前に出した一枚のフリップ。そこには恋愛についてのある調査結果が示された円グラフが記載されている;

Male appearance:78%,personality:24%,others:8%
Female personality:38%,inecome:10%,appearance:32%,others:20%


このフリップを手にしながら、説明を続けるマックダニエル教授。

教授
『男性と女性、相手のどこにひかれるかを調査したところ、男は実に78%が相手の外見、そして女の68%が相手の性格や収入という結果がでました。この事実からも分かるように、実際、世の中にはなぜあんな男にこんな綺麗な女性が、というようなカップルが数多く存在します。もちろん、外見を補うにあまりある才能にひかれるケースが多いようですが…。
しかしその逆、つまり格好いい男と、いわゆる美人でない女性のカップルを探してみると、なかなか該当する例が見当たりません。果たして、美女ならぬ美男と野獣の間に、恋愛は成立しないのでしょうか?』

本日の研究課題『美男と野獣』の恋愛は成立するのか?

ここで映像はとある港に・・・

Hakodate Harber, Hokkaido 8:30AM
北海道 函館港 午前8時30分


早朝、人気の無い港の岸壁に1人佇む吾郎君。いつものように全身真っ黒のいでたちにリュックを背負ってます;

教授(ナレ)
『そこで我々はある実験を試みる事にしました。まずは日本人男性の中から、典型的な美男子として最高のサンプルを選び出し、実験の目的を何も知らない状態で冬の函館へと連れ出したのです』

”典型的な美男子として最高ののサンプル”なんていうナレを聞いて、ちょっと嬉しくなってしまった私。今回、ビジュアルもいけてるやん!

稲垣吾郎への指令 ”ある女性と明日の日の出まで旅をせよ”

ここで吾郎君のこの”旅”を振り返ってのインタビューが流れます。

吾郎
『とりあえず、あの・・・まぁ、ある女性と、丸一日。で、次の日の朝を迎えるまで24時間、約、旅をしなくてはいけないということだけ聞かされてました。他は何も聞かされてません』

教授(ナレ)
『一方、我々が選んだ最高の女性サンプルは・・・』

映像は吾郎君に駆け寄ってくるまんまるい物体…じゃなくて、一人の女性をとらえます。

  村上 「お待たせ〜」

教授
『美男子との恋を成就させ、従来の定説を覆そうと、今回の実験に参加してくれたこの勇気ある女性。ご存知無い方も多いでしょうが、ニッポンの女性お笑いトリオ『森三中』。中でもとりわけFunnyなLooksがウリの村上知子 22才です』

その女性が吾郎君の真正面で立ち止まる・・・が、状況をよく理解できていない吾郎君は硬直;

  吾郎 「・・・」
  村上 「よろしく♪」
  吾郎 「・・・(^^;)。はい?」
  村上 「何なに?」
  吾郎 「はい?」
  村上 「よろしく♪」
  吾郎 「いや、何が?」
  村上 「行くでしょ?行こうよ、早く」
  吾郎 「・・・・。えぇ〜〜〜(2歩後ずさり)」

ああ、後ずさりする吾郎君が可愛い(*^^*)。(←って、今回の番組はこういうリアクションばかりになると思いますが、お許しを)

吾郎
『何かこう…正体不明の物体というか。何かちょっと図々しい…』

  吾郎 「ねぇ、ちょっと」
  村上 「ん?」
  吾郎 「僕の事は知ってますよね?」
  村上 「知ってる、知ってる」
  吾郎 「名前は、僕の?」
  村上 「吾郎ちゃんでしょ?」
  吾郎 「吾郎ちゃん…フルネーム」
  村上 「稲垣吾郎ちゃんでしょ?」
  吾郎 「うん、あなたは?」
  村上 「何だと思う」
  吾郎 「知らないよ。知る訳ないじゃん

初対面(?)なのに失礼な発言が続く吾郎君。”知るわけ無いじゃん”って・・・

吾郎
『僕はやっぱりあの…、とても礼節をわきまえた女性が好みなので…』

  村上 「村上知子です」
  吾郎 「村上さん」
  村上 「うん」
  吾郎 「村上知子さん」
  村上 「知ちゃんでいいよ、知ちゃんで」
  吾郎 「いやいや、村上さんでいいよ」

吾郎
ちょっと抵抗がありました

と言いながらも現実を受け入れ、旅に出る決意はしたようです(笑)。

「青函連絡船 東日本フェリー”ばにあ”」

  吾郎 「何、これ、どこ行くのこれ?!?!」
  村上 「これで行くんだよ」
  吾郎 「これに乗るの?」
  村上 「そう」

教授
『この国民的美男子と正体不明の物体をこれからフェリーに乗せます。そして2人はここ函館を出発し、日本列島を南下しながら明日の朝を迎えるまで、2人だけで旅をするのです』

そして、フェリーへと向う二人。その途中、見知らぬカップルが携帯電話で吾郎君を撮影しようとしてます。それを見て、注意する村上さん。

  村上 「ちょっと、ちょっと、すいません。プライベートなんで
      やめて下さい!」
  吾郎 「プライベートじゃないよ!仕事だ、仕事!!
  村上 「絶対、売らないで下さい!ちょっとやめて下さい!やめて下さい!」
  吾郎 「やめて下さいはいいけど、君、プライベートだからって言ったでしょう?
  村上 「ちょっと、やめて下さい。ちょっと、携帯とか便利になってるから。
      やめて下さい、本当・・・」

なんだろうなぁ、この2人の組合せって。まず全くいやらしさはないよね(笑)。吾郎君が大きなぬいぐるみを連れて歩いてる感じ(笑)。その辺が微笑ましく番組を見れた所以なのでしょうか?(苦笑)

教授
『さぁ、果たしてこの旅を通じて二人の間に、恋心は生まれるのでしょうか?人類史上初の壮大な実験が今始まったのです』

小さな恋のメロディ

〜SMAP×SMAP EXCLUSIVE SEALED WITH A LOVING KISS〜


Kansai Telecasting Corporation in association
with Fuji Television Owarai Div. present

Starring Goro Inagaki as a goodlooking guy

Tomoko Murakami as a funnyface girl

Narrotor Koji Totani

Directed by Kazutaka Towatari
Produced by Takehiko Tanaka, Yuichi Nakajima



高々タイトルバックなのに、吾郎君、綺麗だ〜(笑)。今回の番組の中で、ビジュアル的には、ここのフェリーの上で缶コーヒー片手に海を眺める吾郎君が一番好きかも。髪を伸ばしているのも、この撮影のためか?!とまで思ってみたり…(そんなハズはない>自分)。今回の番組が個人的にお気に入りなのは、内容もさることながら、やっぱりビジュアルの良さが前提なのよね。

Experiment No.1 Upper Arm Logic

教授
『もちろん、このまま放っておいても何も起こりませんから、この旅の間、恋心に左右しうるいくつかの心理実験を仕掛けていきます。まず最初の実験では体と体を触れ合わせる事で、心地よい刺激を与え男性サンプルの反応を観察しましょう。特に二の腕を密着させる、いわゆる腕組み状態が最も効くと言われてますが…』

Experiment No.1 Upper Arm Logic
(実験その1 快感の二の腕理論)


フェリーの客室に入ってきた二人。自動販売機のエリアを進んでいきますが、いきなり村上さんは吾郎君の腕を掴んで放しません。実験スタートです。

  村上 「うっわ〜、すっごいねぇ」
  吾郎 「(腕を見て)何やってんの?(--;)」
  村上 「何よ?当たり前のことでしょ。うっわ〜、すごい、150円だって、
      高くなってる。うわ〜、フェリーってこんなになってんだ。初めて
      乗った!うわっ、色んなもんあるんだな。タン塩、タン塩!!」
  吾郎 「逃げないから。そんな思いっきりギュっとやらなくていいでしょ」
  村上 「うわ〜、タン塩がある」
  吾郎 「いらない」
  村上 「いらない…?」

教授(ナレ)
『目立った効果は無いようです』

続いて村上さんの目にとまったのは、”乗船記念メダル”の販売機。メダルの周りに好きな文字を刻め、オプション品を購入するとキーホルダーやペンダントになったりする代物です。

  村上 「うわ〜。ねぇ、ねぇ、ねぇ、これやろうよ」

そして、メダルに名前を刻み、ペンダントの形態にして完成です!(パチパチパチ)

教授
『この先、2人のドラマで重要な役割を果たす事になる運命のペンダント』

  村上 「ほら、見て!」
  吾郎 「GORO・・・TOMOKO?」
  村上 「そ」
  吾郎 「売名行為だよ、これ」
  村上 「いいじゃん、今日の記念じゃん。ちゃんと今日の日にちも入ってる
      んだよ!」
  吾郎 「勝手に人の名前を使わないでよ」

教授(ナレ)
『この旅の新の目的を彼は知る由もありません』

拒否を続けているものの、村上さんにペンダントを首にかけてもらったりして、吾郎君、優しいやん!

