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■ ストーリー ■ 「大切な人の一周忌だったんです」 衛 :! 【JTSの資料室?】 翌日、衛は早めに会社にやってきて、会社にある過去の新聞を保管したファイルをチェックし始める。久保(佐々木蔵之介さん)もそれにつきあっている。 久保:彼氏の命日? 衛 :初めて美沙にあった日が一周忌だったんだよ。だから、一年前の死亡記事を探してみようと思って。その男のことが分かれば、僕が美沙に何をしたのか、きっと分かるはず。 そうして、沈黙する衛。 久保:どうした? 衛 :人殺しって言われたんだ。もし、気づかぬうちに僕がその人を死なせていたとしたら。ぶつかって電車のホームから落ちたとか、僕が打ったゴルフボールがぶつかってしまったとか…。 久保:お前、考えすぎだよ。 衛 :・・・。 そうして、久保がファイルを手にし、記事を探し始める。すると; 久保:安藤? 衛 :ん? 久保:美沙の苗字って、相原だったよな? 衛 :何かあったの? 久保:ミュージシャンの死亡記事だ。相原亘28歳。 衛 :ああ、それだ! ミュージシャン入水自殺? 11日午後2時頃、神奈川県横須賀市の海岸近くに遺体が浮いているのを 通行人が見つけ、横須賀南警察署に通報があった。 調べでは、世田谷区在住のミュージシャン相原亘さん(28)と分かった。 死因は水死で、遺体に外傷がないため自殺と見て調べを進めている。 相原さんは、都内を中心に、ライブ活動を積極的に行い、一部の… 久保:神奈川県横須賀市の海岸で入水自殺したと見られるだと! 衛 :えっ?自殺?僕は人殺しって言われたんだぞ…。 ますます訳が分からなくなる衛。 【亘のアパート】 そのころ、美沙はまた亘(柏原収史さん)の写真を見ていた。そこにレンタルボックス業者から亘宛てに一通の葉書が届く。2003年2月11日に契約されたトランクルームの契約が2年経ち、間もなく切れることから、これはその荷物の引き取り要請の葉書であった。 【JTS玄関口】 同僚と警備先に向かおうと警備の車に乗こもうとしたところで、衛は有紀(岡本綾さん)の姿を見つける。 衛 :あ、すみません、ちょっと待っててもらえますか? そうして、車を待たせて衛は有紀に駆け寄る。その様子を見つめる下柳(成宮寛貴さん)。 衛 :有紀! 有紀:・・・。 衛 :一つだけ言わせてくれ。あの女の件にはもう、関わらないで欲しい。 有紀:嘘がばれるのが怖いの? 衛 :あの女は何をするか分からないんだ。 有紀:どうしてそんなにあなたを恨むの?見に覚えがあるんじゃないの? 衛 :いや・・・。 全くもって取り付く島も無いって感じで衛君、スルーされてます。そんな二人の様子を見つける久保。 衛 :僕のことをどう思ってくれてもかまわない。下柳君を選ぶならそれもしかたない。でも、心配なんだ! と、衛は言うが; 有紀:私のことは諦めたんだ・・・。 と有紀は言って会社の中へと入っていった。 衛 :ああ、そういうこと言ってるんじゃないだろうが・・・。 お互い好きなのにね・・・ 会社のロビーに入ったところで、久保が有紀に声を掛ける。 有紀:あ、久保さん。 久保:あいつも気の毒でさ。お金取られちゃったんで食費も切り詰めて大変みたいなんだ。余計なお世話かもしれないけど、一度は結婚考えた相手じゃない。もう一度、信じてやってもらえないかな。 有紀:・・・。 【トランクルーム】 トランクルームにやってくる美沙。中にあった鞄を一つ持ち帰る。 【亘のアパート】 トランクルームから持ち帰った鞄を開ける美沙。中には、亘が書いた楽譜「ひかり」,『BLACK BARDの』バッジ,沢山のCD,日記帳,ウエディングドレス・・・; 「2003年2月3日 今日から美沙と一緒に暮らす事になった。