佐々木夫妻の仁義なき戦い

〜 第3話 「もう離婚!?」 〜

 08.02.03 PM9:00〜10:54 

 

  • [738時間36分の無駄]

    前回の放送で、いきなり律子に;

      法倫 「離婚しないか」

    と申し出た法倫。

      律子 「えっ?」
      法倫 「離婚してくれないか」
      律子 「離婚???」

    その様子を事務所の外で、桜庭ばカギ穴から覗いてるんですけどね(^^;)。

      法倫 「君は僕に人生を返せと言った」
      律子 「?」
      法倫 「君は僕と居ることで、一体、何を失ったのか?収入や割のいい
          仕事や・・・だけど、そういったものは何らかの形で返すこと
          も可能だろう。だが、時間だけはどうにもならない。僕と夫婦
          で居ることで、君は価値のある時間を過ごせてないとしたら、
          その時間だけは絶対に返すことが出来ない。僕は・・・、君と
          結婚してからの記録をもう一度調べてみたんだ」

    と、とっても誠実に語る法倫なのだけど、そう言ってポケットから取り出したのはICレコーダー(3年分)。ここでそれかよ!律子もあきれ返ってます。

      律子 「で?どうだったの、結果は?」
      法倫 「象徴的だったのは、冷えたチャーハン事件だ」

    大真面目で語る法倫君。

      法倫 「あれは2005年の山本KIDのりふみとうのかおる戦・・・」

    昔を振り返る法倫。その日、二人はリビングで仲良くテレビを見ていた。

      律子 『何かおなか空ない?』
      法倫 『うん、空いた空いた』


      法倫 「あと10分で試合が始るというときに、小腹が空いた僕たちは
          残っていた出前のチャーハンを食べようという事になった。僕
          はごく普通に温めなおし、原状回復を主張したが、君はそのま
          ま現状ゆうし(雄視?)で食べることを主張」

    つまり一言で言うと喧嘩になったと(^^;)

      律子 『冷えたという要件事実を付加された事による効果を考えないと
          ころが、あなたの人生、つまらなくしてるんじゃないの?』
      法倫 『温めなおしてみようと思わないことが、君の人生を浅はかなも
          のにしてると思うけどね』

    1つのお皿に盛られたチャーハンをそのまま強引に食べようとする律子。

      法倫 『だめ!崩れるじゃないか、チャーハンの丸い綺麗な形が…』


      法倫 「チャーハンを温めなおすかどうかが人としての生き方まで話が
          及んで3時間・・・当然試合は全く見られず、しかも」

    砂の嵐状態のテレビを見て、ショックで手にしたチャーハンを床に落とした法倫。だけど、それは君が悪いぞ。

      法倫 『ああ!!』
      律子 『!』
      法倫 『俺がやる』
      律子 『どーすんの!!早く早く。これ、3秒ルールだよ』



      法倫 「あろうことかチャーハンまで無駄にしてしまった」

    以上、回想その1終わり。

      法倫 「・・・空しすぎて・・・」
      律子 「私、あのとき半分ずつにしようって言ったわよ!」

    いや、律っちゃん、ここでその議論?(^^;)

      法倫 「それだけじゃない・・・記録を辿ると」

    再び回想。

    台所で律子が牛乳飲んでます・・・紙パックのまま口をつけるような格好で。

      律子 『ん?』
      法倫 『牛乳パックは共有物だ!よって個人の独占は許されない』

    これが世に言う『牛乳パックの直飲みはオッケーか?』事件。

      律子 『つまりあなたは、私とチューもできないってことになるのよ?』


    と、ここでもまた大喧嘩。

      法倫 「牛乳パックは直飲みはOKかOKでないかで、2時間12分…」


    次は律子がソファーでポテトチップス食べてます。

      法倫 『何でいつも縦にあけるんだよ!!』
      律子 『だって縦に空けた方がお皿になるもん』
      法倫 『余ったとき、袋に保存できないだろう?!』
      律子 『食べちゃえば』


    これが『ポテトチップスはタテあき?ヨコあき?』事件(^^;)。

      法倫 「ポテトチップスは縦にあけるべきか、横にあけるべきかで1時
          間58分」

      法倫 「3年間の結婚生活でこの種のくだらない論争に費やした時間は、
          738時間36分。もし、80まで生きるとしたら、492日間、
          何も食わず、一切、眠らず、言い争う事になってしまう・・・
          実にバカバカしい!!」
      律子 「・・・・・・・・・・・・・えっ・・・理由ってそれだけ??」

    まぁ、そういう反応だよね。でも、やっぱり法倫はどこまでも大真面目なのですっ!

