赤坂ミステリーナイト「七色インコ」

於 赤坂ACTシアター

2000.5.14 Sun 〜 5.30 Tue 全18公演

出演:吾郎君/宮沢りえ/佐戸井けん太/久世星佳 他
原作:手塚治虫(七色いんこ)/演出:落合正幸/脚本:楠田正剛/製作:RUP

こちらは吾郎君の舞台「七色インコ」のレポのページです。吾郎君ファンというだけでお芝居を観に行った人間が書いておりますので、あまり深いことは何も書いておりません(まぁ、もとから深いことを書いた部分はこのHPには無いんですけどねぇ…(苦笑))。毎度の事ながら細かい突っ込みはしないように!(笑)

M E N U

インコ話のまとめ?〜全体的な感想&メインキャストについて      
(00.06.11作成)

   舞台の流れをもう一度振り返ってみよう!〜ストーリー紹介    
(00.06.04作成)

      まずは勢いだけの感想〜観劇直後に感じたこと諸々&小ネタ 
(00.05.28作成)


インコ話のまとめ?(全然まとまって無いちゅーねん!)

先週アップ分は書いているうちに疲れてきてしまって、最後は若干息切れ状態で書いておりました m(_ _)m (最後の方に行くほど説明不足なのはそのためさ!(←開き直ってる…))。あまりインコ話で引っ張るのもなんだけど、今回が最後ということで一部繰り返しの部分もありますがまとめて書きたいと思います(だから全然まとまってない、って・・・)。

まず、全体的には吾郎君の出番が少ないということで、これはファン的にはかなり減点要素でした(^^;)。他の役者さんが悪いと言っているわけじゃないんだけど、吾郎君と他の役者さんとのからみ、というのも楽しみの1つであるわけで、それが今回は少なかった(もしくは弱かった)、というのが残念でならないです。もっとパワーをぶつ合って欲しかったっす。

さらに、パターン化された繰り返しの展開が一番気になりました。笑いを取るシーンでエドモンと辻さんの通訳ネタとかは、もう少し効率よくやって欲しかった。あと、意味はちょっと違うけど、ストーリー的にも繰り返し同じようなことをやっている印象を受けることが度々ありまして、妨害工作とかもやりすぎだし、話が核心に迫りそうなところでまたすぐに戻ったり、見ていて波に乗り損なった感があります。ストーリー上、必須とも思えなかったしね。

そうは言っても、ストーリー的には結構好きです。今回の舞台は原作を読んでから見た方が絶対楽しめたと思っています(というより読んでないとわかりにくいかも(苦笑))。原作と異なった男谷マモルの設定も好きだったし、シラノと洋介との重ね方も良かったかなぁと。本編と劇中劇「シラノ・ド・ベルジュラック」の関係も上手くまとまっていたと思うし、最後のシラノの台詞としてインコ(吾郎君)にあの台詞を言わせるために2時間やってきたのか〜、と思えるぐらい良かったです。そういう意味では「月晶島綺譚」よりも今回の方が(話としては軽いんだけど)泣けました。

手塚ワールドとして見ると どうかということですが、「手塚ワールド」を意識するかどうかって、非常に微妙ですね。私自身は手塚ワールドに深い思い入れは無い方なので(リボンの騎士とか好きだったけど)、あまり意識しなくても良かったんじゃぁ…、という考えでおります。でも、手塚治虫原作とでかでかと出しちゃってるし、かなり意識しての演出だったんでしょうね(安達さんなんてまさしくそのキャラだし)。手塚さんのファンから見て、どーだったかは分かりませんが、今回の舞台は手塚ワールド色が全面に出ていたわけではないけど、手塚さんの精神とかはちゃんと表現されていたんじゃないかなぁ、というのが手塚ファンというわけではない人間から見た場合の感想でした。

結局、とどのつまりが…吾郎君は格好良かった・・・(爆)。
2年連続新作はガラリと様相の違った作品になりましたが、それでも演じるのが吾郎君なんで、後から考えると吾郎君風にかなり脚色されて、似た部分ってあったんでしょうね。ただ、インコについては、私自身が、もっと弾けるか、もしくは苦悩・葛藤するか、というものを期待してしまっていたので、キャラ的には物足りなさも感じましたが・・・。
それにしても、舞台に行くと、吾郎君の大きさを感じます。舞台の経験を積んできているという自信のなせる技なのかもしれませんが、テレビドラマとは違う力強さや、舞台を自らが率いているという頼もしさを感じます。それゆえに、舞台というジャンルでは限られた人しか見れないというのは勿体ないし、悔しいですね(だったら一人で4回も行くなって?)。

テレビドラマでも、舞台の効果もあってか年々、役柄に厚みが増しているような気がしますし、今度の夏ドラの催眠も何か新たな吾郎君が見れるかもという期待があって、そういう意味では楽しみかな?(いや、ドラマの内容そのものも大事なんですけどぉ)

客の入りは、私が行った回は土日と言うこともあってか、毎回、立ち見もあったぐらいでして、ホッと一安心(20,21日には見なかったダフ屋も27日にはいたなぁ、そういえば…)。大成功のうちに舞台は終わったと言っていいんですよね!

