■ ストーリー ■
衛 :美沙!!!
美沙:放して!!
衛 :ダメだよ!
衛 :とにかく、今は心と体を休めた方がいい。
衛のモノローグ:復讐のむなしさに気づき、生きる理由を見失った美沙。警察に出頭して、罪をつぐなおうとした。
大川:安藤衛さんが被害届けを取り下げるんだってさ。
美沙:どうしてですか?
衛 :君だけが悪いわけじゃないだろ?僕は僕なりに自分の罪を償いたいだけなんだ。
衛 :あのときは、助けて頂いて、ありがとうございました。
美沙:私は、亘が私一人を残して死んでしまった事に、どうしても耐えられなかったんです。あなたを恨む事でその辛さを誤魔化そうとしたんです。
衛のモノローグ:美沙の復讐は終わり、僕らは別れた。
久保:怪文書は美沙じゃない?警察がそう言ったのか?
衛 :ああ。
久保:社内の人間ってことも有りうるぞ。
衛 :えっ?
久保:下柳だよ。
下柳:安藤さん!またよろしくお願いします。
衛のモノローグ:だが、事件はそれで終わってはいなかった。
高山:俺の事は大事に扱った方がいいと思いますよ。
瞳 :安藤さんも美沙のことを好きになっちゃったんですか?
有紀:パパと美沙さん、何か関係あるの?
島谷:いや、いろいろあったんでね、調べてみただけだ。大した意味は無い。
尾崎:あいつは誰かに頼まれてあんたを襲ったらしいんだ。
衛 :それは誰なんです?
尾崎:誰かは分からないが、藪本はそいつを探し出して金を揺すろうとしている。
【墓地】
再び海岸沿いにある両親と亘の眠る墓地にやってきた美沙(長谷川京子さん)は、男=島谷(伊武雅刀さん)が墓に参っているのを目撃する。すれ違いざまに美沙は男に声を掛ける;
美沙:どちら様ですか?
島谷:JTSの島谷と申します。香田美沙さん、ですよね?
美沙:はい。
島谷:安藤君からは色々と聞いてます。
美沙:前に、どこかでお会いしました?
島谷:・・・。いえ、初めてだと思いますが?
そう言って立去ろうとする島谷。
美沙:じゃあどうして私のことを調べているんですか?ひかりの家でもお見かけしました。
島谷:香田さん、私は、あなたが過去を乗り越えて未来に向かうことを願ってるんです。失礼します。
そう美沙に告げ、その場を立ち去る島谷。(過去に何かはあったようだけど、悪い人ではないのかなぁ、島谷さん)
【繁華街】
一年前の事件の真相の鍵を握る薮本(渡辺卓さん)と下柳(成宮寛貴さん)が親しげに話をしているのを目撃した衛。二人が分かれたあと、衛は下柳に駆け寄り、声を掛ける;
衛 :下柳君!
(と、この期に及んでも”君付け”の衛君っていいやつだ…(^^;))
下柳:!
衛に声を掛けられ、驚きの表情を示す下柳。明らかに挙動不審だったりするわけで…。
「Mの悲劇」 THE TRAGEDY OF M
Chapter8
【繁華街】
衛は下柳に薮本との関係を問いただす。
下柳:どうしたんです、安藤さん?
衛 :あの男とどういう関係だ?
下柳:今日ずっと会社の前をうろついていたんですよ。様子がおかしかったんで、声かけたんです。
衛 :それで?
下柳:知り合いを探していたと言っていました。
衛 :あれは一年前襲ってきた男だぞ。
その衛の発言に、さらに挙動不審になる下柳。
下柳:そうだったんですか。なら気をつけた方がいいですよ。また、安藤さんを狙ってるのかもしれません。
衛 :・・・。
立去ろうとする下柳に衛はさらに疑問の言葉を投げかける;
衛 :君を探してたんじゃないのか?
下柳:どういう意味です?
衛 :だからわざわざ彼に会いに、こんなところまで来たんだろ?
下柳:何言ってるんですか。新しい警備契約を結んだビルの下見に行く途中で、たまたま見かけたんです。
衛 :そんな偶然、あるかよ!
