ゴロウ・デラックス'17年12月放送分

 

'17年12月放送分
第277回放送
17.12.07
第278回放送
17.12.14
第279回放送
17.12.21



♪番組の説明

祝・7年目突入!!『ゴロウ・デラックス』とは…?
SMAPで一番おしゃべり好きの稲垣吾郎がMCを務める業界唯一無二のブックバラエティ
毎週1冊(課題図書)、巷で話題の本からベストセラーまで様々なジャンルの本を深く紹介!!
さらに、
大御所作家先生からまだテレビに出ていないニューキャラまで幅広いゲストをお迎えし、トークする番組。


 

第279回放送 '17.12.21 24:58〜
【ゲスト】瀬尾 まなほ・瀬戸内 寂聴 【課題図書】「おちゃめに100歳! 寂聴さん」

オープニング。

吾郎:こんばんは。
外山:こんばんは。さぁ、今年最後のゴロウ・デラックスなんですけど。
吾郎:そうなんですねぇ。今年もいろいろとお世話になりました。
外山:本当ですね。ありがとうございます。そんな今夜に
吾郎:はい。
外山:ふさわしい方々がお客様です。
吾郎:はい。
外山:あの方はですね、4年ぶりに出演して下さるんですよ、ゴロウ・デラックスに。
吾郎:もう4年経ちますか?
外山:そうなんですって。
吾郎:へぇ。まぁでも、久々にお会いするので楽しみですね。

今夜のゲストは瀬戸内寂聴さんと瀬尾まなほさん。どうしてもネームバリューでいくと寂聴さんがメインっぽく思ってしまいますが、今夜の課題図書「おちゃめに100歳! 寂聴さん」は寂聴さんの秘書である瀬尾まなほさんか書かれた本。ということで、今夜のメインゲストは瀬戸さんとなります。瀬戸さんは25歳で寂聴さんの秘書をされ、仕事だけでなく身の回りの世話もずっとされてきた方。寂聴さんの素顔やお二人の関係が書かれてます。

吾郎:これ寂聴さんの秘書というのはどういうことをされるんですか?お仕事というのは?
瀬戸:まぁ、あの…、作家としての執筆活動のスケジュールを組んだり、締め切りの催促をしたりとか、出版社とのやり取り、出張するときのスケジュールを組んだり、交通手段を確保したりとか。
吾郎:やること多いですね。
瀬戸:そうですね。あと、(出版社に)謝らなきゃいけないですよねぇ〜、締め切り守らないから。
寂聴:(笑)
瀬戸:(こっちは)「すいません、すいませんって」謝るけど、(寂聴さんは)笑ってるんですよねぇ…
寂聴:(大笑)


特に締め切り日あたりにそういう光景が見られるようで、吾郎さんがそんな瀬戸さんと寂聴さんのやり取り(バトル)の様子が書かれた部分を朗読しました。バトルというか、瀬戸さんの愚痴と言いますか(笑)

瀬戸:ありがとうございま〜す。
吾郎:生き生きとした、本当、こんな感じなんですか?
寂聴:いつも怒ってますよ。
瀬戸:するとすっごい嬉しそうなんですね、私が怒ってるとまた怒ってるみたいな顔をしてすごく嬉しそうなんですよ。
寂聴:電話の前でね、お辞儀しながら「すいません、すいません」って。ざまぁ見ろって思う(笑)
瀬戸:何かいつもざまぁ見ろってって思ってて、私が意地悪されてたり、嫌なことされると喜んでるんですよ。
寂聴:あははは(笑)
吾郎:友達ですよね。でも、視聴者の方もびっくりなんじゃないですか?だって寂聴さんが、ねぇ、このようなお若い秘書がいるって知らなかった・・・
寂聴:66の年の差がありますからね。

瀬戸さんは、そもそもは、知り合いの紹介で寂聴さんの下で働くことになったそうですが、その前に寂聴さんが面接をされたそう。決め手は“文学少女ではなかったところ”だそうで、あくまでも寂聴さんのイメージでは文学少女は掃除も片付けもダメだと(汗)。面接をしたら瀬戸さんは本を全く読まない方だったそうで、寂聴さんのこともほとんど知らなかったんだそうです。それがよかったんですね。


