■ ストーリー ■
衛のモノローグ:復讐のために、美沙は僕を監禁して。
美沙:目覚めちゃったんですね。
美沙:決めたんです、私。今日で全部終わらせるって。
衛のモノローグ:500万円の借用書と、辞表、そして・・・。
衛 :今度は何を書けっていうんだ?
美沙:遺書です。
衛のモノローグ:遺書まで書かせようとした。
衛 :こんなことして、君が救われるのか?
美沙:私は救われようなんて思ってません。
美沙:どうして私を愛してくれた人は、みんな死んじゃうんだろうね。
下柳:相原美沙の本名は香田美沙でした。
島谷:香田美沙・・・?
有紀:どうかしたの?
刑事:相原亘を刺したチンピラはヤブモトマサシ。一昨日、出所したそうです。
美沙:今更生きて何になるんですか!?
衛 :君にとって彼が光だったように、彼にとっても君が光だったはずなんだ。
美沙:じゃぁ、どうして亘は死んじゃったの?どうしてあなた一人だけ生きてられるんですか?
衛 :僕は・・・自分からは死ねないよ。
美沙:本当は、私だってわかってたんだと思う。こんなことをしても何もならないって・・・もう、解放してあげるわ。
衛 :なぁ、ちょっと、待てよ!なぁ!
衛のモノローグ:その時、僕は、ただ、美沙が心配だった。
【海岸】
美沙(長谷川京子さん)の後を追って、衛はタクシーであの海までやってくる。足を引きずりながらも、タクシーを降りて海岸へと向かう。
堤防先端に立つ美沙の姿が見える。そのまましゃがみこむ美沙。
衛 :美沙!!!
衛の声を聞き海へと飛び込もうとする美沙だったが、それを引き止める衛。
美沙:離して!
衛 :ダメだよ!
美沙:お願い!!離して!!!
衛 :頼むからやめてくれ!
何とか美沙を抱きかかえるようにして引き戻し;
美沙:どうして?
衛 :嫌なんだよ!君まで死ぬなんて嫌なんだよ!!!
衛のその言葉に、全ての緊張の糸が切れたのか、そのまま美沙は衛に抱きかかえられながら気を失う。
衛 :あ、大丈夫か?どうした?!
衛が美沙の額に手を当てると;
衛 :あ、すごい熱だ・・・
(ああ、なんて白々しい台詞・・・(爆笑)。自殺する直前に引き止めるとか、高熱を発して倒れるとか、こういうドラマの王道シーンが連続してやってくるとは…、シリアスなシーンなのに笑っちゃったよ)
「Mの悲劇」 THE TRAGEDY OF M
Chapter7
【病院】
病院で点滴を受ける美沙(あっ、点滴だ!・・・と反応するのは吾郎ファン(^^;))。その側にずっと美沙の様子を見守っている衛。そこに医師がやってくる;
衛 :あっ、先生。
医師:そうとう疲れが溜まっていたみたいですね。ま、熱が下がれば問題ないでしょう。
衛 :ありがとうございます。
一安心する衛。眠り続ける美沙じっと見つめる。
美沙を心配するのはいいけど、衛も連日相当の状態ではないかと…(ドラマにすると2〜3週引っ張ってるけど)
【JTS 玄関ロビー】
朝。今日は自社の玄関警備担当の下柳(成宮寛貴さん)。そこに、久保(佐々木蔵之介さん)が出社してくる。
久保は下柳の顔を見ながら;
『あなたは本当は安藤さんがどうかなればいいって思ってるんじゃ
ないんですか?』
という下柳の言葉を思い出し、一方の下柳は、久保の顔を見ながら;
『1年前の事件に、何か関わりがあるんじゃないのか?』
という言葉を思い出す。二人の間にはこれまでのような信頼関係は無くお互いがお互いを怪しむ状態になっている(それぞれがそれぞれに怪しいってことか・・・)
ここで、久保の携帯に、衛から連絡が入る。
久保:安藤か?お前、今どこにいる?