下柳:下見があるので、これで失礼します。
結局、衛の中に下柳に対する疑問の念が強く残っただけだった。
【墓地】
暗くなり、まだ亘の墓の前にいる美沙。
美沙:本当に終わったんだよね。もう忘れた方がいいんだよね。
【JTS 玄関口】
翌日・・・かな?
玄関警備にあたっている衛君。
下柳:安藤さん!
衛 :!
下柳の声に、ドキッとして振り返る衛。
下柳:交代時間です。
敬礼をして警備を交代する(今までこんなことしてたっけ?)。
衛 :現時点まで異常ありません。
下柳:了解しました。
【JTS 専務室】
島谷:とうとう決まったよ、安全構想都市プロジェクト。
島谷に呼び出された久保(佐々木蔵之介さん)は、ずっと営業活動を続けていた『安全構想土地プロジェクト』にGOサインが出たと聞かされる。
島谷:安全で、暮らしやすい街を作る。創立当初からの我が社の夢だ。社運をかけた大事業になるだろう。
久保:はい。
島谷:本来なら、三友商事へのプレゼンを成功させた安藤君に指揮を取らせたかったが、まだそういう状況じゃない。
久保:...。
島谷:そこで、プロジェクトリーダーには君を任命しようと思う。安藤君を支えてきた君なら適任だ。しっかり頼むよ。
久保:はい。
島谷:しかし、皮肉なもんだねぇ。このプレゼンが一昨年の11月。安藤君はそこに向かう途中で例の事件に巻き込まれたんだったなぁ。
(おっ、何か1年前の事件の解明に向けて、ここでも何かが絡んでくるわけなのねぇ〜。)
【ひかりの家】
三度、ひかりの家を訪れる美沙。園長にこの施設で働きたいとお願いする。
美沙:来たばかりの頃、園長先生がここにいるみんなが新しい家族だよって言って下さいましたよね?
園長:そうね。
美沙:だけど私はずっと違うと思ってて。私の家族は死んだ父と母だけだって思ってて…。でも今はここに安らぎを感じます。
園長:そう?何があったかわからないけど、あなたがそう思うなら、いつでもいらっしゃい。
(若干、とって付けたような気もしますが(汗))こうして美沙はこの施設で働く事になったのでした。
【JTS 会議室】
JTSの役員達(?)が集合した場で、島谷に『安全構想土地計画』プロジェクトリーダーとして紹介さる久保。全員の拍手を持って迎え入れられる。
【衛の実家】
夕刻。海岸が一望できる場所にある一戸建ての家。そこに、衛は、愛子(浅見れいなさん)と共に、病院を退院した礼子(吉行和子さん)と実家に戻ってきた。
礼子:やっぱりいいわねぇ、うちは。
愛子:よかったね、母さん。
礼子:嬉しいわ。
衛 :父さんも喜んでるよ、きっと。
3人は並んで仏壇に並んで手を合わせ、父親に報告する。(律儀な家族だわ…)
愛子:ねぇ、お腹空いたでしょ?今、ご飯の支度するね。お鍋の材料、買っておいたんだ。
礼子:嬉しい。病院じゃぁ、お鍋なんて食べられなかったもんねぇ。
そうして、愛子は台所へと。一方、そんな明るい二人の前でも、どこか沈んだ表情の衛君。部屋の窓を開けて、海を眺めてます;
礼子:何か、考え事?
衛 :ああ・・・いや。
礼子:美沙さん、どうしてる?
衛 :うん・・・もう電話もかかってこないから、たぶん気持ちの整理がついたんだと思う。
礼子:だといいんだけど。好きな人を亡くすって、辛いことだからね。
衛 :・・・。
しばしの沈黙のあと;
衛 :じゃあ、僕は行くね。
と、衛君。
礼子:あら、食べてかないの?