こ こでVTR紹介。京都にある寂庵を訪問します。そこは寂聴さんの自宅兼事務所になっている場所ですが、つまりそこが瀬戸さんの仕事場であったりもします。日々、お忙しい寂聴さんですが、瀬戸さんからはダメ出しばかりです(笑)。それもまたいい関係の証拠なのでしょう。


瀬戸さんが働き始めてから3年(2013年)、瀬戸さんが25歳、寂聴さんが91歳の時に、その当時、寂聴さんの元で働いていたスタッフが瀬戸さん以外全員辞めてしまうという事件が発生しました。

寂聴:それまで(スタッフが)5〜6人居たんですよ、ずっとね。ある時、一番古い人がね、改まってやってきてね「ちょっとお話がございます」なんて言うから、「あ、なぁに?」ってったらね、さすがにこの頃ね、私のことをね歳を取ったと思うってね。それでもね、自分では気づかないでね、昔のようにたくさん仕事をしてるけどね、結局、働くのはね、私達ね、従業員を養わなきゃいけないからねお金がいるんだって。だからね、これ以上ね、働かすのも辛いって言って、そう言うんですよ。そのためにはね、私たちが辞めます。本当にね、涙を流してそう言ってくれたの。だからね、感動しましたね、同時に皆が辞めた。
吾郎:辞める方々も本当に苦渋の選択でいろんな思いがあったでしょうねぇ。
外山:そうだと思います。
寂聴:だから全く前とは違う生活ですよね。

そうなると、瀬戸さんが一人ですべてをやらないといけないということになります。身の回りの世話と仕事の切り盛りと、それらを瀬戸内寂聴という名前を背負ってやっていけなくてはいけないという葛藤があったようです。とはいえ、寂聴さんはできると思ったからお願いしたと。そこが信頼でしょうか…。


ただ、その後、寂聴さんには闘病生活が襲ってきます。2014年に圧迫骨折・胆のうがんの手術、2017年には心臓・足のカテーテル手術・・・そんな療養中も瀬戸さんの支えがありました。晩年の寂聴さんがこうしているのはすべて瀬戸さんのおかげだと寂聴さんはおっしゃってました。



さて、課題図書に話を戻すと、本の中には『先生に結婚式に出てもらいたい』という瀬戸さんの言葉があります。

寂聴:無理よね。
吾郎:無理ですか?!
外山:何でですか?
寂聴:もうだってね、なかなか結婚しないでしょ?だからね、この本のお祝いの会をするのね。だからそれでね結婚式と代えようと思って。
瀬戸:勝手に(笑)。勝手に結婚決めてるんですよ。
寂聴:
外山:いや(笑)。吾郎さんとか素敵じゃないですか?
吾郎:何でですか(汗)
寂聴:えっ、独り?!
外山:そうですよ。
寂聴:独り?!
吾郎:今日一番すごいリアクションしましたね。
寂聴:そう?!!!
吾郎:僕独りなんですよ、先生。どうしましょう?
寂聴:ああ、女たらしだから独りなの?
吾郎:違います、違います。
外山:そうなんですか?あははは(笑)
寂聴:(笑)
吾郎:そういう時期もあったかもしれません。最近は・・・(汗)
寂聴:ああ、独り?知らなかった。
吾郎:あ、ちょっと僕を見る目が変わりましたね。どうですか、まなほさんに僕みたいな相手は?
寂聴:どうですか?
瀬戸:ぜひぜひ!
寂聴:ああ〜(笑)
吾郎:オンエアしよう!
寂聴:そしたら結婚式間に合うね。
外山:そうですね、そういうことになりますね。


そして、番組最後にこんな質問を。

外山:まなほさんにとって、寂聴さんはどんな存在かというのを伺いたいですね。
瀬戸:そうですね、ひと事では言い表せないんですけど、やっぱり私の最強の味方かなとは思います。この世で本当に瀬戸内がいるだけで、不安もかき消されていくし、悩みも解決できるし、前向いていける。本当に私の最強の味方だなと思います。
寂聴:
外山:心強すぎる味方ですよね。
瀬戸:そうですね。
吾郎:寂聴さんにとってはまなほさんとは?
寂聴:私ももうね、あの…死ぬときにね、どっか遠くにお嫁に行ってて会えないかなぁと思うんですね。できたら死に目にそばにいてもらいたいと思うんですね。
瀬戸:初めて聞きました、嬉しいです。
外山:素敵な関係…。



最後は山田君のハンコ。寂聴さんと瀬戸さんのツーショット作品でした。



(17.12.31 up)