  吾郎 「うん。ありがとう。・・・はぁ(溜息)」
  村上 「じゃぁ、吾郎ちゃんにはそのペンダントをあげるから、私にプレゼ
      ントを下さい!


そう言って吾郎君の前で目を瞑り、唇を”突き出す”村上さん。だけど吾郎君が村上さんが目を瞑っているのをいいことに、フェリーの客室の扉を開けて「バイバイ」と無言のまま手を振り、デッキに出ていっちゃう吾郎君。ナイスなリアクションだわ。

吾郎
『あそこまで、こう・・・積極的に・・・ねぇ、してくる女性(ひと)っていうのは僕の人生の中にいなかったので。戸惑ってしまいましたね。もう、怒るとか、何かこう、言う以前に、唖然ですね。言葉が無いと言うか、ええ・・・』


Experiment No.2 Relation Between Eating And Love

実験その2 食事と恋愛の相関関係
Experiment No.2 Relation Between Eating And Love


教授
続いての実験は食事が恋愛に及ぼす影響についてです。これは人間が食欲を満たす快感と性的快感を錯覚しやすいという生理的特長を利用します』

吾郎君、デッキから戻ってきたのか、とにかく2人は次の実験のために(^^;)フェリーの食堂へ。テーブルの上には、ラーメンだの魚介類だの、数人分の食事が並んでます。

  村上 「いっただきまーす。ああ、美味そう」

教授(ナレ)
『つまり男女が一緒に食事をすることで、恋に落ちやすい状態を作るのですが…』

実際には村上さんだけが食事をし、吾郎君の前にはコーヒーカップだけ。吾郎君は村上さんの”食欲”を黙〜って見てます。

  吾郎 「(コーヒーを一口)」
  村上 「何か食べればいいのに…」
  吾郎 「いや、朝だからさ、まだ。朝はあんまり。コーヒーだけでいいや」

教授(ナレ)
『男性も食べなければこの実験の効果は現われません。そこで女性サンプルは自分が食事をする姿で男性サンプルの食欲を刺激することに』

村上さんは色目を使って(?)ラーメンを食べたり、美味しそうに見せる工夫(でもないな)をして、必死に吾郎君にアピール。ある意味、健気…(^^;)

”吾郎の食欲”刺激中

教授(ナレ)
『男性の反応は…』

  吾郎 「なに?」

とはいえ、そんな村上さんのアプローチも、吾郎君にはただの挙動不審にしか見えないよね…(苦笑)。それでも、村上さんは尚もアプローチを続け;

教授
『女性も諦めません』

  吾郎 「いやいや、何々?」

視線を吾郎君の方に向けたままジュースのストローをくわえようとしたり…;

  吾郎 「… (^^;)。ストロー、こっち見るからくわえられないんだよ。スト
      ロー見てればいいじゃん」

数々のアプローチも失敗し、仕方なくそのまま一人食事を続ける村上さんだったのでした。

  吾郎 「(麺が)延びちゃうよ

という吾郎君の一言は、まだ愛情がある証拠なのでしょうか?(^^;)。

教授
『食欲を刺激するどころか笑われてしまいました』

  村上 「食べなよ」
  吾郎 「何かもう、見ているだけでお腹いっぱいなっちゃった」
  村上 「食べないんだったら、でも、体に悪いよ」
  吾郎 「食欲ないよ」
  村上 「ない?」
  吾郎 「無いよ!」
  村上 「そしたら・・・じゃぁ、食事の変わりの、ちゅー
  吾郎 「・・・」

教授
『男性の反応は…』

  吾郎 「ちょっと、白目見えてるんですけど」

吾郎君、完全に警戒態勢に入ったようです…。ちなみにここでのビジュアルのポイントは、椅子に腰掛けた状態から、長く放り出された”足”だわっ!!σ(^^;)


Experiment No.3 Sinple Touch Logic

Tsugaru Straits, Aomori 11:00AM
青森県 津軽海峡 午前11時0分


教授(ナレ)
『今回の実験も男性サンプルの心を動かす事はできませんでした。船が北海道と青森の県境を越えた頃、朝食を食べ終えた女性サンプルは客室へ』

食欲が満たされ、客室で大の字になって眠る村上さん;

(摂取カロリー 2800kcal)

一方の吾郎君は、デッキに出て、またコーヒー(缶)を飲みながら、海を眺めてます。タイトルバックに出てきた映像ですね。ビジュアル最高!!!

教授(ナレ)
『実験にとってはマイナスですが、男性サンプルには逆に好都合だったようです』

吾郎
『とにかく、一人になりたい・・・とにかく、バラバラになって、一人でいて、まぁ、24時間が過ぎれば、この番組は終わるのかな、っていう、そんな甘い考えでした。すみません

素直に謝る吾郎君がとっても可愛い(*^^*)。で、こういう台詞があるから、今回の番組、台本があったのか無かったのか悩んでしまうのよね、私。台本があるにしては、この辺の吾郎君の発言が出来すぎてるなぁ、と思うし、一方で台本無しでこんなに綺麗な番組に仕上がるだろうかという思いもあったりして。見直せば見直すほど、謎は深まっていきます…。

教授(ナレ)
『しかし・・・』

客室に1人にされた村上さん、ようやく目覚めたのか、デッキにいる吾郎君のところにやってきます。

  村上 「ちょっとぉ〜、吾郎ちゃん!何で勝手に一人で行っちゃうのぉ」

なんて言いながらも、お約束の;

  村上 「お目覚めのキッス」
  吾郎 「もう・・・その顔飽きた
      その…キスは・・・色気・・・色気と言うかシチュエーション
      だとかが大事だって・・・まぁ、確かにシチュエーションはいいけど
      (自ら訂正する吾郎君がいいわ。毒舌言えない人なんだな…(*^^*))
  村上 「ねぇ、すごいいい感じ!」
  吾郎 「いいんだけど(笑)」

教授(ナレ)
『シチュエーションより気持ちが重要なんです』

教授
『ここで続いての実験を行いたいと思います』

実験その3 単純接触の原理
Sinple Touch Logic


  村上 「だってさ、折角2人で来たんだからさ、二人が一緒じゃないと意味
      無いじゃん」
  吾郎 「大丈夫だよ!同じ船なんだからさ」
  村上 「ダメダメ」
  吾郎 「逃げないから、もう
      (吾郎君の嘘チュキ。さっきも同じ台詞言ってたぞ!)