衛 :・・。僕も・・・区切りをつけなきゃいけないことがあるんだ。
礼子:あんたはいっつも忙しいんだから。
衛 :ごめんね、母さん。今度ゆっくり来るよ。
礼子:期待しないで待ってるわ。
衛 :うん。
礼子:ふふ(笑)。
そうして、「気をつけてね。」と衛を見送る礼子。台所で夕食の準備に入っていた愛子も顔を出して;
愛子:あれっ、お兄ちゃん、もう、帰っちゃうの?3人分あんのに。
衛 :ああ・・・ごめんな。
礼子:じゃぁ、衛の分も私が食べちゃおうかな。
愛子:すごいね、お母さん。
衛 :・・・。じゃぁ。
と家を出て行く衛君の映像がスローモーションなのは何故?(何か意味あるの?あったらいやだよ…(;o;))
【美沙のアパート】
夜。帰宅した美沙の前に、尾崎(大西滝次郎さん)が現れ、美沙の目の前で借用書を破り捨てた。
尾崎:あんたの借金もこれでなくなった。
美沙:えっ?
尾崎:さっき男が立ってて、あんたのこといろいろ聞かれて、借金もそいつが全額支払った。
美沙:!?誰ですか、その人?
尾崎:名前を聞いても答えなかった。
美沙:・・・。どんな…人ですか?
【有紀のマンション】
風呂上りの有紀(岡本綾さん)は、インターフォンが鳴り、来客があることに気付く。その訪問者は衛だった。
有紀:衛・・・?
衛 :こんな時間にごめん。話があるんだ。
有紀:衛・・・。
衛 :下柳君のことなんだ。
そうして有紀の部屋にやってくる衛君。前日の出来事を有紀に話します。
有紀:晃一が?
衛 :まだ、そうと決まったわけじゃないけど。
有紀:でも、衛は晃一がその男と一緒にいるところを見たんでしょ?
衛 :・・・。
有紀は“取り返しのつかないことをしてしまった”という下柳の言葉を思い出す。
衛 :何か気になることがあったら言ってくれよ。
有紀:私のせいなの。
衛 :えっ?
有紀:私のせいよ!
衛 :何言ってるんだよ?
有紀:衛と付き合い始めたあとも、私、晃一と続いていたの。だけど私、あの事件の日・・・。
有紀はあの日の出来事を衛に話す;
一年前。夜。JTSの玄関口で話をしている下柳と有紀。
下柳:別れたいって、どういうことだよ?
有紀:・・・。
下柳:何だよ、はっきり言えよ!
そこにやってくる衛君。(タイミングの悪いやつ。)
衛 :ああ、有紀。今夜遅くなるから、終わったら電話するね。
有紀:うん。
衛 :じゃぁ、後で。
そう言って打ち合わせに出て行く衛。
下柳:何だよ、そういうことかよ!
有紀:やめてよ。
下柳:話をするだけだ。
有紀:衛さんは大きな仕事で今、大事なときなの!
下柳:・・・。
だが、下柳はそのまま衛の後をつけていく。
衛 :そんなことがあったのか。
有紀:晃一を追い詰めたのは私。私が悪いの。私のせいなの!
衛 :もういいよ。とにかく、明日もう一度、一緒に下柳君と話してみよう。
涙顔の有紀(自分が悪いのかもしれないけど、やっぱり衛君、冷たいよね、とか思っちゃう)。衛は帰り際;
衛 :どうして君は、僕を選んだんだ?
と尋ねる。
有紀:・・・。私はずるい女なの。
衛 :・・・?
有紀:あなたを選んだのも、晃一と別れたのも、その方がパパが喜ぶと思ったからなの。
衛 :・・・。
有紀:私ね、生まれてすぐママが死んで、ずっとパパが喜ぶようにって気にしてきて。でも、信じてもらえないかもしれないけど、あの日からホントに衛だけと向き合ってきたんだよ。
衛 :・・・。
【某食堂】
某韓国料理店。一人、久保は、プロジェクトの資料を見ながら、一人、夕食をとっている。久保が見ている資料には、プロジェクトリーダーとして自分の名前が。
そして、グラスに"Asahi"のビール(^^;)を注ごうとすると、別の男がそのビール瓶を手にする。その男は、薮本だった。「お久しぶりです。探しましたよ」と言いながら薮本は久保の横に座り、勝手にビールを飲んだりして;
久保:どなたですか?