      法倫 「だって、732時間36分あったら、一体、何ができる?! 古代遺
          跡を旅して人類の英知と武功に思いを馳せることもできただろ
          う・・」

    ここでローマの映像キターーー!!!!(^^;)(でも、使いまわしなのねん(;o;))

      法倫 「木を植えてCO2の削減に努めることも可能だろうし」

    今度のイメージ映像では、麦藁帽子被って木を植えてます。更に;

      法倫 「徳川埋蔵金を見つける事だってできたかもしれない」

    今度は黄色のヘルメット被って「あったぞ!!!!」と叫んでますが、それは732時間36分ぐらいじゃ無理だと思います、はい。

    一連の法倫の熱弁が終わって;

      律子 「真面目に考えてる?」

    と既にあきれ返ってる律子ですが、法倫は至って真面目な表情で;

      法倫 「君に申し訳ないと思った」
      律子 「・・・」

    律子も疲れるよね(^^;)

      法倫 「君は本来、おおらかな人だ。僕と出なければいちいち喧嘩にも
          なったりしないだろうし、もっと君をしあわせにしてくれる人
          が・・・」
      律子 「もう私を好きじゃないってこと?」
      法倫 「どうしてそういう展開になるんだよ」

    いやそういう展開になりますよ。

      律子 「私のこと好きだったら、こんなこと言わないよね」
      法倫 「君の人生を返せという言葉に、僕なりに誠意をもって考えた結
          果、好きだから分かれようとしているんじゃないか!」
      律子 「好きだったら、嘘ついてでも引き止めようとするよね?」
      法倫 「・・・」
      律子 「そう・・・だったら仕方ないわね。いいわよ、離婚しましょう」



    ・・・なんて無理して言っちゃったもので、その日のうちに荷物まとめて家を出てきた律子(荷物を運んでるのはもちろん猪木さんね(^^;))。・・・だけど・・・

      律子 「好きじゃないし・・・私だって、あんなやつのこと・・・全然
          好きじゃないんだから・・・」

    そうして川に法倫に渡せなかった懐中時計を投げ入れようとしてますが、投げれない律子。そんな律子を黙って猪木が見つめてます。

      猪木 「何も捨てる事ないんじゃないの?」



    次の日の朝、律子が目が覚めるとそこは猪木の部屋だったり。部屋には家族の写真や、恐らく子供が猪木のことを描いたであろう絵が飾ってあります。 再び眠りに落ちますが、猪木が時計を見ると朝の6時。


    その頃、法倫もいつものように目を覚ましました。今日もパジャマ姿のサービスありだわぁ〜(笑)

      ナレ 『その日、弁護士佐々木法倫は約3年ぶりに妻の居ない朝を迎え
          た』

      法倫 「静かだ・・・」

      ナレ 『小言を言うべき相手が居ない朝は、実にゆったりと時間が流れ
          ・・・失った738時間36分の重みを感じさせた・・・』


    朝、時間に余裕があるものだから、家をでて、途中、カフェでお茶してます。


    律子はその頃、起床して;

      律子 「ああ・・・落ち込んだら負けだ」

    と気合入れてます。やっぱり落ち込んでるのね。


      ナレ 『これはとある弁護士夫婦の仁義なき離婚戦争の記録である』

    ってことで、第3話です。

    今回も冒頭はコメディ展開。バカバカしくも真面目に考える法倫が可愛すぎます(笑)

  • [本日の依頼は・・・]

    法律事務所の朝・・・。法倫と律子はまだ出勤してきてません。

      桜庭 「『離婚しないか?』『離婚??』・・・というのをこっから見
          ちゃったんです!・・・というわけなんです!」

    桜庭は昨日目撃した光景を事務所の面々に報告しています。桜庭以外は案外冷静なのかな?

      蝶野 「あの二人に関してはラテン民族(律子)とゲルマン民族(法倫)
          が一緒に暮らしているというか、一緒にいること事体、不自然
          というか。3年もよくもちましたよ」

    と、蝶野は法倫と律子の机の上の散らかり様を比べながら語ってます。

      桜庭 「真面目に考えて下さい!」
      馬場 「でも、離婚となると事務所出て行くのは律っちゃん先生の方で
          すかね」
      鈴木 「でもそれじゃ事務所つぶれちゃわないですか?」
      桜庭 「何で?!何で?!何で?!何で!!!」
      馬場 「事務所の売り上げの7割が律ちゃん先生が担当する企業法務で
          すからね。クライアントごと移籍されたら、早々に回らなくな
          るでしょうな」

    と馬場は冷静に分析。

      桜庭 「まずいじゃないですか、蝶野さん!」

    そんな桜庭は、パソコンの画面を眺めてるかと思ったら;

