舞台の流れをもう一度振り返ってみよう!
前回のアップは小ネタ中心でしたが、今回はストーリーを順番に追いかけます。先日のアップを反省し、舞台に行ってない方にも分かるレポを書こう!という心意気だけはあるのですが、なかなか乱筆故にどこまで伝わるのやら・・・。それでもOKという方は読んで下さいましぃ…。
<第一幕> [とあるパーティ会場]
インコの声で舞台「リア王」の台詞が響く。その後に響く拍手喝采の音。
「リア王」の舞台終了後のパーティ会場で、政治家,金持ちたちから給仕に変装して金品を奪うインコ。その後、インコを追って千里万里子と小田原がやってきて、潜入捜査を決意する場面。最後、その話を陰で聞いているインコ。
最初の場面はメインキャストの紹介と言ったところでしょうか?まずはインコが変装して泥棒を働く場面が描かれます。
ここでのりえちゃんは乗馬スタイルのような衣装を身につけています。格好いい!一方の小田原さん、原作ではもう少し若い(というより頼りない)イメージですが、佐戸井さんが演じているためか、長年勤め上げ、ようやく刑事になったというやや年輩の男性像になってます。ちなみにこの小田原さん、学生時代は「谷のムーミン社」に所属し、かなりの芝居通という設定です(^^;)。この万里子と小田原のコンビ、原作に近い関係で、それにコミカルさが加わってなかなかいい感じです。
肝心のインコですが、最初登場した給仕さんは実際には吾郎君以外の役者さんが演じていましたが、その後の泥棒を働くことの大儀をバルコニーの上から述べる場面は、吾郎君が原作そのものの衣装(襟だけが黒の白いジャケット(?)に胸元も白のスカーフ!)で、それは見目麗しいお姿でバルコニーに登場し、そして鮮やかに立ち去ります!ただ、インコが泥棒を働く理由については若干、説得力が弱かったかなぁ。原作は父に対する復讐をするための舞台を得るための資金集めのために泥棒を働いているんですけど、今回の舞台では私服を肥やすだけの政治家,および金持ち達を懲らしめるということが目的のようです。この後のお金の行方って気になるのは私だけでしょうか?
その後、万里子と小田原が立ち去ると、給仕の衣装で中央のテーブルの下から這い出てくるのですが、格好良く白髪のカツラを取り、テーブルにかかっている真紅のテーブルクロスを鮮やかに抜き取り(かくし芸の堺正章氏の芸を思い出して下さい)、それをマントとしてまとうという一連の動作が、ファンサービスですね。
インコ「七色インコ、はじまり、はじまり!」
<第二幕> [シラノ・ド・ベルジュラックの舞台稽古のはずが・・・]
とある劇団(そういや名前ってついてないのかしら?)の舞台シラノ・ド・ベルジュラック稽古中。突然セットが爆破し、主役シラノ役の白井が大怪我をしてしまいます。
この騒動で、今度は舞台関係者の設定が紹介されます。やや気の小さい制作の内海,英語しか話さない演出家 エドモン(何かにつけてすぐに怒ってニューヨークに帰ると言い出す外人),エドモンのイソギンチャクキャラ 通訳の辻さん,気の荒い舞台監督の黒沢(通称クロさん),そして舞台のスポンサー鍬形代議士の秘書 安達(「おーほほほ」との声高笑いが印象的)が登場。それにしても安達さん役の久世星佳さん、非常にテンションが高い…(笑)。
ちなみに、最初にシラノ役を演じるはずだった白井はすぐにケガをしてリタイアしてしまうんですけど、立ち回りも格好よくて、もう少し出番があってもよかったのにぃ、と思ってしまいました、はい。
舞台が中止になると、スポンサーに5億の賠償金を払う義務のある内海のもとに、事態を聞きつけた万里子と小田原がやってきて、代役にインコを起用し、自分たちは研究生として劇団に潜り込むと申し入れます。
演劇はまるで分からない、というより演劇嫌いの万里子と、演劇をやりたくて仕方ない元谷のムーミン社所属の小田原のコンビがおかしい…。刑事のクセして二人が内海さんを丸め込んで研究生として潜り込もうとするときのやり取り;
小田原「内海さん、あなたはラッキーな人だ!」
万里子「ラッキー!」
と言いながら、二人でソーシャルダンス状態で去っていく姿は完全にコメディ(笑)。佐戸井さん、上手いです!安心して見れますね。
ただねぇ、そうは言ってもインコの出てこない場面なんて、正直退屈なんだよ〜。早く出て来い、インコ!