教授(ナレ)
『学説によれば、恋は半径100m以内で発生すると言われています。つまり2人の距離が近ければ近いほど、男性の心理に影響を与えやすいのです』

そして、その学説を検証するために、村上さんはとんでもない行動に移ります。吾郎君の右手に注目し;

  村上 「ちょっと手出して。こっち(右手)から」

そして、吾郎君の右手を取り;

  村上 「ちょっと(袖を)まくって」
  吾郎 「何?」

袖の中に隠していた手錠で、吾郎君の右手首をガシャリ;

カギないと外れない手錠

  吾郎 「いて〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ(>_<)
  村上 「やったね♪」
  吾郎 「何これ?
  村上 「もうこれで、2人は離れ離れになりません。ね!」

教授
『さらに』

村上さん、手錠の鍵をポケットから取り出し、いたずらっぽく茶化しながら吾郎君に見せます;

  村上 「ね。ホラ」
  吾郎 「貸して貸して、貸して。分かったから貸して!」
  村上 「鍵でーす」

そして、次に村上さんが取った行動は・・・その鍵を海に向ってポトリ;

  吾郎 「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!
      おまえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!
      カギないじゃん!!!!!!!!!!!
      落としちゃったじゃん!!!!!!!!
  村上 「やっちゃいました。離れ離れにならないから。ね」
  吾郎 「ちょっと待って。本物ジャン、だって!
  村上 「離れないでしょ?(^^;)」
  吾郎 「ちょっとぉ〜」
  村上 「ほら。私も離れない、ね。これで…」
  吾郎 「これで続けなきゃいけないの?この後、ずっと?
  村上 「そう。もう、この後っていうか、一生、一緒だよね!
  吾郎 「・・・」

かなり絶望的な表情を浮かべる吾郎君。だが、これがさらなる不幸のはじまりに過ぎなかったとは、吾郎君自身も知る由もなかったのだ(なんて(^^;))。

そして、さっきまで吾郎君がまんまるい物体(おいおい)を引き連れてる構成だったのが、今度は吾郎君、そのまんまるい物体に引っ張られる形で、客室へと戻っていったのでした。

  吾郎 「いてていてていてていてて・・・(>_<)

教授(ナレ)
『二人の旅はまだ始まったばかりです』

  吾郎 「ちょっと、拾ってこいよ!
  村上 「拾えないよ!
  吾郎 「大丈夫だよ!
  村上 「大丈夫じゃないよ

個人的に、このシーン、村上さんに”おまえ”呼ばわりしたり、”拾ってこいよ”と命令口調で話す吾郎君が、激しくツボでした。篠原ともえちゃんにLOVE LOVE「お前〜」とか言ってたのを思い出しちゃった。


Aomori Harber, Aomori 1:20PM
青森県 青森港 午後1時20分


教授(ナレ)
『函館を出発してから4時間、ようやく青森の港町が見えてきました』

フェリーが青森港に到着。村上さんに引っ張られてフェリーを降りてくる吾郎君。

  吾郎 「いててててて・・」

港にある「ようこそ青森へ」なんていう幕が二人を出迎えてるわけですが、2人の手は手錠でつながれたまま…。そのまま2人はバス停へと向います。

教授(ナレ)
『実は男性サンプルはこのときまで女性サンプルの正体を全く知らなかったのです』

誰もいないJRバス東北「道の駅ゆーさ浅虫前」。遠くから見ると、”仲良く手をつないで”という光景に見えるけど(^^;)、とにかく二人並んでバスを待ちます。

  吾郎 「何?”森三中”って?」
  村上 「あはは…(笑)」
  吾郎 「森三中って何?何なの、森三中って?」
  村上 「知らない…知らないのか…」(←ちょっと寂しそう…)

教授
『芸能人でありながら芸能界に疎いという彼にとって、この若手お笑いトリオ”森三中”の存在を知っておけという方が無茶かもしれません。もちろんこの村上知子という22歳の女性サンプルのことも…』(と説明しながら、森三中の宣伝してるよね、これって…)

”バスで青森市内へ”

  村上 「あ、来た!」
  吾郎 「寒〜いっ!ホントに寒い!」
  村上 「ああ、来たぁ!」
  吾郎 「いや〜、ローカルバスだねぇ、これ」

バスに乗った二人は、一番後ろの席に(もちろん並んで)座り、会話を続けます;

教授(ナレ)
『そして、ここまで2人の事を注意深く観察してきた我々は、男性サンプルの微妙な変化を見逃しませんでした』

  村上 「凄い雪〜」
  吾郎 「青森、初めてかもしんないねぇ」
  村上 「へぇ、すごいー」
  吾郎 「北海道とかはまぁ、ライブで来たりするけど、青森自体は降りたの
      初めてかもしれないなぁ」

教授
『いつの間にか女性サンプルと、ごく自然に会話をするようになっていたのです』

吾郎
『結構…あの…、何でしょうねぇ。まぁ、何か、ああやって旅をするのも久しぶりのことでしたし。うーん、何か、正直、少し、こう…楽しくなってきて、気分も高揚してきて。あの…白鳥がねぇ…』

Kominato Town, Aomori 2:30PM
青森県 小湊町 白鳥飛来地 午後2時30分


湖のほとり…かな?そこに立った2人の間の前には、何百羽という白鳥がそこにはいたのでした。感動して、幼児に戻る吾郎君(*^^*)。

  村上 「すごい!いっぱいいるよ!」
  吾郎 「すごいねぇ」
  村上 「すごいねぇ、白鳥!!」

教授(ナレ)
『本人も認めるとおり、今まで低かった声のトーンが明らかに上がりはじめた事がはっきりと確認されます』

そして、何か手にした餌を白鳥に向って放り投げたりして、その様子を見てさらに感動;

  村上 「おお、すごいねぇ、すごいねぇ」
  吾郎 「ほら、見た?!!!」
  村上 「見た!」
  吾郎 「(餌を)空中キャッチしてるよ。空中キャッチ!!

  吾郎 「(そして餌を放り投げて)空中キャッチ!!!
  村上 「ああ、おしい!!」

可愛すぎるじゃないか、吾郎君!!!(←意味なく絶叫中)

教授(ナレ)
『北の町に早めの夕日が訪れるころ、そこには今回の旅を心から楽しみ始めた二人の姿がありました』

吾郎
『可愛かったですねぇ〜(笑)。う〜ん。何か心が和みましたねぇ。つい、一緒にいる相手云々というよりも、まぁ一緒にいる相手は置いといて、まぁ、なんかあの状況と言うか、ちょっとこう…子供に戻れた無邪気になれた瞬間でしたね』

・・・うん、見ているこっちもほのぼのしちゃったわ。無邪気さがたまらなく可愛い。ああ、今回、こういうコースを設定してくれたスタッフ、本当にありがとう!(^^;)


Experiment No.4 Upper Arm Presentation

Higashi-Tsugaru Country, Aomori 3:40PM
青森県 東津軽郡 午後3時40分


辺りは徐々に日も陰ってきました。かなり寒そうな感じです。

教授(ナレ)
『男性サンプルの心に変化が現れた今、我々の使命はとにかく実験を続けること。そこで…』

  村上 「ねぇねぇ」
  吾郎 「ん?」
  村上 「次さぁ、露天風呂行こうよ
  吾郎 「・・・」
  村上 「行くでしょ?」
  吾郎 「露天風呂?」
  村上 「うん」
  吾郎 「何で?」
  村上 「お風呂、お風呂。だってさぁ、折角こういうところ来たんだしさぁ、
      寒いじゃん」
  吾郎 「いや、いいよいいよ」
  村上 「何で?!」
  吾郎 「あんまり好きじゃないよ、お風呂とかそいうの。何か」
  村上 「入ってないの?」
  吾郎 「お風呂は1人で入るもんでしょ?」
  村上 「あ、私の裸、遠慮してる、もしかして?」
  吾郎 「なに?」
  村上 「全然いいから、そんな。遠慮しなくていいところだから、それは」
  吾郎 「・・・」

教授
『フェミニストらしい彼の気遣いでしょうか?』

  吾郎 「いや、全然、見たくないんだけど

いや〜、はっきりと切って捨てたねぇ、吾郎君(笑)。


Asamushi Spa, Aomori 5:00PM
青森県 浅虫温泉「柳の湯」 午後5時0分


結局、吾郎君の拒絶は通らなかったのか、二人は温泉におります。だけど、村上さんだけが温泉に入り、吾郎君はその傍らで服を着たまま、ひじをついて不機嫌そうに座ってます。もちろん、2人の手は手錠で繋がれたまま・・・どうやって服を脱いだんだ!!!というお約束のツッコミをとりあえずしておいて(^^;)、何気にこのときの吾郎君のふてくされたようなビジュアルも素敵ぃ、と思ってしまった私って…(笑)。

教授(ナレ)
『こうして今回の旅を大きく左右する事件は起こったのです』

  村上 「ああー、いや〜、もう本当、気持ちいいねぇ、吾郎ちゃん」
  吾郎 「・・・」
  村上 「いや〜、入るべきだよね。もう、すっごい気持ちいいもん」

気持ちよさそうに温泉を楽しむ村上さん。だけどこの行為の中にも、とある実験が隠されていたのです。

Experiment No.4 Upper Arm Presentation
実験 その4「腋の下のプレゼンテーション」


教授
『男性サンプルを露天風呂に誘ったのはこの実験を行うためでした。学説によれば男性は特に女性のわきの下にひきつけられると言われています。果たして二人の間にこの理論は成立するのでしょうか?』