 

第278回放送 '17.12.14 24:58〜
ゲスト:清川 あさみ 【課題図書】「千年後の百人一首」

外山:こんばんは。
吾郎:こんばんは。
外山:さぁ、今夜は写真に刺しゅうを施す作品などで有名なアーティストの方がゲストです。
吾郎:ねぇ、僕も写真集とかは拝見したことはあったんですけども、まぁ、今回はですね、実物が見れるので。
外山:そうなんです。
吾郎:実物ってまた違いますもんね。

今夜のゲストは清川 あさみさん。写真をベースにしてその上に刺しゅうを施す作品を作るアーティスト。額縁に納まる作品だけでなく、映像、広告、空間デザインと多岐にわたって活躍されてます。
作品集『美女採集』では、美女を動物や植物にたとえて表現されてます。
スタジオにはその『美女採集』の作品をいくつか持ってきて頂きましたが、これまでに200名程度。その方の映像やSNSなんかも見ながらイメージを膨らませていくんだそうです。
スタジオに持ってきて下さった作品は栗山千明さん、壇蜜さんをモデルにした作品。躍動感ある動きをした栗山千明さんの写真がベースとなってます“カマキリ”にたとえて表現されてます。

吾郎:ああ、やっぱり綺麗だねぇ〜。
清川:カマキリってメスがオスを食べてしまうぐらい逞しい生き物というか。
吾郎:うん。
清川:千明さん自身はすごく優しくて、とってもいい人なんですが、本番になるとそれぐらい逞しさを発揮される方。
吾郎:何か分かる気がします。男気あるというか。
清川:そうそうそう。
外山:あ、そうなんですか?!
吾郎:言っちゃ悪いけど。結構、さばさばしてて。男前なんですよ。
外山:へぇ〜。

吾郎:栗山さんって、ひそかに思ってたんだけど、すっげー手が長いんですよ。すごい美しいなと思ってて。でも、何かそれを言うと気持ち悪いおじさんと思われたら嫌だから。
外山:あははは(笑)
吾郎:「千明ちゃんって手長いよね」って言ってないんだけど。だからすごくこのポージングさせてるのも、何かそういうのもあったのかなぁと思って。
清川:あ、そうなんです。

壇蜜さんをモデルにした作品は、なまめかしく横たわっている姿の上に刺しゅうされてます。人の心にじわーーっと侵略していくイメージだとか。

一方、男性をモデルにした作品も制作されていて、スタジオに用意して頂いたのは松尾スズキさん、隈研吾さんがモデルの2作品。いずれもお札の肖像がのようなモノクロの写真がベースとなっていますが、これは歴史上の人物になぞらえて撮影したものだとか。松尾スズキさんは杉田玄白になぞらえてますが、刺しゅうでガイコツが松尾さんの姿に重なって施されてます。隈研吾さんは松尾芭蕉、ワビサビの空気感を表現するためか、竹林が刺しゅうされてます。


そうかと思えば、同じく写真+刺しゅうアートで絵本製作もされていて、これは子供の頃に読んだ名作を現代アートで蘇らせたいという思いから。そのシリーズの1つが今回の課題図書『千年後の百人一首』。タイトルからわかるように百人一首をモチーフに、カルタ絵 札の部分を清川さんが制作されてます。ちなみに歌の部分は詩人・最果タヒさんが現代版に書き下ろしされてます。

清川:百人一首って、最果さんもよく駆使してるSNSっぽくないですか?
外山:ああ、短い文章で何かを伝えるみたいな?ああ。
吾郎:Twitterとか…
清川:無かった頃に、あの、歌の良いし悪いでその人の能力が全て試されたり。それで思いを伝えたりとか。
吾郎:もしかしたら現代に通じるものがあったりとか。だからこそこれをまた現代的に解読して表現していくと面白いよねぇ〜。
外山:ねぇ?
清川:面白いなと思って。

スタジオに並んだのは百人一首をモチーフにしたこの課題図書に収録されている6作品、オンエア上では次の4作品について紹介していきます。

小野小町
花の色は移りにけりないたづらに
わが身世にふるながめせしまに
この作品を清川さんは平安女性の十二単と長髪をイメージさせるデザインで作品を彩ってます。その十二単から除く素足がドキドキします。百首の中でこの作品を一番最初に制作されたようで、最も百人一首らしい作品を作ろうとされたそうです。