薮本:めんどくさい話、やめようよ。
久保:・・・。
薮本:金で片付く話なんだから。
久保:恐喝は犯罪だぞ。
薮本:暴行(?)教唆っていう罪もあるらしいですよ。
久保:証拠はあるのか?
薮本:警備会社の人間が噂流されただけでもまずいんじゃないですかね。あははは。
久保:・・・。
薮本:300万。安いもんでしょう?あんたのおかげで1年もくらってるんっすから、俺。
やっぱり久保だったのねぇ。ああ、王道の展開だわ。でも、久保のせいで一年って、ここでも逆恨み野郎がいたか…。
恐喝する薮本を無視して席を立とうとする久保の袖をつかみ;
薮本:どこへ行くんだよ?
久保:・・・ぎんこう。
と、無機質に答える久保。決断早っ(^^;)。
【JTS 会議室】
翌日。衛と有紀は下柳を会社の会議室に呼び出し、改めて事情を聞こうとする。
下柳:何ですか?
衛 :やっぱり君は、あの男のことを知ってたんじゃいのか?あんなところまで追いかけるなんて、おかしいよ。
有紀:話してよ、晃一。その男は誰かに衛を襲えって頼まれたらしいの。
下柳:えっ?!
衛 :僕は、それを依頼したのは君だと思っている。違うならちゃんと説明してくれよ。
有紀:とりかえしのつかないことって、そのことじゃないの?
下柳:俺じゃありません。けど・・・・・知っていました、あいつのことは。あの日、俺は、有紀のことで話がしたくて、商談に向かう安藤さんを追いかけたんです。
一年前の西新宿・・・薮本に殴られてる衛。その様子を目撃する下柳。
下柳:助けようと思った瞬間に、どうして有紀を奪った男を助けなきゃいけないんだって・・・そう思ってしまったんです。俺のかわりに、あの男が安藤さんをこらしめてくれるって、そんなことまで思いました。自分の嫉妬心から安藤さんを見殺しにするなんて・・・警備会社の人間として、あってはならないことだったと思います。本当に、申し訳ありませんでした。
衛 :・・・。
衛に深々と頭を下げる下柳。
下柳:もし僕が安藤さんを助けていたら、相原亘も、香田美沙も、事件に巻き込まれずに済んだのに。
衛 :・・・。
有紀:本当なのね、晃一。それが全てで、その男とは何のつながりもないんだよね?
下柳:ああ…。
衛 :ありがとう、話してくれて。君は僕を心配してくれて、だから薮本に近づいたんだね?
下柳:・・・。本当にすいませんでした。
下柳はもう一度、深く頭を下げた。
(ってことは、じゃぁ、薮本に依頼したのは誰だってことで・・・)
【JTS オフィス】
自席でパソコンで帳簿を見ている久保さん。そこに「おめでとうございます、久保課長」と、久保の元にやってきた、部下の高山(井澤健さん)は、自分もプロジェクトメンバーに加えるように久保に働きかける。だが;
久保:お前の力じゃまだ無理だ。
とプロジェクトメンバー入りを拒絶する。久保を睨みつける高山。
【JTS ロビー】
JTSにやってきた美沙。島谷に会うために、受付に面会を依頼したものの、アポイントが無いために、拒否される。引き返そうとしたときに、目の前にいたのは有紀だった。
有紀:専務に何か用ですか?
【喫茶店】
場所を変え、喫茶店で美沙から話を聞く有紀。
美沙:専務以外に思い当たらないんです。
有紀:でも、どうして父が美沙さんの借金を払わなくてはならないんですか?
美沙:私にもわかりません。でも、島谷さんとは、前にどこかで会ってるような気がするんです。
有紀:・・・。父も、事件に関わっているんでしょうか?
美沙:えっ?
有紀:怖いんです、私。まだ何か裏があるような気がして。
美沙:裏?