その様子をじっと見ている下柳。
【病院】
ベッドに眠る美沙の傍らに座り、美沙の様子をずっと見ている衛。眠らずにいるところが男の子!(^^;)。
眠っていた美沙が静かに目を覚ます。
衛 :病院だよ。すごい熱で倒れたんだ。
美沙:・・・。
衛 :とにかく今は、心と体を休めた方がいい。
美沙:・・・。
衛 :のどかわいてない?飲み物、持ってくるよ。
そう言って、病室を出て行く衛。
美沙:・・・。
飲み物を買う前に、礼子(吉行和子)の病室に立ち寄る衛君。だが、母親は
看護婦:あら、こんな時間に、珍しいですね。
衛 :あ・・・。
看護婦:今、お母さん、お休みになってますよ。もうすぐ退院日も決まりそうですから。
衛 :あ、そうですか、ありがとうございます。
看護婦:失礼します。
そうして、眠る母に向かって、「良かったね、母さん」と呟く衛君。(ええ子や…)
【JTS 専務室】
久保は、専務室にやってきて、島谷(伊武雅刀さん)と有紀(岡本綾さん)に衛から連絡があったと報告をしている模様;
久保:死のうとした香田美沙を引きとめ、今は病院で治療を受けさせているそうです。安藤も心配するなって言ってました。
島谷:最悪の事態は避けられたわけだな。
「はい。じゃぁ、私はこれで」と、最低限の報告を終え、部屋を出ようとする久保に、島谷は;
島谷:ああ、久保君、安藤君が戻ってきたら、しっかり支えてやってくれ。
と、声を掛ける。久保は、ほんの一瞬躊躇いながら「はい、もちろんです」と返事をする。だが、部屋を出るときには、専務に見えないところで顔色を変える。
そうして島谷は、その場に残っている有紀には;
島谷:ところで、有紀は、安藤のこと、どうするつもりだ?
有紀:私はやり直すつもりよ。パパだってその方がいいと思ってるでしょ。
島谷:それは、そうだが・・・
有紀:何?
島谷:やり直すのなら、香田美沙のことがすべて解決してからにしろ。
有紀:でも、こんなときだからこそ、私がそばにいてあげたいの!
島谷:いいから!!!言うことを聞きなさい。
有紀:・・・。
父親の不可解な発言に、納得のいかないものを感じる有紀。
【JTS 営業部】
いらだちながら事務所に戻ってくる久保。部下の高山に会議用の資料を渡されても、「コピーもまともにできないのか」と怒りの矛先を向けてしまう。そんな久保の態度を意味ありげに高山は睨み返すが、久保はそんな高山の視線も気づかないぐらい相当いらだっており、荒々しく机を叩いたりしている。
【病院】
衛がペットボトルの水を持って美沙の病室に戻ってくると、そこには美沙の姿はなかった。
『ご迷惑をおかけして
申し訳ありませんでした。
安藤さんが心配している
ような事はもうしないつもりです。
美沙』
ベッドの上には、そう書かれた美沙の置き手紙があった。病院内を急いで探すが、美沙の姿はどこにもない。
【海岸】
そのころ美沙は、再びあの海岸。同じ防波堤に立ち、海を眺めている。が、もう、今度は飛び込もうという馬鹿なことはしない。美沙が引き上げようとしたとき、ふと美沙がコートのポケットに手を差し込むと、そこには衛の手紙が入っていた。
『君はずっと一人だったと言うけれど、君にだって温かい時間があった
から生きてこれたんだ。だから、亘さんとも出会えたんだと思う。
僕は君と出会えてよかったと思っている。君は僕にいろんなことを教
えてくれた。自分の弱さや、ズルさに気づかせてくれた。ありがとう。
君にもう一度、生きる意味を見つけて欲しい。君の力になりたい。』
・・・ちとウルウルきていた単純な私。まさか世間一般ではここが大爆笑&大突っ込みシーンだったとはツユ知らず(^^;)。
初回にああいうキャラの衛を見せられて、鬱屈した気持ちが溜まっていて、それを踏まえてのこの台詞(ナレ)なんだもん。ウルウルこない?(と、誰に問い掛けているのやら…)
【某喫茶店】
三日前に仮出所してきたという薮本を、面倒見るように言われた尾崎(大西滝次郎さん)。尾崎は薮本に刑務所に入っていた理由を尋ねると、傷害事件の相手の名前で、亘の名前が出てきて驚く。
薮本:いや、その事件にはちょっとした裏がありましてね。
尾崎:どういうことだ?!