蝉丸
これやこの行くも帰るも別れては
知るも知らぬも逢坂の関
行きかう人を見て、世の中の無常を感じて詠んだ歌。それを現代風に置き換えると、清川さんの頭の中で思い浮かんだのは渋谷のスクランブル交差点。ぼかしていますが、作品の下半分には東京の景色が。そして上半分には金魚が泳いでいて無常観を表現されているのだとか。

これに対して最果さんが現代版に置き換えた詩を書かれてるわけですが、特に二人で打ち合わせをして作品に取り組んだわけではなかったそう。ただ、結果的に出来上がった作品はとてもアートと詩が合ったものとなってます。

導因法師
思いわびさても命はあるものを
憂きに堪えぬは涙なりけり
こちらの歌は80歳で出家した導因法師が恋愛について詠んだ歌。

清川:男性の恋愛のテーマは大きいなぁ、と思って。人生を語るくらい。
吾郎:ロマンチックだなぁ、昔の人は。
清川:あれっ?
吾郎:あれっ?
清川:昔の人はですね。
吾郎:いやいやいやいや。人にもよるだろうけど。
清川:そうですねぇ。
外山:何かでもさ、この人きっと遊んでたんでしょうね、昔はね。
清川:あははは(笑)
吾郎:何言ってんの?
外山:何かそんな気がする。
吾郎:いや、そんな気がする。
外山:うん。
吾郎:僕も読んでて思った。
外山:ね?
吾郎:遊んできた男が80になって気づいたみたいな。
外山:最終的にやっぱり、そうですよ。
清川:気づいて、振り返って、でも、本当にうまくいかなかったんですよ。
外山:ねぇ?
吾郎:でも、あるよね、そういうのって。ずーーっと引きずってる恋とかってあるよね?
清川:ありますか?
外山:あるんですか?
吾郎:あるあるある。
外山:へぇ〜
清川:やっぱり長いですか?
吾郎:やっぱりそれとは別のフォルダに納まってるよね?
外山:別に後悔しているわけじゃなくって?ってことですよね?
吾郎:うん。
清川:覚えてる?
吾郎:覚えてる。でも、それが何か成就されたり、何か、叶ったら、今の自分はいないわけだし。
外山:まぁ、ねぇ・・・。吾郎さんが出家する日が来るかもしれない。
吾郎:・・・。
清川:ふふふふ(笑)。
吾郎:でも、この絵(清川さんの作品)があることで、余計またそういう発想が出てくるからね。
外山:そうですね。
吾郎:僕もなんかこの(作中の)トンネル(のような模様)の向こうに自分の過去が、今、思い浮かんだんで。
外山:ねぇ?(過去に)行けそうですもんね、何か。
吾郎:思い出しちゃった、あの恋のことを。
外山:ああ、そうですか〜。
清川:ふふふ(笑)。
吾郎:オンエアして、オンエアして!

順徳院
百敷や古き軒端のしのぶにも
なほあまりあるむかしなりけり
順徳院が戦に敗れ、佐渡に流され、貴族の世の終わりを偲んで詠んだ歌だと。1つの時代の終わりを詠んだものであるものの、それはまた新しいものが生まれることを意味することでもあり、清川さんはその様子を、全体に薄暗く影があるものの、様々な色の蝶が飛んでいる華やかな絵で表現されてます。

その蝶は、当時の貴族の思いを意味するのか、はたまた、この歌は今回の本の最後に収録されていることもあり、100の歌の思いが詰まったものなのか、見る人によってさまざまな印象を受けるものとなっています。


と、ここで、唐突ですが、外山さんより;

外山:吾郎さんに嬉しいお知らせがあるんですけど。

との発言が。何でも清川さん、わざわざゴロウ・デラックスとコラボをして下さるというお話が。

吾郎:ありがとうございます。どんなコラボレーション?
清川:あの(吾郎さんの)頭の中をすごい覗いてみたいなと。
外山:ああ!わかります!
清川:と思いまして、あの、宿題があります。
吾郎:宿題?はい、先生。
清川:稲垣さんが思う、今、最も美しいなと思っている人か物か1日をそれを写真に切り取ってきてもらいたいんです。
吾郎:わかりました。
清川:ただ単純に『綺麗〜♪』って撮るんじゃないですよ。何で綺麗なんだろう?って深読みしそうな深読みしそうな美しい写真を撮ってきて欲しい。
吾郎:わかりました!いや、すごい嬉しい。
清川:人でもいいです。
吾郎:どうします、自分でこうやって(自撮りポーズ)。
外山:私もこうやって映してる吾郎さんが浮かんだんですけど(笑)
清川:えっ?(笑)
吾郎:それはそれでいいじゃん!
外山:いいですよ。
吾郎:ダメじゃないでしょ?
清川:それはそれでいいです。
外山:(笑)
吾郎:すっごい楽しい!
清川:あはは(笑)。えっ、今ですか?