そうして、美沙は、まだ事件が終わってなかったことを聞いちゃうのね・・・。
【JTS 会議室】
衛 :プロジェクトリーダーか。おめでとう。
プロジェクトリーダーとして役員たちの前で久保が紹介された、あの会議室。『安全構想都市』のミニチュアが置かれたままになっており、それを前に、話をする衛と久保。
久保:いや、忙しくて寝る暇も無いよ。本当は、お前がやりかけた仕事なのになぁ。
衛 :明が引き受けてくれるなら、僕も安心だよ。
久保:で、相談ってなんだ?
衛 :うん。実は、僕を襲った薮本という男が出所したんだ。その薮本に、僕を襲うように依頼したやつがいたらしい。薮本はその依頼者をゆすろうとしているらしいんだ。
久保:それ、誰から聞いた話だ?
衛 :藪本の面倒を見ている、取立て屋だ。
久保:おい…(笑)。やくざの話なんか相手にするなよ。どうせ、秘密を教えてやるとか何とか言って、金でも脅し取ろうとしてるんじゃないのか?大体さ、何のための依頼だよ。襲われたって言っても、ちょっと怪我しただけだろう?わざわざ人を雇った割にはやる事がずいぶん中途半端じゃないか。
衛 :まぁ、それもそうだよな。
久保:もし、俺がお前を恨んだとしたらさ・・・何か取るとか、殺すとか・・・?
衛 :・・・。
久保:そういう依頼するけどな。もうあの事件のことは忘れろ。元のお前に戻ってくれよ。
衛 :?
(少し前なら二人のこういうシーンなら衛の方が余裕が無いように映ったのに、今は久保の方が余裕が無いように見えるという。二人の関係がドラマ上で変化していってるのを感じます)
久保:この仕事、手伝って欲しいんだ。お前に、銀行関係の責任者になってほしい。お前の力が必要なんだよ!
衛 :・・・。
久保:この資料、見てくれないか?
と、衛に書類を見せようとしたとき、その間から何かが落ちた。それを拾う衛。一枚の航空券だった。
衛 :富山行くんだ?
久保:ああ、出張でな。
そこに久保に来客が入り、衛は席を外す。
衛 :あ、じゃぁ、僕、行くよ。
久保:ああ、悪いな。
だが、その衛の後姿を見る久保の目は普通じゃないわけで・・・。
【JTS ロビー】
夜。退社する衛は、歩きながら携帯で尾崎と連絡を取る。(よく電話番号知ってたな!)
衛 :とにかく、薮本に会いたいんです。依頼者が誰なのか、本当に依頼者がいたのかどうか、会って確かめたいんです。お願いします。
尾崎:残念だな。薮本は消えたよ。
衛 :薮本が消えた?
えっ、久保さん、やっちゃったの?・・・って思うよね、普通。
【某 Bar】
相当イライラしながら、一人、Barでアルコールを飲んでいる久保。偶然店にやってきた瞳に声を掛けられる;
瞳 :安藤さんの事で、相談があるんですけど。
久保:・・・。
(ここでの久保さんの目も怖いよぉ。)
【某 繁華街】
直接、尾崎に会いに行く衛。
衛 :どうして分からないんですか。あなたが面倒を見てたんでしょ?住所も実家も知らないなんて…。
と尾崎にすがりつくように言ったら、迷惑そうに追い払われちゃう衛君。
尾崎:こっちはヤクザなんだよ。あんたらカタギの世界とは違うんだよ!わかれよ、そのぐらい。
衛 :すみません・・・
と素直に謝ってるし・・・(この二人の会話、微妙に笑ってしまったよ)。だけど尾崎は;
尾崎:何か分かったら連絡する
衛 :お願いします!
と言ってその場を立去る。
【某 Bar】
引き続き、久保と瞳はカウンターに並んで飲んでいる;
瞳 :あんな目にあったのに、安藤さん美沙の心配ばかり。昔からそうなんです。私が好きになった人はみんな美沙のこと。美沙は私の邪魔ばかりするんです。
久保:わかりますよ。俺にも一人、そういう男、いますから。昔からことあるごとに、俺の邪魔ばかりしてきた男がね。
(だから、久保さん、怖いって・・・)
そして;
久保:あなた、安藤のことが好きなんですか?
