ゴロウデ・ラックス'17年11月放送分

 

'17年11月放送分
第272回放送
17.11.02
第273回放送
17.11.09
第274回放送
17.11.16
第275回放送
17.11.23
第276回放送
17.11.30



♪番組の説明

祝・7年目突入!!『ゴロウ・デラックス』とは…?
SMAPで一番おしゃべり好きの稲垣吾郎がMCを務める業界唯一無二のブックバラエティ
毎週1冊(課題図書)、巷で話題の本からベストセラーまで様々なジャンルの本を深く紹介!!
さらに、
大御所作家先生からまだテレビに出ていないニューキャラまで幅広いゲストをお迎えし、トークする番組。


 

第276回放送 '17.11.30 24:58〜
ゲスト:みうらじゅん・田口トモロヲ(ブロンソンズ) 【課題図書】「男気の作法 ブロンソンならこう言うね。」

吾郎:こんばんは。
外山:こんばんは。吾郎さん、男気ってどんなイメージですか?
吾郎:僕に全く無いものです。
外山:ふふふ(笑)。無いですか?
吾郎:ま、男気があると言われたことは無いです。


今夜の課題図書は「男気の作法 ブロンソンならこう言うね。」。ハリウッド俳優チャールズ・ブロンソンに憧れるみうらじゅんさんと田口トモロヲさんがブロンソンズというユニットまで結成し、そのユニットの活動として徹底してブロンソンの魅力を語ったものを収録した本なのです。

みうらじゅんさんがゲストということで、過去2度(宮藤官九郎さんと出演されたときは2回に分けての出演もありましたので、放送としては3回分の放送)の出演を思い起こしながら、楽しい番組になりそうな予感がします。登場シーンも、みうらさんと田口さんは、カウボーイハットを被ってやってきて、既にブロンソンになりきっているという。

吾郎:・・・。そもそもこの格好は何でしょうか?
みうら:ブロンソンズでーす!
田口:でーす!・・・という。

みうらじゅんさんが変な人というのは知ってましたが、田口トモロヲさんも変な人だったのぉ〜?!(汗)


まず最初に、今回の本が書かれるきっかけについて書かれた部分を吾郎さんが朗読。
元々親交があったお二人、30代半ばを過ぎたところで、「ブロンソンこそが格好いい」そう天啓のように思ったのだそうです。ズバリ男気。

みうら:(朗読後)いい話ですね。いい話でした。
外山:ふふふふ(笑)
吾郎:何か、感動的な。
田口:そこだけ我々が書いてないっていうね。
外山:あ、違うんですか?
みうら:そこ選んでいただいてありがとうございます。
田口:ナイスチョイスですね。

チャールズ・ブロンソンさんとは、いわゆるハリウッドスター。みうらさんが中学生ぐらいの頃、日本ではブロンソンの大ブームが起きたのです。

田口:あれ、何かアゴに付いてますよ。

と言われて吾郎さんがアゴに手をやると;

みうら&田口:“ん〜、マンダム”

という、これですよねー。

外山:ああ!!!はいはいはい。
みうら:もう、全員がこう(アゴに手を)やってましたよね。
吾郎:その言葉は聞いたことありますよ。

ここで、当時、そのブームを巻き起こしたマンダムのCM、特別にノーカットで番組では流れました。都会なのになぜかカウボーイ設定という今から見ればよく分からない展開ですが、とにかくそれが格好よかったのです。ちなみにCMは大林宣彦さんが撮られたんですって。

外山:これは見てないですよね。
吾郎:生まれる前だから、ほら。
外山:「ん〜、マンダム」は知ってますよね。
吾郎:知ってるよ、「ん〜、マンダム」。
田口:あの当時、ラブホテルには必ずマンダムが置いてありました。
みうら:マンダムの次はバルカンだったね。男の体臭みたいなものが70年代初期にかけて流行ったんですよね。
田口:そうですね。
みうら:今、ちょっと“ムシューダ”じゃないですか?
吾郎:はいはい。むしろ、アロマの香りとかします。
みうら:(今は)匂いがいい方がいいけど、前は(匂いが)強烈な方がいいんだよね?恰好いいってなって。それはブロンソンが作ったブーム。
吾郎:へぇ〜。
みうら:日本ですごい流行ったんですよ、シリーズ。
田口:3〜4年は続きましたよね、ピークでしたね。それでこの同世代って、70年代、青春期だったんですけど、まず、ブルース・リーが大人気だったですね、燃えよドラゴンとか。それでもう1人がチャールズ・ブロンソンだたんです。
みうら:Bですね。
田口:(ブルース・リーとブロンソン)二人ともBですけど。
吾郎:あ、そんなに人気あったんですか、ブロンソン?
田口:知らないでしょ?日本中で大ブームだったんです。
吾郎:ブルース・リーはね、今でも伝説になってますけど。
田口:ああ、やっぱりそうか。
みうら:ブルース・リーよりありましたよね?
田口:ありました、その当時は。いまだにブルース・リーは世界のアイコンとして語られてるのに、ブロンソンは全く語られなくなったじゃないか!っていうことを、その話が盛り上がって、じゃぁ、我々がブロンソンを、男気を世界中にね、広めていこうじゃないかっていう。NO LIFE NO Bronsonです、はい。


さて、そんなお二人が語るブロンソン五箇条。

 ブロンソン五箇条 外見を超える男気を持て

お二人とも決してブロンソンのことを男前だとは言いません(汗)。でも、すごい“顔力”があると(汗)(汗)(汗)。

みうら:朝起きて、あの顔になってたらどうします?
吾郎:いやぁ〜、芸能界にはいられない・・・
田口:その通りです!その通りです。

そんなイケメンとは決して言えないブロンソンが、当時のイケメンの世界的代表であるアラン・ドロンと映画『さらば友よ』で共演し、ブロンソンの方が圧倒的に恰好よかったと。

みうら:ぶちゃむくれが勝ったっていう革命がね。
田口:そう。アラン・ドロンよりも誰が見てもブロンソンの方が格好よかった。それを我々は“ぶちゃむくれ革命”って呼んでるわけですよ。
吾郎:(^^;)
田口:価値観の転換をしてくれる大革命であったんです。それを二大B革命。ぶちゃむくれ革命。ま、さっきも言いましたが。
みうら:(笑)

えっと、この一連の会話は褒めてるのよね?(笑)