さて、収録としてはここで一旦終了なので、山田君のハンコで〆。

   :
   :
  (4週間後)
   :
   :

清川さんの作品が完成しました。スタジオに布をかけられた状態で作品が用意されてます。

外山:どんなものを送ったんですか?
吾郎:僕はですね、こちらの写真で、ま、ただの空なんですけど。
外山:綺麗。夕日?
吾郎:ヒロ君と一緒に長野県に行った時に、その・・・、元々ゴルフ場があった場所から見た夕焼け。
外山:へぇ〜!
吾郎:はい。


この写真をベースに清川さんが刺しゅうを施していきます。その様子がVTRで紹介されてます。写真に刺しゅうといっても、しっかりしたパネルに写真をプリントしたものに針を刺していくという感じですかね。

スタッフ:最初に吾郎さんのお写真を受け取った時、どう思いました?
清川:きた写真がイメージ通りでした、吾郎さんの。ふふふ(笑)。『すべて自分がすごい綺麗だなと思ってるものには光が当たってる』って。光は影があるから美しく光るのではないかという話をされてたんですよ。それ(光と影)をこの作品に出そうかなと。
スタッフ:コンセプトはズバリ、何でしょうか?
清川:影があるから光があるっていう点で、まさに吾郎さんだなって思ったから、吾郎さんの自画像ってことにしようかなと思って。

最初、吾郎さん自身が自撮りしてたら・・・みたいな話をしてましたが、くしくも作品の中に吾郎さん登場(笑)

吾郎:やっぱり、光と影だな、テーマは。僕の好きなものは全部光が必要なので。
外山:へぇ〜。
吾郎:でも、楽しみです。でも、ちょっと気になったけど、自画像って・・・おっしゃってくれてましたね?
外山:では、あのお写真がどうなったのか、見てみましょう!こちらです!!!

と言いながら、外山さんが除幕をしようとしたものの、引っかかってしまい、除幕がNG(爆笑)

外山:あれっ?!
吾郎:ちょっとちょっと!!!
外山:(笑)。ごめんなさい、もう1回やりましょう。
吾郎:何考えてんの?
外山:あははは(笑)
外山:(改めて)さぁ、見てみましょう、こちらです!じゃん!!

元の写真は山の向こうに沈む夕日。その写真に対して、夕日から何かが飛び出しているような、そしてその飛び出しているものを眺めている吾郎さんの横顔という作品。吾郎さん自身はスパンコール?でキラキラしてるというのも特徴的です。

吾郎:うわぁ〜!
外山:うわぁ〜!キラキラしてる!清川さん、すごい!
吾郎:すごい!いやすごいね!あ!あ!顔がある。自画像だ!
外山:吾郎さん、横顔!
吾郎:横顔がいた!何かこういう気持ちで見ていた僕の表情だし。
外山:へぇ〜。
吾郎:ま、横にヒロ君がいたんですけどねw
外山:はいはい。
吾郎:この空を見た時に僕はこういう気持ちになっていました。
外山:う〜ん!
吾郎:清川さんと今、すごくこう、何か、うまく共鳴しあってる感じがして、嬉しいですね。
外山:ねぇ、吾郎さん、本当に素敵な作品ですね。
吾郎:はい。清川さん、本当にありがとうございました。


(17.12.24 up)



 

第277回放送 '17.12.07 24:58〜
ゲスト:西村 京太郎 【課題図書】「十津川警部 予土線に殺意が走る」

オープニング。

吾郎:こんばんは。
外山:こんばんは。さて今夜は日本トラベルミステリー界のレジェンドの西村京太郎先生をお招きしております。
吾郎:はい。どんな方なんでしょうねぇ〜。
外山:ねぇ?
吾郎:楽しみですけど。
外山:そうですね。
吾郎:う〜ん♪
外山:(スタジオに)ちょっと人が多いですね、いつもより。
吾郎:そう。このスタジオの緊張感がね。
外山:ふふふ(笑)