(おお、第一話でこの男性がこんなところにまで深く絡んでくるなどと、誰が予測したであろう!!(笑))
【美沙の部屋】
夜。自分のアパートに戻っていく美沙を、衛は遠くから見守っている。まずは美沙が部屋に戻ったことで、安心して引き返す。
その頃、美沙は部屋の中で、再び衛の手紙を開ける(大事にしてるのね、衛からの手紙…)。そして、自分の両親の写真や児童養護施設“ひかりの家”で撮影した写真をみつめる。
【JTS】
数日後????
JTSのビルを見上げる衛。
【JTS 専務室】
衛は会社にやってきて、まずは島谷に会う(って、まず、専務クラスにこうして会いにいく衛はやっぱりエリートなんだな…(汗))。
島谷:で、仕事の方はどうするつもりだ?
衛 :はい、もしこのまま会社に残していただけるのなら、もうしばらく現場で自分を見つめなおしたいんですが。
島谷:私は君をすぐにでも営業に復帰させてもいいと思ってるんだがね。
衛 :・・・。
島谷:わかった、君が望むならそうしよう。
衛 :よろしくお願いします。
島谷に頭を下げる衛。
衛 :それと、有紀さんとのことなんですが。
島谷:?
衛 :その話も、もう少し考えるべきだと思っています。
島谷:そうか。
衛 :勝手ばかり言って申し分けありません。
島谷:君がそう決めたんなら、仕方がないな。
衛 :本当に色々とご迷惑おかけしました。
自分の思いを島谷に告げ、部屋を退出しようとする衛に;
島谷:安藤君?
衛 :はい?
島谷:香田美沙は・・・どうしてるんだ?
衛 :あ、自分で自分を責めてる状態で、心配です。
島谷:そうか。
と、衛は何にも感じてないようですが、明らかに美沙のことを気にかける島谷。
【ひかりの家】
美沙は自分が育った“ひかりの家”にやって来くる。と、玄関口にいた犬に;
美沙:ツナ!元気だった?久しぶりだね。
と、笑顔で近づく美沙。どうやらこの犬は、美沙がこの施設に預けられた頃からいた犬のようで、そのまま教会の礼拝堂の中に入ってきた美沙は、この犬と遊んでいた幼い頃の自分を思い出す。
【JTS 屋上】
そのころ衛は、島谷に告げた内容を、直接有紀に話していた;
有紀:だって、別れるって言ったのは美沙さんに脅されていたからでしょ?それとも私のせい?私が衛を疑ったことを怒ってるなら、私、謝るから!
衛 :君は、何も悪くないよ。全部僕のせいだ。
有紀:美沙さんに遠慮してるの?自分だけ幸せになるわけにはいかないって思ってるの?
衛 :・・・。
有紀:衛がそんなに悪い事した?私たちの関係がおかしくなったのは、美沙さんのせいなんだよ!