ヘ(^^ヘ) (ノ^^) ヘ(^^ヘ) (ノ^^)ノ ヘ(^^ヘ) (ノ^^) ヘ(^^ヘ) (ノ^^)ノ ヘ(^^ヘ) (ノ^^)

最後に、諸々の言葉足らずを補う上で、キャストの方々の補足をば・・・

七色インコ もちろん吾郎君!
吾郎君演じるのが、もちろん主役のインコでございますぅ。原作ではもう少しキザで3枚目で、そうは言っても出来た大人のキャラクター。素顔を最後まで隠しておりまして、カツラ&サングラスの格好が定番。
舞台では吾郎君が演じるだけに、悩める青年像が強調されているように見えます。キザについては、吾郎君風になっているので、多少自意識過剰キャラになっていると言った方が正しいかもしれません(^^;)。当然、カツラ&サングラスは却下。まぁ、最初から最後までインコスタイルをやられた日には、吾郎君を観るというファンの目的が失せちゃう訳で、こればっかりは舞台の解釈が正しいかと・・・。

インコのもう一つの顔、男谷マモルについては、原作ではインコ扮する男谷がいきなり万里子のお見合い相手として登場していますが、万里子は男谷には好意を示すことはありません。舞台での設定は、インコが洋介としての姿を隠して万里子に近づくために扮装した男性という設定になっており、こちらの方は上手く万里子さんに好かれている模様。でも、インコの目的はあくまでも万里子の心の傷を癒すために近づいたのであって、この辺りが舞台版の切ないところ…。なお、舞台では男谷マモルは万里子の回想シーンで幻影としてだけ登場しておりますが、声は吾郎君、姿は他の役者さんがやっていたようです(バックライトで上手く誤魔化してました(^^;))。

インコの過去については原作をほぼ踏襲しております。悪徳代議士鍬形の息子 洋介として、しつけの厳しい、そして愛情の無い家庭で育ち、朝霞一家を父が自分の悪事を隠すために殺害したことを機に家出という設定。ただ、初恋の朝霞モモ子との関係については、原作は相思相愛の仲だったのが、舞台では完全にインコの片思いになっています。そこで、男谷マモルの設定が活きてくるわけで、洋介としてではなく、男谷としてしか近づけない気弱なキャラになっています(^^;)。

千里万里子 宮沢りえさん
ある意味、万里子が一番原作に近いキャラクターかもしれません。基本設定はインコを追いかける刑事さん。とにかく元気はつらつキャラです。ただ、幼い頃、両親を亡くし、過去の本当の記憶を無くしている。原作では万里子の過去の記憶云々について描写される場面は無いのですが、舞台では、それを心の傷として偽りの記憶を作り出していると解釈しています。この辺りはなんとなく催眠チックですね(^^;)。
あと、原作との違いとしては、(両親が死ぬ要因となった)鳥を見ると体が二頭身キャラになるという設定は実現せず!(当たり前だって)。もう一つ、元スケバンのリーダーという設定も見事に消え去っておりました(^^;)。でも、ちょっと見たかったかも…。

小田原 佐戸井けん太さん
原作に登場するキャラでは、一番遊び心が出ていたキャラですね。原作と同じく、千里刑事の部下で、お芝居に詳しい刑事さんという設定なのですが、舞台版では、それが心の底から演劇好きというふうにパワーアップしています(苦笑)。何かにつけて「谷のムーミン社」出身であることが注目され、途中からは、ほとんどただの演劇好きのおじさんになってますからねぇ(苦笑)。佐戸井さん自身のパワーで、それが上手く強調されて、舞台の雰囲気を上手く盛り上げて下さっていたような気がします。

安達つみき 久世星佳さん
原作にない完全オリジナルキャラ。洋介の父 鍬形代議士の秘書という設定。何から何まで知り尽くしている陰の悪役ですね(あちらこちらでされている喩えですが、ヤッターマンのドロンジョっぽいキャラかと…)。とにかく豪快さと上品さとしたたかさとが必要なキャラだけに、久世星佳さんの演技に頼るところの大きいキャラです。
全ての15年前の事件の張本人でインコの過去も何もかも分かっているという、本当に嫌なヤツです(^^;)。最後も結局どうなったんでしょうねぇ…。全ての罪を鍬形に押しつけ、自分は上手く逃げのびたような気がします。

エドモン トロイさん
原作にない完全オリジナルキャラ。今回の舞台 シラノ・ド・ベルジュラックの外国人演出家。故に日本語は最近覚えたという「マジ?」以外、一切話しません(実際には色々と日本語が入っていたような気が…(^^;))。英語しか話さないということで、キャラクターを広げることができなかった惜しいキャラのような気がします。個人的にはインコともっと絡んで欲しかったキャラの一人だったんですが…。

 石坂史朗さん
原作にない完全オリジナルキャラ。エドモンの通訳。基本的には通訳としてしか機能してません(^^;)。エドモンとの迷パートナーといったところでしょうが、個人的にはこの通訳を介したことが舞台のテンポが悪くなった要因の1つだと思っているので、だんだん設定に無駄があるなぁ、と思ったキャラです。ごめんなさい。

内海 河野洋一郎さん
原作にない完全オリジナルキャラ。舞台の主催者。スポンサーと舞台関係者の間に立って困り果てるという、中間管理職的哀愁を持つキャラですね。性格的にも非常に頼りなげで、問題が起きても何一つとして自分で解決はできないという…(苦笑)。まぁ、おかげでインコが引き立つんですけどね。

黒沢 こぐれ修さん
原作にない完全オリジナルキャラ。舞台監督で、通称「クロさん」。江戸っ子肌で、みんなを引っ張っていくというムードのある人。喧嘩っ早いのが欠点か?舞台上ではとにかく叫んでいたという印象の強い人です。広原の役の印象があるので、もっと年輩の方かと思っていました、私…(^^;)。