腋の下を吾郎君の方に見せ、セクシーに(?)吾郎君にアプローチする村上さん。もちろん、吾郎君に実験の内容を言うわけにはいきませんから、ただただ、ジェスチャーで仕掛けていきます;

  吾郎 「何だよ、これ」
  村上 「ああ、すっごい気持ちいい、ああ」

[吾郎”腋の下”で誘惑中]

ただ、この段階でか〜なり不機嫌になっているであろう吾郎君は、そんな誘惑をされても何とも思わないわけで…;

  吾郎 「寒い・・・」
  村上 「ああ、すっごい気持ちいい。ああ〜ああ〜すっごい」
  吾郎 「・・・」
  村上 「あ〜あ」
  吾郎 「(頭を押さえる)」
  村上 「すっごい気持ちいい、すっごい気持ちいい」
  吾郎 「・・・(白い目)」

教授(ナレ)
『あまり効いていないようですね』

それどころかますます不機嫌になっていってるようで…

  吾郎 「・・・。まだ?」
  村上 「『まだ?』って、何?今入ったばっかじゃんかよぉ」
  吾郎 「・・・」
  村上 「で、そんなこと言うんだったらさぁ、一緒に入ろうよ!」
  吾郎 「・・・」
  村上 「寒いんでしょ?」
  吾郎 「(うなづく)」(←激かわゆし)
  村上 「じゃぁ、入ればいいじゃん!」
  吾郎 「いやいや、俺はいいよ」
  村上 「何?『いいよ、いいよ』ってさっきからさ。入ろ、入ろ、入ろ。
      ホント、温かいから、って」
  吾郎 「1人じゃなきゃ、お風呂入らないもん
      (↑激激かわゆし)

拗ねて、いじけ続ける吾郎君がたまんない(*^^*)。でも、その一方で、温泉に入る吾郎君を見せろ!!!とも思ってみたり(すみません)。だが;

教授(ナレ)
『自分の腋の下に効果が無いことを知った女性サンプルは、実験を成功させようと、少し焦りすぎました…』

さらに強行に入浴を勧める村上さん;

  村上 「入ろ、入ろ、入ろ、入ろう」
  吾郎 「大丈夫」
  村上 「ちょっと、ちょっと。またまた」
  吾郎 「あっちあっち、シャワー浴びてくる、大丈夫!」

そう言って立ち上がり、手錠をしたままなのに、吾郎君、温泉から立ち去ろうとします。

教授(ナレ)
『帰ろうとした男性サンプルを』

出て行こうとする吾郎君を、村上さんは自らの浴槽の方にひっぱり込もうとし;

  村上 「ちょっと、入ろ、入ろ!」
  吾郎 「ちょっと、ちょっと、ちょっと、ちょっと」
  村上 「入ろう」
  吾郎 「やべー!危ない、危ない、危ない、危ない!!!
  村上 「入ろうよ!!」
  吾郎 「危ないし、手痛いよ!!!


教授(ナレ)
『はぁ・・・まさかこの実験があんな悲劇を生むとは思いませんでした』


  吾郎 「俺、降りるよ…」
  村上 「入ろうよ!」
  吾郎 「ああっ!!!!!!!

村上さんの勢いに負け、温泉に突入してしまった吾郎君。パンツだけでなく、上に着た服もびしょびしょです。それを見て、周りで爆笑するスタッフでしたが、吾郎君の表情からは完全に笑みが消えています;

教授
『最初は笑っていた実験スタッフでしたが…』

  吾郎 「・・・(--;)」

スタッフを睨みつける吾郎君。やばい、マジ切れ??????

でも、放送中、本当に切れちゃったよぉ、と思いながら見てしまったわ。だって、目がマジなんだもん。あとから見直して、演技だと言われりゃ演技なのかなぁ、という気もしないではないけど、ここも私にとっては謎なシーン。

そして、肝心の吾郎君は、無言のまま乱れた髪を掻きあげ、なおも無言のまま湯船の中で立っています。

教授(ナレ)
『明らかに一変した彼の目の色が事態の深刻さを物語っていました。長い時間を掛けてようやく開きかけた心の扉は、こうしてまた、固く閉じられてしまったのです』

つながりかけていた2人の心 再び氷の世界へ

そして、低いトーンで怒りをあらわにする吾郎君;

  吾郎 「どうすんだよ、これ〜・・・服ぅ
  村上 「すみません」
  吾郎 「はぁ・・・信じられない。ちょっとまだ信じられない

教授(ナレ)
『風呂場とはいえ、外の気温は氷点下。濡れた服はあっという間に体温を奪います』

撮影中止を要求

村上さんは、ただただ恐縮しています;

  吾郎 「一回、ちょっとマジで、ちょっとこれ、ダメダメ。撮影どころじゃ
      ないって、だって。濡れちゃったもん、だって」
  村上 「すみません」
  吾郎 「寒いし、ちょっと。鍵かして。ある?」

スタッフからカギを受け取り、二人を結ぶ手錠を外します。

  吾郎 「一人で入って。ほんと、いいから」
  村上 「すみません」
  吾郎 「全然、大丈夫だから」(ちっとも大丈夫ちがうやん、君!)

教授(ナレ)
『激しい怒りを押さえた声が突き刺さり…』

思い出のペンダントも返却

首にかかっていたペンダントを村上さんの首に掛けます;

  吾郎 「これも。はい、ね」
  村上 「・・・」
  吾郎 「寒い!これどーすんだよぉ、服ぅ〜
  村上 「・・・」

教授(ナレ)
現場の空気を凍りつかせたまま、彼は去っていきました。二人の名が刻まれた運命のペンダントが再び彼の胸に戻るときは来るのでしょうか?』



教授
『ああ…、これは最悪の事態です。やはり美男子とFunny Faceな女性との間に、恋愛は不可能なんでしょうか?辺りはすっかり暗くなり…』

Aomori Station, Aomori 6:15PM
青森県 青森駅 午後6時15分


続いて二人がやってきたのは、JR青森駅。

吾郎
『まぁ、普段、そこまであまり、そこまで怒るタイプではないんですけど。さすがにねぇ…、ちょっとあの図々しさっていうか、ちょっとこう…強引な感じっていうのが、ちょっと頭にきましたね。服もあれしかなかったんでね』

温泉で服が濡れてしまったため、黒のコートの下は、赤いジャージの上下にと青い長靴。こういう吾郎君はそうそう見れたもんじゃありません(^^;)。さらに、サングラスなんかをしているもんだから、ますますコントやん!(笑)。
教授(ナレ)
ヒト一倍、身だしなみに気を使う男性サンプルにとって、この状況は屈辱以外の何物でもなかったに違いありません』

駅の渡り通路を歩き、駅のホームに降りてきます。ほとんど人の居ない駅のホームのベンチに背中合わせでバラバラに座る二人。怒って口もきかない吾郎君の背中を覗き込み、ポンポンと肩を叩く村上さんでしたが、相変わらず吾郎君は無言のままです。ここまで怒り続けていると、ここは演技なのかなぁ、とも思わないではなく。

怒り続ける吾郎君に対して、ある意味、村上さんの方が大人なわけで(笑)、あれこれと吾郎君を和ます手談を考えてます。

教授(ナレ)
『2人で白鳥を見たときのあの笑顔。彼女はもう一度あの笑顔が見たかったのです』

"吾郎の心の氷を溶かしたい"

  村上 「よし・・・」

教授(ナレ)
『何かを決心したような女性サンプルが立ち上がりました。そして男性サンプルの前に立ちはだかり…』

村上さんは吾郎君の正面に回って、着ていたマフラーやコートも脱ぎはじめました;

教授
『一体、何をするつもりなのでしょうか?』

  村上 「(腕を鼻に見立てて)象。パオーパオー。りんご頂戴」

”怒った吾郎を”笑わせ中””

