危険な関係

〜 第9話 死んでなかった! 〜


[夜] シーン0 街中の公園

木の枝に絡まった赤い風船が空に飛んでいくのを見て、不安を感じる有季子。野々村の携帯に電話を掛けるが応答がない。

シーン1 河川敷

胸から血を流し、倒れている野々村。

シーン2 街中

ネクタイを弛め、夜の街中を歩く新児。

シーン3 雑誌ボーダー編集部

編集長から若林ちひろからの郵便物が届いたとの電話を受け、急ぎ編集部に会いにやってくる鷹男。

  鷹男 「ゆみちゃん、編集長は?」
  編集者「打ち合わせで外出したわよ」
  鷹男 「ねぇ、あの俺宛てにさ、何か封筒預かってる?」
  編集者「別に?」

編集長の机の上を探す鷹男はちひろが差出人の封筒を見つけ、その中には例の写真が入っていた。

  鷹男 「何で俺に…?」

(でも、確かにこれって不思議ですよね。それだけちひろは鷹男のことを信じたってことなんでしょうか?最後に鷹男と分かれたときの表情、気になります。)

シーン4 街中

新児は夏恵に会いにいつもの場所に行く。そこに本当に待っている夏江の車椅子を黙って押し始める新児。

シーン5 街中の公園

有季子の携帯が鳴る。野々村からの電話かと期待した有季子だったが、その電話の相手は鷹男だった。

シーン6 双葉会病院前

有季子が鷹男に向かって急いで駆けてくる。

  有季子「鷹男!本当なの?」
  鷹男 「ああ」

シーン7 双葉会病院

雄一郎の病室に忍び込む有季子と鷹男 (それにしても用心の悪い病院だわ…)。手には例の写真を持っている。

  有季子「確かに似てるわね」
  鷹男 「他人の空似とは思えないんだよな」

周囲を気にしながら鷹男は病室の奥へと進む。その直後に仁美が登場し、案の定、有季子と鷹男は有無を言わさず追い出される。(一応、鷹男が誰もいないことを確認してから入ってきたのに、仁美さん、いきなり登場しすぎだよ〜(笑))

シーン8 双葉会病院の廊下

追い出された有季子と鷹男は誰もいない病院の廊下を歩いている。

  鷹男 「同一人物だよ、絶対に」
  有季子「焦んないで」
  鷹男 「こんな偶然あるかよ!その写真を都築の秘書が持っていたんだぞ!
      写真に写ってる男と、都築が帰国した日にやられて、身元不明にな
      ってる男の顔がそっくりなんだよ。都築が絡んでんのに決まってる
      だろ!」
  有季子「しっ」

二人の側を看護婦の恭子が通り過ぎる。これをやり過ごした後,

  鷹男 「イヤーな予感がすんだよな。何で若林ちひろが、その写真俺を送っ
      て姿を消したのか。何かとんでもねー事が裏に隠れてる気がすんだ
      よな」
  有季子「とんでもない事…」

鷹男と同じ台詞を野々村が言っていたのを思い出す有季子。

シーン9 双葉会病院前

急ぎ足で病院の外に出てくる有季子。その後を鷹男が追いかけてくる。

  鷹男 「有季子、どうしたんだよ、急に」
  有季子「私にもまだわかんない」

有季子が野々村の携帯に電話を掛けると、野々村の携帯に出たのは大沢だった。有季子のただならぬ様子に、気になって有季子の顔をのぞき込む鷹男。

シーン10 街中

夏江相手に最後の接客をする新児。タクシーを止めてもまた来て欲しいと言う夏江だが、新児は何も応えない。夏江が帰っていく後ろ姿を黙って見送る。

シーン11 河川敷

タクシーで野々村殺害の現場に到着する有季子と鷹男。有季子はそのまま立入禁止の中に入っていく。それを見送る(中に入れてもらえない)鷹男kunは必死に外からのぞき込んでいます(^^;)。