吾郎:ブロンソン自身もコンプレックスがあるっていうことなんでしょうか?
田口:もう、一切、鏡は見ないっていう、インタビューで言ってました。
外山:へぇ〜。
田口:『こんな不細工な顔、嫌いだ!』って自分でももう、言い切ってますからね。男らしいんですよ。


 ブロンソン五箇条 仕事は選ぶな

吾郎:アカデミー賞は取ったんですかね?
田口:いや、取ってないですよ。
みうら:ノミネートもされてないですよね?
吾郎:あははは(笑)
田口:ブロンソンのすごいところは普通だったら年を取ったらアクションがきつくなるから演技派に転向したりとか。まぁ、(クリント・)イーストウッドもそうですよね、監督業に。でも、ブロンソンは一切そういうことに振り向きもせずに、Keep on Actionなんですよ。70代で“暴力寅さん”なんですよ。ゴルゴ13とおんなじ状態なんですね。いつまで経っても年をとっててもアクション一筋っていうところが逆に我々としては恰好いい。タランティーノが敬愛しているB級映画の帝王なんですよ。
吾郎:あ、ちょっとB級だったってことですか?
田口:まぁ、ブロンソンの“B”なんですけども。
みうら:あの、ABCじゃないんですよ。
田口:ブロンソンのBですから。
みうら:ブロンソン級ってことですよね。
一同:(笑)


ここで「代表作はあるんですか?」と吾郎さん。それに対して、みうらさんと田口さんは「さらば友よ」や「狼よさらば」を挙げます。特に「狼よさらば」は自警団映画として世界で初めてヒットしたもので、ブロンソン自身にとっても当たり役となったとおっしゃいます。

吾郎:そうなんですか。(自警団映画は)「マッドマックス」が最初じゃないんですか?
田口:もう、全然違う。
みうら:全然違います。ブロンソンです。
吾郎:ええ!!復讐劇ってマッドマックスが・・・
みうら:ブロンソンです!
田口:ブロンソンですから!!
吾郎:えっ?
田口:ブロンソンだから、そこは!!!
吾郎:今、復讐劇って多いじゃないですか。
田口:そこは譲れない。ブロンソンなんですよ、本当に!
みうら:はじめ小さい銃だったのに、最後、バズーカ撃ったりしてね。
田口:そう。
みうら:街中消滅させてるの。
田口:最終的にはロケットランチャーになってたりしますからね。どんどんすごいことになってて。
みうら:そこら辺からみんなおかしいな、って気が付き始めて、あまり(映画を)観なくなったんだと思うんですけど。

何気なくディスってますね(汗)


 ブロンソン五箇条 女房を愛しつくせ
 ブロンソン五箇条 ファミリーは命がけで愛せ

奥様ジルに対して愛妻家だったというブロンソン。映画のヒロインには必ず奥様を指名したり、息子を映画の音楽監督に指名したりと、家族愛が強いというか、えっと、公私混同?

田口:公私混同の走りですね。
外山:あははは(笑)
みうら:公私混同っていう言葉のね。
田口:バカップルの原点なんです、彼が。
吾郎:だけど何か、若い方と再婚???
外山:そうそう。
田口:まぁ、我々ブロンソン業界では、2代目ジル。
みうら:2ジルですよね。
外山:そこは略さなくても(笑)
吾郎:あはは(笑)


 ブロンソン五箇条 たまったら出せ(中で)

・・・・・。

みうら:すいませんでした!

それぐらい本気で恋をしろという意味らしいwww
で、実際、子供もたくさんいるらしいwwwwww

田口:ビッグダディの走りですね。
吾郎:全部走りだ!
外山:本当!(笑)
田口:すべてを持っているわけですよ、男の。

外山さん的には「ただ出しゃいいってもんじゃない」と一蹴して下さったのはよかったですっ!


と、ずーーーーーとブロンソンについて話をしてきましたが、みうらじゅんさんと田口トモロヲさんが結成した“ブロンソンズ”というユニットについて。普段は飲み屋で活動。都内の中古ビデオの収集・・・と冗談っぽく話していらっしゃいましたが、テレビ(テレビ東京)のブロンソン映画の特集には、解説までやっちゃってるというガチっぷり。

吾郎:本当ですか?
外山:活動なさってるんですね。
田口:本当に。
吾郎:それちゃんと頼まれてやったんですか???
外山:(笑)
みうら:いやいや。おかしいじゃないですか。
田口:それおかしいでしょ?それねぇ、いくら初対面でも失敬ですよっ!
吾郎:あはは(笑)
田口:ちゃんと頼まれてますよ。そこまで自主製作じゃないですよ。

そして命日にはライブハウスで“チャールズ・ブロン葬”というのもやってるらしい。そこでダジャレを入れちゃうから、本気なのか冗談なのか分からなくなっちゃいますが、お客さんも入って一緒に盛り上がるんだそうですよ。



さらに、ブロンソンズの中心的な活動が『ブロンソンになりきってのお悩み相談』。友達同士でも言いにくいことも、ブロンソンになりきれば言えるというようなそんなことでやっているそうです。
そこで、みうらさん、田口さん、吾郎さんがブロンソンになりきって=降霊させて外山さんのお悩み相談。

 『男にとって大切なものが男気ならば
  女にとって大切なものは何か?』

そんな外山さんの疑問に対して、

みうら:ワキ毛を生やすんだな

って、それがブロンソン?!(笑)。それに対して、吾郎ブロンソンのコメントは;

吾郎:君のワキ毛が見たいなぁ。
みうら:変態ですよ。
田口:変態。
吾郎:ええ!何で?!(笑)
田口:いやでも、私は今、グッときたけどね。
吾郎:急に女性に(笑)

お悩み相談になったのかなぁ。おかげでブロンソンズの活動がいまいちよくわからなかったよ(笑)


最後の山田君のハンコはチャールズ・ブロンソンの肖像でした。


(17.12.10 up)



 

第275回放送 '17.11.23 24:58〜
ゲスト:竹若 元博(バッファロー吾郎) 【課題図書】「家は自分の手でつくる。」

今日もまたもやロケですが、今回は普通の一軒家の前からスタート。

吾郎:こんばんは。
外山:こんばんは。
吾郎:ゴロウ・デラックスです。
外山:はい。さぁ、今回はですね、DIYで夢のマイホームを建ててしまったという芸能人の方がゲストです。
吾郎:自分でこだわりの家を建てるためにやられるっていうのは、僕らじゃ考えられない…、できないよね。
外山:はい。