      桜庭 「・・・なんでいきなり転職サイト見てるんですか!!」
      蝶野 「だってお前、俺には5人の子供と女房の生活がかかってんだよ!」
      桜庭 「どうして自分達の力で何とかしようと思わないんですか!!」
      馬場 「愛情というのは、本当に致し方ない・・・」

    それぞれ親身になって心配している人やら、冷静に対応している人やら・・・。大丈夫か、この事務所?(笑)


    そんなときに、大騒動の事務所に今回やってきたクライアントは、山本賢介(石橋保)&幸恵(長谷川真弓)夫妻。馬場を頼ってきたみたいですが、知り合いなのかどうかはよくわかりません。


    そこに法倫がやってきて;

      馬場 「あ、法先生、ちょっとご相談したいことが・・」

    そのタイミングで律子もやってきて;

      馬場 「あ、間違えました。お二人にご相談したいことが…」
      法倫 「二人で?」
      律子 「二人で?」

    馬場が機転を利かせたわけですが、法倫と律子は気まずいというか何と言うか・・・



    早速会議室で相談を受けます。

      法倫 「14年前に生まれた病院で、子供を取り違えられたって…???
          失礼ですが本当の話なんですか?」

    DNA鑑定の結果を差し出す山本。1年ほど前から家庭内でも暴力を振るうようになった息子の賢太郎。その息子の姿を見て、「本当は俺の子じゃないんじゃないか?」と呟いてしまった夫。身の潔白を証明するために妻がDNA鑑定を依頼したところ、両親共に『父親である確率は0%である。生物学的母親ではない』という結果だった。

    馬場が言うには、今から半年前に、同様に子供を取り違えられたと申し出てきた夫婦がいたということで、病院と話し合った後、子供を傷つけるだけだということで、その夫妻は何も言わない道を選んだと。

      賢介 「私達は、賢太郎とその子を交換して欲しいんです」
      法倫 「本気でおっしゃってるんですか?」
      賢介 「息子は私達とは全てが正反対というか、愛称が悪すぎるといい
          ますか・・・」
      法倫 「血が繋がってるからといって、親子仲が上手くいくという話で
          はないと思いますが…」
      幸恵 「頭ではわかってるんです。でも、心のどこかで、私達の子だっ
          たらグレるハズがないって…。こうなってしまったのはこの子
          が他人だからだって思うようになってしまって…」
      律子 「息子さんは、この話はご存知なんですか?」
      賢介 「ええ、息子も私達と一緒にいるのは嫌気が差しているようです
          から・・・その方がお互いのためだって、そう言ってました」



    夜。事務所には法倫と律子二人っきりです。

      法倫 「なぁ、このまま進めてもいいと思うか?」
      律子 「・・・・・・」

    律子は黙ってパソコン叩いてます。

      法倫 「子供を交換したからって、上手く行くっていう保証は無いと思
          うんだよな」
      律子 「・・・」
      法倫 「無視することないだろ?」
      律子 「交換が成立するかどうかは、もう一つの浜口さんの家次第だし、
          考えるにしてもそれからでいいんじゃないですか?」
      法倫 「・・・まぁ、そうだよな」
      律子 「話ってそれだけ?」
      法倫 「えっ・・・ああ、ごめん、邪魔したな。じゃぁ」

    そうして法倫は帰っちゃいました。

      律子 「離婚は進めていいのかよっ!」

    法倫も法倫だけど、律子も怒ってないで、素直になればいいのにねぇ(^^;)

  • [佐々木法律事務所の面々の大作戦]

    日を改めて、法倫と律子は今回の話をするために浜口家に出向き、夫のマコト(やべきょうすけ)と妻のアケミ(松田沙紀)と面会する。浜口家でも、息子の翔太のDNA鑑定をしたらしく、その結果を法倫と律子に差し出しました。

      律子 「この話、前向きに進めていいってことですか?」
      浜口 「まぁ、うちの坊主にも話してみるけど、あいつ俺たちになんも
          話さないもんな…」

    こちらの家庭も、親子の関係が上手くいってないようです。



    帰りのバスで・・・。

      法倫 「子供はタイヤじゃないんだぞ!あわないからって交換するって。
          大体、交換して上手くいかなかったら、彼等はどうするつもり
          なんだよ!今度は捨てるのか?!追い出すのか?何でも間でも
          人間関係まで使い捨てだよ!大人がこういう考え方をするから
          ね、子供にも…」
      律子 「みなさんも私達みたいに3年間で700ウン十時間、喧嘩なさ
          ったんじゃないですか?」
      法倫 「・・・」
      律子 「他にいい相手がいるって思われたんじゃないですかね?」

    律っちゃん、それとこれとは・・・(^^;)

      法倫 「・・・」



    法倫と律子が事務所に戻ったら、挙動不審な桜庭と蝶野。まぁ、不振なのは彼等だけじゃないんですが;