大岩サダコ 大島蓉子さん
原作にない完全オリジナルキャラ。シラノ・ド・ベルジュラックの舞台で、最初ロクサーヌを演じるはずだった人。とはいえ、ほとんど笑いを取るためだけに用意されたようなキャラクターで、ロクサーヌとは対照的なキャラクターに設定されています。東北出身で、東京に出てきて苦労を積み重ねてきた人だと思われます。月晶島綺譚でいうところの光浦さんの役に位置するキャラですね。

隆一 木下浩之さん
原作にない完全オリジナルキャラ。シラノ・ド・ベルジュラックでクリスチャン役を演じる人。劇団の役者の中で一番元気なお兄さん、という雰囲気。サダコと同じ東北出身で実はサダコとできており、さらに他の女優陣にもできているという超女好きな人(^^;)。

白井 小鈴まさ記さん
原作にない完全オリジナルキャラ。シラノ・ド・ベルジュラックでシラノ役を演じるはずだったひと。舞台始まって間もなく脚を負傷し、さっさと舞台からリタイアしてしまいます。出番が少なくてお気の毒な方です・・・(^^;)。

鍬形代議士
インコの実の父親。舞台では姿を現すことはありません。原作ではこの人が一番の悪者なんですけど、舞台版では何も知らずに安達ら陰のフィクサーの代役として悪役を演じているだけであり、それゆえにそれを知ったインコは舞台後半で激しく動揺することになります。こういう設定って今風なんだろうなぁ、と思うと同時に、この設定が最後のインコの独白に繋がると思うと、舞台化にあたって、成功した変更点といっていいのではないでしょうか?


以上、長々と乱筆覚悟で書きましたが、少しは舞台を見てない方にも伝わったでしょうか?また、見に行かれた方で、それは違うよ〜、等々の指摘事項があれば連絡頂ければありがたいです。m(_ _)m
(00.06.11)

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舞台の流れをもう一度振り返ってみよう!

前回のアップは小ネタ中心でしたが、今回はストーリーを順番に追いかけます。先日のアップを反省し、舞台に行ってない方にも分かるレポを書こう!という心意気だけはあるのですが、なかなか乱筆故にどこまで伝わるのやら・・・。それでもOKという方は読んで下さいましぃ…。

<第一幕> [とあるパーティ会場]
インコの声で舞台「リア王」の台詞が響く。その後に響く拍手喝采の音。

「リア王」の舞台終了後のパーティ会場で、政治家,金持ちたちから給仕に変装して金品を奪うインコ。その後、インコを追って千里万里子と小田原がやってきて、潜入捜査を決意する場面。最後、その話を陰で聞いているインコ。

最初の場面はメインキャストの紹介と言ったところでしょうか?まずはインコが変装して泥棒を働く場面が描かれます。

ここでのりえちゃんは乗馬スタイルのような衣装を身につけています。格好いい!一方の小田原さん、原作ではもう少し若い(というより頼りない)イメージですが、佐戸井さんが演じているためか、長年勤め上げ、ようやく刑事になったというやや年輩の男性像になってます。ちなみにこの小田原さん、学生時代は「谷のムーミン社」に所属し、かなりの芝居通という設定です(^^;)。この万里子と小田原のコンビ、原作に近い関係で、それにコミカルさが加わってなかなかいい感じです。

肝心のインコですが、最初登場した給仕さんは実際には吾郎君以外の役者さんが演じていましたが、その後の泥棒を働くことの大儀をバルコニーの上から述べる場面は、吾郎君が原作そのものの衣装(襟だけが黒の白いジャケット(?)に胸元も白のスカーフ!)で、それは見目麗しいお姿でバルコニーに登場し、そして鮮やかに立ち去ります!ただ、インコが泥棒を働く理由については若干、説得力が弱かったかなぁ。原作は父に対する復讐をするための舞台を得るための資金集めのために泥棒を働いているんですけど、今回の舞台では私服を肥やすだけの政治家,および金持ち達を懲らしめるということが目的のようです。この後のお金の行方って気になるのは私だけでしょうか?
その後、万里子と小田原が立ち去ると、給仕の衣装で中央のテーブルの下から這い出てくるのですが、格好良く白髪のカツラを取り、テーブルにかかっている真紅のテーブルクロスを鮮やかに抜き取り(かくし芸の堺正章氏の芸を思い出して下さい)、それをマントとしてまとうという一連の動作が、ファンサービスですね。

  インコ「七色インコ、はじまり、はじまり!

<第二幕> [シラノ・ド・ベルジュラックの舞台稽古のはずが・・・]
とある劇団(そういや名前ってついてないのかしら?)の舞台シラノ・ド・ベルジュラック稽古中。突然セットが爆破し、主役シラノ役の白井が大怪我をしてしまいます。

この騒動で、今度は舞台関係者の設定が紹介されます。やや気の小さい制作の内海,英語しか話さない演出家 エドモン(何かにつけてすぐに怒ってニューヨークに帰ると言い出す外人),エドモンのイソギンチャクキャラ 通訳の辻さん,気の荒い舞台監督の黒沢(通称クロさん),そして舞台のスポンサー鍬形代議士の秘書 安達(「おーほほほ」との声高笑いが印象的)が登場。それにしても安達さん役の久世星佳さん、非常にテンションが高い…(笑)。

ちなみに、最初にシラノ役を演じるはずだった白井はすぐにケガをしてリタイアしてしまうんですけど、立ち回りも格好よくて、もう少し出番があってもよかったのにぃ、と思ってしまいました、はい。

舞台が中止になると、スポンサーに5億の賠償金を払う義務のある内海のもとに、事態を聞きつけた万里子と小田原がやってきて、代役にインコを起用し、自分たちは研究生として劇団に潜り込むと申し入れます。

演劇はまるで分からない、というより演劇嫌いの万里子と、演劇をやりたくて仕方ない元谷のムーミン社所属の小田原のコンビがおかしい…。刑事のクセして二人が内海さんを丸め込んで研究生として潜り込もうとするときのやり取り;
  小田原「内海さん、あなたはラッキーな人だ!
  万里子「ラッキー!
と言いながら、二人でソーシャルダンス状態で去っていく姿は完全にコメディ(笑)。佐戸井さん、上手いです!安心して見れますね。

ただねぇ、そうは言ってもインコの出てこない場面なんて、正直退屈なんだよ〜。早く出て来い、インコ!