今回の課題図書は『家は自分の手でつくる。』、お笑い芸人・バッファロー吾郎の竹若元博さんが書かれた本です。玄関で待っていても仕方がないので、ドアフォンを押してみると、家の中から竹若さんが出てきて下さいました。

吾郎:バッファロー吾郎さんって言うと、やたら親近感がわくんですよ、僕は。ずっと気になってたんです。
外山:ええ!!!
竹若:嬉しい。

気になるというか、必然的に気にせざるを得ないというか。検索していてもいろいろと引っかけますしね(笑)。

さて、今回の課題図書は『家は自分の手でつくる。』ですが、実際に竹若さんのご自宅を拝見して、そのDIYで完成したお宅を見せてもらおうという企画です(お宅探訪番組と間違えそうですが…)。こちらのお宅はほとんどの内装は竹若さんが手がけたというもの。ほぼご自身でDIYをしたことで、約500万円分も建築費を節約することができてるそうです。さっそく玄関からお宅訪問。玄関に入るや否や;

吾郎:おもしろい!スタジオみたいというか。

と、吾郎さんの声が先に響きます。カメラが入っていくと、そこは“土間”。竹若さん自身が京都出身ということもあり、土間がある玄関に憧れたあったそうです。

吾郎:なかなか見ないよね。
外山:見ないです。
吾郎:でも、入った瞬間に開放感が感じられて、気持ちいいなぁって。
外山:ご近所の方もここ来て、ここでおしゃべりしたり。
吾郎:そうか、そうか、そうか、そうか、そうか。
竹若:靴脱ぐまでもなくこのあたりでちょっと座って会話したりとか。

部屋の壁ももちろん、竹若さんが手がけてます。そして、壁なども壁紙を貼るのではなく、壁塗りを自らされるというこだわりよう。文化教室に一度通って、そのあと、自宅の壁塗りにチャレンジされたようです。元々、器用なんでしょうね。


このままだと完全にお宅探訪になってしまうので(笑)、課題図書の中から、なぜ竹若さんがDIYでマイホームを作る決心をしたのかについて記述した部分を吾郎さんが朗読します。家族が増えることを考えると、やはり住まいのことを真剣に考えるんですね…。

ただ、今回、購入したご自宅は郊外にあり、DIYをやるとなると通うだけでも大変です。仕事の合間に新居に通って作業をするという毎日で、竹若さんが作業に関わったのは実質5〜6ヵ月。奥様はお子さんの世話、竹若さんはお仕事とDIYみたいな生活だったそう。

吾郎:まぁ、でも、夢がありますよね。自分の城というね。
外山:ああ。
吾郎:いいじゃないですか、全部自分が好きなようにできるんですよね。
外山:ねぇ?
吾郎:だからマンションでもドアこうだったらいいのになとか思うことありますもん、今住んでても。何でこのコンセントとかこうなんだろうとかね。
竹若:ふふふ(笑)
吾郎:絶対ないですか、そういうの。
竹若:ありますあります。
吾郎:いやぁ、いつかやってみたいですねぇ〜。

えっと、大変失礼ながら吾郎さんの場合はセンスはあるのだけど、それを実現するのが(以下略)。作業はプロに頼むんでしょうね(笑)

さて、続いてはキッチンを拝見。奥様にも登場して頂いて(ただし、顔出しはNGとのことでしたが)、お話を伺います。
最もこだわったのは、奥様が使いやすい高さにキッチン台を作るという点。それにはちょっと身長が低めの外山さんも完全に同意してました。さらに調理台でこだわったのが;

吾郎:これさ、ここ、鉄みたいにしてるのって?
竹若:これも奥さんのアイディアで。
吾郎:珍しいですね。
奥様:そうですね。
吾郎:普通、ステンレスですもんね。
奥様:そうですね。
竹若:錆とかに強い。
奥様:でも、その錆もちょっとあるんですけど、それも味として。
吾郎:味ね。面白いね。
外山:そうですね。
吾郎:でも、恰好いいもんね、デザイン的にね。

キッチンのすぐ“横”にダイニングのテーブルが。キッチンの横にコンセントがあり、テーブルでホットプレートなどを使おうとしたときに、すぐに電源コードを差せるので、便利ですし安全面でもいいですね。


一方で奥様の方がこだわったのは、コンロの前の壁に貼られたレンガ。油を吸ってくれて、それが模様として、やはり味が出てくるという仕様に。油が飛ぶのをいちいち気にするのではなく、模様として考えようという発想もようです。


続いては、キッチンのすぐ裏手にあるサニタリー。サニタリーに入るところにあるドアももちろん竹若さんのDIYによるもので、家の工事に入る前に先に気に入った扉を購入したんだそうです。
ただ、経費節減のためにはドアの数を減らした方がいいという発想だったと。ドアの費用はもちろんですが、そのためにドアの枠を設けなくてはならず、確かにそれなりにお金はかかりそうです。なので、トイレ単独ではドアは設けてないそうです(笑)。(2階のトイレはちゃんと個室になってるのでご安心を)

吾郎:最もこだわったポイントっていうとどこですか?
竹若:そうですねぇ。まぁ、あのやっぱり、動線ですよね。奥さんが洗濯する、物干しに行く、みたいなところがやっぱりどっかいってとかやると(そういう作業が伴うと)、すごく大変なので、1つの場所でパッパッパッって済むようにしております。
外山:何かもう、さっきから奥さんが奥さんがってずっとねぇ。いいご主人に巡りあいましたよねぇ。
奥様:あ、そうですねぇ〜。
外山:ねぇ?!
吾郎:あはは(笑)。まぁでもやっぱり家で作業するのは奥様だからね。基本的にはベースになってくるよねぇ。
竹若:はい。

先ほど動線がというキーワードが出ましたが、洗濯機が置いてあるすぐ後ろがベランダになっていて、そのままウッドデッキにL 字で繋がっているという構図になってます。

吾郎:ウッドデッキ、これ、大変ですよねぇ?
竹若:そうですね、これ、ビスとか打つのも、普通だったら1本そのままズドンと打てるんですけど、(使っている木が)すごく硬いということで、リード穴を開けといて、そのあとにねじ山ってこう(先が尖って)なっているじゃないですか。
外山:はい。
竹若:先が三角になってるドリルがあってそれでねじ山の部分だけ掘るんですよ。で、ようやくビスを。
吾郎:そんな大変なんですか、これ?!
竹若:はい。これやるのに3工程がいるっていう。
吾郎:うちのベランダが全く同じ、こう…ウッドデッキなんですよ。マンションの修繕工事がこの間あって、で、全部1回取っ払って、多分、塗りなおしてくれたんですよ。
竹若:はいはい。
吾郎:すっごい時間かかってたんですけど。何でこんなに時間かかるんだろうって思ってたんですけど(笑)、ビス1本でそんなに大変なんですね?!
竹若:そうです。結構大変ですね。
吾郎:しかも、次入れてもらったら、ドアが開きにくくなっちゃったんですよ。

吾郎さんの説明によると、1か所、反った木があり、どうもそれがドアに引っかかって開きにくくなっていたようだと。

吾郎:すぐクレーム出しましたけど。
竹若:あははは(笑)
吾郎:でも、それぐらい難しいんだなって、プロの方がやってもね。
竹若:はい。
吾郎:そういうことですよね?