衛 :僕はまだ、人を幸せにできるような人間じゃないんだ。・・・それが、つくづく分かった。本当にすまない。
有紀:じゃあ、しょうがないね。
衛 :・・・。
有紀:そんなに気にしなくていいよ。私だって最初はパパに薦められたから付き合ったんだし。あなただって本当はそうなんでしょ?こうなる運命だったのよ。
衛 :・・・。
そのまま強がりな態度を示しながら、立去る有紀。
【ひかりの家】
礼拝堂から出てきた美沙。子供達がツナと遊んでいるのを目にする。帰ろうとする美沙に美沙に、園長が声をかけるが、美沙は、黙って会釈するだけで避けるように立去る。・・・と、その背後に停まった一台の車。そこから降り立つ男性=島谷の姿を目にする。
【JTS】
一方、衛は、最後に久保にこれまでのことを話す。視聴者は久保を怪しいと思ってみているけど、衛にとってはちゃんとけじめだもんねぇ〜。
久保:そっか、有紀さんと別れたのか。
衛 :ああ。
久保:けど、まぁ、あの女と決着がついたんだ。一件落着だ、なぁ?
衛 :いや、まだ終わりじゃないんだ。彼女が立ち直るきっかけを掴んでくれるまでは。
久保:あれだけのことをされて、お前、あの女に同情してるのか?
衛 :放っておくと何をしでかすかわからないところがあるからさ。
久保:よせよ。あの女のことは忘れろ。それがお前のためだ!
衛 :・・・。
【街中】
美沙は繁華街の一角で、尾崎と会い、自分の名義の500万円の借用書を尾崎に渡した。そうしてかわりに衛名義の借用書を受け取り、尾崎の目の前で破る。
美沙:それじゃぁ。
そして去っていこうとする美沙に、「1年前の事件だけど…」と、何かを話そうとする尾崎;
美沙:?
尾崎:いや、これで終わらせたんだよな?
美沙:はい・・・。
尾崎はそれ以上、美沙には何も言わなかった。
【JTS 専務室】
夕方。誰もいない専務室にやって来た有紀。だが、島谷は外出していた。かわりに、机の上の上にあるファックスが目に入る;
ジャパントータルセキュリティ
島谷隆太郎様
本日、お問い合わせいただいた
香田美沙さんの件ですが、
入園児童名簿以外に該当する資料が
ありませんでした。
その名簿を送信しますので、
宜しくお願いします
聖ローズ教会
児童養護施設
ひかりの家
山下
そのファックスに、島谷が謎の反応を示し続けた『香田美沙』という名前に反応する有紀。そこに島谷が戻ってくる。島谷は取引先に行っていたと言うが;
有紀:ひかりの家っていう養護施設で、美沙さんのこと調べたんでしょ?
島谷:・・・。
有紀:パパと美沙さん、何か関係あんの?
島谷:いや、いろいろあったんでね、ちょっと調べてみただけだ。大した意味はない。
そう告げる島谷だったが、怪しさが満ち満ちておりますね。
【美沙の部屋の外】
夜。今日も美沙のことを心配する衛は、美沙のアパートの前までやって来る。部屋に電気がついているのを確認して、引き上げようとしたときに、瞳(吉岡美穂さん)が衛を呼び止める;
瞳 :安藤さん?
衛 :!中西さん。
瞳 :美沙と会ってたんですか?
衛 :いや、いろいろあったんで、彼女が心配で見にきただけなんだ。
瞳 :・・・。
衛 :じゃぁ…。
瞳 :安藤さんも美沙のこと好きになっちゃったんですか?
衛 :えっ?
(って、そのリアクションは図星なのか?(笑)。ただ、皆無じゃないよなぁ、絶対に!!!(笑))
瞳 :あの子はやめといた方がいいですよ。
衛 :あ・・何言ってるんだよ。おかしなこと言わないでくれよ。
と言って衛は立ち去るが、不安げな表情を見せる瞳・・・って、ここにきて瞳まで話に絡んでくるのか。すごいな、このドラマ…(^^;)
【美沙の部屋】
その頃、部屋の中では、美沙部屋の荷物の整理をしている。写真や、亘の「ひかり」の楽譜、亘の日記などを一つずつ先日、トランクルームに預けていたケースの中入れていく。そうして、ケースのふたをしっかりと閉める美沙。
【城西警察署】
翌日。警察にやってくる衛。今回は自らやってきたのではなく、大川に呼び出されたものだった。
衛 :どうして自首してきたんですか?