部屋に入りきらない荷物はトランクルームに預けることにした。ちょっと迷ったけど、母さんの形見のこの箱も一緒に預けることにした。この箱は、いつか俺の夢が叶った日に美沙にプレゼントしようと思う。美沙がこのウエディングドレスを着る日が今から待ち遠しい。そのとき美沙はきっと最高の笑顔を見せてくれるだろう」 ウエディングドレスを抱きしめ涙する美沙。 【プライムスクエアビル】 衛が警備担当するビルの玄関口に衛は立っている。そこに瞳(吉岡美穂さん)がやってくる; 衛 :中西さん? 瞳 :安藤さん! 衛 :どうしてここに? 瞳 :あの・・・会社の人に伺ったらここだって聞いて・・・。 【公園】 そうして、お昼の休憩時間。近くの公園で瞳の持ってきた手作り弁当を広げる衛。; 瞳 :ご飯ちゃんと食べてるかな、って心配になって。ハクション! 衛 :あ、大丈夫ですか? 瞳 :はい。 衛 :僕のコートでよかったら、どうぞ。 瞳 :すいません。 そうして、自分のコートを脱いで、瞳に着せる衛君。と、それだけではなく、衛は警備の上着も脱ぎ始める。 瞳 :えっ? 衛 :勤務時間意外は勤務服で公衆の前には出ないっていう決まりなんですよ。 瞳 :でも、それじゃぁ、寒いでしょう。 衛 :いや、おいしいから平気です。 と、衛君、優しいじゃないか!!!なのに、衛が弁当を食べている横で、ポケットの中を探る瞳。(またかよ…(TOT)) 【プライムスクエアビル】 警備中の下柳。そこに有紀が衛を訪ねてやってくる。まだ有紀が衛のことを忘れられない様子なのが不満顔の下柳。 【公園】 食事をしている衛に、その後の話を聞き始める瞳。 瞳 :あの・・・安藤さんが警備員しているのって、それもこの間言ってた美沙って人のせいですか? 衛 :・・・まぁ。 その二人の様子を見ている”目” 瞳 :お金も盗られたんですよね?取り返せそうですか? 衛 :もう、無理ですね。全て燃やされましたから。 瞳 :燃やされたって?! 衛 :中西さん、もう、僕とは合わない方がいいかもしれません。 瞳 :えっ? 衛 :あの女、こうしている間にもどこかで見ているかもしれない。あなたまで巻き込みたくないんです。 瞳 :・・・。 衛 :いや・・。それじゃぁ、ご馳走様でした。 そうして、立ち上がり、瞳に着せていたコートを受け取る。衛の話を聞いて、瞳には動揺の色が; 瞳 :あの・・・・。 衛 :どうかしまいた? 瞳 :いえ。温かくて助かりました。ありがとうございました。 衛 :じゃぁ、行きましょうか。 そんな二人を見ていた"目"は、美沙ではなく、有紀のもの。 衛 :ゴホン。 瞳 :大丈夫ですか? 有紀は、折角、衛のためにサンドイッチを買って持ってきたのに、衛と瞳の様子を見て、出ていけなかった。(って、一番、タイミングの悪いのが有紀なのね・・・(笑)) 【亘のアパート】 美沙のアパートにやってきて、物を渡す瞳。また美沙のために動いてたわけですが; 美沙:ありがとう。 瞳 :これで最後にしていい? 美沙:えっ? 瞳 :だって、安藤さん、あんまりにも可哀想で。美沙もおかしいよ!お金燃やすなんて。普通じゃないよ! そう言われた美沙は、亘の残したウエディングドレスを瞳に見せる。(いや、だからそういう問題じゃないだろ…) その後、美沙は、指輪を手にアパートを出かける。そこに現れる借金取りのお兄さん(大西滝次郎さん)。美沙に他の店を紹介するが; 美沙:私、もう、返済のために働くのはやめにしたんです・・・。 と告げる。 【衛の部屋】 衛が家に帰ってくると、玄関の前で鍵を取り出そうとポケットに手を入れると、そこにあるはずのものが無く・・・ 衛 :鍵・・・ ふと見ると、玄関のドアの鍵があいている。 極度の不安を感じながら部屋の中に。