コストダウンのために木は長いままのものを発注し、自分で裁断する方が安く済むわけですが、中には反っているものも当然混じっているということらしい。それを万力で修正しながら取り付け作業をするというのだから、DIYというより、もはやプロの領域だわぁ〜。



続いては2階。こちらはかなり趣味の空間となってます。
まず階段を上がったところにある廊下には、そのまま壁一面が収納棚に。趣味の本やコレクションしたオモチャなんかもきれいに並んでます。実際には書斎や個室を設けることができなくなり、廊下を利用して書斎のような棚を作り、その一角に作業ができる机(板)が置かれているという形に。本来なら壁しかなかったところに、少しそこを窪ませて本棚を作ったんだそうです。棚の位置も変えることができるので、収納するものにあわせて見た目も綺麗に並べられてます。

そのまま子供部屋に。お子さんがお二人いらっしゃるそうですが、今は1つの部屋になってますが、いずれは個室になるよう工夫されてます。変化する子供部屋です。部屋に小窓がありますが、これも家を建てるまに先に選んだもの。

竹若:結構、順番がすごく重要で。こだわりの品を先に見つけておくと、そこにはめこむことが後でできるっていうことなんで。
吾郎:すっごいね。
外山:ね?本当、好きなものを見つけてね、自分の部屋にあったら嬉しいですもんね。
吾郎:何にもやってないね、我々は!
竹若:あははは(笑)
外山:やってないです。
吾郎:何にもやってない人いっぱいいるよね!
外山:ほとんどそうでしょう。ちょっと、どうですか、DIY。ちょっとやってみたいなぁ、なんて。
吾郎:やってみたいですよ!全くでも僕はもう、本当に不器用で、経験もないんで。
竹若:ああ。
外山:何かあの…

ということで、竹若さんから吾郎さんへのお願いという形で、2階のトイレの看板・マークを作ってほしいという要望を出して頂きました。


場所はさきほどのウッドデッキをお借りして作業。道具はもちろん、すべて竹若さんの自前なのかな?安上がりな企画だなぁ、おい。さすが深夜番組w


まずはデザイン。シンプルに;

   ○  ○
   □  △

という図形を組み合わせただけのものを木に下書きします。吾郎さん、自分で考えたのかなぁ。簡単なものであるとはいえ、迷わずガンガン書いていくのがすごいのよね。

この「○」の部分をドリルでくりぬき、続いてボディの□△の部分をカッター(←道具名がわからない(汗))を用いてくり抜きます。ドリルは単純に下に押し付ければよかったものの、カッターを垂直に入れるのが難しく、力を消費した吾郎さん。

吾郎:ちょっと休憩していい?
竹若:あはは(笑)。いいと思いますよ。
吾郎:切るってすごい難しいね。
外山:ねぇ?
竹若:あははは(笑)
吾郎:よく作りましたね、この家!
外山:本当!!!

悪戦苦闘しながらも、○や□△のくり抜き作業完了。やすりで綺麗に削って、ニスを塗って完成。


完成したトイレマークを、さっそく、2階のトイレのドアに貼り付けます。

竹若:いい!
外山:どうですか竹若さん?
竹若:めっちゃいいと思いますよ。
吾郎:ええ!!!!(>_<)。大丈夫ですか???
竹若:奥さんも大喜びだと思います。
外山:何か、いいですね、わかりやすいです、確かに。
吾郎:いや、何か嬉しいですね。僕の何かを残せて。
外山:ねぇ?初DIYですよ。
吾郎:そうですね(汗)。



最後の山田君のハンコ。ロケバスで作ってきた作品は、竹若さんと娘さんとのツーショット。

竹若:いい笑顔で。
吾郎:これ作ってんだもんね、毎週。尊敬するよ!
外山:あははは(笑)
山田:4年目にして?
吾郎:今日わかったよ、山田君の偉大さが。


山田君が偉大化どうかはさておき(汗)、モノづくりができる人って素敵ですね。


(17.12.03 up)



 

第274回放送 '17.11.16 26:43〜
ゲスト:ビートたけし 【課題図書】「アナログ」

今回はゲストを迎える前からスタジオに緊張感が・・・

吾郎:こんばんは。
外山:こんばんは。さぁ、今日はですね、雰囲気でわかると思うんですが、スタジオの感じの。
吾郎:はい。
外山:すごい方がいらっしゃるんですよ。
吾郎:はい。結構、極端ですね、このスタジオ、いつも。
外山:本当ですね。
吾郎:ちょっと今日、無事に帰れますかね、僕も。大丈夫ですかね。
外山:今日はですねぇ、心配ご無用と申しますか、今話題の10万部をも超えております純愛小説を引っさげて小説家としてゴロウ・デラックスにお越し頂きました。
吾郎:はい。

吾郎さん、ちょっと緊張気味?
今夜は小説家・ビートたけしさんをゲストに迎え、恋愛小説『アナログ』について語ります。

外山:恋愛小説とたけしさんってびっくりしました。
吾郎:そうそうそう。最初僕もびっくりして。
外山:映画はね、
吾郎:うん、まぁ、何かバイオレンスものとか、ヤクザ映画みたいなイメージが多いので。うん、でも、僕、好きです。
外山:私も、うん、うん、うん。

さて、ここでゲストのビートたけしさん登場。映画監督のときは北野武さんですが、小説家はビートたけしさんがペンネームなのですね。ビートさんというのも書きづらいので、ここではたけしさんと呼ばせて頂きます。