瞳 :・・・。
久保:力になってあげましょうか?
(あれ、まだまだ瞳の出番有るのね(笑))
【西新宿】
事件の場所にやってきた衛。この場所に、一体、何度足を運んだんだろう・・・。
衛はじっとあのときの光景を思い出している。
そうして立去ろうとしたときに、その方向から美沙がやってきた。
衛 :どうしたんだ?君とはもう・・・会うことは無いと思ってたのに・・・。
美沙:有紀さんから聞きました。誰かが薮本にあなたを襲わせたって。
衛 :まだ、事件は終わっていなかったんだ。
美沙:どうするつもりですか?
衛 :・・・。僕は、薮本を探し出して、真実を聞き出したい。そうしないと、僕は先には進めない。
美沙:・・・。
衛 :これは僕の問題だ。君は関わるな。これからのことを考えた方がいい。
美沙:ここで起きたあの事件のせいで私の人生は変わってしまったんです。私だってわからないことは全部知っておきたいんです。
衛 :君は、薮本と会って大丈夫なのか?
美沙:知りたいだけなんです。
その美沙の言葉に、衛は何も言えなかった。
【どっかの会場】
プレス発表の場。久保がプロジェクトリーダーとして、『安全構想都市プロジェクト』内容を説明している(って、GOが出たから、すぐに発表ですかい?早すぎ!)。
その場に立ち会う島谷。そして島谷をじっと見つめる有紀・・・そして、警備員として居合わせた衛の目には何が映ってる?
【JTS 専務室】
有紀は美沙から聞いた話を直接父親に確認しにいく。
有紀:どうして美沙さんの借金を肩代わりしたの?
島谷:何のことだ?
有紀:もう、隠し事はやめてよ。どうして本当のことを教えてくれないの?
島谷:・・・。
有紀:私はパパの娘でしょう?
その言葉に、有紀の顔を見る島谷だったが・・・。(今の「娘」という台詞には深い意味有り?)
【JTS オフィス】
パソコン上で帳簿を見つめる久保(えっ、このシーンも意味あるの?)。
そこにまたまたやってきた高山は、午前中に行われた(?)プレス発表の内容が夕刊(東陽経済新聞2005年3月2日)一面に掲載されているのを報告にやってくる。そこには久保が写真つきで、プロジェクトリーダーとして紹介されていた(って、一面に久保の写真が載るってどんな新聞だよっ!)。
そうして、再び、高山が久保にプロジェクトメンバーに加えるように持ち掛けると;
久保:お前さ、いい加減にしろよ!
高山:いいんですか?俺にそんなこと言って。
何か含みを持たせて、高山は久保を廊下に連れ出す。誰も居ない廊下で、高山は、丁寧に破り目をつなぎ合わせた紙片を久保に見せる。
高山:今年の1月19日、久保課長はコンビニで、このファックスを何度も送っていましたよね?
高山が見せたのは、あの衛の中傷ファックスの原稿だった。
高山:ゴミ箱から拾っておいたんですよ。
無表情にそれを取り上げようとする久保だったが、高山はそれをかわす;
高山:大丈夫ですよ。僕は久保課長の味方ですから。
久保:・・・。
(ここにも久保の敵が一人…)
【城西警察署】
薮本の行方がつかめない衛は美沙と共に城西署の大川を訪ねていた;
大川:薮本の行方を捜したい?
衛 :僕を襲うように、薮本に依頼した人間がいるらしいんです。
大川:らしい、って言われてもなぁ〜。
衛 :薮本を捜し出さないと、その依頼者にたどり着けないんです。
刑事:依頼したって証明できても、大した怪我でもなかったので、それほどの罪にはなりませんよ。
大川:まぁ、そうな。
衛 :僕は真実を知りたいだけなんです。
美沙:・・・。
衛と美沙の必死の表情に;
大川:よしわかった。とにかく立ち寄ってるかもしれないから、実家ぐらいは調べてみるよ。
そう言って大川は引き上げていった。
衛 :大丈夫、きっと見つかるよ。
衛の言葉に黙って頷く美沙。
【久保のマンション】
険しい表情で、戻ってきた久保。エレベーターに乗り込んだところに、あの薮本がやってくる(薮本が生きてるかと思わなかったから、一瞬、夢落ちかと思ったよ!!)。
久保:何でいるんだよ?