一方、主役リタイアに激怒した外人演出者エドモンは、ただただ「チケット!」と飛行機のチケットを要求。そこにいよいよ登場の七色インコ!どこから白井が怪我をしたという情報をかぎつけてきたのか、自ら代役をかって出ます。

インコのここでの登場は、シラノ役の衣装(羽の付いた黒の帽子&赤いマント!)で、いきなり立ち回りを演じます。しかもちゃんと見得を切りながら(ファンサービス、ファンサービス!(^^;))、黒づくめの男達を相手に、奮闘するインコ。しかし、多勢に無勢とあって背後から何本もの剣を突き立てられ、黒づくめの男達がシラノの帽子とマントを取ると・・・そこには誰もいない。黒づくめの男の一人がさっと帽子を取ると、それは今目の前で消えたインコなのでした。
  インコ「代役を捜しているのでは?よろしければ引き受けますが…
う〜ん、格好いい!

<第三幕> [舞台初日]
団員が集合し、代役の噂話をしているところに万里子と小田原登場。そこに、いよいよインコが登場!

この舞台、インコの登場だけで一体何パターン用意しているのやら…。ここでの登場が一番とぼけたパターンで、スマスマの吾郎君に近いかもしれません。
小田原を代役と勘違いして談義する団員達の中に扮装したインコも混じってます。この時の扮装が、顔にはイナガキのマスク,スタイル的には青のジャージを着たゴロクミちゃん!
  団員 「お前、誰だよ?」
と言われて、ヒョコヒョコと舞台中央にわざわざ進み、来ていたジャージ(というより肉じゅばん?)とマスクを取り;
  インコ「インコです。シラノやります。よろしく
しっかりと、変装を取った後は上着の襟元を整える仕草を入れて、思いっきり二枚目ぶってます。ここの衣装は一番最初の原作通りのインコスタイルです。もう少し、この衣装、じっくり味わいたかったわ…。
そして、ポーズを決めるだけ決めて、そのまま何も言わずに立ち去るインコ。生だよ、生!生変装だよ!!(笑)

インコ、稽古用の衣装に着替えて再々…登場。手にした剣を万里子につきつけ、いきなりの対決です。

今度は上着を脱いでブラウス姿で登場 (これはまたツボな衣装だわ(*^^*)←こればっか)。万里子との戦いの後、そこで万里子に向かって「何かに怯えている」などと宣うインコ(これがこの舞台のキーワードの1つなんですねぇ)。一方の小田原さんには、
  インコ「素直な俳優の目をしている…」(笑)
これに無邪気に大喜びする小田原さん。人の心をつかむのが上手いインコ君です(笑)

で・・・いきなりエドモンの提案によりみんなでワークショップをすることに!ここでみんなの心は1つになります(笑)。しかし、万里子は生まれる前の母親のお腹の中にいるマイム(トマトのマイム)をすることに怯える。それを敏感に感じ取るインコ:「何をそんなに怯えていたの?」

ワークショップ…よく分からないけど、与えられたある状況を、即興でイマジネーションを働かせて演じる…ってことなのかしら?とにかく、このワークショップは笑えます。かなり笑えます。
2つのワークショップがありまして、1つめはみんなで「いかだ下り」。全員(もちろんインコも千里も小田原も)で何故か無表情で筏を漕ぐマイムを熱演?!途中、小田原が筏から落ちたり、助けるにもワニが近づいてきたりして小田原を置いて一斉に逃げ出したり(^^;)、それを必死に小田原が泳いで追いかけたり、最後は助けられた小田原が;
  小田原「どうもありがとうございました
キチンと土下座してお礼を言ったりして、エドモンも感動ものです(さすがムーミンSHOW!)。

2つめは「トマト」のマイム(えっ、トマト?)。トマトの生涯を演じるのに怯える万里子の代わりにインコが代わってマイムをはじめます。メキシコの太陽を浴びて成長するトマトを無言で演じるインコ。なんとなく表情が無邪気(?)で可愛い…それでいてやることをやっているトマト君がツボ。

続いては、安達とインコのご対面!安達さん、インコという言葉になにやら思い当たる節がある模様だけど、ここではまだ内緒。そこにタイミング良く(?)、大御所(笑)、ロクサーヌ役の女優サダコが登場です。嵐のようにサダコ達が去り、インコと万里子の二人のシーンに移ります。

安達さんとのやり取りで、話の核心が見えるか?と思ったら、サダコがやってきたりして、今回の舞台はこうやってすぐに話を逸らされてしまうことが多かったような気がします。1回だけならいいんですけど、繰り返されちゃうと、ちょっとねぇ…。

それにしても、ロクサーヌ=サダコの迫力って・・・(東北訛の役者さんで、とにかく迫力があるとだけ申しておきましょう…(笑))。それを見て、小田原だけでなくインコまでもが呆然。それでも、万里子に冷やかされて「私と組めばどんな女優だって絶世の美女となる」と自意識過剰な発言をイナガキasインコに言わせるなんて、落合さん,樫田さん、ありがとうございますぅ(笑)。