吾郎:普段、小説の方ではないですよね?
たけし:小説はいっぱい書いてるんですよ、俺は。もう、50冊ぐらいいってるんですよ。
外山:恋愛小説は?
たけし:初めて。
外山:ですよねー。
たけし:ただ、書いたのも初めてと。今度は俺が書くって言ったんだよ。
吾郎:???
外山:えっ?
たけし:あんまり売れ行きが悪いんで、自分で書くっていう。
吾郎:今までは書かれてた・・・???
たけし:今までは手では書いてない。喋ってた。
吾郎:ああ〜
外山:あ。
たけし:テープ起こしの原稿をもう一回見直して直してたんだけど、あれはやっぱりダメだ。細かいニュアンスが(伝わらない)。『良いよ!』って走り読みしてやってたら、このざまになっちゃって、又吉(@芥川賞)に追い抜かれて頭来ちゃった。
吾郎:(笑)
外山:ああ!そういうことで?!
たけし:だから、今度は俺が書くっていう風に言ったら、新潮社が驚いて「それ言うのやめて下さい」って。今まで書いてないみたいだからって。
吾郎:(笑)

今話が出た又吉さんの小説を読んでみたところ、『芥川賞ってこう書かないといけないのか。すげえな、これ。大変だ』と思ったそう。単なる表現ではなく文学的に表現しなくてはいけないと思い、自分の手で書こうと思ったそうです。

そうして書いたのが”恋愛小説”。映画はバイオレンスの作品が多いですが、恋愛小説も撮ろうとされていたのか、ベースになる脚本は考えていたそう。今回の『アナログ』は元々あった脚本を小説にしようとしたものだそうです。ただ、1つ1つの映像をすべて言葉で表現しないといけないのはたけしさんにとっては大変な作業だったようです。


ここで、朗読。主人公の男性がヒロインの女性に喫茶店で出会うシーン、主人公を吾郎さんが、ヒロインを外山さんが担当してました。

外山:何かあのご自身でお書きになったものを隣で長々朗読されると、居心地が(笑)
吾郎:どんな気持ちで聞いてるんですか?
たけし:あの…自分の汚物を見せられているような。お前の吐いたゲロはこれだ!って。
吾郎:なんか、たけしさん、モジモジモジモジされてたんで(笑)
外山:あははは(笑)
たけし:いやー、本当に恥ずかしいものですね。

今回の恋愛小説ではプラトニックな恋愛が描かれてます。これは今のメールやLINEのデジタルの恋愛よりも、プラトニック=アナログ的な恋愛の方が「ちょっと考えることが多くて面白いなと思って」ということだそう。←ちょっとわかりにくい説明ですが・・・(汗)


もう一か所、吾郎さんと外山さんでの朗読。主人公の母の死後、彼女と共に海に出かけるというシーン。主人公にとって彼女は“母であり菩薩であり天使である”という存在。たけしさんにとって、母親というのは特別でその思いが小説に反映されてる部分もあるのでしょうか…。


さて、今回の小説「アナログ」はたけしさんが手で書いたという小説。スタジオには特別に、この小説の創作ノートを持ってきて頂きました。全部で4冊。小説は順番に書いていってるわけですが、後からその間の話が思いつくと、さらに別ノートに書いてそのページを破ってどんどん差し込んでいくという形で作業をされてます。アナログが爆発的に売れたら、創作ノートを1冊1億円で売ろうと思ってるようですよ(笑)



そして、番組の終盤で;

外山:最近、あの、吾郎さん、人生の転機(=それまで所属していた事務所を退所)をですね迎えられまして。

と、外山さんがいきなり話を振り始めました。ここは台本通りで最初からそういう話をするのはゲストのビートたけしさんにも、もちろん、吾郎さんにも了承済みのことかとは思います。

吾郎:僕、転機を迎えてしまったんです。
外山:(笑)
たけし:あらあらあら。
吾郎:いろいろございまして。
たけし:たけしさんから、何か、先輩としてアドバイスを・・・。

今日はこういう話をするんだ・・・。ビートたけしさんと言えば、どうしても東スポで過激なトークをされてる印象しかなく、えーい、もう、ストレートにコメントの一部を引用しますが;

東京スポーツ新聞 2017年06月27日のWeb記事よりビートたけしさんのコメントとして掲載された部分を抜粋
キムタクと中居はどうにか食えそうだけど、あとの3人はヤバそうじゃないの。育ての親とか言われてる元マネジャーが面倒を見るって話だけど、元マネジャーが力を持っていたのはジャニーズ事務所だったってだけだろ。

こういう発言からまだ半年も経ってないのですけど、たけしさんの考え方が変わったのかなぁ。社交辞令じゃないといいのだけど。ただ、いずれにせよこういうたけしさんが吾郎さんを応援するコメントを発したこと自体は、今後の吾郎さんの仕事の上では邪魔にはならないわけだから、ありがたい話ではあるのですけど。ええ、本当にありがたいですよ。

たけし:幸福の科学行ったらどう?
吾郎:(笑)
外山:(笑)
たけし:ダメ?
外山:使えないこと言わないで下さい。
たけし:そう?でも、結局、あらゆるものは転機ってか、人間だったら…人類だったら死ぬことなんだけど。それで遺伝子残して(子供が)できてこう…、永遠、こう…消滅と生まれ変わるのを繰り返すわけで。
吾郎:うん。
たけし:転機も同じだから、転機はいっぱいあった方がいいと思うよ。
吾郎:ああ…
たけし:それで、転機があるってことは、無くなったら転機が無いんだから。転機がいろいろあるってことは生きていく、ってか進化してる証拠なんで、ありがたいと思っちゃった方がいいよ。チャンスなんだよね。だから、また転機が来たっていい。
吾郎:はい。
たけし:それによって、脱皮だと思った方がいいよね。
吾郎:1つ1つステージが変わっていく。
たけし:新しい・・・、あの、蚕が繭からこう・・・(成虫に)なってくじゃん。すると羽化するまでの段階で、飛び立つまでの段階だと思えば、今。実に今、いいとこ来てると思った方がいいんじゃないの?
吾郎:ありがとうございます。いや、嬉しいなぁ。うん。
たけし:成功したらお金貸して。
吾郎:・・・(汗)
外山:ふふふふ(笑)。やっぱり最後はなんか。
たけし:(笑)

この最後の話はすぐにWebニュースとなり、放送される地域にも、もちろん放送されてない地域に対してもどんどん拡散されてました。


最後の山田君のハンコは、カラフルなたけしさんでした。


(17.11.26 up)



 