      桜庭 「あの・・・今日、お暇ですよね?」
      蝶野 「うちに、飯、食いにきませんか、お二人で?」
      律子 「やだ!だって遠いんだもん、蝶野さんち。面倒くさいよ」
      法倫 「僕も遠慮しておきます」

    折角の桜庭と蝶野の誘いに対して乗り気じゃない二人は、あっさり帰ろうとしたところ、桜庭は;

      桜庭 「そんなこと言わないで!!!」

    と、体を張って防戦。

      法倫 「??邪魔になるよ」
      桜庭 「すっごいおいしいご飯があるんですよ」
      法倫 「いやいや、いいから」
      桜庭 「すっごいおいしいご飯があるんです!!」
      法倫 「いやいや、ちょっと」
      桜庭 「行きましょう!!!行きましょう!!!!!」
      法倫 「えっ?だって・・・」
      桜庭 「いや、行くんだ!!!」



    そんなこんなで桜庭君、強引に二人を蝶野さんちに連れてきちゃいました。もちろん、事務所の人たちも総動員されてます。

      鈴木 「何で蝶野さんちなんですか?」
      桜庭 「想像つかないと思うんですけど、蝶野さんちって、歌と愛にあ
          ふれた素晴らしい家庭なんですよ!それを見てもらって、『や
          っぱり結婚はいいな!』・・・二人に思ってもらう作戦です!」

    そういうことを考える桜庭君が可愛いよね(^^)

    法倫と律子が蝶野家のチャイムを鳴らすと、蝶野家族全員での『♪法倫君〜律子ちゃーん〜いらっしゃーいませ〜』というハーモニー(やや微妙)が迎えてくれました。

      法倫 「・・・」

    だけどまぁ、家の中は本当に温かい家庭という雰囲気でいい感じ。奥様(竹内都子さん)の料理もおいしくて、一同大満足。何しろ奥様の料理で、昔、はげていた蝶野さんの頭から、毛髪が復活してきたんですって!!(んなアホな)

      法倫 「その髪・・・上り坂だったんですか・・・」
      蝶野 「はーい、しり上がりでーす!」
      桜庭 「すごくないですか!夫婦の愛情は髪をも生えさせる!僕はやっ
          ぱり結婚したいなぁ!したい!!」

    必死に桜庭が盛り上げてますが、だけど、法倫と律子の表情は曇り・・・

      馬場 「どうかしたんですか?」
      法倫 「お互い得意分野を活かして生きていくって、こういうことを言
          うんだな・・・と思って」
      律子 「私達の結婚なんて・・・ただ一緒に暮らしてただけだったもん
          ね・・・」

    ・・・桜庭の『やっぱり結婚はいいな!』作戦は完全失敗です。

      桜庭 「意味無かった蝶野家!!!(T_T)」
      蝶野 「何だその態度は!こっちは自腹で飯まで出してだな・・・」
      鈴木 「あの・・・逆から攻めるというのはないですか?」
      桜庭 「逆?」
      鈴木 「1人ぼっちの老後はいやだなぁ、って」

    全員が一斉に馬場の顔を見て;

      馬場 「私?!」



    そうして、早速やってきた馬場の家・・・

      馬場 「男一人なもんで、殺風景でしょ?離婚なんていいことないです
          よ。寂しいばっかりでね・・・私の事、誰が看取ってくれんの
          かなって思いますよ・・・」

    しんみりしちゃったところに電話・・・セールスだと思って放置してたら;

       『もしも〜し♪馬場ちゃ〜ん♪プロポーションのチエです♪顔見せて
        下さいよぉ〜♪チエ、さみしいぃ〜♪』

    慌てて馬場と桜庭が電話めがけて飛び込んでも後の祭りで・・・

      法倫 「離婚もなかなか楽しそうだな・・・」

    『1人ぼっちの老後はいやだなぁ』作戦も、結局、失敗してしまいました。


    全員、面白すぎる・・・(笑)

  • [親子の相性と夫婦の相性]

    帰り道。とはいえ、今回のみんなの行動に、法倫と律子の中では多少なりとも思うところはあったようで;

      律子 「結局、どっちが性に合うかって話よね。1人でいるか、二人で
          いるかって・・・」
      法倫 「・・・」
      律子 「どうしたの?」
      法倫 「いや、そっちから話し掛けてきた・・・」
      律子 「必要なことは話します!」
      法倫 「必要なこと?どっちが性に合うかって話が?」
      律子 「じゃぁ、離婚届、どっちが用意します?」
      法倫 「・・・」
      律子 「どうします?」
      法倫 「・・・」