薮本:これ見たら、また会いたくなっちゃって。
久保の顔写真が載った夕刊の記事を久保に見せる薮本。久保は誰も見られて無いことを確認して、エレベータに薮本を引き込む。そうして、久保の部屋に。勝手に部屋の冷蔵庫をあけて、缶ビール(もちろんAsahiさ!)を飲んだりする薮本;
久保:東京には戻らない約束だろ?富山に帰るチケットも渡したじゃないか!
そんな久保の言葉も無視して、薮本はソファーに座り込む;
薮本:偉かったんですね。プロジェクトリーダーの久保さん。あははは。300万は遠慮しすぎでした。お金動かせる立場なんですよね?
久保:・・・。
薮本:3,000万にしてください。
久保:・・・。
薮本:あのことをバラされたらまずいでしょう、ね?あははは。
その薮本の言葉に、床に両手両膝をつく久保。・・・だが次の瞬間、久保の形相が変わって;
久保:何言ってんだ、お前!
と、豹変しすぎだぞ、久保さん!!!!(キャラが変わるのが早すぎっ!はっきり言って、怖さが別格です!!!!)
薮本:えっ?
久保:人を殴っただけで何で3,000万なんだよ!そんな簡単に金が入るんだったら俺だってとっくにやってるぞ、ごるらぁ!
今度は立ち上がる久保。一息ついてさらにエスカレートしていく;
久保:なめられるの嫌いなんだよな、俺。
薮本:・・・。
言葉が出ない薮元。今度は薮本の隣に座って、顔を近づけて久保は話し続ける;
久保:明日も忙しいんだよ、なぁ?朝からやることがいっぱいあってさ。(新聞を手にして)プロジェクトリーダーだからさ。ここまで来るのにどんな思いしてきたと思う。何年かかってこうなったと思う、おいっ!!考えろよ、人の気持ちもさぁ!あぁ?何でお前に邪魔されなきゃなんないんだよっ!ん?
そうして、画面が真っ暗に・・・(えっ、こんな演出されたら、今度こそ本当にやっちゃったのか?・・・って思うってば!!)
【JTS ロビー】
翌朝。まだ、人気の少ないロビー。早出の警備担当の衛は、かなり早い時間帯に出社しているはずなのですが、そんな衛を久保は駆け足で通り抜ける。
衛 :明?
久保:おっ。
衛 :早いな、今日は。
久保:もう、色々忙しくてな。
衛は久保が右手にケガをしているのを目にする。
衛 :どうしたその手?
久保:あ、ちょっと夕べ、転んじゃって。じゃぁ、ちょっと急ぐから。
と、走り去る久保。そこに大川から衛の携帯に電話が。
衛 :もしもし。
大川:ああ、もしもし、城西署の大川ですが、夕べはどうも。薮本の行方が〜まだわかんねぇな。富山の実家にもまだ戻ってないな。
衛 :富山・・・?
衛 :富山行くんだ?
久保:ああ、出張でな。
衛 :薮本の実家、富山なんですか?!!
(ようやく衛の頭の中で繋がった?!)
【JTS 廊下】
そうして、プロジェクトのメンバーが社内にも掲示された。その中に、名を連ね、満足な高山。
高山:久保課長、ありがとうございます。
久保:お前は銀行担当だ、しっかりやれよ!
高山:お金のことは得意ですし、もちろん、あのことは誰にも言いませんから。
と高山が言いかけたのを慌てて静止する久保。その会話を下柳が聞いていた。
下柳:!