第273回放送 '17.11.09 24:58〜
ゲスト:むぎわら しんたろう(後編) 【課題図書】「ドラえもん物語 〜藤子・F・不二雄先生の背中〜」

先週に引き続き、むぎわらしんたろうさんがゲストで、藤子・F・不二雄ミュージアムを案内して頂きます。
むぎわら先生が映画原作の長編漫画として最初に関わったのは『のび太の日本誕生』(1988年連載開始)。アシスタントとして背景を担当されてました。

吾郎:アシスタントの方が自由にこう描いていい部分とか、あったんですか?
むぎわら:キャラクターの洋服とかは全部こちら、お任せでやっていました。
吾郎:ボーダーは襟付きのシャツとか、のび太が。
外山:ジャイアンはクジラ(のイラスト入りのシャツ)
吾郎:本当だ。
むぎわら:自由に決めていいんですけれども、あんまり細かいのを一人で決めちゃうと締め切り間際になると『誰が決めたんだ!』っていう感じになりますけど(笑)

1994年、チーフアシスタントになったむぎわら先生は任せられる仕事も増え、1995年に連載がスタートした長編『のび太と銀河超特急』。

むぎわら:先生に『宇宙船をもう、任せます』って言われて、僕、こっちを先に描いたんですけど。

むぎわら先生が最初に描いたのはカラーでちょっとほんわかとした雰囲気の宇宙船。

むぎわら:でもあの…、本人がちょっと気に入らなかったみたいで。
吾郎:自由に描いていいとおっしゃったのに?
むぎわら:ご自身で描いてこられて。

そのF先生が描いてきた宇宙船が、むぎわら先生が描いた柔らかい色調の宇宙船から一変して、全体にグレーの色調のメカっぽい宇宙船に変わってます。

外山:色が違うじゃないですか。
むぎわら:いや、全然違いますね。
外山:形が違う?
むぎわら:連載の途中から先生の描いた宇宙船に。
外山:変わっちゃったんですか?
むぎわら:変わりました(笑)

ちなみに単行本はすべてF先生バージョンに変わったそうです。

吾郎:ちょっと自分のがいいと思いません?
むぎわら:いえいえ、全然こっち(F先生)のが。
一同:(笑)
吾郎:結構、(F先生は)絵に対しては厳しかったんですか?
むぎわら:ご自身の好きなもの恐竜ですとかそういったものは本当に。
吾郎:うわ、すごい恐竜のディテール。
むぎわら:こだわって欲しかったみたいで、テラノドン、僕、下書きで描いてたんですけど、『その辺からは手は生えていない』って指摘を受けて(笑)。そこに関節があるはずだって言われて。
吾郎:恐竜だけ見ると、このドラえもんの世界観の割にはって言うとちょっと失礼かもしれないですけど、ちょっとここだけ劇画っぽくない?
むぎわら:(笑)
吾郎:リアルすぎない?
外山:そうですね。
吾郎:それがこだわりだったの?


さて、課題図書は今夜も「ドラえもん物語 〜藤子・F・不二雄先生の背中〜」。F先生が亡くなった際、『のび太のねじ巻き都市冒険記』はまだ連載中でした。その作品を完結まで持っていったのがむぎわら先生で、どうやって完結まで持っていったかが今回の課題図書の中には書かれてます。
連載開始時、既にF先生は闘病中で、仕事も仕事場ではなく自宅でされていたそうです。連載第一回目から、扉のカラー原稿以外は、下絵しか完成していない状態でむぎわら先生の元に原稿が届けられます。つまりペン入れはアシスタントの方でやって下さいということですね。

今回は特別に、まずその下絵を見せて頂き、重ねてむぎわら先生が仕上げた漫画も見せて頂きます。

吾郎:これは大変なプレッシャーというか、やはり訳が違うよね、キャラクターを描けと言われるとね。

もちろん、下絵にもある程度のキャラクターの様子は記載されてますが、コマによってはラフな絵しか入っていないような状態から完成させていったわけです。

吾郎:実際、ペンを入れてみてF先生の反応というのは?
むぎわら:描き終わって、いつもあの…、コピーを先生に渡すんですけど、普段、あの、僕ら原稿を描いて先生に見せても、ただ、『ありがとうございます』っていう返事だけ返ってきてたんですけど、そのコピーっていうのに“今後のドラえもんをもっとこうして欲しい”というものがいっぱい書かれていて。
吾郎:普段口数の少ない先生が。
むぎわら:はい。
外山:ねぇ・・・
吾郎:その思いを。
むぎわら:はい。
吾郎:それがこちらですよね、F先生からのお手紙、スタッフのみなさんに宛てた。

その手紙を吾郎さんが読み上げます;


藤子スタッフの皆さんへ
  • 毎日ごくろうさまです。今回は特に大変だったと思います。深く感謝しております。
  • 感謝しながらこんな事を言うのは申し訳ないのですが、欲が出たと言いますか。この機会に徹底的に僕の理想像を聞いてほしいと思うのです。
  • 言いたいことはコピーへの書き込みを見れば解って貰えるでしょう。
  • 欠点ばかり指摘した結果になりましたが、今後、少しずつでも理想像に近づいていけばと思います。
  • 総集篇、単行本化。二度の機会にできる範囲を改訂して下さい。 
  • 漫画家がベテランになると絵やアイディアの創りのコツが解ってきます。この時が一番の危機なのです。ついつい楽に仕事しようとする。こうなるとあっと言うまにマンネリの坂を転げ落ちることになります。
  • 自戒の意味を込めて言うのですが、漫画は一作一作、初心にかえって苦しんだり悩んだりしながら書くものです。お互いガンバリましょう。
  • 「藤子プロ作品は、藤子本人が書かなくなってから、グッと質が上がった」と言われたら嬉しいのですが。

    藤子・F・不二雄


    吾郎:きっと今まではこういうことっていうのは、アシスタント、まぁ、スタッフの皆様に言葉では多分、伝えてはいなかったのですよね。この際だからっていう。
    むぎわら:そうですね・・・。初め本当に受け取った時はあの…、何でこんなことを書くんだろうっていう。・・・自分が書かなくてもあの…、ドラえもんがもっと広がればいいなみたいなことが書かれているので、ちょっとどうしてかな、みたいなことを。
    吾郎:そっか。もちろんむぎわら先生にとっては、託されるのは嬉しいけれども、でもずっとF先生に描いていてもらいたいから。
    むぎわら:そうですねぇ。
    吾郎:何でこんなことを言うの?
    むぎわら:はい、はい。
    吾郎:っていう気持ちに。なった・・・
    むぎわら:そっちのが強かったですね。
    吾郎:そっか。でも、嬉しいお言葉ですよね。あの、ちょっと喝を入れてくれている。
    むぎわら:OBの描いてきたドラえもんの世界観を僕らのそのままこう…、なぞるように背景を描いてきたので、先生自身は「もっとのび太はだらしない性格なので、おっとおもちゃが散らばってて欲しい」とか、そういうことをこの紙にすべて書き込んできた感じですね。