    可愛くないねぇ〜、二人とも(^^;) そこに法倫の携帯が鳴って

      律子 「出れば?」

      法倫 「はい」
      浜口 『佐々木先生ですか?浜口です。さっき話し合いが終わりまして』
      法倫 「息子さんは何て?」
      浜口 『一度、向こうのご両親にも会ってみたいって言ってます。確か
          に、俺たちも向こうの息子さんを見てみたいし』
      法倫 「実際、会ったら、気持ちも変わると思いますよ。血は繋がって
          いても他人と言いますか…、14年一緒に暮らしてきた重みを改
          めてお感じになられ・・・」

    と言いかけたところで、律子が法倫の携帯を没収して(こらこら);

      律子 「お電話替わりました。・・・承知いたしましたので。失礼します」

    と、話をまとめちゃいました。

      法倫 「やっぱりおかしいだろう?どんな事情があるにせよ、相性が悪
          いからって、子供を取り替えるっていう発想は。子供の人間と
          しての尊厳を軽視してるじゃないか!」
      律子 「・・・じゃぁ、貴方が離婚したいっていうのは、貴方が私の人
          間としての尊厳を軽視してることにはならないの?」

    それは、律っちゃん、離婚したくないって言ってるんだよね??

      法倫 「それとこれとは・・・」
      律子 「本質的には同じことでしょ?」
      法倫 「俺のは考えに考えて出した結論だ!」
      律子 「あの人たちだって、そうよ!だからその意思を尊重しましょう、
          って言ってんの!」



    そうして、両家族の面会。とある料亭?みたいな一室で行われてます。
    佐々木夫妻の立会いの元、取り仕切りは馬場によって行われ、それぞれの紹介の後は、実の親子での団らん・・・。それぞれの趣味思考が合うらしく、それはそれは会話も弾んでます。

      律子 「やっぱり相性いいね」
      法倫 「こんなの見たら何も言えないよな・・・」

    何とも言えない気分になる二人。口では対象的なことを言いながらも、こういう思考は同じ方向を向いてるのよね、この二人。帰り道も何だかんだで二人で帰ってますよね。

      律子 「できるだけ早く手続き進めて下さいって」
      法倫 「じゃぁ、まずは裁判所に親子関係の不存在の確認請求か…」
      律子 「親子じゃなくなるのか…」
      法倫 「こうなっていいって思ってたんだろ?」
      律子 「そうなんだけどさ・・・・・・。相性がいい、ってすごいこと
          なんだなぁ、って見せ付けられたっていうか。お互いが我慢し
          ながらやってきたこって、何の意味も無かったのかねぇ、って
          いうか」
      法倫 「・・・・・・・・もしかして離婚したくなくなったのか?」
      律子 「そんなわけないでしょ?言葉の通りよ!我慢なんかしないで、
          さっさと別れちゃった方がよかったってことよ!何勘違いして
          るの?」
      法倫 「・・・そうだよな」
      律子 「あ、もしかしてそれってあなたの願望なんじゃない?」
      法倫 「は?」
      律子 「私があなたと別れたくないと思ってるって、思いたいんじゃな
          いの?」
      法倫 「・・・」
      律子 「?!」

    法倫はその律子の問いかけには答えずに;

      法倫 「離婚届・・・俺が取ってくるよ」
      律子 「できるだけ早くお願いね」

    その様子を馬場が見ていて、深いため息をついてます。


    気持ちは同じなのに、法倫も律子も歯がゆいというか何と言うか。とはいえ、だから離婚なのか…。

  • [いよいよ離婚]

    その頃、法律事務所では、相変わらず桜庭が気を揉み続けてます。

      桜庭 「何かいい方法ないのかなぁ・・・」
      鈴木 「何でそんなに離婚して欲しくないんですか?桜庭さんがそこま
          で悩むことじゃないですよね?」
      桜庭 「昔・・・ここに入る面接のときのことなんだけど…」


    桜庭の面接は、法倫と律子が二人揃って行われました。

      法倫 『どうして大学を中退したんですか?』
      桜庭 『はい・・・同じゼミの女の子が教授と不倫しているのを目撃し
          てしまったんです』

        ”言わないよ”

      桜庭 『僕はその女の子に会うたんびに、『言わないよ』って親切で言
          ってたんですけど、その子にはそれが逆に脅迫に思えたみたい
          で・・・』

    ある日、同級生の女性全員から白い目線が・・・

      桜庭 『いつの間にか僕は彼女に振られたことになってて、しかもそれ
          を根に持ってあらぬネタで脅迫してきた変態ってことになって
          て・・・どうにも居づらくなっちゃって・・・』

    まぁ、そりゃ、ね・・・(汗)

      律子 『えっ、それで中退しちゃったの?』
      桜庭 『そうです』
      律子 『気弱すぎなんだけど…』
      桜庭 『本当そうなんですよねぇ〜。へへへへ・・(笑)』