一方、主役リタイアに激怒した外人演出者エドモンは、ただただ「チケット!」と飛行機のチケットを要求。そこにいよいよ登場の七色インコ!どこから白井が怪我をしたという情報をかぎつけてきたのか、自ら代役をかって出ます。
インコのここでの登場は、シラノ役の衣装(羽の付いた黒の帽子&赤いマント!)で、いきなり立ち回りを演じます。しかもちゃんと見得を切りながら(ファンサービス、ファンサービス!(^^;))、黒づくめの男達を相手に、奮闘するインコ。しかし、多勢に無勢とあって背後から何本もの剣を突き立てられ、黒づくめの男達がシラノの帽子とマントを取ると・・・そこには誰もいない。黒づくめの男の一人がさっと帽子を取ると、それは今目の前で消えたインコなのでした。
インコ「代役を捜しているのでは?よろしければ引き受けますが…」
う〜ん、格好いい!
<第三幕> [舞台初日]
団員が集合し、代役の噂話をしているところに万里子と小田原登場。そこに、いよいよインコが登場!
この舞台、インコの登場だけで一体何パターン用意しているのやら…。ここでの登場が一番とぼけたパターンで、スマスマの吾郎君に近いかもしれません。
小田原を代役と勘違いして談義する団員達の中に扮装したインコも混じってます。この時の扮装が、顔にはイナガキのマスク,スタイル的には青のジャージを着たゴロクミちゃん!
団員 「お前、誰だよ?」
と言われて、ヒョコヒョコと舞台中央にわざわざ進み、来ていたジャージ(というより肉じゅばん?)とマスクを取り;
インコ「インコです。シラノやります。よろしく」
しっかりと、変装を取った後は上着の襟元を整える仕草を入れて、思いっきり二枚目ぶってます。ここの衣装は一番最初の原作通りのインコスタイルです。もう少し、この衣装、じっくり味わいたかったわ…。
そして、ポーズを決めるだけ決めて、そのまま何も言わずに立ち去るインコ。生だよ、生!生変装だよ!!(笑)
インコ、稽古用の衣装に着替えて再々…登場。手にした剣を万里子につきつけ、いきなりの対決です。
今度は上着を脱いでブラウス姿で登場 (これはまたツボな衣装だわ(*^^*)←こればっか)。万里子との戦いの後、そこで万里子に向かって「何かに怯えている」などと宣うインコ(これがこの舞台のキーワードの1つなんですねぇ)。一方の小田原さんには、
インコ「素直な俳優の目をしている…」(笑)
これに無邪気に大喜びする小田原さん。人の心をつかむのが上手いインコ君です(笑)
で・・・いきなりエドモンの提案によりみんなでワークショップをすることに!ここでみんなの心は1つになります(笑)。しかし、万里子は生まれる前の母親のお腹の中にいるマイム(トマトのマイム)をすることに怯える。それを敏感に感じ取るインコ:「何をそんなに怯えていたの?」
ワークショップ…よく分からないけど、与えられたある状況を、即興でイマジネーションを働かせて演じる…ってことなのかしら?とにかく、このワークショップは笑えます。かなり笑えます。
2つのワークショップがありまして、1つめはみんなで「いかだ下り」。全員(もちろんインコも千里も小田原も)で何故か無表情で筏を漕ぐマイムを熱演?!途中、小田原が筏から落ちたり、助けるにもワニが近づいてきたりして小田原を置いて一斉に逃げ出したり(^^;)、それを必死に小田原が泳いで追いかけたり、最後は助けられた小田原が;
小田原「どうもありがとうございました」
とキチンと土下座してお礼を言ったりして、エドモンも感動ものです(さすがムーミンSHOW!)。
2つめは「トマト」のマイム(えっ、トマト?)。トマトの生涯を演じるのに怯える万里子の代わりにインコが代わってマイムをはじめます。メキシコの太陽を浴びて成長するトマトを無言で演じるインコ。なんとなく表情が無邪気(?)で可愛い…それでいてやることをやっているトマト君がツボ。
続いては、安達とインコのご対面!安達さん、インコという言葉になにやら思い当たる節がある模様だけど、ここではまだ内緒。そこにタイミング良く(?)、大御所(笑)、ロクサーヌ役の女優サダコが登場です。嵐のようにサダコ達が去り、インコと万里子の二人のシーンに移ります。