  吾郎 「・・・」

教授
『心の底から怒っている彼はその程度で笑うわけがありません。そう、彼女の仕事は女芸人、自らの武器でこの状況を打開しようとしているのです』

顔を背ける吾郎

  村上 「マスクメロン如何ですか?おいしいよ、甘いよ。2つで1000円だよ」
  吾郎 「・・・(笑)」
         (↑笑ってるやん!)
  村上 「いかがですか?」

教授(ナレ)
『一瞬、笑ったようにも見えましたが、怒りはまだ収まってないようです。自らの豊満な肉体を武器にする女性サンプル』

村上さん、次は何やら体でリズムを取り始め;

  村上 「♪ダイナマイトなハニーでもいいんじゃない」
  吾郎 「・・・」

数々の村上さんのアプローチに対しても、何も言わない吾郎君。サングラスを取って、目を押さえとります。村上さんの歌声だけが、駅のホームで延々響く・・・(ああ、無情…)

教授(ナレ)
『彼女の努力も虚しく、男性サンプルの心の氷は溶けませんでした』


(03.01.19 up)

<<>><<>><<>><<>><<>><<>><<>><<>><<>><<>><<>><<>><<>><<>><<>><<>><<>>




Tohoku Line, JR 7:30PM
JR東北本線 午後7時30分


そして、待つこと1時間(なのかな?)、目的の電車がホームに入ってきました。電車に乗り込み、席についたものの、吾郎君は黙って真っ暗な窓の外を眺めてます。それを眺める村上さん

吾郎
『あのときはねぇ・・・もう、とにかく、一刻も早く東京に帰りたかったですね。「今回の特別編はまずいな、どうなってしまうんだろう」・・・もう全く迷宮入りですね。抜け出せることのできない迷宮にあの時点で入りました』


Hakoishi Station, Iwate 9:45PM
岩手県下閉井郡箱石駅 午後9時45分


どういうルートでここまで到達したのかよく分からないのだけど、とにかく、ひとっ子一人居ないJRの駅から出てきた吾郎君と村上さん。

  村上 「どうしよう、電車なくなっちゃったけど…」
  吾郎 「・・・。ああ、何やってんだろう、俺もう・・・」

というコメントから判断すると、この間に何かもうひと波乱、あったのかなぁ?

教授(ナレ)
『今回の旅の本当の目的をまだ彼は知りません。しかしそれ以前に、この撮影自体に不信感を抱き始めた男性サンプル。ここにきて、完全にやる気を失っています』

仕方なく、国道に向けて、真っ暗な道を歩く二人;

Route106, Iwate 10:00PM
岩手県国道106号線 午後10時0分


ヒッチハイクを続ける村上さんに対して、吾郎君は路肩に座り込んでいます。女性にヒッチハイクさせて酷いヤツだと思いながらも、ここでの吾郎君の不安げな表情のビジュアルも好きなんだな、私。暗闇の中の吾郎君って、いいんじゃない?(←何でもかんでもいいとか言って、処置不能になってきた>私)

吾郎
『やっぱねぇ、もうちょっと限界ってあるじゃないですか、いくらなんでも』

当時の気温−8℃

吾郎
『すごいねぇ、やっぱ画面では伝わりにくいと思うんですけどねぇ。本当に寒かったし。結構、頭もパニック状態でね』

ここ、本心なのか、どうなんだろう…「画面では伝わりにくいと思うんですけどね…」なんていう台詞は、吾郎君、ちょっと作ってる感じもするし…。ああ、やっぱりわかんない。

教授(ナレ)
『もはやこの恋愛実験は失敗に終わってしまった。誰もがそう諦めかけたときでした』

座り込んでいる吾郎君に、ヒッチハイクを一時中断した村上さんが、寂しそうに話し掛けます;

  村上 「全然、笑わなくなっちゃいましたね」
  吾郎 「・・・」
  村上 「さっきほら、白鳥のときはすごい楽しそうだったのに」

教授(ナレ)
『やはり私はこのような美男子と結ばれる運命にはないのか…。スタッフ同様、彼女自身の頭にも、絶望ともに”実験失敗”の4文字が浮かび上がったそのとき・・・突然、頭に走った遠い記憶の1シーン・・・命を掛けて愛を証明したい』

ここであのドラマの1シーンが、村上さんの脳裏でフラッシュバックします。その瞬間、国道に向って走り出し、トラックの前に飛び出す村上さん(ここでの映像、作りすぎっ!(笑)。あとから取り直したのかもしれないけどさ)。それを見て驚きのあまり思わず立ち上がる吾郎君。

  村上 「僕は死にましぇ〜ん!
  吾郎 「あっぶな・・・
  村上 「貴方の事が好きだからぁ
  吾郎 「(^^;)

ここで硬直していた吾郎君の表情が少し緩みます。村上さんに歩み寄って…

  吾郎 「危ないでしょう!危なかったよ、今。
      ドラマの見すぎ!全然、似てないからね、今の。
      ・・・しょうがないなぁ、もう

教授
『ある意味、彼女の素晴らしい芸人根性が、ほぼ失敗に終わりかけていた今回の実験を救ったと言えるかもしれません。しかも彼女がお手本にしたテレビドラマは、まさに冴えない男性が美女をものにするというストーリー。自らの武田鉄矢に置き換えた彼女の勝利です』

吾郎
『いや、びっくりしましたね。やっぱりドラマはドラマ。現実は現実なんで…』

吾郎
『少しまぁ、さっきまで怒ってしまった自分ていうものが恥ずかしく感じてしまいまして

ここでも素直な吾郎君…。好きだわっ!

2人でヒッチハイク再開

  村上 「ねぇ、吾郎ちゃん、許してくれた?」
  吾郎 「え〜、許すも許さないも、しょうがないでしょう、だってさぁ」
  村上 「じゃぁ」
  吾郎 「うん」
  村上 「仲直りの、ちゅ
  吾郎 「ねぇ、それとこれとは全然関係ないから。また怒るよ
  村上 「ごめんなさい」
  吾郎 「ヒッチハイク、ヒッチハイク」

吾郎君がヒッチハイクする画って・・・貴重するぎるぅ!!!!!

吾郎
『ただ、ちょっとあの辺から、こいつは面白なぁ、というか。何かああやってこう…笑わせようとするアプローチの仕方っていうか、表現をするような女性っていうのは、今まで回りにいなかったので…』

”拒絶”から”興味”への変化

教授(ナレ)
『こうして無事、2人の旅は続けられる事になりました。そしてこのあと、彼女が心に昔負った心の傷をきっかけに、ドラマは信じ難い方向に転がり始めるのです』



Route106, Iwate 11:30PM
岩手県国道106号線 午後11時30分


吾郎君と村上さんは、トラックの助手席に座っています。前方を走るスタッフ用の車から、その様子が映し出されてる構図。トラックの中にカメラがセットされてなったところを見ると、このヒッチハイクは本物なのだろうか?

教授(ナレ)
『一時間後、やっと載せてもらえたトラックで2人はカメラを忘れて語り合いました』

  吾郎 「う〜ん、ちょっとこう…ブルーな気持ちも、少し心が和らいだんだ
      けど…*#%&+?」
  村上 「それをどうにかしないと、と思って」
  吾郎 「それはねぇ、嬉しいけど」

吾郎
『まぁ、それまであの…まともに話という話はしてなかったん…じゃないですか。まぁ、なんか、こう…ゆっくり話せる唯一の状況に突入したのでね、あの時点で。まぁ、とりあえずあの…運転手さんもいい人だったし』

  村上 「気をつけます」
  吾郎 「あそこまでされたら…」

教授(ナレ)
『好きな人のためならトラックにも飛び込む芸人根性に、ひたすら感心する男性サンプル』(と、そこまで彼女を美化せんでも…)

  吾郎 「ねぇ」
  村上 「やり過ぎましたかね?」
  吾郎 「やり過ぎちゃうんじゃない?いつもそうなの、男の人に対して?
  村上 「いや、もう」

教授(ナレ)
『そして彼女の何気ない一言』

  村上 「・・・う〜ん、面白いかな、と思って」
  吾郎 「は?」
  村上 「え、面白く、面白く無かったですか?」
  吾郎 「面白かったよ」

教授(ナレ)
『お笑い芸人である彼女にとって、面白いという最大の武器は、同時に子供の頃から好きな人が出来る度に彼女を悩ませる最大のコンプレックスだったのです』(だから美化しすぎっ)