   人はいつも、自由を求めて生きている
   家族から逃れ、他人から逃れ、仕事や生活から逃れ
   自由になりたいと願い続けている
   ただ死ぬ事だけが本当の自由かも知れないのに…

野々村の遺体と対面する有季子;「ノノさん。聞いてるんですか、ノノさん…」泣きながら野々村の遺体にすがりつく有季子を大沢が制する。遠くから見ている鷹男kun…

[朝] シーン12 警視庁会議室

野々村の殺害はプロの仕業だったと捜査一課の梅本から報告を受ける有季子。同席する大沢の「お前が野々村を殺したんだ」という言葉に対し、有季子は大沢の退席を求め、事件の全てを一課の人間に話し始める。そしてそのまま辞表を提出し、退出するのだった。(それにしても、私も捜査一課の中に小木さんを見つけたときにはびっくりしたわ。まさかここで出てくるなんて…。催眠以来、お久しぶりです!って感じです(^^;))

シーン13 MIYAKOYA本社前

空を見上げる鷹男kun(空を見上げる鷹男kunって久々ですね。でも、いつもの心のゆとりは感じられず、なんか決意を秘めた表情に見えました)。ちひろの行方を探す鷹男は再びMIYAKOYA本社前に来ていた。そこに警視庁の梅本らがビルの中に入っていく。

シーン14 MIYAKOYA本社 社長室

社長室にやってきた梅本は新児にちひろの消息を尋ねるが、新児は完全にシラを切り通す。梅本は帰り際「そうだ社長さん、写真のこと御存知ですか?」と言い残し部屋を出ていく。(新児と梅本の攻防ですね)

シーン15 双葉会病院 病室

捜査一課の人間が雄一郎の写真を撮影している。一課の人間が帰った後も看護を続ける仁美。

シーン16 河川敷

野々村の殺害現場に花を供える有季子。そこに鷹男もやってくる。ゆっくりと(ちょっと不器用そうに)手を合わせる鷹男。鷹男に写真を返す有季子。

  鷹男 「本当に辞表を出したの?」

鷹男の言葉に黙って頷く有季子。

  鷹男 「そっ」
  有季子「ノノさんの最後の言葉ねぇ…『真実はいつだって人間があれこれ考
      えるより単純なんだ』…単純な真実には組織の中にいるより、一人
      で裸で立ち向かって行った方が近づけると思う。この事件の最後の
      カードを表にする事が、私のノノさんに対する供養なの」
  鷹男 「止めねぇよ、もう…。でも、今はお前を助ける事はできない。とに
      かく俺は今、若林ちひろの行方を探さなきゃいけないから…。お前
      が最後のカードにたどり着いた時、もしかしたら、俺もそこにいる
      かもしれない…。そしたらさぁ一緒に、こう(カードを返すポーズ
      をしながら)めくろうぜ


鷹男の言葉にうなずき、その場を去っていく有季子。野々村からもらったガムをかみながら…。

[夜] シーン17 道脇に停めた車の中

松宮と大沢の密会。大沢は有季子の一件を松宮に伝え、今後全ての情報を流すように伝える。

  松宮 「実は私もひとつ気にかかってる事があるんです。うちの経理部長の
      自殺なんですが…」
      (えっ、まだ何か裏があるの?)

シーン18 某ホテル

都屋経理部長の自殺したホテルのフロントに有季子は自殺した日に訪ねて来た男性について尋ねる。新児の写真を見せるがクビを横に振る従業員。もう一つの写真〜本物の雄一郎の写真のコピーを見せる。