だが、部屋の中には誰もいない。かわりに、ベッドの上に、新聞紙にくるまれた衛のキーホルダーが; 衛 :どうして鍵が・・・。 そして、鍵と一緒に、”指輪”が置かれていた。 衛 :美沙だ・・・。 【衛の部屋2】 衛は警察を呼んでいた。いつもの城西署の刑事たちが調べをしている。 大川:で、と取られたのは? 衛 :いや、何もありません。 刑事:は? 大川:つまり、相原美沙と思われる侵入者は、何も取らずに鍵とこの指輪を返していったと。そういうことだな? 衛 :でも、器物破損も不法侵入も立派な犯罪ですよね? 刑事:こんなヤツ相手にしていたら、身がもちませんよ。 大川:いや、あんまりしつこいからさ、何か、気になってきてな。 結局、まともに今回も話を聞いてもらえず、衛は手にしていた新聞紙を丸めてゴミ箱に捨てた。 【衛の部屋3】 翌日。久保がやってきて、玄関口に監視カメラを取り付けている(さすが警備会社!(笑)) 衛 :夕べ一睡もできなかったよ。 久保:今日は俺の家に泊まれよ。侵入現場をとれれば、警察だってあの女を本気で捜してくれるだろう。 衛 :そうだな・・・。 久保:じゃぁ、中、取り付けるぞ。 衛 :・・・。 【久保の部屋】 夜になって、久保の部屋に泊めてもらうためにやってくる衛。 衛 :案外綺麗にしてるんだな。 久保:狭苦しいところだけど、適当に座れよ。 衛 :うん。 久保:明日夜勤だろう?思いっきり寝て、体労われ! 衛 :ああ、今夜はゆっくり眠れそうだよ。 久保:うん。 ふと、久保の部屋においてある『損害保険募集人教育テキスト』を目にする衛。 衛 :あれっ? 「現場の大変さが分かったでしょう、安藤さん」 衛 :これってこのあいだ下柳君が持っていたのと同じ…。 久保:俺も現場から営業に転属するときは、色々と勉強したからな。 衛 :警備員時代はさ。 久保:うん。 衛 :お前も下柳君みたいに、僕を恨んでたのか? 久保:何言い出すんだ、急に。 衛 :あ、いや・・・。人は知らない間に誰かを傷つけていることがあるって、この間、お前、そう言ってたよな。 久保:馬鹿。例えばの話だよ。 衛 :・・・。 【亘のアパート】 美沙は一人、亘の日記帳を枕元においてライトをつけたり消したり・・・。 【衛の部屋】 翌日になり、自宅に戻る衛。 部屋に入ると、中は荒らされ、足の踏み場も無いほどの状態になっている。そうして、赤いスプレーで壁一面にMURDERの文字が。 恐怖に震えながら、衛は監視カメラの映像を見るためにパソコンを見る。そこには美沙の姿が。振り返ると、そこに美沙がいた。美沙に迫られ、体が動かない衛; 衛 :はっ! ・・・と、今回も以上のシーンは夢落ち(笑)。そこは久保の部屋の中でした。 久保:どうした、安藤? 衛 :あ、嫌な夢を見た。ああ、心配だからうちに戻ってみるよ。 【今度は正真正銘の衛の部屋】 実際に部屋に戻ってみて、何も無く。大きく息を吐く衛君。 一晩中監視カメラの映像を録画していたパソコンを見てみると、美沙が玄関の前まで来ていた映像があった。カメラの中の美沙がカメラを見ながら電話を掛けている。ふとみると、電話に留守電のランプがついている。恐る恐る留守電を再生すると・・・ 美沙:私を捕まえようとしても無駄ですよ。 まだ思い出せないんですか? このままだと安藤さん、もっと大きなものを失いますよ。 留守電は切れ、カメラの中の美沙も帰っていった。 たまらなくなり、しつこく何度も何度も何度も、美沙の姿を再生しては巻き戻す衛。画面を拡大すると、美沙の胸には「BLACK BIRD」のバッジが。 衛 :BLACK BIRD・・・ それは美沙の荷物の中にあったマッチに書かれた文字と同じ。衛はそのままその店に出向いた。 【BLACK BIRD】 ライブハウス?