大川:俺に聞くなよ。きっと反省したんでしょ?
衛 :けど、元々悪いのは僕の方ですから。
大川:わかんない人だねぇ。捕まえてくれって何度も泣きついてきたのはあんたの方じゃないの!?
衛 :・・・。
その頃、他の刑事に取調室で事情聴取を受けている美沙。だが、そこに大川がやってきて;
大川:香田美沙さん、帰っていいですよ。
美沙:えっ?
大川:安藤衛さんが、被害届けを取り下げるんだってさ。
美沙:・・・。
美沙が警察署から出てくると、そこに衛が待っていた。黙ってお辞儀をする美沙。
【公園】
近くの公園を歩きながら;
美沙:どうしてですか?私のしたことは犯罪です。私は罪を償いたいんです。安藤さんのお金も必ず返済します。
衛 :そんなことしなくていいんだよ。君だって今まで十分苦しんだんだし、君だけが悪いわけじゃないだろ?僕は僕なりに自分の罪を償いたいだけなんだ。
(いや、でも、金だけは返してもらえって)
美沙:・・・。
衛 :そして、君に連れて行って欲しいところがあるんだ。
【墓地】
そうしてバスに乗り美沙と衛がやって来たのは、海岸に面した丘の上にある墓地。そこには美沙の両親の墓と、そこに一緒に納められた亘のお墓があった。衛は墓前に手にしていた花を供え、ゆっくりと手を合わせる。
衛 :・・・遅くなって・・・すみませんでした。・・・あの時は・・・助けて頂いて・・・ありがとうございました。
そんな衛を静かに見つめる美沙。
衛 :申し訳ございませんでした。
深く手を合わせる衛。そして立ち上がり;
衛 :ようやく亘さんに謝れた。
と。美沙も亘の墓に向かって語り始める。
美沙:私は、亘が私一人を残して死んでしまったことに、どうしても耐えられなかったんです。その悲しみを自分でどうしたらいいか分からなくて。あなたを恨むことでその辛さを誤魔化そうとしたんです。
そうして、衛の顔を見て;
美沙:ごめんなさい。すみませんでした。
涙を流しながら頭を下げる美沙。
美沙:もう安藤さんに会うことはないと思います。
衛 :・・・。
美沙:さようなら。
衛 :・・・。
衛も美沙に頭を下げると、それ以上は何も言わずにその場を去る。
(綺麗なシーンでした)
【JTS 玄関口】
下柳が今日も会社の入り口で警備をしている。と、JTSのビルを見上げる薮本の姿を見つける。驚きを隠せない下柳。
【病院】
今日も母親の見舞いにやってきた衛君。妹をまじえ、今回の一件の報告を。(他のことは誤魔化せても、妹の監禁事件はどう説明したのだろうかと素朴な疑問…)
衛 :とにかく、区切りはついたから、心配かけて悪かったね。
礼子:衛も大変だったけど、美沙さんも辛かっただろうね。でも、大丈夫、苦しい時を乗り越えたら、きっと何かが変わるから。
衛 :!
礼子:衛?
衛 :ん?
礼子:あんた、いい顔になってきたわね。うふふふ(笑)
衛 :(笑)
愛子:あ、そうだ、お兄ちゃん、退院祝いに、温泉なんてどう?
礼子:えっ、そんな贅沢をしていいの?
愛子:大丈夫!何だかよくわかんないんだけど、請求すれば医療費の一部が戻ってくるの。
礼子:本当?温泉なんて久しぶりだわ。
衛 :楽しみだね、母さん!(笑)
【衛の部屋】
夜になり、部屋に戻ってくる衛。
留守電には信販会社などからのメッセージがたくさん入っているわけで…(笑)。
衛 :よし!