[翌日かな?] シーン19 MIYAKOYA本社 社長室

ちひろを心配する鷹男は新児を訪ねる(今回は正面攻撃ね)。ゆっくりとサングラスごしに秘書の方を見る。席を外す秘書。サングラスを外す鷹男kun。

  新児 「一体何の用でしょうか?」
  鷹男 「若林さんがどこに行かれたのか、聞きに来たんです。昨日から出社
      されてませんよね。家にもおらず、携帯に電話をしても繋がらない…
      警察も行方を探し始めている」
  新児 「よくご存じですね?」
  鷹男 「約束をしていたんですよ、彼女とは…」
  新児 「約束?」
  鷹男 「おとといの夜9時に」

それは新児が殺害したちひろを自転車で運んでいた時間…

  鷹男 「でも、約束の場所に彼女は来なかった。だから心配しているんです
      よ。一体、彼女がどこに行ってしまったか、ご存じありませんか?」

鷹男は一つ一つの言葉を丁寧に新児にぶつけていく…。

  新児 「私も心配しています」
  鷹男 「僕はあなたが若林さんに姿を隠すように命じたのではないかと思うのですが…」
  新児 「なぜ私がそのようなことをしなければならないんです?」
  鷹男 「勘です。…でもただの山勘じゃありませんよ。それなりの裏付けは
      あります。なぜ僕が彼女と約束をしたのか解りますか?」
  新児 「いいえ」
  鷹男 「ある写真を、見せてもらう為です」

先程の梅本の『写真の事、御存知ですか?』の言葉が気になる新児。

  鷹男 「でも彼女は来なかった。明くる日、僕宛に写真が郵送されて来て、
      彼女が居なくなった…」
  新児 「どうしてそれが私の命令なんです?その写真に私のよくない姿でも
      写っていたんですか?」
  鷹男 「写っていたのはあなたではありませんよ」
  新児 「じゃぁ、誰なんです?」
  鷹男 「その人、名前がないんですよ」
  新児 「名前がない…」
      (ただ、鷹男の言葉を繰り返すだけの状態になっている新児)
  鷹男 「ええ身元不明です。ボッコボコに殴られて、全裸である場所に捨て
      られていた」

新児の脳裏に雄一郎殺害の場面が蘇る。

  鷹男 「まあ、やっと意識は回復しつつあるんでそのうち名前も解ると思い
      ますが・・・あれ、御存知ないんですか?。この前、あなたが行か
      れた双葉会病院に入院している男ですよ?」

その言葉に心の中で激しく同様を示す新児。これを見て

  鷹男 「どうしました?何か思い出されましたか?」
  新児 「いいえ。その写真を見ない事には、何とも言えませんね」
  鷹男 「(笑)。いいでしょう」(意外とあっさりと見せちゃう訳ね)

ゆっくりと歩み寄りテーブルの上に写真を置く鷹男。置いた写真を手に取り、眺める新児。写真を眺める新児の顔を一瞬たりとも見逃すまいと様子を伺う鷹男。(う〜ん、緊迫したシーンだわ…)

  新児 「これを若林が持っていたわけですか?」
  鷹男 「そうです」
  新児 「知りませんね、会ったことも見たことも無い人です」

結局、新児の口から何も聞き出せず肩を落とす鷹男…。

  新児 「お帰りください。予定が入っていますので」
  鷹男 「俺、本気で心配しているんですよ、若林さんのこと
      (ちょっとこの台詞で鷹男君の本気さが伝わってきて"ウッ"っときてしまった)

  鷹男 「何か知ってるんでした教えて貰えませんか?
      (それでも何も語らない新児を見て)じゃ、また来ますんで」

と言って部屋を出ていく。残された新児は雄一郎が生きていた事実を知らされたことに身体の震えが止まらない新児。しかしその震えの表情が笑み変わっていく…。
(鷹男VS新児の三回戦です。鷹男kun、知ってか知らずか新児を確実に追い詰めて行きますね。鷹男の話し方が淡々としている分だ、逆に新児を確実に追い詰めて行っているような気がします。新児と鷹男が会うのは回数は少なくても、重要な話のターニングポイントになってますよねぇ。だからもっと二人の対決シーンを増やして欲しいんだってば!!)