安達さんとのやり取りで、話の核心が見えるか?と思ったら、サダコがやってきたりして、今回の舞台はこうやってすぐに話を逸らされてしまうことが多かったような気がします。1回だけならいいんですけど、繰り返されちゃうと、ちょっとねぇ…。
それにしても、ロクサーヌ=サダコの迫力って・・・(東北訛の役者さんで、とにかく迫力があるとだけ申しておきましょう…(笑))。それを見て、小田原だけでなくインコまでもが呆然。それでも、万里子に冷やかされて「私と組めばどんな女優だって絶世の美女となる」と自意識過剰な発言をイナガキasインコに言わせるなんて、落合さん,樫田さん、ありがとうございますぅ(笑)。
引き続きインコと万里子の二人のシーンで、インコは「役者」について万里子に語りはじめます。そしてインコが立ち去り、一人になった万里子は目の前に何人もの自分の姿が現れます。怯える万里子ですが、恋人 男谷マモルの言葉「僕たちはお互いに傷を持っている.落ち着いて.ゆっくりと…」を想い出し、勇気づけられます。
万里子に役者について語るインコですが、万里子はまだインコを受け入れることはしません(泥棒なんだから当然なんですけど)。その代わりに万里子の心を支える男性として回想シーンで登場するのが男谷マモル。まぁ、原作を知っている方は既にネタバレなんですけど、この男谷マモル=インコなわけで、従ってこの男谷マモルの言葉は吾郎君のスイートヴォイスが場内に流れます。何から何までありがとうございますぅ、落合さん…(笑)。
<第四幕> [舞台稽古開始]
場面は打って替わって劇中劇。顔にコンプレックスを持つシラノ(インコ)と、言葉にコンプレックスを持つクリスチャン(隆一)が二人でロクサーヌを愛する決意し、月明かりの夜、ロクサーヌ(サダコ)に向かってバルコニー下から愛の告白をするシーンのリハーサルです。
ここはシラノ役ということで、黒の帽子に赤いマント(当然、付鼻もね)でのご登場!!本来シリアスな場面になるはずが、サダコさんの魅力のおかげで完全に笑いを取るシーンになってます(苦笑)。クリスチャンに会うためにバルコニーから飛び降りようとするロクサーヌことサダコに、別の意味で「いけません、いけません」と早口で押しとどめ、さらに、あまりに酷いロクサーヌに、
インコ「どうしたらいいんだ!
どうしたらロクサーヌを魅力的な女性に見せられるんだ(;o;)」
と頭を痛めるインコがお茶目。
さらにはロクサーヌのいないところで、ロクサーヌに当たるライトを調整することでなんとかしてロクサーヌを魅力的に見せようと思案するインコとクロさん&小田原のやり取りがおかしい (こういうインコといろんな役者さんと個別に絡んだシーンをもっと見たかったです)。しかしそんなインコの苦労もエドモンの盲目的なサダコへの崇拝を前にして見事玉砕してしまったのでした…(笑)。
そこに登場の安達。サダコをロクサーヌ役にするなら舞台は中止だと叫ぶ。それに対しインコはいきなり万里子を指して
インコ「彼女がロクサーヌをやります!」
というわけで、満場一致でロクサーヌは万里子に決まったのでした〜(パチパチパチ)。って万里子一人だけはお怒りモードなんだけどね。
まぁ、本番目前にはっきり言って無茶苦茶な設定なんですけど、舞台ってそんなことはどーでも良いというか、なんというか…(苦笑)。これってインコの思惑通りに事が運んでいってるってこと?(苦笑)
万里子の方も、いきなりロクサーヌ役を振られて動揺しているというよりも、サダコさんとイメージがダブることで採用されたという事の方がショックだったりするという…(苦笑)
一方の小田原さんは万里子がロクサーヌ役に決まったことに大喜び!納得しない万里子に;
小田原「目を覚ませよ!そんなこと言ってるから
いつまでたっても端役専門の役しか来ないんだよ〜」(絶叫)
と万里子の両肩をつかんでの説得。佐戸井さん熱演です!
インコはカンペ替わり舞台の台本を床に配置し、万里子の稽古を始めようとします。反発する万里子は、その憤りをエドモンの用意した本番用の鼻(全長数メートル?(笑))に向け、蹴り折ってしまいます。エドモンは怒り、舞台中止の危機が…というピンチをインコが救います。これをきっかけにインコの舞台を愛する心に触れ、万里子も少しずつインコに心を開き始める?
最初はとにかくロクサーヌ役をやることに万里子さん反発 (--;)!!