の店の前までやってきた衛。店から歌が流れる。店の前に壁一面に張られたミュージシャン達のチラシの中に、"WATARU"の文字が書かれたものがあるのを見つける。すると店のマスターらしき人物(デビッド伊藤さん)が衛に声を掛ける。 マスター:あんた、亘の知り合いかい? 衛 :ええ、まぁ、ちょっと・・・。 衛は言葉を濁す。 マスター:じゃぁ、この曲知ってんだろう?いい曲だよなぁ。 衛 :はぁ。 マスター:本当はこの曲でデビューのはずだったのに。まさかあんなことがあるなんてな。 衛 :あんなこと? マスター:知らないのか?喧嘩だよ。チンピラに大怪我負わせて、懲役くらったんだ。 衛 :・・・ マスター:執行猶予だったけどな。無罪を主張したけど、少年院にいたことがばれてうまくいかなくなってデビュー中止だ。 衛 :それが自殺の原因ですか? 衛のその問いかけに、マスターは黙って頷いた。 衛 :美沙って言う女はご存知ですか? マスター:えっ、今そこにいるよ。 マスターに案内されてカーテンの奥の開けると、だがしかし、誰もいなかった。 マスター:あれっ、そこにいたんだけどな。帰っちゃったのかな。 衛は裏口から駆け出す。そこには美沙の姿は既に無く。 【プライムスクエアビル】 夜の警備中の衛君。駐車場のシャッターを下ろしていたところに、美沙がシャッターの向こうに現れる。 衛 :あ。 美沙:あの店までたどり着いたのは褒めてあげますよ。 衛 :亘っていう人が大変な思いをしたというのはよくわかった。けどそれと僕とは何の関係が? 美沙:まだ分からないんですか?それとも惚けてるんですか? 衛 :惚けるも何も、僕が殺したとか言って自殺したんじゃないか!またおかしなことを言って僕を混乱させる気か? そうして美沙の目つきが変わり、シャッターに体当たり?食らって?転倒する衛君。 美沙:嘘つきは約束をやぶった貴方の方です! 衛 :約束? 美沙:傷の痛みを思い出してください。あの日あなたがどこで何をしていたのか。 衛 :・・・あの日っていつのことだよ! 美沙:あんまり情けなくて悲しくなりますね。あなたの記憶の中には、私たちのことは何一つ残って無いんですよね。 そこに一緒に警備をしている下柳がやってくる。 下柳:どうしたんですか? 衛 :あの女だ、捕まえてくれ! 下柳の姿を見て逃げ出す美沙。途中、携帯を落とすが、そのままタクシーに乗って美沙は消えた。携帯を拾う下柳は、衛には言わず自分のポケットにしまいこんだ。 衛 :見ただろう?あれが美沙って女だ。 下柳:とうとう職場にまで現れちゃいましたね。 衛 :・・・。 そうして衛の額には、1つの傷が残った。 【JTS 専務室】 翌日。専務の島谷(伊武雅刀さん)に呼び出される衛。 衛 :自宅待機・・・ですか? 島谷:君が警備している現場におかしな女が現れるとなれば、君自身が危険を呼び込んでいるということになる。まぁ、状況が落ち着くまでは動かない方がいいだろう。それが君のためだよ。 衛 :僕は・・・人々に安全を提供するというこの仕事に誇りを持って頑張ってきたつもりです。なのに・・・自分自身がこんなざまにあって…。 島谷:・・・。 衛 :残念です。 島谷:この間に自分自身を省みるのも悪くない。その女が君を恨んでいるとすれば、相手の心を知る一番の手がかりは、君自身だよ。自分自身と向き合うことで、相手の心も見えてくるかもしれない。 【JTS オフィス】 その頃、営業の職場では、久保に部下の高山(井澤健さん)が話しかけてきて; 高山:聞きましたよ、安藤さんの話。 久保:お前、安藤の不幸を喜んでるのか? 高山:久保さんだって、安藤さんが降格してやっと課長になれたわけじゃないですか。 久保:だからなんだよ! 高山:僕には本音を言ってください。僕は久保課長についていくと決めた人間ですから。 