シーン20 街中

有季子は野々村が最後に会っていた品川署刑事に、タクシー会社のリストを見せて欲しいと頭を下げる。

シーン21 MIYAKOYA本社 社長室

社長の椅子から立ち上り、そのまま部屋を出ていく新児。

シーン22 MIYAKOYA本社 玄関口

玄関で待つ車の運転手に車を借りて出掛ける新児。

シーン23 街中に停車中の車の中

品川署の刑事は有季子に野々村が都築雄一郎と魚住新児は同級生だとつぶやいていた事を告げる。

シーン24 路上

車を運転する新児。

[夕方] シーン25 図書館

私立宝陵高校の卒業生名簿から都築雄一郎と同じ学年に相当する卒業生名簿に魚住新児の名前を見つける。

[夜] シーン26 路上 MIYAKOYAスーパー前

車を停めて店の様子をうかがう新児。再び車を発進させる。(あんな豪華な車が停まっていると、どう見ても不自然だわ…(苦笑))

シーン27 雑誌ボーダー編集部

雄一郎の写真を食い入るように眺めている鷹男。

  編集者「さっきから何見てるの、一体?」
  鷹男 「わかんない」(あ、あのねぇ…(^^;))
  編集者「わかんない?(笑)(写真をのぞき込んで)ああ、これ何だったっけ?」
  鷹男 「何?」
  編集者「後ろに写ってる建物。どっかで見た事あるな。外国なんだけどさぁ」
  鷹男 「場所か…。人間ばっか見てたよ」(これもなかなかのボケだわ、鷹男kun…)

シーン28 双葉会病院

看護を終え、雄一郎の病室を出ていく仁美。雄一郎の口がゆっくり動く「う お ず み…」

シーン29 グランヒルホテル

ホテルのエレベーターに座り込む新児。(突然人が乗ってきたらどーするのよ!ムチャクチャ怪しいじゃない…)その後、フロントで"y.tuzuki"のサインを伝票に残し、チェックアウトを行う。(ところで雄一郎の荷物はそのまま?)有季子は都築に会いにホテルにやってくるが一足違いだった。

シーン30 双葉会病院

仁美が帰宅する様子を確認してから、病院の中に侵入していく新児。(それにしても、これだけの大病院がこうも易々と侵入できるなんて、一体どういうセキュリティになってるんだろう…(苦笑))

   人は完全に何かを忘れる事が出来ない
   心の底に押し込めた愛情や憎しみが
   ある時、何の理由もなく蘇って、僕たちを苦しめる

シーン31 雑誌ボーダー編集部

鷹男は写真の撮られた場所を探してガイドブックのページを片っ端からめくっている。

  編集者「ああ、ここだ」
  鷹男 「えっ、ちょっと貸して」

ガイドブックを借り、そこに写真と同じ風景〜香港のレパルス・ベイ〜を見つける。

  鷹男 「香港か…。待てよ、香港って…」
      (いやいや、待たなくてもすぐに思いつくでしょうに!何を悠長にしてるんだ、鷹男!!!)

シーン32 双葉会病院

新児は患者名の記載されていない病室に侵入し、そこに殺したはずの雄一郎を見つける。

   記憶がある限り、人は永遠に自由にはなれないのだ…

                            to be continued

予告

  鷹男 「この人、嘘ついてないと思うけど」


今回、出番が多くてよかったよかった…って最初からこんな感想を言ってる場合じゃないですね(スミマセン)。今回は西に東に奔走の鷹男kun。有季子に協力しつつ、様子をみつつ、新児と対決しつつ、そして最後に写真の秘密にようやく辿り着きつつある鷹男kun。もう少しなんですよねぇ。ちひろのためにも頑張れ!!って、最近は「有季子のため」じゃなくて「ちひろのため」になってるような気がするんですけど、いいのかな、これで?まぁ、最終回まであとわずか、鷹男は鷹男らしく、最後まで突き進んで下さい。


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