西村京太郎さんと言えば、説明が不要なぐらい有名な小説家さんですが、これまでに596作品(2017年10月末現在、累計発行部数2億部)もになるということで、スタジオには作品すべてを並べたパネル(本棚風)まで登場。ちょっとスタジオが隠れるぐらいの大きさになっちゃってます。

吾郎:へぇ〜、すごいなぁ・・・。全部頂戴。
外山:あははは(笑)

ってことで、さっそく、西村さんとのトークがスタートです。

外山:ご紹介します。今夜のゲスト、西村京太郎さんです。
吾郎:よろしくお願いします。
西村:ありがとうございます。
外山:(番組冒頭に出てきた作品名が並んだパネルを見ながら)ねぇ。
吾郎:圧倒されてしまいますね。
外山:ねぇ、固めてねぇ、ご覧になって…?
吾郎:こうやってまとめて見られることは無い・・・?
西村:全然ない。書きすぎですよ。書きすぎ。
吾郎:いやいや。書きすぎと言えば書きすぎですけど(笑)
外山:あははは(笑)
西村:自分でも思ってる。

と、西村さんの代表作と言えば、十津川警部のシリーズ。いわゆる2時間ドラマも数多く作られている人気シリーズですが、今回はその十津川警部シリーズの最新作『十津川警部 予土線(ローカル線)に殺意が走る』です。
内容は世界的イベント開催者 東海元(とうかいはじめ)とそこに渦巻く陰謀を描いたミステリー。予土線と言えばホビートレイン(新幹線ひかりの0系もどき列車が有名(笑))で、そのホビートレインについて書かれた部分を外山さんが朗読。

吾郎:これがね、ちょっとキーワードになってくんですよねぇ、今回は。
外山:(本の表紙にあるホビートレインの写真を指して)これ、乗りたいですもん。四国行ったら乗ろうと思って。
吾郎:四国、一緒に行く?!
西村:(笑)
外山:何言ってんですか(笑)
吾郎:(笑)
外山:行きます?これ乗りに??
吾郎:四国行きたいと思った!
外山:ねぇ?

まぁ、仕事でもいいし、プライベートでもいいので、好きに行ってくださいな(笑)。でも、番組で紹介した本に関連して、後から現地に行ってみるとか、そういう趣向もたまにはあってもいいかもです。(予算やスケジュールの問題はさておき(汗))

吾郎:東海元さんはいくつぐらいの設定のイメージ…?
西村:大体、中年ですね。40代かな?
吾郎:40代ですか・・・へぇ〜・・・・・・結構、何か、僕なんかどうですかね?(笑)

お、最近、また積極的な売り込みw

外山:あ、いいんじゃないですか?
西村:40代ですか?
吾郎:43です。
西村:あ、いいなぁ〜。
外山:ねぇ、ちょうどいいですね?
吾郎:(笑)
西村:(スタジオに)来てんだ、今日、十津川の人(プロデューサー)かな?うん、あの人に頼めばいいんじゃないかな。

※実際、TBS系列で内藤さん主演で十津川警部シリーズは続いているのです。

外山:頼めば?
吾郎:あ、ありがとうございます。なんか、こういうときに売り込んでいかないとちょっと。今後、色々と心配なので。
外山:あははは(笑)。何言ってんですか!
吾郎:あの、ぜひ、よろしくお願い致します。
外山:ねぇ。本当に。
吾郎:見てみたいでしょ?(←自分で言う(笑))
外山:見たいです。
吾郎:見たい!?
外山:見たい!!
吾郎:(笑)
外山:あははは(笑)
吾郎:売り込む場にさせて頂いております。

どんどん売り込んじゃえっ!!!
ま、実際、本当に吾郎さんが出てもおかしくないわけですが。プロデューサーが来ているというのは最初からそういうこととか?(笑)



さて、ここから西村さんの小説の書き方について。

まずはネタ集めから。今、12社の出版社に対して小説を書いているんだそうです。それで毎年11月に各出版社の担当者に集まってもらい翌年書くものを決めるという会合が開かれるのだそう。それから、12社の担当者が2社ずつ×6組に分かれてと共に2泊3日のネタ集めの取材旅行に行くのだそう。

 トラベルミステリーの極意
   ネタ集めのためなら変態であれ!