  吾郎 「無茶苦茶、人を好きになったことってあるでしょ?」
  村上 「う〜ん。片思いで」
  吾郎 「うん」
  村上 「どーせダメだろうっていう、何か諦めから。だったら…」
  吾郎 「うん」
  村上 「その人といる時間を楽しく過ごせば」
  吾郎 「楽しく過ごそうというのが、さっきの僕は死にましぇ〜んみたいな」
  村上 「みたいなね」
  吾郎 「ああいうことに繋がっていっちゃうんだ」
  村上 「そう」
  吾郎 「ああ」
  村上 「逆になんか面白い人で終わっちゃうみたいな」

教授(ナレ)
『好きな人が笑ってくれればそれでいい、この旅でずっと彼をうんざりさせてきた強引なまでの芸人根性の裏には、10数年間隠してきた心の傷がありました』

  村上 「う〜ん、いやでも、結婚もしたいし。そりゃぁ、できるんだったら
      彼氏も欲しいし、っていうのはありますけど」
  吾郎 「そりゃそうだよね。そりゃ、そりゃそう…」
  村上 「ただ、自分の気持ちが伝えられないんですよ。好き、って言った事
      ないですよ、好きな人に」
  吾郎 「ないんだ」
  村上 「ないです。自分から告白も出来ないし」
  吾郎 「生まれてからずっと?」
  村上 「生まれてからこのかた、一回も告白をしたことがないですよ」

こういう話を聞いてあげる吾郎君を見ると、優しいなぁ、と思っちゃう(*^^*)。

吾郎
『まぁ、当たり前の事なんですけど、まぁ、やっぱり村上さんも普通の1人の女の子なんだなっというか。本当に平凡な女の子なんだな、っていう。ただ、ずーっと人の…僕の目を一度も見てくれなかったんで…(^^;)。う〜ん、本人も結構、照れてましたね。うん、でも、なんかよかったです。あの時点で色々話ができて。はい』

  吾郎 「あ、そうなんだ」

教授
『2人はこの後、ずっとずっと続きました…』

ほんの少し 分かり合えた2人



Aneyoshi Village, Iwate 0:30AM
岩手県宮古市姉吉 午前0時30分


そして、とある民家。今夜はここで泊めてもらうことになっていたようです。老夫婦と一緒に囲炉裏を囲んで座る二人。吾郎君の服装は相変わらずジャージだけど、部屋の中なのに黒いコートも着たままです。寒いのか、ジャージ姿が許せないのか、どっちなんだろう?(笑)

  老夫婦「ほたてやらなんやら…」
  吾郎 「あ、ここで、ここで焼くんですか」


教授(ナレ)
『日付も変わったころ2人は海の近くの漁師さんの家に一晩泊めてもらう事にしました。そして度重なる事件の連続で忘れていたある大事なこと…』

いつの間にか老夫婦は居なくなり、吾郎君と村上さんの二人っきりの状況に。村上さんが食事の準備をし始めます。

吾郎にとっては今日初めての食事

教授
『朝から何も食べていない男性サンプルのために、彼女が台所に立ちます』

  吾郎 「大丈夫?」
  村上 「ちょっと、なにぃ〜。もう、やっだぁ〜。旦那さんは休んで
      いればそれでいいんだから!」
  吾郎 「・・・」
  村上 「ね。いいから心配しないでご飯の事は」
  吾郎 「楽しみにしているからね」
  村上 「うん」

素直に囲炉裏のある居間に戻る吾郎君。

教授
『まるで本当のカップルのように彼女の様子が気になって仕方が無いようです』

吾郎
『あの…(^^;)、あの、暖(炉)のところから見る彼女のまんまるい後ろ姿というんですか、何かこう・・・母のように感じてしまったというか、あの後ろ姿が・・・』

とコメントしながらも、吾郎君、黙っていることができなかったようで、村上さんの料理に口を出し始めます;

  吾郎 「いいよいいよ、それぐらいで。OK。ストップ、はい」
  村上 「いいから」
  吾郎 「いいから、ちょっとお酒。ちょっと入れるよ」

教授(ナレ)
『旅の初めからは想像もつかない光景ですね』

吾郎
『やっぱ男子厨房に入らずではないですけど、やっぱちょっとキッチンに入るのはちょっと女性に対しては失礼だったかな、というか』

スプーンで肉団子を形作って鍋に入れている村上さん。

  吾郎 「(スプーン)一個でやっちゃだめだよ
  村上 「えっ?」
  吾郎 「二つでやるんだよ!!」
  村上 「いいよぉ。十分でしょう、だって」
  吾郎 「スプーン二つでこうやってやるんだよ!」
  村上 「そんな、面倒くさいでしょ」

そうして、2人並んで仲良く料理♪(笑)

  吾郎 「音楽とかないのかな?
  村上 「ははははは(^^;)」
  吾郎 「俺、料理作るとき、音楽がないとこう…乗ってこない
      んだよね、気持ちが
  村上 「へぇ〜」
  吾郎 「ジャズとかね、流して欲しいんだよね

ここでメンバーがいると「むかつくぅ〜」とか言われるのだろうけど、今回はそれがないので、ある意味ホッとするわ。


教授
『温泉で濡れてしまった服もようやく乾いてきた頃…』

村上自慢のレシピ ”愛の肉団子鍋”

準備の出来た鍋を囲炉裏にかけます。しばらくして、鍋の蓋を開け;

  村上 「いくよ!」
  吾郎 「うん」
  村上 「うわ〜」
  吾郎 「おおー!いい感じじゃん」
  村上 「ねぇ」
  吾郎 「ただ、問題は味だな」

と、早速、試食。

  吾郎 「美味いね!」
  村上 「美味い?おお、あっそう、ああそう!」
  吾郎 「いい感じ・・・あ、出汁上手いねぇ。やっぱカニきいてるね!」
  村上 「カニとかいいね、やっぱ」
  吾郎 「うん」
  村上 「海鮮物は」
  吾郎 「これは温まるね」

教授(ナレ)
『既に男性サンプルの心の氷は完全に溶けてなくなっていました』

ほのぼのしていいわ〜(*^^*)。


Experiment No.5 Daekness Logic

ここで次なる実験です。食事も終え、翌日に備えて、就寝タイムです。2組の布団が用意されている部屋にやってくる吾郎君と村上さん。

  吾郎 「お」
  村上 「ああ、布団が用意されている」
  吾郎 「ああ、ちゃんとひいてくれてるね。寝る時間ないけど、明日、朝日
      見なきゃいけないから」
  村上 「そうだね」
  吾郎 「今日か…もうね」

Experiment No.5 Daekness Logic
実験 その5「暗闇理論」


教授
『ここで近づきつつある2人の心に追い討ちをかけてみましょう・・・暗闇の世界へ』

天井に備え付けられたカメラがその部屋の2人の様子を映してます。

  吾郎 「軽く仮眠をとって」
  村上 「ね」
  吾郎 「うん、寝なきゃいけないんで。2時間ぐらい寝れるかな」

そう言いながら、”同じ布団”に入る吾郎君と村上さん;

  吾郎 「・・・って、コラ!!!コラ!!!
      (↑吾郎君のノリ突っ込み(笑))
  村上 「何?いいじゃん、温かいって
  吾郎 「2つあるでしょ、布団!
  村上 「うん」
  吾郎 「何でもストレートするぎるんだよ」
  村上 「いいじゃん、寝るぐらいさ」
  吾郎 「とりあえずお休み」

それぞれの布団に入り、部屋の蛍光灯を消し(←スイッチの紐が延長されて、布団の中からも届くようになってます)、部屋は真っ暗になります。

教授
『学説によれば男と女が暗い場所にいると恋愛感情が爆発しやすくなるといいます』

就寝中

真っ暗闇の中、イビキだけが聞こえてきて、ふと、布団の中から蛍光灯を点ける吾郎君。明るくなった部屋には、吾郎君のそばに正座したまま眠っている村上さん。

  吾郎 「ちょっと!ちょっと!恐いよっ!村上!!
  村上 「あっ…えっ?」
  吾郎 「君・・・何で。こっち見つめてたでしょ、俺のことを
  村上 「本当に?本当に?」
  吾郎 「早く、早く、もう寝よ、早く早く、お休み」