久保:行くぞ。
その久保の行動を怪しく思う下柳。
【JTS ロビー】
玄関口の警備をしながら、たぶん、いろーんなことを考えている衛君。
そうして、衛の警備の交代時間になり、下柳がやってくる。お互い、敬礼をして;
衛 :現時点まで、異常ありません。
下柳:久保さんの様子が変ですよ。
下柳は警備の確認時にさり気なく衛に情報を流す。
と、その瞬間、二人の脇を通り過ぎていく久保の姿が。衛はすぐに久保を呼びとめて、朝から疑問に思っていたことを尋ねる;
衛 :あのさ、明?
久保:おお。
衛 :富山の出張っていつ行くんだ?
久保:ああ、中止になった。じゃぁ!
出かける久保の姿を、疑いながら見つめる衛と下柳。
そのまま、久保はJTSビルの玄関を出たところで、美沙とすれ違う。美沙は、急いでここにやってきたようだった。瞬間、久保の脳裏に不安がよぎる;
久保:香田美沙さんですね?どうしました?
美沙:安藤さんに、緊急の用だって呼び出されて。
久保:・・・。
次の仕事があるため、久保は美沙に軽く会釈してタクシーに乗り込んで出かけていった。そこに、警備服姿の上にコートを羽織ってやってきた衛が美沙と合流する;
衛 :急ごう。
そのまま二人は一緒に出かけていく。(二人はどこへ???)
【プロジェクトの現場】
ビルの建設現場。今は基礎工事が行われているその場所に、久保ら関係者が現場に集まって打ち合わせをしている。(GOが出たばかりなのに、結構、工事が進んでいるようなんですけどぉ〜)
打ち合わせが終了し、会社に戻ろうとするが、高山らに、用事を思い出したから会社で今日の整理を先にやっておくように指示を出し、久保は現場を後にした。(そういや前も衛に対して、打ち合わせの後に用事があるからと別行動してたよなぁ〜。)
【久保のマンション】
衛と美沙が向かったのは久保のマンション。それこそ尾崎から何か連絡でも入ったのかな?
衛 :ここの4階だ。とにかく行ってみよう。
(この二人、結構、仲良くなっちゃってるよね?(笑))
【タクシー】
その頃、久保はタクシーで移動中。鞄の留め金をカタカタ触って、相当いらだっている様子が分かります。
【久保のマンション・管理事務室】
まずは、マンションの管理事務室に立ち寄る衛;
管理人::ああ、この間久保さんの部屋に暫く泊まっておられた、会社の同僚の方…。(←非常に説明的セリフ(笑))
衛 :はい。すいません、ちょっと忘れ物があって取りに来たんですが、あいにく久保が長期出張でして…。
【タクシー】
怪我した右手で握りこぶしを作る久保。
【久保のマンション】
前に久保の部屋に泊まっていたのがよかったのか(思えばあれも伏線だったのか?)、それとも警備服のままやってきたのがよかったのか、とにかく管理人さんは衛の言葉を信用したのか、久保の部屋の鍵をあけてもらえました。
管理人:それでは、終わったら声かけて下さい。
衛 :はい。
管理人が立去り、衛と美沙は久保の部屋に入っていく。部屋の中は相当、荒れていた。前にこの部屋に泊まったことのある衛から見れば、何かあったことは一目瞭然であった。何かを探そうとする衛と美沙だが、そのとき、部屋にうめき声が響く。その声の二人は同時に振り返る。声は浴室からのものだった(あれっ、藪本、生きてる?)。
ゆっくりと、その声の方に近づく二人(まるでホラーだ)。順番に浴室へと続く扉を開けていくと、最後にバスタブの蓋がガムテープで閉じられていたのを目にする。急いでガムテープを外し、蓋をめくる衛。バスタブの中には、荷造り用の紐やネクタイで両手両足を縛り上げ、痛々しく顔中血だらけで猿轡を嵌められた薮本がいた。(うわぁ〜、生々しいよぉ)
衛 :おい!大丈夫か!しっかりしろ!!
薮本の猿轡を外す衛;
衛 :明に・・・やられたのか?
薮本:あいつ、ヤバ過ぎる。
藪本のそのようすに、美沙は顔を背ける。が・・・その衛と美沙の背後に影が。久保が密かに戻ってきて、二人を静かに睨みつけていた。右手で握りこぶしを作る久保は・・・。
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