列車の中でいろいろと聞いて回る、死体を隠せる場所を探して回るんだそう(笑)。車掌さんに聞いたりするので変な目で見られると。それでも最近では逆に教えてくれたりすることもあるそう。

吾郎:最近。だってさ、電車に乗ってて車掌さんでさ、西村先生来たらさ、びっくりするでしょ?!ウチにもキタ!!みたいなさ。ミシュランが来るみたいなものだからさ。
外山:(笑)


そして、トリックを考えるのに必要なのは、『時刻表』。今はネット検索で調べちゃうことが多いですが、やはり時刻表が基本ですよねー。
時刻表を見ると、例えば平日は8:45に到着する列車が、土曜・休日だけは8:43に到着する、なんていう情報が書かれてます。それを見て、その到着時刻2分の差を利用して人を殺そうと考えるのだそうです。ミスリードもできますもんね。

 トラベルミステリーの極意
   売れるためには1か所間違えるべし

間違いがあると、読者からの抗議の手紙がたくさん出版社の方に来るんだそうです。それも反響ですよね。でも、そ、そういう発想でいいんですか?!(笑)
西村さんの小説は、ミステリーのファンも多いですが、鉄道ファンの読者も多いようで、そちらからの反響(抗議)が来ちゃうんですね。

西村:でも、嬉しいことは嬉しいですね。読んでくれたんだから。


さらに・・・

外山:そんな西村先生なんですけど、累計販売数2憶部、売り上げてる先生・・・。
吾郎:まぁ、あの…、要するに2億部も売れたんだから、先生、どれくらいお金持ってんの?って番組は聞きたがってるんですよ。
スタッフ:(笑)

まぁ、西村さんぐらいの儲け方になると、逆に素直にお金の話を聞けますよねwww

吾郎:お金、すごい使われるんですか?結構、あまり?
西村:一応、使いますけどね。ロールスロイス買いましたけどね。
外山:ええ!!!えっ、何でまた?好きなんですか?
西村:いや、乗ってみたんですよ、外車ショーがあって。じゃぁ、(係員に)乗るな!って言われたんで、そしたら「買うから」って言っちゃったんです。そしたら連れてかれて、事務所へ。それで契約書書かされた。
外山:あらま。えっ、いくらしたんですか?
西村:3,300万。
外山:ええ!!!
吾郎:ええ!!!先生、衝動買いする値段じゃありません。
西村:あははは(笑)。結局、ほとんど乗らないで。
吾郎:えっ、乗ってないんですか?
西村:だって運転できないから…
外山:え〜〜〜〜っ!できないんですか?
西村:うん。
外山:免許持ってないんですか?
西村:持ってない。
吾郎:えええええ!!!免許持ってないのに買っちゃったんですか?
西村:うん。
外山:ええ!先生!!
西村:何となく買っちゃったよね。
吾郎:何となくですか?
西村:契約書書いちゃったからしょうがない。
外山:そっか。
吾郎:何か、先生の頭の中がミステリーですね。すごいなぁ。


ここで、西村さんのご自宅拝見VTRです。ゴロデラ番組スタッフ、ダメ元で自宅撮影をお願いしてみると、まさかのOKを頂いたようで、今回、熱海にあるご自宅を激レア映像が流れます。
まずは書斎。愛用ボールペンはPILOT。そして本棚には鉄道関係の資料がぎっしり入ってます。・・・・が、執筆は机の前ではなく、ベッドの中で寝たまま書くことが多いそう。奥様がベッドがインクらだけになるとカンカンに怒ってる声がVTRに入ってました(笑)。
他にも時計のコレクションやライカのカメラコレクションなども棚にたくさん。金持ちの道楽だなぁ(汗)


映像はスタジオに戻って、今度は執筆活動について伺います。今、年間12本の連載を抱えている西村さん、1冊の文庫本として発売されるまでに7回の連載がまとめられて本になるというペースのようです。したがって、年間12冊の本が最低でも出版されるという。

吾郎:1か月に1冊は書いてるってことだよね?
西村:雑誌みたいですね。
外山:すごい。大変だ・・・
吾郎:大変だけどその積み重ねでここまで、ねぇ?
外山:そんな大変な中、実はですね、先生がゴロウ・デラックスのために、何と、吾郎さんが主役のミステリーを書き下ろして下さいました。
吾郎:何と!