久保:・・・。 【JTS 警備課】 警備課(?)。休憩をとっている下柳たち。そこに”美沙の携帯”が鳴る。 【某ロビー】 ホテルのロビーらしい一角で携帯を渡す下柳。美沙に有紀のために本当のことを知りたいと告げ、さらに; 下柳:俺はあなたの力になれると思うんです。 美沙:信じますよ、私・・・。 【病院】 礼子(吉行和子さん)の病室に愛子(浅見れいなさん)が一緒にいる。そこに衛が現れる。 愛子:お兄ちゃん・・・。 礼子:あ、こんな時間に来るなんて、仕事はどうしたの? 衛 :ああ、今、暇な時期で、それで暇が出来ちゃったんだ。 礼子:・・・。 衛 :何? 礼子:何かあったの? 衛 :・・・。 そうして; 衛 :ごめん。本当はあの美沙っていう女は恋人でも何でもないんだ。 愛子:は? 衛 :いや、実は本当の彼女には振られちゃって。でも、母さん会うのを楽しみにしていたから、代役を頼んで…。 愛子:どうしてそんな嘘をついたの? 衛 :あの美沙っていう女のせいでトラブルだらけで。でも、手術前に心配かけたくなかったからさ。黙っててごめん。 と、ようやく本当のことを話した衛(ちょっと涙) 礼子:その・・・怪我はどうしたの? 衛 :ああ、大丈夫。自分のことはちゃんと自分でやるから。 礼子:あんたねぇ、子供の頃から口癖みたいに自分を守れるのは自分だけだと言ってたでしょう。私はそれが心配でねぇ。人間はね、一人じゃ生きて行けないの、みんないろんな人に生かしてもらってるの。衛だって、知らない間にいろんな人に助けてもらっているはずよ。いい加減、そういうの、分かりなさい、ね。 (と、お母ちゃんの優しい言葉に、またまた涙。今回、ドラマが始まって、はじめてホッとできたシーンだったよ…(ToT)) 衛 :・・・うん。母さんは僕より元気そうだね。 礼子:ふふふ(笑) 愛子:ねぇ、そういえばさ、お兄ちゃん、一年ぐらい前にも同じ場所に怪我してなかったっけ? 礼子:そうそう、チンピラに殴られたとかって。 愛子:そうそう。 衛 :!!!!!それっていつだっけ? (遅っ) 【衛の自宅】 自宅に戻った衛は、古い手帳を探し出す。既に夕刻。 衛 :2003年11月11日・・・11日。この日だ。『光友商事社長と会食。島谷専務と西新宿で待ち合わせ』・・・その日、僕は・・・。 手帳に書かれたスケジュールと、額の傷の痛みとを重ね合わせ、記憶を辿る。ふとみると、ゴミ箱の中に美沙の残した新聞が。 衛 :2003年11月12日・・・美沙が置いていった・・・。 捨てたゴミ箱の中から丸めた新聞を拾い上げ、ベッドの上に広げる衛。 西新宿で傷害事件 ミュージシャン逮捕 11日夜、東京都新宿区西新宿の路上で無職の男性にナイフで襲いかかり、 怪我を負わせたとして、西新宿署はミュージシャン相原亘(28)を傷害の… 衛 :西新宿で傷害事件。ミュージシャン逮捕。11日夜、東京都新宿区西新宿の路上で無職の男性にナイフで襲いかかり・・・西新宿? 「西新宿」という場所が自分の手帳の記録と一致する。 衛 :西新宿・・・ 【西新宿】 実際に西新宿に出向き、自分の足取りを辿る衛。 衛のモノローグ:一昨年の11月11日。ここで事件・・・でも、僕と何の関係が。 陸橋を渡っていると、通行人と肩がぶつかる。 衛 :失礼・・・・・・。!!! その瞬間、一年前の映像がフラッシュバックする。 「あ、失礼・・・・・・!!」 衛 :あ、そうだ。あの時! 一年前の記憶が頭の中を駆け巡る。 衛 :僕は何も!! 男:このやろう! 衛 :だから、謝ってるじゃないですか! そのまま殴られる衛。そのとき額に怪我もして。 その殴られた現場にやってきた衛。振り返ると一年前の映像; 衛 :た、た、助けてください。 そうして男は逃げていった。安堵する衛。