再び就寝中

画面上、暫く暗闇が続きますが、再び何か気になったのか、吾郎君、蛍光灯を点けて、自分の布団をがばっとめくってみると、そこには吾郎君に被さるように、しかも吾郎君の足の方向に顔をおく格好で眠っている村上さん。これには吾郎君も大ウけです。こういう作りは好きだなぁ(^^;)。

  吾郎 「あはははははは(大笑い)。こらーっ
  村上 「イテ」
  吾郎 「森三中!!!
  村上 「痛い」
  吾郎 「何やってんだよ」
  村上 「何だよ。すげー寝てたのに。何で起こすんだよ」
  吾郎 「何なの、君・・・?」
  村上 「すっごいいい夢見てたのに今」
  吾郎 「顔ここにあって、足ここにあったよ
  村上 「えっ?」
  吾郎 「何?」

村上さん、羨ましすぎだわ…。

教授(ナレ)
『夜明けのゴールまであと4時間です』


Experiment No.6 Overcoming Hardship Logic

日の出まであと1時間半

部屋の柱時計は朝の5時10分をさしています。吾郎君と村上さんは着替えを終え、朝日を見る最終目的地へと向います。この時点で吾郎君のヘアスタイルもばっちり決ってるし(^^;)(きっとロクに寝てないんだろうな、とは思うけどね)。

  吾郎 「がんばろう!」
  村上 「うん」

教授(ナレ)
『結局、2時間半しか眠れなかった2人。そう旅のゴールでもあるトドヶ崎(トドヶ崎灯台)は、本州の東の端、つまり一番最初に朝日が昇る岬なのです、しかしそのゴールに辿り着くには、その険しい山道を1時間以上あるかなければいけません』


実験 その6「逆境の共鳴理論」
Experiment No.6 Overcoming Hardship Logic


教授
『さぁ、ここで最後の実験です。数ある恋愛理論の中でも最もポピュラーなこの学説その名も「逆境の共鳴理論」。困難な状況を協力しあって乗り越えたとき、2人の連帯感が恋愛感情に変化する事は簡単なことなのです』

早くも山道に突入の2人。細い山道をゆっくりと登っていきます。

岬まで 総距離4.8kmの登山

  吾郎 「結構、険しくなってきたねぇ、これ」
  村上 「(^^;)」

革靴ではつらい山道

教授
『さらに過酷な条件が男性サンプルを襲います。まさか山登りをすると思っていなかった彼の足は早くも悲鳴をあげていました』

  村上 「ねぇ、吾郎ちゃん、それ大丈夫なの、靴?革靴とかだったら歩きに
      くいんじゃない?」
  吾郎 「歩きにくいよ」

教授
『そんな男性サンプルを見かねて女性サンプルが取った行動は…』

”おんぶ”をするために、吾郎君の前にしゃがみこむ。普通、男女が逆だよねぇ。まぁ、もともとこの実験自体が”美男と野獣”で普通とは逆だから、これでいいのか(納得)。

  村上 「はい」
  吾郎 「何?」
  村上 「おんぶ
  吾郎 「おんぶってなに?」
  村上 「おんぶするから、私」

で、吾郎君、実際に村上さんにおんぶしてもらってるし…(^^;)

  村上 「いける」

吾郎君を背負ったまま、村上さんは歩き始めます。

教授
『この日彼女が初めて示した、決して笑わせようとはしていない真面目な愛情表現。しかし女性の体力ではやはり限界が…』

30分後

いつの間にか、吾郎君が村上さんをおんぶしています(だから、村上さん、羨ましすぎっ!)。ただ、その足取りは非常におぼつかないものでして…;

  吾郎 「重いよ、少しダイエットしたらいいんじゃない?」
  村上 「したほうがいいかな?」

身長147cm 体重62kg

  吾郎 「したほうがいいねぇ。鍋禁止」
  村上 「禁止?」
  吾郎 「肉団子禁止だよ」
  村上 「禁止?」
  吾郎 「うん」
  村上 「ああ、食いて〜」
  吾郎 「春菊だけ食べろ、春菊だけ!!!
  村上 「春菊かぁ、あんまり好きじゃないんだよなぁ」

ここでも命令口調の吾郎君がツボです(*^^*)。

日の出まであと30分

なおも山道を進む二人。ライトが無くても大丈夫なぐらいの明るさにはなってきました。

教授
『段々と真っ暗闇だった林の向こう側が明るくなり始めてきました』

  吾郎 「おお、何か明るくなってきたね、段々」
  村上 「ああ、本当だぁ」

こういう優しく声をかけ続ける吾郎君が男前…(*^^*)

教授
『属に言う美女と野獣の逆、美男子とそうでない女性の恋愛は成立するのかという、単純且つ壮大な疑問から始まった今回の実験もゴールまであと僅か…』

看板に「トドヶ崎灯台 0.6km」の表示

  吾郎 「もうちょっとだからねぇ」
  村上 「うん」
  吾郎 「よし。急がないと、ホント、朝日昇っちゃうしね」
  村上 「うん」
  吾郎 「後少しだから頑張ろう」
  村上 「うん」

この辺から村上さんの言葉が少なくなってるんですよね。「逆境の共鳴理論」という通り、実際、しんどくなってきているのかなぁ、と思ってみたり。そう考えると、吾郎君がこの後、無意識で村上さんの手を繋いでいる、というより引っ張っているのかな、とも思うのだけど、そういう気分になるのも分からないではないなぁ、と思ってみたり。

教授
『このとき、我々の目に信じられない光景が飛び込んできました。何と、2人が手をつないでいるのです』

吾郎
『(鼻をこすりながら)何だろうなぁ・・・う〜ん。まぁ、無意識ですね。変な気持ちがあったとかそうんじゃなくて』

ちょっと照れ気味に話す吾郎君が可愛い(*^^*)。

教授
『人間の気持ちとはたった24時間でこれほどまでに変化するものなのか。当初はあれほどまでに拒否していた女性といつの間にかごく自然に手を繋いでいる今、彼の心の中で彼女の存在は一体どのような位置にあるのでしょう?』

吾郎
『なんかこう、もっと近いもんって感じですね。肉親とか。妹とか。何かそのぐらいの親近感を感じましたね』

教授
『彼にとっては妹的存在なのか、それとも既に恋愛対象として許せる存在なのか…』

いよいよゴールが見えてきました。

  吾郎 「やっとだ」
  村上 「長かったよ」

教授
『そして遂に…』

目的のトドヶ崎灯台に到着です。

  吾郎 「おお」
  村上 「うわ〜」
  吾郎 「ちゃんと灯台があるね」
  村上 「うわ〜、すごい!」
  吾郎 「急げ、急げ!!うわ〜きれー
  村上 「うわー
  吾郎 「すごいねぇ、これ

Todogasaki Cape, Iwate 6:30AM
岩手県宮古市トドヶ崎岬 午前6時30分


  村上 「きれー、やったー」

教授
『日の出より少し早く今回の旅はゴールを迎えました』

朝焼けが2人の目の前に広がります。

  吾郎 「びっくり。想像以上!
  村上 「よかったぁ」
  吾郎 「うん」
  村上 「よかった」
  吾郎 「ああ・・・」

教授
『本州で一番速い朝焼けを前に、しばし言葉を失う二人』

  村上 「今日は本当にありがとうございました」
  吾郎 「えっ?」
  村上 「一日、色々迷惑もお掛けしまして」
  吾郎 「まぁ、色々あったよね」
  村上 「色々」
  吾郎 「ちょっと頭に来た事もあったり、大変なこともあったけどさ」
  村上 「はい」
  吾郎 「これ見ちゃったら全部吹っ飛ぶよね。素晴らしいよ!
      うん。最高だね
  村上 「よかったですか?」
  吾郎 「うん。こちらこそありがとう」
  村上 「いえいえ、ありがとうございます」
  吾郎 「ありがとうございます」
  村上 「一生の思い出にします」
  吾郎 「本当?」
  村上 「はい」
  吾郎 「だったらさ、ほらあの…俺、あの…温泉のところでさぁ、
      ペンダント、返しちゃったじゃない
  村上 「はい」