    と、そんな桜庭を見てカチンときちゃった法倫君。

      法倫 『笑ってる場合じゃないだろ!!』
      桜庭 『?!』
      法倫 『君はその子に名誉毀損されたんだぞ!しかも学校を辞めてしま
          ったことで、君はやってもいない罪を認めたことになるんだよ!
          どうしてそんなことをしたんだよ!』
      桜庭 『その子、割と可愛かったし・・・』
      法倫 『それが方を志すものの態度か!?何を考えているんだ』
      律子 『仕方ないじゃない。ゼミ中、その子の味方なのよ!そんな中で
          名誉毀損だなんていいだせると思う?』
      法倫 『言い出せないでどうするんだよ!!君だって分かってるはずだ
          ろ?!』


    と、そんなことがあったらしい。

      桜庭 「僕の事、こんなに考えてくれる人がいるんだって思ったら、何
          かすごく嬉しくなってきちゃって。後で考えたらあの二人は誰
          に対してもそうなんだけど。でも、だから僕はあの二人が好き
          っていうか、ずっと一緒にいて欲しいというか。うまく言えな
          いんだけどな・・・」

    これって単に法倫と律子は延々と喧嘩を繰り返してるだけなんじゃないだろうか?という気がしないではないですが、それで法倫と律子のことを好きになっちゃう桜庭はいいやつなんだろうな…

      鈴木 「何か・・・いい方法、ないですかね・・・」
      桜庭 「いい方法・・・ね・・・」

    などと桜庭は言ってますが、心臓は恵に対する恋心でドキドキしてます。男ってそうなのね(^^;)。



    夜、猪木の家で。ソファーで例の懐中時計を見ながら、法倫から言われた言葉を思い出し・・・懐中時計をゴミ箱に捨てました。


    一方、法倫は、役所に出向き、一度は思いとどまって引き返そうとしたものの「私の人生返してよ」という言葉を思い出し;

      法倫 「あの・・・離婚届をお願いします」

    離婚届の用紙を受け取りました。



    その届けをもって小川に会いにいく法倫なのだけど、もちろん場所はいつものレスリング部。

      小川 「・・・」
      法倫 「ここに証人のサイン頼むわ」

    その離婚届を見て、小川は用紙を食べちゃいました。

      法倫 「おい、お前、何やってんだよ!何やってんだ!!」

    小川の口から取り戻したときには、既に離婚届はボロボロに;

      小川 「やめようよ、離婚なんて」
      法倫 「・・・」



    そうはいっても、すでに律子は再就職先を探したり、法倫は引越しの賃貸マンションを探したり…。

    その一方で、律子はやっぱり6時に目が覚める日々。今、律子と一緒に暮らしてる猪木はゴミ箱に捨てたままの懐中時計が気になってます。



    調停の前日。法律事務所。

      律子 「明日の調停、山本家も浜口家も、全員出席で大丈夫ですね」
      法倫 「再度確認しておきます」

    と、とってもとげとげしい空気の中、桜庭の携帯に恵からのメールが;

       「いい方法、思いついたんだけど」



    場所を改めて、『アントニオ●木酒場』で、桜庭は恵からその「いい方法」を聞いてます。恵から出された提案は、桜庭が法倫のふりをして離婚届の『不受理届』というものを役所に出しておくと離婚届は受け付けてもらなくなるというシステムがあるというのです。

      桜庭 「?よく分からないけど、それたぶん、犯罪で、俺の将来の事考
          えたらまずいんじゃないかな?」
      鈴木 「大丈夫ですよ!絶対弁護士になれないから!」

    信頼ねーの!(^^;)

      桜庭 「・・・」
      鈴木 「まさか、もう離婚届出しちゃったりしてないですよね」



    その頃、佐々木家では離婚届を挟んで;

      法倫 「じゃぁ、敷金はそういうことで」
      律子 「同意します」
      法倫 「君の事務所の出資金は返還すればいいと」
      律子 「異議なし」
      法倫 「これで全て・・だな」
      律子 「・・・」

    弁護士同士の離婚・・・事務的に進んでいくのね…。

    律子はだだっ広い部屋を見て;

      律子 「ねぇ、この部屋ってこんなに広かったっけ?」
      法倫 「ふふふ。散らかす人もいないからな」
      律子 「次はどんな人と結婚するんだろうねぇ」
      法倫 「俺が?」
      律子 「でも、私じゃないってことは確かか」
      法倫 「・・・」