さしあたりの現実はあるものの、前向きに。まずは部屋の片づけから始める衛。そういや引越し準備をしたままだったんだよね。段ボール箱から荷物を1つずつ取り出します。
【JTS 警備課】
衛 :おはようございます。
警備課の事務所に、復帰前に顔を出す衛。
上司::おお、安藤君。いやぁ〜、色々と大変だったみたいだな。
衛 :明日から謹慎が解けることになりましたので。色々とご迷惑をおかけしましたが、またよろしくお願いします。
上司::あ、これ、明日からの**表だ。しっかりな。
衛 :あ、はい。
そこに、衛の携帯に電話が入る。相手は大川刑事だった。
衛 :はい。
大川:安藤さんですよね。城西署の大川ですが。
衛 :何か?
大川:余計なお世話かなぁ、とも思ったんですけどね。ちょっと気になることがあるんで、お伝えしておこうかと思って。前にあんた、怪文書流されたりしたことあったでしょ?会社の人の話だと、それも香田美沙さんの仕業ってことになってるんですけどね。彼女、その件に関しては、身に覚えが無いって言ってたんですよ。
衛 :えっ?じゃぁ、誰が?
大川:気をつけてくださいね。あなたを陥れようとした人間は、美沙さん以外にもいるってことになりますからね。
【JTS 営業】
じゃぁ、ファックスを送ったのは誰だ?と視聴者が思っているところに、高山から決算報告書を受け取る久保というシーンに。
久保:お前、それよりこの間のキャンペーンの企画書、どうした?
(って、キャンペーンだわ〜〜〜。異様に反応しちゃったよ。もうあの佐々木さんのビールのCMが流れてないのがとっても残念!)
高山:ああ、まだ作成中です。
久保:お前、企画書一つ作るのに何日かかってるんだよ!
高山:・・・。
久保:何だその目は?!
高山:そんなこと言っていいですかね?俺のことは大事に扱った方がいいと思いますよ。
久保:・・・。
(さて、久保と高山、衛の中小ファックスを流したのはどちらなんでしょう?それともただのフェイク?)
【ひかりの家】
再びひかりの家にやってきた美沙。施設の女の子に、犬のつなにかじられたぬいぐるみを直して欲しいと言われ、建屋の中で直してあげていると、そこに園長がやって来ます。
園長:やっぱり美沙さんね!
美沙:園長先生!覚えててくれたんですね。この間はすみませんでした。
園長:それより、卒園後、全然連絡も取れなかったから心配してたのよ。来てくれて嬉しいわ。
なんて話をしていると、そこに有紀がやって来る。改めて二人きりになり、有紀に詫びる美沙。
美沙:安藤さんのことは、本当に申し訳ありませんでした。
有紀:・・・。
美沙:本当なら、私が謝りに行かなくては・・・。
有紀:いいんです、そのことは。あなたがここにいるとは思わなかった。
美沙:じゃぁ、どうしてここに?
有紀:父とはどういう関係なんですか?
美沙:言ってる意味が良く分からないんですけど?
有紀:とぼけないでください!父があなたのこと調べてるんです。
美沙:とぼけるも何も、私は、幼いころに両親を亡くしてからここで育ったんです。今日は、たまたまたずねて来ただけなんです。
有紀:本当にそれだけですか?
(と、こっちも怪しい雰囲気になってきたわけで・・・。)
【JTS】
一方、警察からの電話を受けて、そのまま久保に相談に行った衛君。信頼してるんだなぁ〜。
久保:怪文書は美沙じゃない?…警察がそう言ったのか?
衛 :ああ・・・。
久保:まぁ、ライバル会社のしわざかな。お前が優秀すぎるから、標的にされたんだろう?
衛 :・・・。
久保:いや、待てよ。社内の人間って事も有りうるぞ!
衛 :えっ?
久保:下柳だよ!美沙っていう女ともつながっていたわけだし。
衛 :!
久保:有紀さんを追い掛けてここに入社したっていう噂もあるしな。
衛 :でも前に明は、下柳君はマジメでいい男だって。
久保:人間、腹の中では何考えてるのか分かんないだろ?