教授
『2人の名が刻まれた運命のペンダント』

  吾郎 「あれ、もらっていい?
      (↑ちょっと照れつつの発言がいいわ…(*^^*))
  村上 「あ、全然いいですよ」
  吾郎 「記念に・・・」
  村上 「もらってくれるんですか?」
  吾郎 「うん。ちょっと記念にもらおうかな?」

村上さんが取り出したペンダントを、首に掛ける吾郎君。

  吾郎 「記念にとっとくよ」
  村上 「はい」
  吾郎 「ありがとね」
  村上 「ありがとうございました」

教授
『すると彼女は最後に性懲りも無く』

  村上 「それじゃぁ、別れのチュー
  吾郎 「・・・(^^;)」

教授
『折角いいムードだったのに、彼女は何を血迷ったのでしょうか?思えば事ある毎にキスをせがみつづけた彼女。ただ、全ての行動が好きな人を笑わせるためだったとしても、男性サンプルには彼女のある言葉がずっと心に引っ掛かっていたのです』

前日のフェリー食堂での会話がここで登場します;

   吾郎 「えっ?」
   村上 「したことないですよ、私」
   吾郎 「キスしたことないの?」
   村上 「好きな人とキス、1回もしたことが無い」
   吾郎 「えっ、ちょっと待って…。好きじゃない人とはしたことがあるん
       ですか?」
   村上 「うん、それは仕事で…」
   吾郎 「ああ、仕事で」
   村上 「仕事上、しょうがないみたいな」


教授
『この言葉を思い出したとき、彼の中で何かが弾けました』

吾郎君
『やっぱ、ああいうもう、極限の状況でたどりついて、ちょっと気持ちおかしかったんですかね、僕自身も。今思えば…

  吾郎 「(^^;)」

仕方がないなぁ、というような顔をして、辺りをキョロキョロ見回す吾郎君。そして、スタッフをチラッと見て・・・ちゅ。

  スタッフ「おお!!!」

驚き&照れの表情を示す村上さん。吾郎君も照れ気味?可愛いすぎるぞ、吾郎君!!!

  村上 「(^^)」
  吾郎 「何?」
  村上 「えっ?」
  吾郎 「何よ」
  村上 「(*^^*)」
  吾郎 「ちゅー、って自分で言ったじゃん
  村上 「はい」
  吾郎 「お別れのちゅーって」
  村上 「えっ?」
  吾郎 「えっ?」
  村上 「えっ?」
  吾郎 「あれ」
  村上 「えっ?」
  吾郎 「ファーストキス?」
  村上 「えっ?はい・・・」

吾郎
可愛く見えた・・・うん、それもありますね。ちょっともうほんと、あれだけは恥ずかしいですね、今思えばね・・・


Epilogue

教授
『いや〜、今回の実験は見事に成功しました。この研究成果は3月にオセロで行われる学界で発表させて頂きます。みなさん、長い間お付き合い頂き、本当にありがとうございました。おっと、大事な事を忘れてました。よく考えると彼はまだ何も知らないのです。今回の旅が単なる実験であったことを』

  村上 「いただきました」
  吾郎 「あ、そう・・・」

と何やら話を続ける吾郎君と村上さんでしたが、そこに唐突に『はい、オッケー!』という声とともに、2人の女性が乱入。

実験終了

教授(ナレ)
『突然現れた二人の女性の正体は?!』

  吾郎 「・・・?!?!?!?!」

カメラマンと音声さんに扮した2人は、"森三中"の残り二人のメンバー。名前がよくわからないので(←調べる気も無いのか>自分(^^;))、A,Bの表記でごめんなさい。

  村上 「やりました〜」
  A  「うちの村上、やりましたよ」
  B  「やっちゃったねぇ」
  村上 「すみません、本当に」
  B  「SMAP?」
  A  「しちゃった?」

  A  「旅どうだった?」
  村上 「どうっつってもねぇ…。怒るんだよね、すぐ
  吾郎 「・・・」
  A  「怒んのか?」
  村上 「短気なの」
  B  「だめだ、怒っちゃ、あんまり
  吾郎 「・・・」
  村上 「びっくりしちゃったよ」
  吾郎 「ちょっと待って下さい。だ、誰?
  A  「えっ」
  B  「いやいや」
  吾郎 「誰?何?
  A  「いや、ねぇ」
  吾郎 「誰、で、何?
  B  「仲間仲間」
  吾郎 「これが森なんとか?森三中??
  村上 「何とかじゃない」
  吾郎 「は?
  村上 「いや、”は?”とかじゃなくて」
  吾郎 「全然違うじゃんん、今までと
  村上 「いや、違うっつっても。えっ、何にも知らない?」
  B  「えっ、ウソ」
  A  「あれ?」
  B  「知らないみたいよ」
  A  「そうそう」
  村上 「実験だよ、実験。実験だよ、もう」
  吾郎 「はい?」
  B  「ちゅーするかどうかっていう」
  村上 「しちゃうんだもん、本当に(笑)」
  B  「ちゅーしてんだよ」
  A  「稲垣吾郎、本気になってんの、本気。恥ずかしい!

3人に冷やかされて、本気で恥ずかしがってる様子の吾郎君。その表情を取るために、カメラさんがさらに吾郎君の表情をアップにした途端、タイミングを測ったように吾郎君の鼻から一筋の赤いものが!!!!!

  吾郎 「やばい鼻血出てきた。鼻血出たマジで!!!

教授
『天才稲垣吾郎がお笑い芸人をも越えた奇跡の瞬間です』

画面上では、しつこくその部分を拡大し、リピート(^^;)。吾郎君、すごすぎるぞ!!!!!(ある種の感動ものだね!)

再生

  B  「びっくりした」
  村上 「すげー、鼻血でた!!!!
  A  「すげー」

  B  「何?2人つきあっちゃうの?」
  A  「いや〜」
  村上 「でもさ、短気だしさぁ、あんまりいいとこないし」
  吾郎 「何の実験だよ」
  村上 「えっ」
  吾郎 「実験って何だよ!」
  村上 「いろいろあんの」
  A  「そう。男前の男性が不細工な女性を本気で好きになるかどうかって
      いう」
  村上 「うん」
  吾郎 「何それ?」
  B  「ちゅー、しちゃったでしょ?
  A  「やっちゃったでしょ?」
  B  「本気になっちゃった、みたいなところあるよね
  A  「付き合っちゃえば」
  村上 「どうしてもっつんだったら、まぁ、付き合ってもいい…っていうか、
      考えてもいいよね
  A  「村上の方から”考えてもいいよね”」
  村上 「正直、そんなタイプじゃないし。まいっちゃうね、今日、なんか(笑)」
  B  「分かる、分かる、分かる」
  A  「タイプ違うもん」
  村上 「だから、疲れちった。すげー、きつかった、マジで」
  A  「まじで?」

そして、吾郎君を残して、その場を立ち去ろうとする三人組。吾郎君は村上さんに

  吾郎 「ちょっと。朝焼け・・・ほら・・・」

と、目の前に広がる朝焼けに手を伸ばして、指し示してますが;

教授(ナレ)
『最後に女性を代表して一言』

  村上 「吾郎…
  吾郎 「は?
  村上 「女は、魔物だぞ
  吾郎 「・・・(^^;)

  村上 「行こうぜ!」
  吾郎 「何だ、あいつら!」

そして、遠くなる3人の背中を眺めつつ;

  吾郎 「女じゃないよね

しみじみと呟く吾郎君だったのでした。それでも美しい朝日は昇り…(^^;)。でも、吾郎君の怒りは収まらず(?)、首に掛けたペンダントに手をやる。

  吾郎 「これは何よ、これ!記念に頂戴とか言って!!!
      ちくしょー、頭きた

そう言って、断崖の方に近づく吾郎君。首から外したペンダントを海に向かって;

  吾郎 「ていやー
      (↑この掛け声がへなちょこで好き!!!!(^^;))

と放り投げてます。最後に朝日に向かって一言;

  吾郎 「バカやろー!女は魔物だ!!!


ちゃんちゃん♪


(03.01.26 up)


home