実際に直筆原稿の映像がVTRで挿入されてまして、深夜番組なのに本格的な番組(←失礼な表現)になっちゃってますよー。
番組方から“吾郎さんが主演の短編ミステリーを”とお願いしちゃったのだそうです。

それを吾郎さんと外山さんの朗読で・・・というのがいつものパターンですが、実際にドラマのように吾郎さん(=後輩役)、外山さん(=先輩役)での映像付き。スタジオでの朗読と、途中、吾郎さんと外山さんによる実際のドラマ仕立ての映像をかぶせながら、朗読が進んでいきます。


サヨナラは握手の後で

吾郎(朗読):私は今、あの男を殺そうと思っている。名前は、吾郎、フルネームは立石吾郎だ。
外山(朗読):私は年齢をとり、人気も下り坂だ。そろそろ引退だなと陰で言う奴もいる。だが、私にはその気はない。
吾郎(朗読):そんな私には立石吾郎が邪魔なのだ。若いし人気も上り坂だ。何よりの問題は私のゆく世界と彼の世界が同じだということだ。そのため、彼が一歩進めば私は一歩退くことになる。そのうちに私はこの世界から追い落とされてしまうだろう。そうなる前に彼には消えてもらわなければならない。
外山(朗読):私は二日がかりで殺す方法を考え、それに必要なものを揃えることにあした。青酸カリ、手に入りにくいが工業用青酸カリならメッキ工場で使われているから何とか手に入れた。指輪、男性用のサイズの大きいもの。画鋲、針の先がとがっている。白い恋人、北海道の菓子。彼の故郷の菓子。東京駅で買える。これだけ揃えておいて私は彼に電話した。

外山
『これはしばらく内緒にして欲しいんだが、実は引退を考えているんだ』

吾郎
『えっ、そんなこと考えないで、あと何年も働いてくださいよ。先輩がいてくれないなんて困りますから』

外山
『そう言ってもらえるのは嬉しいが、もう決めたんだ。色々と君に話しておきたいことがあるから、これから来てくれないか』

吾郎
『分かりました。じゃぁ、行きます、喜んで』

外山
『車だといいね。私のマンションは車だと遠いから』

外山(朗読):念を押さなくても車で来ることは想像がついていた。カーマニアで最近、ベンツS600を買っているから、そのベンツを自慢したいはずなのだ。一時間後に車でやってきた。そのあと、話し合いになったのだが、私は何度も引退をほのめかした。私の後を継ぐのは君しかいないと繰り返すと、彼は笑顔になり、この世界の第一人者になったような顔をした。帰るという彼を計画通り車のところまで送っていった。彼が運転席に入り、ハンドルに手を置いたところでドアをノックした。彼が窓を開けた。「君のために札幌で買っておいたものを忘れていたんだ」と白い恋人を渡す。その時、窓越しに手を差し出した。指輪をはめ、それに画鋲を装着し、針先に青酸カリを塗っていおいた手である。白い恋人をもらった直後なので、彼は何の疑いも持たずに握手に応じた。一瞬、チクリとしただろうが、彼はそのままアクセルを踏んだ。白いベンツはあっという間に私の視界から消え去った。
吾郎(朗読):このあとで彼がどのあたりで死ぬかはわからない。(とにかくサヨナラだ) 私はゆっくり眠りたい。少し疲れた。


以上、朗読終わり。

吾郎:僕、死んじゃいましたね、これ。

しみじみつぶやく吾郎さん。

外山:そうですよ(笑)。
吾郎:何で外山さんが殺すの、僕のこと?
外山:ふふふ(笑)
吾郎:これでも、本当に考えて下さったんですよね?
外山:考えて下さって。
吾郎:本当にありがとうございます。
西村:いえいえ。
吾郎:でも何か、僕、殺してみるっていうイメージになられたんですか、先生の中で?
西村:イケメンだからね。
外山:えっ、イケメンだから?!?!
西村:イケメンはね、癪に障るんだよ!
外山:あははは(笑)
吾郎:いやいや(汗)。そんな。
西村:腹立つね。
外山:だから殺されちゃった。
吾郎:(笑)



さて、番組最後の山田君のハンコの作品は、電車に乗ってる西村さん。窓から顔を抱いて景色を見ているような、そんな作品でした。決してどこかで殺人が起きてないか探してるわけではないです(笑)

(17.12.17 up)



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