    離婚届には、あとは律子の名前以外は全て記載されてます。

      律子 「私が最後か・・・」
      法倫 「?」
      律子 「名前、最後に書くとさぁ、この離婚、最終的に私が決めました、
          って感じがしない?」
      法倫 「・・・・」
      律子 「・・・」
      法倫 「いいんじゃない?律っちゃんが決めても。もし、離婚に納得し
          ていないなら、納得したときってことでも、俺は構わないって
          いうか・・・」
      律子 「・・・・・・・・・ずるいね、そういうとこ」
      法倫 「えっ?」
      律子 「私は、別れた方が幸せになれる人でしょ?」
      法倫 「・・・・・・・・・・・そうだよ」

    律子は荷物と離婚届を手にして;

      律子 「これ、私、出しとくから。婚姻届は忘れちゃったから、今度は
          ちゃんと出すよ」
      法倫 「そう・・・」
      律子 「じゃぁね♪」
      法倫 「じゃぁ」

    そうして笑顔で律子は出ていった・・・のだけど、家を出たらやっぱり泣いちゃってるのねん。


    猪木の家に戻ってきて(というのかな?)、来週には新しい部屋を決めて出て行くからと猪木に告げてますが。

      猪木 「律っちゃんてさ、いつの間にか早起きになったよね」
      律子 「え?」
      猪木 「必ず6時に1度、目覚めるでしょ?」
      律子 「あ・・・いつも無理矢理起こされてたからねぇ。朝ごはん一緒
          に食べるのがルールだったからクセになっちゃって」

    猪木が律子がゴミ箱に捨てたはずの懐中時計を差し出して;

      猪木 「戻れば?まだ間に合うよ」
      律子 「・・・」

    律子はその懐中時計を受け取るのだけど;

      律子 「私のこと考えて言い出してくれた離婚で、戻りたいって言った
          ら受け入れてくれる・・・と思う」
      猪木 「?」
      律子 「でも、私は、戻ってこいって言われたいの」



    法倫は今日も小川を呼び出してレスリング。

      小川 「律っちゃんが居ない部屋に一人でいたくないんだろ?」
      法倫 「別に、元から居なかったし」
      小川 「時間をもてあますし、家は広すぎるしね」
      法倫 「まぁ、あるはずのものが無くなったんだから、物理的に考えた
          ら当然!」
      小川 「寂しいっていうの、それは!」
      法倫 「???」

    油断した瞬間に、法君、小川に投げられちゃいました。

      小川 「お前さ、律っちゃんがいなくなって、滅茶苦茶寂しいんだよ・・・」
      法倫 「戻ってこいとは言えないよ。もっと幸せになれる人なんだから」



    一方で、子供の取り違え夫婦は・・・
     山本家では、カップラーメンを食べる息子の箸の持ち方を見つめる父親。
     浜口家では、夫と息子の靴紐を見て、涙している母親。


    佐々木夫妻でも、法倫が1人でお酒飲みながら結婚式の写真を見たり、律子は離婚届をじっと眺めてからサインしたり。


    まぁ、この辺でそれぞれの思いが整理されていってるのかな・・・。

  • [そして・・・]

    調停の日・・・桜庭と鈴木は区役所に。本当に不受理届けを出すつもりです。今、順番待ち。


    一方、関東家庭裁判所では、いよいよ山本家,浜口家からの申し立てが行われます。ここで親子関係不存在確認請求が認められたら、完全に親と子ではなくなるわけです。

      裁判官「DNA鑑定でも14年前に親子関係が取り違えられたことは明白
          なんですね」
      法倫 「そうです。この請求が認められた後、本来の親子関係を戸籍上
          に反映させるために、戸籍の訂正の申し立てをするつもりです。
          そのことに関して、山本、浜口、両ご夫妻、賢太郎君、翔太君、
          全ての関係者の同意も完了しております」
      裁判官「異論のある方はいらっしゃいませんか?」

    全員が黙ってますが、馬場がその空気を察して、「何か言いたいことがあるなら言ってもいんですよ」と。その言葉に推されて;

      山本 「この話はなかったことにして下さい」

    と賢介。

      賢介 「俺はお前のことは分からん。だからこの手を離してしまったら、
          永遠に分からなくなってしまうんだ・・・」

    一方で浜口家も;

      アケミ「実はうちもお断りしようと思ってたんです…。見て下さい、二
          人の靴を・・・」

    こちらの親子は二人とも蝶々結びがタテなんですね。やっぱり長く一緒に暮らしているとどうしても似るんです。

    結局、家庭裁判所を両家族は元通りの親子関係で手をつなぎながら帰っていきました。


    その様子を見つめる法倫と馬場。

      馬場 「愛情というのは本当にいたしかたない・・・じゃぁ」

    法倫の肩をポンと叩いて先に帰っていきました。遅れて律子が出てきて、そのあとを追いかける法倫。

      法倫 「区役所?俺も行くよ」
      律子 「いいよ、1人で」
      法倫 「いや、ちゃんと出すかどうか心配だし」
      律子 「・・・じゃぁ、出してきて!」