    その原稿を見せて頂きます。例えばのび太の部屋の描写だと、のび太の性格が部屋の様子からもわかるように、もっと散らかっている状態にするようバットやグローブを置くとか、本棚の漫画が横積みにするようにとか、かなり具体的にに指示がされてます。

    そんな具体的な指示が、単行本化されたものにはきちんと手直しされてました。

    吾郎:細かいっちゃ細かいんだけど、本当、それが大切なんだろうねぇ。こういう細部ってさぁ、別にストーリー追ってる時は感じるだけじゃん。いちいち見ないじゃん。あ、ここにアイス(を食べた後のカップ)が置いてあるとか。でも、何となく入ってくる情報って大切なんだろうね。
    むぎわら:字で書かなくてもキャラクターの性格が表せられるっていうことを言いたいんだと思います。

    そうして、第1話の原稿のダメ出しを受け、第2話の原稿もむぎわら先生がペン入れを。

    吾郎:実際、(F先生の)反応はどうだったんですか?先生はもう、OKというか?
    むぎわら:それ以降は、もう、本当に「申し分ない」というお言葉を頂いて。あの…何なんでしょうねぇ、許してくれたという感じでしたね(笑)
    吾郎:本当の意味で認められたというか。
    外山:むぎわら先生、おっしゃらないけど、(本の中に)F先生が『これだけ描けるのなら、もっといろいろ任せればよかったよ。』って。
    むぎわら:(黙ってうなづく)
    吾郎:最後のテストだったんだ、あれが。
    むぎわら:(^^;)
    外山:ねぇ?一回目でいろいろ言われたことを思いながら2回目で原稿を描いて持ってって、読んで頂いた後の言葉ですよね?
    むぎわら:そうですね。
    吾郎:でもそれがF先生に頂いた最後の言葉になったんですもんねぇ…

    2話が完成した直後にF先生は亡くなられました。

    『のび太のねじ巻き都市冒険記』も2話で終了と思っていたところ、亡くなったF先生の娘さんからF先生の机の上に原稿らしきものがあるという連絡が入ります。それは一見しただけでは何が書いてあるか分からないものでしたが、むぎわら先生にはその原稿が『ねじ巻き都市冒険記』第3話の下絵ラフであることがすぐに分かりました。

    吾郎:すごいドラマみたいな話。
    外山:これを見た時っていうのは?
    むぎわら:いや、本当に鳥肌立ちました。

    実際のその原稿とアイディアノートを、むぎわら先生が完成させた漫画と並べて見せて頂きます。全国放送じゃないのが惜しいぐらいの!!(笑)

    ただ、本当にラフなので、むぎわら先生でないとわからないものばかり。それでもむぎわら先生も、アイディアノートと照らし合わせながら読み解いていったようです。

    外山:だけど、わかんないですよね。
    吾郎:F先生もこれ別に見せるために描いてないだろうね。『これを解読しろよ、むぎわらくん』と思ってないよね?
    むぎわら:(笑)
    外山:(笑)
    吾郎:だから心に寄り添っていくってことですよね、ちゃんとその、先生のね。これ見ただけじゃわかんないもん、やっぱり。
    外山:わからない。
    吾郎:視覚的なものだけじゃないよね。・・・分かった、何で分かったか!
    外山:何がですか?(笑)
    吾郎:あそこだ!!
    外山:えっ?
    吾郎:あのごみ箱だっ!
    むぎわら:・・・(^^;)
    吾郎:いつもこのぐらいの状態のもの(下書き)を持って帰ってたんだ!
    外山:金田一さんになってますけど、大丈夫ですか?
    吾郎:絶対そうだっ!!
    外山:すいません。
    むぎわら:いえいえ。いっぱい(F先生の原稿をごみ箱から)拾いましたんで。


    最後の山田君のハンコはF先生とむぎわら先生の2ショットハンコでした。今回の番組の内容にピッタリの作品でした。


    番組の〆のトーク;

    外山:本当に素敵な話でしたね。
    吾郎:でもさ、みんなドラえもんと共に育ってきたのに、こういうエピソードとかF先生の人物に触れることとかなかったじゃないですか?
    外山:なかったです。それをね伝えて頂いて。
    吾郎:そうですね。


    (17.11.19 up)



  •  

    第272回放送 '17.11.02 25:13〜(野球中継延長により15分遅れ)
    ゲスト:むぎわら しんたろう(前編) 【課題図書】「ドラえもん物語 〜藤子・F・不二雄先生の背中〜」

    今日は外ロケです。神奈川県・川崎市にある藤子・F・不二雄ミュージアムにやってきました。辺りはすでに暗くなっているので、閉館後にお邪魔したのかな?吾郎さんと外山さん、頭にはタケコプターをつけたりしてテンション高いです。

    吾郎:今日はテンション高いよっ!
    外山:高いですよ!!だって、見て、ほら、ドラえもん!!

    外山さんの目の前には、ドラえもんの像が。

    吾郎:ねぇ、ドラえもんの世界にやってきました。
    外山:ねぇ!?そうなんですよ。タケコプターで飛べそうですよ。
    吾郎:・・・。
    外山:ふふふふ(笑)
    吾郎:タケコプターね、つけてね。(目の前のドラえもんの像)これ、実物大ですよ。
    外山:ねぇ?
    吾郎:129cm。意外に大きいねぇ。
    外山:そうですね。『ドラえも〜ん、助けてくれよぉ〜』
    吾郎:あはははは(笑)

    なんて寸劇を入れながら、ここでゲストのむぎわらしんたろうさんをお迎え。

    むぎわら:むぎわらしんたろうです。よろしくお願いします。
    外山:お願いします。
    吾郎:あれ、のび太君の、ちょっと将来って感じ…
    むぎわら:よく言われます。

    眼鏡をかけたほんわかとした空気を持っていらっしゃるのがのび太君っぽいです。むぎわらしんたろうさんはドラえもんの作者・藤子・F・不二雄さん(以下、F先生)の最後のお弟子さん。F先生は1996年に他界されてますが、その後も、ドラえもんの作品を描き続けていらっしゃるのがむぎわらしんたろうさんなのです。