衛 :・・・。
と、あからさまに怪しい反応を示す久保でした。(ここまで怪しさを振りまかれると、素直に久保が怪しいと思っていいんだかどうだか、逆に悩むよね…)
【JTS ロビー】
そうして、衛は会社を出ようロビーまで降りてきます。と、そこに下柳に呼び止められる。
下柳:安藤さん!
衛 :!下柳君・・・。
と、普通の会話のはずが、先ほどの久保との会話も有り、衛の中に緊張感が走ります。下柳は下柳で、今朝見かけた藪本の件もあってか、明らかに顔が引きつっているわけで…;
下柳:また・・・よろしくお願いします。
衛 :ああ。
下柳:!!!!!
衛 :何か?
下柳:あ、いや、礼の件、解決してよかったですね。
衛 :ああ。
衛の中に、下柳に対する疑いの気持ちが生まれる。
【衛のマンションの近く】
家に帰ってきた衛の前に、尾崎が現れる。相変わらずの睨みをきかしたその顔に、衛君、怖気づいてます;
衛 :こないだの、借用書の件か?
だが、尾崎は破かれた衛の借用書を見せ、そうではないと否定する;
尾崎:あの女が自分で払いたいそうだ。
衛 :でも、あの金は僕のせいで・・・。
尾崎:払う気でいたのか?
衛 :せめてもの償いのつもりだった・・・。
とまぁ、そんな衛に尾崎は、一年前の事件の真実を話そうとする。あれっ、尾崎まで衛に影響受けちゃったのか?;
尾崎:あんた、あの事件に裏があるって話を知ってるか?
衛 :えっ?
尾崎:相原亘を刺した薮本が仮出所して、うちに転がり込んできた。
衛 :!
尾崎:あんた、偶然肩が当たってあいつに絡まれたって言ってたよな。
(って、衛君、そんな話を尾崎にしたことあったっけ?(笑))
衛 :・・・はい。
尾崎:そうじゃないらしい。あいつは誰かに頼まれて、あんたを襲ったらしいんだ。
と、衝撃の事実を聞いちゃった衛君。ここからが展開が変わっちゃうわけね。
衛 :そ、それは誰なんです!?
尾崎:誰かは分からないが、薮本はそいつを探し出して、金を揺すろうとしている。
衛 :その、薮本はどこにいるんです?
(って、聞き出してどーすんだよ、衛君。結構、怖い世界の人たちなのに、勇気があるのか、見境が無いのか、そんなのを超越しちゃってるのか、どれなんだろう?)
【街中】
まさしくそのとき、横断歩道を渡っていた美沙は、薮本とすれ違い、戦慄を覚える、その場に座り込む。(衛といい、薮本といい、全てを終わらせようとしたときに、また出会っちゃうのね、美沙って…(笑))
【繁華街】
藪本の姿を見つける衛(早っ! どうやら藪本の顔は、既にちゃんと思い出せていたのね)。すぐに藪本に声を掛けることをせず、とにかく後をつけます(金を揺すろうとする相手と遭遇する現場を目撃しようとしているのかしらん?)
【海沿いの道】
バスを降り、波の高い海岸線沿いを歩く美沙。
【繁華街】
街中では藪本を尾行中の衛。通行人と肩がぶつかったりして、「すみません」と謝っているのは相変わらずです(細かいけど、いいね、この演出(笑))。
だが、信号を渡りきれず、藪もとの姿を見失う衛。懸命に駆け回り、藪本の姿を探すが・・・店か出てくる薮本を見つけ、再び尾行開始。
【墓地】
再び両親と亘の墓を訪れた美沙。するとそこには、一人の男性が墓にお参りをしている姿が目に入り、その男は、先日、ひかりの家で目撃した男=島本で・・・
【繁華街】
その頃衛は、薮本のタバコに火をつける男の姿が目に入り・・・物陰からその相手の姿を覗き込むと、それは下柳だった。
衛 :!!!!!!
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