    そうして離婚届を法倫に差し出す律子だが、法倫がそれを受け取ろうとすると、手を離さないんだな。

      法倫 「何やってんだよ、離せよ」
      律子 「やっぱり自分で出す」
      法倫 「いや、いいから・・・」
      律子 「これはちゃんと自分で出したいから!」
      法倫 「出さなくていいって言ってんだよ!!」
      律子 「?!??!!!」
      法倫 「大体、738時間36分って、日割りにすると40分ちょいっ
          て話なんだよ」

    その程度かい!!(何だか力抜けた(^^;))

      法倫 「そのぐらいだったらまぁ、喧嘩もいいと思わないか?君も本当
          は、戻ってきてもいいかな、って思ってたりするんじゃないの
          か?」
      律子 「誰が!!」

    ここにきても強情な律っちゃん。

      律子 「さぁ、離して!返して!」

    離婚届を引っ張り合ってやぶれちゃうのはお約束。その弾みで律子がこけちゃって、カバンの中からは法倫の懐中時計が転がり出て…;

      法倫 「あれ?それ・・・」
      律子 「たまたま見つけただけだから・・・」
      法倫 「やっぱり本当は戻ってもいいと思ってんだ」
      律子 「よかったらお譲りしますけど」
      法倫 「・・・俺は戻ってこいと思ってるよ」
      律子 「・・・」
      法倫 「ずっと考えてたんだけどさ、思いつかないんだよ・・・・・・
          次に結婚する人が。いろんな人とあの部屋に居ることを想像し
          てみるんだけど、ぴんとこなくて・・・朝起きたら酔っぱらっ
          て、とんでもないところで寝てたり、靴のまま部屋の中に入っ
          たり、脱ぎ散らかしたりした服で山作ったり、ソファーの下に
          携帯隠したり、たまに何だか素っ裸だったり」

    よくこの段階で律子が切れなかったなぁ、とは思ったけど、とにかく;

      法倫 「それでもいつも朝は、目こすりながらテーブルについてくれて。
          そんな人のことを思い出すばかりっていうか・・・その人しか
          思いつかないっていうか」
      律子 「・・・」
      法倫 「だから離婚してもまた結婚んしてくれって言うと思うんだよ」
      律子 「(;O;)」
      法倫 「だとしたら・・・これこそ時間の無駄だと思うんだよ」

    正面向いて;

      法倫 「戻ってきてくれないか」

    手にした懐中時計を法倫に渡して;

      律子 「ただいま」
      法倫 「(^^)」
      律子 「ただいま・・・」

    そうして二人、道のど真ん中で抱き合ってました。人は居ないけど。


    いいなぁ、いいなぁ。法倫(吾郎君)にそんなこと言われたいなぁ〜。(←アホ)

  • [火種]

      ナレ 『こうして離婚騒動は決着をみた』


    区役所では結局、桜庭君は、恵ちゃんが寄りかかって眠ってしまったせいで不受理届けも出せなかったみたいだし。


      ナレ 『が、二人はこのあと、知ることになる』


    家に戻って、懐中時計を大切そうに磨いている法倫。その様子を律子が眺めてます。

      律子 「ねぇ?元の時計って自分で買ったの?」
      法倫 「えっ?」
      律子 「時計屋の人がね、海外じゃなきゃ滅多に手に入らないものだっ
          て言ってたから」
      法倫 「・・・・・・。大学のときの先生にもらったんだよね」
      律子 「本当にそれだけ?」
      法倫 「それだけだよ」
      律子 「間あったもん」
      法倫 「そう?」
      律子 「ちょっと間あったよね?」


      ナレ 『これは戦いの終わりではなく、始まりであったことを。もう一
          度言う、これはとある弁護士夫婦の離婚戦争の記録である』


    幸せそうな法倫と律子なのだけど、その外では、法倫の住んでるマンションを見つめる女性(京野ことみさん)が立っていた。



    こわいよー。これ、サスペンスじゃないよね???(ガクブル)


  • <感想全般>

    最後はハッピーエンド。法倫が律子に「離婚してもまた結婚んしてくれって言うと思うんだよ」なんて言うところでは、思わずウルウル。でも、この展開って、ほとんど最終回っぽい展開じゃなかったですか?まだ3話なのにこの展開、まだまだ先があるってことですかね。『Mの悲劇』みたいに、がらっと違った展開になったりするんでしょうか?

    最後の京野ことみさんも気にいなるし・・・ってこれもまんま『Mの悲劇』だよね・・・。うーん。


    (08.02.10)


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