引き続きインコと万里子の二人のシーンで、インコは「役者」について万里子に語りはじめます。そしてインコが立ち去り、一人になった万里子は目の前に何人もの自分の姿が現れます。怯える万里子ですが、恋人 男谷マモルの言葉「僕たちはお互いに傷を持っている.落ち着いて.ゆっくりと…」を想い出し、勇気づけられます。

万里子に役者について語るインコですが、万里子はまだインコを受け入れることはしません(泥棒なんだから当然なんですけど)。その代わりに万里子の心を支える男性として回想シーンで登場するのが男谷マモル。まぁ、原作を知っている方は既にネタバレなんですけど、この男谷マモル=インコなわけで、従ってこの男谷マモルの言葉は吾郎君のスイートヴォイスが場内に流れます。何から何までありがとうございますぅ、落合さん…(笑)。

<第四幕> [舞台稽古開始]
場面は打って替わって劇中劇。顔にコンプレックスを持つシラノ(インコ)と、言葉にコンプレックスを持つクリスチャン(隆一)が二人でロクサーヌを愛する決意し、月明かりの夜、ロクサーヌ(サダコ)に向かってバルコニー下から愛の告白をするシーンのリハーサルです。

ここはシラノ役ということで、黒の帽子に赤いマント(当然、付鼻もね)でのご登場!!本来シリアスな場面になるはずが、サダコさんの魅力のおかげで完全に笑いを取るシーンになってます(苦笑)。クリスチャンに会うためにバルコニーから飛び降りようとするロクサーヌことサダコに、別の意味で「いけません、いけません」と早口で押しとどめ、さらに、あまりに酷いロクサーヌに、
  インコ「どうしたらいいんだ!
      どうしたらロクサーヌを魅力的な女性に見せられるんだ(;o;)

と頭を痛めるインコがお茶目。
さらにはロクサーヌのいないところで、ロクサーヌに当たるライトを調整することでなんとかしてロクサーヌを魅力的に見せようと思案するインコとクロさん&小田原のやり取りがおかしい (こういうインコといろんな役者さんと個別に絡んだシーンをもっと見たかったです)。しかしそんなインコの苦労もエドモンの盲目的なサダコへの崇拝を前にして見事玉砕してしまったのでした…(笑)。

そこに登場の安達。サダコをロクサーヌ役にするなら舞台は中止だと叫ぶ。それに対しインコはいきなり万里子を指して
  インコ「彼女がロクサーヌをやります!
というわけで、満場一致でロクサーヌは万里子に決まったのでした〜(パチパチパチ)。って万里子一人だけはお怒りモードなんだけどね。

まぁ、本番目前にはっきり言って無茶苦茶な設定なんですけど、舞台ってそんなことはどーでも良いというか、なんというか…(苦笑)。これってインコの思惑通りに事が運んでいってるってこと?(苦笑)

万里子の方も、いきなりロクサーヌ役を振られて動揺しているというよりも、サダコさんとイメージがダブることで採用されたという事の方がショックだったりするという…(苦笑)

一方の小田原さんは万里子がロクサーヌ役に決まったことに大喜び!納得しない万里子に;
  小田原「目を覚ませよ!そんなこと言ってるから
      いつまでたっても端役専門の役しか来ないんだよ〜
」(絶叫)
と万里子の両肩をつかんでの説得。佐戸井さん熱演です!

インコはカンペ替わり舞台の台本を床に配置し、万里子の稽古を始めようとします。反発する万里子は、その憤りをエドモンの用意した本番用の鼻(全長数メートル?(笑))に向け、蹴り折ってしまいます。エドモンは怒り、舞台中止の危機が…というピンチをインコが救います。これをきっかけにインコの舞台を愛する心に触れ、万里子も少しずつインコに心を開き始める?

最初はとにかくロクサーヌ役をやることに万里子さん反発 (--;)!!
その後、インコやクロさんも加わって、ロクサーヌ役をするように追い詰められていく万里子は思わず巨大シラノ鼻を脚でバキッ
  万里子「普通あんなんじゃ折れないでしょう!
  インコ「いやいや、あれは折れるって…
というインコの突っ込みがナイスです。鼻が折れた云々で大騒ぎしているエドモン達の横で、一人黙々と、巨大鼻を自分の鼻にあててみたり、両手で長さを測ってみたりとリサーチをしているインコがお茶目。その鼻の代役としてインコが用意したのは、転がっていた壊れた椅子の脚…(笑)。椅子の脚を手に取り
  インコ「エドモン!アイ アム シラノ?
とピノキオの鼻ようにやってのけるインコ様のボケぶりはなかなかなものでございますぅ。それでもエドモンが「Not bad.」なーんて言ったものだから、他のみんなも椅子の脚を持って繋げる繋げる…(笑)。こうしてエドモンの期限も上機嫌になり、万里子の危機は去ったのでした。

この後はインコと万里子の二人っきりのシーンに移り、一番落ち着いて見れる二人のシーンかな?&舞台のすばらしさを語るインコの姿がやっぱり吾郎君自身とだぶって見ちゃうなぁ。

そして安達とインコの対峙。インコは鍬形が15年前、鍬形の悪事を暴こうとした新聞記者を殺害した事実を安達に告げます。それに対し、安達はインコの正体〜その鍬形の息子の鍬形洋介であるという事実をつきつける…。

最初、ぶっ飛びキャラで登場の安達さんですが、徐々に黒幕の雰囲気を出してきます。自分の生まれを隠して生きてきたインコはそれを安達に指摘され、悩み、苦しみます。この場面の最後のインコがハムレットの台詞を用いて自分の父を憎む気持ちを独白しますが、吾郎君のこういう台詞が聴けるのは今回の舞台ならではですね。