その後、インコやクロさんも加わって、ロクサーヌ役をするように追い詰められていく万里子は思わず巨大シラノ鼻を脚でバキッ。
万里子「普通あんなんじゃ折れないでしょう!」
インコ「いやいや、あれは折れるって…」
というインコの突っ込みがナイスです。鼻が折れた云々で大騒ぎしているエドモン達の横で、一人黙々と、巨大鼻を自分の鼻にあててみたり、両手で長さを測ってみたりとリサーチをしているインコがお茶目。その鼻の代役としてインコが用意したのは、転がっていた壊れた椅子の脚…(笑)。椅子の脚を手に取り
インコ「エドモン!アイ アム シラノ?」
とピノキオの鼻ようにやってのけるインコ様のボケぶりはなかなかなものでございますぅ。それでもエドモンが「Not bad.」なーんて言ったものだから、他のみんなも椅子の脚を持って繋げる繋げる…(笑)。こうしてエドモンの期限も上機嫌になり、万里子の危機は去ったのでした。
この後はインコと万里子の二人っきりのシーンに移り、一番落ち着いて見れる二人のシーンかな?&舞台のすばらしさを語るインコの姿がやっぱり吾郎君自身とだぶって見ちゃうなぁ。
そして安達とインコの対峙。インコは鍬形が15年前、鍬形の悪事を暴こうとした新聞記者を殺害した事実を安達に告げます。それに対し、安達はインコの正体〜その鍬形の息子の鍬形洋介であるという事実をつきつける…。
最初、ぶっ飛びキャラで登場の安達さんですが、徐々に黒幕の雰囲気を出してきます。自分の生まれを隠して生きてきたインコはそれを安達に指摘され、悩み、苦しみます。この場面の最後のインコがハムレットの台詞を用いて自分の父を憎む気持ちを独白しますが、吾郎君のこういう台詞が聴けるのは今回の舞台ならではですね。
場面は一転し、
万里子「つまり、私はそのお方に恋い焦がれているのでございます」
万里子がシラノにクリスチャンへの思いを伝えるシーンの練習を始めています。それを横に立ってアドバイスをするインコ。ロクサーヌとシラノの関係と万里子とインコの関係をダブらせて聞くと、ちょっと切ない二人のやり取りです。
この前のインコと万里子の二人のシーンから、ライトの当たり方だけで場面の切り替えが行われてます。この演出、ひそかに好きなんです、私。しかも、ここのりえちゃんがきれいなんだわ。静まり返った舞台で、スポットライトが当たり、まずは淡々と、インコのアドバイスのあとは感情を込めた語りをします。二人の役柄を通したやりとりが静かなシーンの中で、とても素敵です。
何者かが万里子を襲い、腕に怪我をしてしまいます。さらには馬までが逃げ出し、またまた激怒のエドモン。ここでもインコの機転により、なんとか持ち直します。
シラノの舞台は今回は本物の馬を使うことが見せ場の一つだったのに、その馬が逃げた!…そこでインコは:
インコ「エドモン、ルックミー」
万里子のしている包帯を取り、それを・・・小田原さんの首に掛けるインコ!
インコ「パッカ パッカ パッカ ・・・」
小田原さんを馬に見立て、駆けるインコ。またまたエドモン、お気に入りのご様子で、その他の劇団員も同じように馬を作って駆け出します。完全に、みんなインコのペースになってます(笑)。
まだまだ続く妨害工作。衣装までぼろぼろに切り裂かれ、ますます窮地に。あきらめムードの漂う中、舞台監督のクロさんの背後から怪しげな催眠術(?)をかけるインコ。
クロさん「俺が今から作ってやるよ!」
って、もう幕が開くまでそんなに時間ないじゃん・・・(苦笑)。
こんなところで、「催眠」ネタを使うなんて・・・(落合さん、それは公私混同ですよ〜!(^^;))。
しつこく続く妨害工作(さすがにちょっとやりすぎだ)。トドメはメインのセット、ロクサーヌのバルコニーが破壊!