衛は助けてくれた男性の方に駆け寄る。 衛 :本当に助かりました。はぁ、あの、大事な商談があるんで、今日は失礼しますが、必ずお礼します・・・いやさせて下さい。 と、顔を上げて見たその男性の顔こそ相原亘28歳。 衛 :僕は、相原亘に会っていた! 衛 :そうはいきませんよ。あの・・・連絡先を教えてください、お願いします。 衛に渡されたメモとボールペンに連絡先を書く亘。 亘 :じゃぁ。・・・・・・はい。 衛 :ああ、本当にありがとうございました。 亘 :いえ。 衛は受け取ったメモを上着の内ポケットに入れ、そうして衛は島谷との待ち合わせのため、急ぎ駆け出した。 そのときの様子を思い出した衛はさらに自分の足取りを辿って進み、とあるショップの前で立ち止まる。 衛 :あ、すみません、これ下さい。 店員:はい、ありがとうございます。 衛 :それと、これを処分しておいてもらえますか? 店員:はぁ・・・ 衛は破れた上着の脱いで店員に渡し、鏡の前に立ちって、その場で購入したジャケットに着替える。 その記憶を実際にその店の鏡の前に立ちながら思い出す衛。すると; 店員:あれっ?もしかしてあのときのお客様じゃないですか? 衛 :えっ? 店員:やっぱりそうだ、それ(今、衛が着ている上着)うちのですもんね。ちょっとお待ち下さい。 衛 :・・・ 店員:はい、あのときの上着です。 と、綺麗に保管されたあのときの上着を渡される(この展開はやりすぎ(笑)。こんなのが無くても、ドラマは成立すると思うのだが…)。 上着を受け取った衛は、なぜかそれを持って、再び亘と会っていた場所に戻ってくる。 ビニールを破り、上着の内ポケットを探り・・・・メモが出てくる。そのメモには、『相原亘』の名前と携帯電話の番号。 そう衛が亘にお礼を言ったとき、その亘のそばにいた女性が・・・美沙!!! メモの番号に電話をすると。あの美沙の携帯の音楽が・・・。その音の方を振り返ると、ゆっくりと美沙が現れた。(って、後をつけてたのかよっ!) 衛 :・・・。 美沙:やっと思い出したみたいですね。 衛 :・・・。 美沙:・・・ 衛 :確かに僕はあのとき相原亘に助けてもらった。だけど、どうしてそこまで恨まれなきゃならない。 美沙:あなたが唯一の証人だったのよ。 衛 :証人? あのとき、その後、チンピラが戻ってきて亘の腕を刺し、もみ合いになり、今度は亘が手に取ったナイフでチンピラの腹部を刺す格好になっていたのだ。 美沙:見ていた人たちの証言もバラバラで、いくら人を助けた事件だって言っても信じてもらえなくて、結局、亘も裁判で有罪。デビューの話も白紙になりました。 衛 :・・・。 美沙:でも、あなたがくれば亘は被害者だって証明できる。そう思ってずっと待ちました。あなたは必ずお礼に来るって約束してくれましたし。でも、いつまでまって現れなかった。 美沙:亘は、生きる希望をなくして・・・2ヵ月後に冬の海に消えてしまいました。 衛 :・・・だけど、だからといって、僕を恨むのはお門違いじゃないか。恨むならそのチンピラを。 美沙:その人は今刑務所で罰を受けています。でも、今頃になって私の前に現れた貴方は、何事も無かったような顔をして普通に幸せを掴もうとしていました。私や亘のことなんて覚えてもいませんでした。 衛 :・・・。 美沙:私は安藤さんと出会ったのは運命だったと思っています。 衛 :・・・。 美沙:あなたからは、何を奪っても構わないって思ってます。 衛 :・・・。 美沙:安藤さんは自分で自分を守っていける人だから、全然、平気ですよね。 衛 :・・・。 美沙:頑張って下さいよ。あなたが私の生きる理由なんですから。 衛 :・・・。 |
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