場面は一転し、
  万里子「つまり、私はそのお方に恋い焦がれているのでございます
万里子がシラノにクリスチャンへの思いを伝えるシーンの練習を始めています。それを横に立ってアドバイスをするインコ。ロクサーヌとシラノの関係と万里子とインコの関係をダブらせて聞くと、ちょっと切ない二人のやり取りです。

この前のインコと万里子の二人のシーンから、ライトの当たり方だけで場面の切り替えが行われてます。この演出、ひそかに好きなんです、私。しかも、ここのりえちゃんがきれいなんだわ。静まり返った舞台で、スポットライトが当たり、まずは淡々と、インコのアドバイスのあとは感情を込めた語りをします。二人の役柄を通したやりとりが静かなシーンの中で、とても素敵です。

何者かが万里子を襲い、腕に怪我をしてしまいます。さらには馬までが逃げ出し、またまた激怒のエドモン。ここでもインコの機転により、なんとか持ち直します。

シラノの舞台は今回は本物の馬を使うことが見せ場の一つだったのに、その馬が逃げた!…そこでインコは:
  インコ「エドモン、ルックミー
万里子のしている包帯を取り、それを・・・小田原さんの首に掛けるインコ!
  インコ「パッカ パッカ パッカ ・・・
小田原さんを馬に見立て、駆けるインコ。またまたエドモン、お気に入りのご様子で、その他の劇団員も同じように馬を作って駆け出します。完全に、みんなインコのペースになってます(笑)。

まだまだ続く妨害工作。衣装までぼろぼろに切り裂かれ、ますます窮地に。あきらめムードの漂う中、舞台監督のクロさんの背後から怪しげな催眠術(?)をかけるインコ。
  クロさん「俺が今から作ってやるよ!」
って、もう幕が開くまでそんなに時間ないじゃん・・・(苦笑)。

こんなところで、「催眠」ネタを使うなんて・・・(落合さん、それは公私混同ですよ〜!(^^;))。

しつこく続く妨害工作(さすがにちょっとやりすぎだ)。トドメはメインのセット、ロクサーヌのバルコニーが破壊!
  インコ「今から1時間でセットを作り直すのに何人の大工が必要ですか?
費用は自らが出すといい、インコの檄で再度、開幕に向けて一同、盛り上がります。
  小田原「感動だぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」(笑)

ここで、いつの間にやら劇団の中心にいて、劇団を率いている格好になっているインコ。この辺もついつい吾郎君自身とインコの姿とダブらせてみちゃうんだ、これが・・・。2年連続で新作をやって、こういう感じで舞台を作り上げてきてるのかなぁ、とか思ったり。

さすがに万里子もインコの舞台に対する情熱を目の当たりにして、インコの舞台に対する純粋さを実感します。インコに向かって;
  万里子「やめればいいのに、泥棒なんて…
この後、万里子を襲ったのはロクサーヌ役を降ろされたサダコの仕業だったことが判明。サダコから今回の事件の首謀者あの女が地下の電気室いると聞いたインコは急ぎ電気室に向かいます。いよいよ舞台は佳境に!

<第五幕> [舞台裏の電気室]

地下の電気室にやってきたインコは銃を持っている安達に追いつめられます。そこで安達の口から真実の全てを聞かされるインコ。鍬形のやってきた悪事は全て回りのブレーンがやってきたことであり、鍬形本人は何も知らないと…。
そこに万里子がやってきて、インコを助けるか?と思ったら二人揃って安達の罠にはまって大ピンチ!!

あまりにも無防備に飛び込みすぎなんだよ、インコ…(涙)。ここはせめて鍬形さんに変装していくとか、インコならではの方法で対抗しなきゃ。『七色の顔と七色の声を持つ』という設定は何処に?

地下に取り残されたインコと万里子。鍬形の悪事についてインコに問いただす万里子は、本当の自分〜自分の過去の記憶を取り戻します。自分は15年前に殺された新聞記者 朝霞和男の娘 モモ子であると。そしてインコは、万里子に男谷マモルは実はインコにとってのクリスチャンであり、自らの思いをモモ子に伝えられなかった鍬形洋介はシラノだったということをうち明けます。
  インコ「僕にとって君はずっとロクサーヌだった…

やっぱりここは見せ場です。万里子が記憶を取り戻す場面、りえちゃん、頑張ってます。それを非常に辛い表情でただ聞いているだけのインコ。そして万里子への気持ちがピークに達したときに万里子を抱きしめるシーンなんてたまんないっす。
インコに抱かれて、りえちゃん、本当に涙、流すんだよねぇ。女優さんってやっぱりすごいわ。その涙が本当にきれいで、切なくて、一気に万里子に感情移入。

七色インコ、最期の舞台。万里子に「もっと生きようよ!」と叱責され、インコにとってのロクサーヌだけは…万里子だけは助ける決意をするインコ。最期に万里子に自分の父親への懺悔の言葉と、万里子への洋介としての愛の言葉を残し、万里子を爆風から避けられる位置に非難させ、生きるか死ぬか、自らは安達の用意した爆弾に飛び込んでいきます。
  インコ「どれだけの威力を持っているか知らない。だけど爆発は一回きりだ!
      七色インコ、生きるか死ぬか、最期の舞台だ!