インコ「今から1時間でセットを作り直すのに何人の大工が必要ですか?」
費用は自らが出すといい、インコの檄で再度、開幕に向けて一同、盛り上がります。
小田原「感動だぁ〜〜〜〜〜〜〜〜!!」(笑)
ここで、いつの間にやら劇団の中心にいて、劇団を率いている格好になっているインコ。この辺もついつい吾郎君自身とインコの姿とダブらせてみちゃうんだ、これが・・・。2年連続で新作をやって、こういう感じで舞台を作り上げてきてるのかなぁ、とか思ったり。
さすがに万里子もインコの舞台に対する情熱を目の当たりにして、インコの舞台に対する純粋さを実感します。インコに向かって;
万里子「やめればいいのに、泥棒なんて…」
この後、万里子を襲ったのはロクサーヌ役を降ろされたサダコの仕業だったことが判明。サダコから今回の事件の首謀者あの女が地下の電気室いると聞いたインコは急ぎ電気室に向かいます。いよいよ舞台は佳境に!
<第五幕> [舞台裏の電気室]
地下の電気室にやってきたインコは銃を持っている安達に追いつめられます。そこで安達の口から真実の全てを聞かされるインコ。鍬形のやってきた悪事は全て回りのブレーンがやってきたことであり、鍬形本人は何も知らないと…。
そこに万里子がやってきて、インコを助けるか?と思ったら二人揃って安達の罠にはまって大ピンチ!!
あまりにも無防備に飛び込みすぎなんだよ、インコ…(涙)。ここはせめて鍬形さんに変装していくとか、インコならではの方法で対抗しなきゃ。『七色の顔と七色の声を持つ』という設定は何処に?
地下に取り残されたインコと万里子。鍬形の悪事についてインコに問いただす万里子は、本当の自分〜自分の過去の記憶を取り戻します。自分は15年前に殺された新聞記者 朝霞和男の娘 モモ子であると。そしてインコは、万里子に男谷マモルは実はインコにとってのクリスチャンであり、自らの思いをモモ子に伝えられなかった鍬形洋介はシラノだったということをうち明けます。
インコ「僕にとって君はずっとロクサーヌだった…」
やっぱりここは見せ場です。万里子が記憶を取り戻す場面、りえちゃん、頑張ってます。それを非常に辛い表情でただ聞いているだけのインコ。そして万里子への気持ちがピークに達したときに万里子を抱きしめるシーンなんてたまんないっす。
インコに抱かれて、りえちゃん、本当に涙、流すんだよねぇ。女優さんってやっぱりすごいわ。その涙が本当にきれいで、切なくて、一気に万里子に感情移入。
七色インコ、最期の舞台。万里子に「もっと生きようよ!」と叱責され、インコにとってのロクサーヌだけは…万里子だけは助ける決意をするインコ。最期に万里子に自分の父親への懺悔の言葉と、万里子への洋介としての愛の言葉を残し、万里子を爆風から避けられる位置に非難させ、生きるか死ぬか、自らは安達の用意した爆弾に飛び込んでいきます。
インコ「どれだけの威力を持っているか知らない。だけど爆発は一回きりだ!
七色インコ、生きるか死ぬか、最期の舞台だ!」
麻袋を担いで、防爆用の壁を万里子の前に築いていくインコ (ふらつく演技が微妙…(^^;))。あと、危機の乗り切り方が若干分かりにくかったりもするんですけど、この際そんなことはどーでもよくって(^^;)、一気に引き込まれちゃいます。
<第六幕> [シラノの舞台]
ボロボロになったシラノのマントを纏い、深く帽子を被って客席にいる父に向かって訴えるインコ。父の悪業を暴く一方で、
インコ「俺だけは、いや、貴様の息子だけは・・・」
父親への懺悔の気持ちを込めて、最後は優しく語りかけるインコ。
そして、最後は恋する人〜ロクサーヌへの思いを一気に、情熱的に叫び続けるインコ。
もうねぇ、ホント、泣くよ、このシーン(TOT)。舞台の上は吾郎君一人だけの独白シーン。このシーンだけでもチケット代金の元はとったわ…と思った私。ディープ山崎君の時はもう声が枯れ枯れだったように記憶しているのだけど、後半のロクサーヌへの愛を語る台詞なんて、情熱的でたくましさも加わってかなり良いです!ドラマなんかでは絶対に見れない吾郎君の力強さを感じます。
そして・・・バルコニーからロクサーヌを演じる万里子の声が;
万里子「そのお声は、クリスチャンではなく、あなただったのですね…」
マントを脱ぎ捨てロクサーヌのもとに駆け上がっていくインコasシラノ。お互いの愛情を確認して、ハッピーエンドで舞台は終わります。う〜ん、感動だぁ。
最後は素直にハッピーエンドと解釈していいんだよね…。二人抱き合って、本当にきれいな終わり方でした。
(00.06.04)
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