麻袋を担いで、防爆用の壁を万里子の前に築いていくインコ (ふらつく演技が微妙…(^^;))。あと、危機の乗り切り方が若干分かりにくかったりもするんですけど、この際そんなことはどーでもよくって(^^;)、一気に引き込まれちゃいます。

<第六幕> [シラノの舞台]

ボロボロになったシラノのマントを纏い、深く帽子を被って客席にいる父に向かって訴えるインコ。父の悪業を暴く一方で、
  インコ「俺だけは、いや、貴様の息子だけは・・・
父親への懺悔の気持ちを込めて、最後は優しく語りかけるインコ。
そして、最後は恋する人〜ロクサーヌへの思いを一気に、情熱的に叫び続けるインコ。

もうねぇ、ホント、泣くよ、このシーン(TOT)。舞台の上は吾郎君一人だけの独白シーン。このシーンだけでもチケット代金の元はとったわ…と思った私。ディープ山崎君の時はもう声が枯れ枯れだったように記憶しているのだけど、後半のロクサーヌへの愛を語る台詞なんて、情熱的でたくましさも加わってかなり良いです!ドラマなんかでは絶対に見れない吾郎君の力強さを感じます。

そして・・・バルコニーからロクサーヌを演じる万里子の声が;
  万里子「そのお声は、クリスチャンではなく、あなただったのですね…
マントを脱ぎ捨てロクサーヌのもとに駆け上がっていくインコasシラノ。お互いの愛情を確認して、ハッピーエンドで舞台は終わります。う〜ん、感動だぁ。

最後は素直にハッピーエンドと解釈していいんだよね…。二人抱き合って、本当にきれいな終わり方でした。

(00.06.04)

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まずは勢いだけの感想

七色インコの舞台、行ってきました。以下、とりあえず見たままのことを…。

20日昼の部
公演の場所は赤坂ACTシアター。地下鉄の駅前の劇場で、土地勘の無い人間にとっては非常にありがたい場所にあります。ただ、建物は若干、ちゃっちいような…(思わず仮設の劇場かと思ってしまいましたよ、ホント)。でも、劇場の壁面一杯に「七色インコ」の文字と吾郎君とりえちゃんの顔写真が飾られていました。いよいよ来たぞ!という感じ。
会場内は各方面から贈られた花が飾られています。やっぱり吾郎君への花が多い…。佐野史郎さんから届いていた花のネームプレートが吾郎君とりえちゃんと落合さん宛に手書きで書かれていたのが印象的。
開演前の場内には「海のトリトン」の音楽(オーケストラVer.)が流れていたりして、原作が手塚漫画だけのことはあるわ…、と思いながらパンフと台本を購入して着席(ちなみに併せて3,500円!)。パンフレットに寄せられていた文、吾郎君には去年「月晶島〜」で共演のホシ・ヒロシさんでした。
20日昼は25列目の真ん中あたりで観劇…かなり後ろの方でもあり、見えづらい、聞きづらい(涙)。また、最初は先入観無しに見ようと思って望んだこともあり、とにかくストーリーを追いかけるのに必死。そのため、あまり細かいところまで見ている余裕が無かったです(苦笑)。
で、先入観無しに舞台を見た直後の感想。怒られるかもしれないけど、全体的に(特に前半は)テンポがちょっと悪かったような気がしました。もう少し間を詰めた方がいいなぁと思うシーンがあったり、笑いを取るシーンでも同じことの繰り返しがしつこかったりとか、舞台の妨害についてもちょっとやりすぎかなぁ、と。
その上、吾郎君の出て無いシーンが長い!しかも出ていても傍観者だったりして、ちょっと悲しい…。もっと他の共演者との絡みがみたかったです。「月晶島〜」での羽場さんとか山崎さんとかのやり取りが素敵だったので、今回もそういうのを期待していたところがあったのかもしれません。あとストーリー的にも、もっとインコを追い詰めていって欲しかったなぁ、という部分で物足りなさが残ってしまいました(まぁ、今までの舞台がディープだったという話もありますけどね)。


20日夜の部
6列目舞台向かって右手で観劇…昼の公演とはうって変わって前の席。ただし舞台向かってかなり右よりということもあって、吾郎君の立ち位置は若干少な目、さらには角度的には見えにくいシーンもあり、ちょっと辛かった。ただ、昼の公演で内容を予習していたためか、昼に感じたようなテンポの悪さはあまり感じなくなりました(こっちがメリハリをつけて見ていたからかもしれませんが…(苦笑))。
この回はインコと吾郎君をダブらせて見てしまいまして、インコの舞台への思い「舞台の上だったら何だってやる」と万里子に語るシーンで一気にじわっと来てしまいました。実際、この舞台、最後の30分あたりはほとんど吾郎君とりえちゃんだけのシーンになるんですけど、ここが本当に素敵なんですね。万里子が記憶を取り戻し、インコが自分の思いを万里子に伝えるシーンと、その後の劇中劇でシラノを演じながら自らの思いを自分の父と、万里子に伝えるシーン。さすがに引き込まれてしまい、このシーンはかなりお腹が一杯になります。
(それにしても前から6列目でも双眼鏡で見つめ続けていた私って…)

以下、20日夜の小ネタ;
「七色インコ はじまり!」の前のテーブルクロス(ヨッ、かくし芸!)のシーンが成功し、昼の講演では無かった拍手が客席から響きました…(夜の講演は客のノリがよかったかも?!(^^;))。このため、吾郎君、次の台詞のタイミングをちょっと躊躇していたような気が…(苦笑)。

「りえちゃんと揃ってやる億のポーズ」で、吾郎君、バランスを崩して階段から一歩落ちてました。りえちゃんも思わず笑いが…。頑張れ、インコ!

「カーテンコール」は拍手が鳴りやまず、昼の部の全員揃っての2回のカーテンコールに対し、1回増えて宮沢さんと2人での登場して下さいました(嬉しい!!)。場内スタンディングです。


21日昼の部
9列目今度は舞台向かって左手での観劇。右寄りで見るのと左寄りで見るのって、全然違う舞台を見ているみたい…右寄りの席ではわかりにくかった部分がよく分かり、印象がガラッと変わっりました(苦笑)。
前日まで気づかなかった、インコの立ち回りシーンでの早変わり、この段階になってようやく入れ替わったタイミングが分かったという私は大歩危野郎です(苦笑)。

この回は、少し千里刑事に肩入れして見ていたこともあってか、宮沢さんが吾郎ちゃんの腕の中で抱かれながら涙を流すのを見て、さすがにうるうる着てしまった私…(本当に涙を流すんですよねぇ、女優さんって)。さらにトドメとして、吾郎君の最後の長台詞、シラノのロクサールへの独白の台詞に圧倒され、本当に泣いてしまった。回りは全然、涙なんて流してなかったのに、舞台が終わって場内のあかりがついてから急に恥ずかしくなってしまいました。吾郎君のあの力強い台詞、古典口調がさらにはまっていて、本当にすばらしかったです。

以下、21日昼の小ネタ;
「万里子が鼻を折るシーン」客席にまで折れた鼻がコロコロと…(笑)。

「ぺら5回」についてはこれまで答えられなかったのが、今回はちゃんと指を折って数え、インコ見事に正解!

「カーテンコール」では20日の夜に引き続き、今回も最後に宮沢さんと2人で登場。しかも、普段、愛想の無い吾郎君には珍しく、会場に向かってお手振りがありました(笑)。ここでも場内スタンディングオベーション。私も自然とその一員に加わっておりました。


27日昼の部
私にとっての最後の観劇は3列目舞台向かって左寄りの座席です。6列目でもかなり前だと思ったけど、3列目はさすがに近い!
4回目の観劇になると、さすがに笑う場面は完全には笑えなくて、出演者の方々には申し訳ないかなぁ、と思いながら観ることになってしまいました(でも、笑っちゃったけど)。
私にとっての最後の舞台、今回は吾郎君にほれ直して帰って来ました(笑)。「部分的にでも合わせたいのですが…」と言って、ブラウスに衣裳替えしての再々々…登場のシーン、まだメイクもヘアスタイルも崩れていない段階で見た吾郎君の美しさに思わず息を飲んでいまいました。今更ながらなんだけど、こんな感想を抱くとは思っていなかったので自分でもびっくりしています。
ところで吾郎君、髪、切った?ちょっとすっきりしていたような…。もしかしたら最初からあのヘアスタイルだったのかもしれないけど、だったら今頃気づいた私って、完全におバカ…。

この公演は、改めてインコの舞台にかける思いにひかれて見てました。この舞台、インコと万里子の過去に関する話とインコの舞台に対する思いと2つの話が柱になっていますが、インコの舞台に対する思いを中心にしてみると、インコと吾郎君および出演者の気持ちがダブって見えてくる。そういう意味では今回の舞台はちょっと不思議な気分。

以下、27日昼の小ネタ;
「テーブルクロス」のシーンは、テーブルクロスを引っ張る前に、吾郎君かなり客席を意識して、じっと見ます。かなり癖になってきたな、吾郎君…(^^;)。当然、見事、成功した後は、場内拍手!!

生変身「インコです。シラノやります。よろしく」のシーン、胸元のスカーフがほどけておりました。それでもちゃんとスカーフに少し手をやってポーズを決めて立ち去っていきました(^^;)。

「トマトのワークショップ」は一つネタが追加!やっちゃった相手妊娠しちゃうというマイムが追加されてます。それを自分じゃないと必死に否定するインコ!かなりかわいい。
さらにその後、小田原さんが自らのトマトのマイムをインコに見せるシーン、ちょっと長くなってるなぁ、と思って見ていると、それを見ていたインコが一言;「アートだ!!!」。これって稲垣芸術館のパロですか?(関東方面の方、フォロ please)。

そうそう、トマトのマイム、最初は「芽を出して>メキシコの暑い太陽を浴びて>隣にいるきれいなトマトに一目惚れして>キスして>やっちゃって>結婚式で花嫁さんのヴェールを取って口づけをかわし>赤ん坊をあやして>老人になって>食べられそうになって>きゅうりになった」が「・・・>やっちゃって>相手のトマトのお腹が大きくなって>『えっ、俺、俺じゃないよ〜』と必死に否定し>赤ん坊をあやして>・・・」となっております。(結婚式のシーンが抜けちゃってるのね…)

万里子と揃ってやる「5億」のポーズ、20日夜の公演で一段落ちちゃったためか、今回、心なしか下の方の段でポーズを決めていたような…(これはもしかしたら気のせいかもしれません)

「万里子が鼻を折るシーン」今回も客席にまで折れた鼻が…。21日に比べて派手に転がっていまっす(笑)。

ワークショップの「野田秀樹」さんネタ、カンニングの「北村総一朗」さんネタは私が見た限りはずっと変わらず。最後まで変わらないのかしら?

「カーテンコール」3回はもう定例なのかな?3回目、二人で登場し、まずはりえちゃんが一歩前に出て客席に挨拶。しかしその隙にイナガキ、意地悪をして舞台後方に下がります。挨拶が終わって一人にされたこに気づいたりえちゃん、あわてて吾郎君の手を取って前に引っ張り出します。さらに吾郎君が挨拶をする前、りえちゃんが手に持っていた紙吹雪(おそらくラストシーンで上から降ってくる紙吹雪を持っていたものと思われる)を巻き上げてくれて、その二人の雰囲気が非常に楽しそうでした。

(00.05.28)

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