    今日はむぎわら先生に、ミュージアムの中を案内して頂きます。最初に案内して頂いたのはF先生のカラー原画が展示されたコーナー。ドラえもんはもちろんですが、パーマン、エスパー魔美等々の作品が並んでます。

    吾郎:あ、結構、いろんな作品があるんだね。僕らテレビシリーズはやっぱりドラえもんとか。
    外山:そうです、あと、パーマンとかね。パーマンもあるんですか?
    むぎわら:パーマンもあります。
    吾郎:(案内して頂いて)あ、本当だ!パーマン!うわっ、懐かしい!
    外山:未だに歌えますよね。
    吾郎:♪パーマン パーマン パーマン〜
    外山:そうそうそう。
    吾郎:見てたよねぇ。
    外山:見てましたよ。

    パーマンの漫画の連載は1967年。アニメ化は1967年と1983年の2度行われていて、吾郎さんや外山さんが観ていたのはこの1983年の方ですね。

    一方、ドラえもんの原画の方は、1982年に描かれた『ドラえもん・声のかたまり』の扉絵。当時の画風は今とは少し違います。

    吾郎:・・・・(黙って見てる)。
    外山:(笑)。真剣に見ちゃいましたね。
    むぎわら:(笑)
    吾郎:真剣に見ちゃうよね。懐かしいなぁ、と思って。

    ドラえもんの本編の方のモノクロの原画ですが、ドラえもんの青いボディは縦線で描かれてます。スクリーントーンは使わずに、定木で手で描かれていたそうですよ。

    吾郎:ドラえもんって、何で青いんだろうね?
    外山:青くなっちゃってって言いますよね。あの、ネズミに噛まれて。
    吾郎:詳しいね。
    むぎわら:(笑)
    吾郎:耳が無くなったんでしょ?噛まれて、それでひぇ〜って青くなっちゃった。
    外山:詳しいね。
    むぎわら:大好きですもん、ドラえもん。

    カラー原稿の方は、普通の水彩絵の具が使われてます。展示室には原画と一緒にその絵具と筆も置かれてました。それにしも、プロっぽい絵具でもなく、普通の絵具?!ちなみにドラえもんのボディの青はセロリアンブルー、登場人物の肌色は朱色を薄めて使っていたそうです。


    さて、今回の課題図書「ドラえもん物語 〜藤子・F・不二雄先生の背中〜」は、むぎわら先生とF先生との思い出が詰め込まれた一冊。むぎわら先生がF先生のアシスタントになったのは1988年。そのアシスタントになったきっかけが描かれた部分を、吾郎さんがむぎわら先生、外山さんがコロコロ編集長の人、むぎわら先生はF先生役という、むぎわら先生も巻き込んでの朗読です。

    19歳のときに藤子不二雄賞に入選したむぎ青年は、授賞式でF先生と対面、その数日後・・・F先生がA先生とのコンビ解消というニュースが流れ、1本の電話がむぎ青年の元に入り、F先生のアシスタントを依頼されます。ちょうど、F先生も新事務所を立ち上げ、アシスタントが足りなかったというタイミングだったんですね。手伝って頂けますか?とF先生に言われたむぎ先生は、がんばります!と即答し、1988年4月に入社するのです。

    吾郎:これ、ちょっと初心者にしてセリフ量が多かったね。
    外山:本当ですね(笑)
    むぎわら:・・・(笑)(笑)(笑)

    と、むぎわら先生をいじる吾郎さん。オイオイ。

    外山:でも、その言葉をまさに言われたんですよね?
    むぎわら:そう。
    吾郎:この通り言われたんですよ。鮮明に覚えてるんですよ。これ、先生が初めて扉を開けて入ってきた姿とか、はっきり覚えてるんですか?
    むぎわら:はい、覚えてます。
    吾郎:覚えてますよねぇ〜。
    むぎわら:黒のタートルネックで。
    吾郎:あ、やっぱり(漫画に出てくる)その通りなんだ。
    むぎわら:その通りのものを描かせて頂きました(笑)

    漫画の中には、仕事場の間取りも描かれてます。普通のマンションの一室を仕事部屋に使っている形態。スタッフの部屋のすぐ横がF先生の部屋で、大音量の音楽がそのままスタッフの部屋にまで届いてきたりしたそうです。 当時のF先生の作業机も展示されてます。その大音量の音楽が流れてきたラジカセも脇机に置かれていて、棚にはクラッシック音楽から落語まで(笑)、様々なカセットテープが並んでました。机の上には共有のフィギュアが、またサイドには本物の恐竜の骨?!が置かれたりして、恐竜好きだった?

    外山:ちゃんと図鑑とかあって、見ながら、ねぇ?ちゃんと描いていらっしゃったのかしら?
    むぎわら:そうですね。あの・・・、僕たちにやっぱり嘘のものを描いてほしくないっていう気持ちがあったので、トンボを1つ描くにしても図鑑を見て。
    吾郎:そういうファンタジーの世界で、想像の世界だからこそリアリティみたいなもの、大切なんでしょうね。
    外山:ねぇ〜。

    作業机の脇にはごみ箱なんかも置かれていて、中には失敗して破られた原稿なんかが入ってます。むぎわら先生としてはそれはお宝なわけで、こっそり持ち帰って喜んでいたりしたそうです(笑)


    そして、12月1日はF先生の誕生日。スタッフから毎年、誕生日プレゼントが送られるのだそうで、そんなものも展示されている机の上には並んでます。その誕生日プレゼントを贈るときのハプニングで、むぎわら先生が作ったくす玉がうまく割れず、F先生の顔面を直撃したという出来事もあったそうな。そのときの写真もお持ちで、くす玉が直撃したF先生という貴重な写真も見せて頂きました。



    さて、場所を変えて次にやってきたのは、F先生の漫画を自由に読める漫画コーナー。

    吾郎:むぎわら先生が初めてお描きになったコマって覚えてますか?

    実際に並んだマンガ本の1冊を手にするむぎわら先生。1988年の『ドラえもん・入り込みミラーII』のある一コマの背景がむぎわら先生が担当されたものだそうです。

    吾郎:教えてくれる先輩とかいるんですか?
    むぎわら:あの…、そんなに細かくは教えてもらえなかったんですけど、やっぱり過去に描いた作品を見ながら。
    吾郎:あ、公園はこうだたとか・・・、背景はこうだった。
    むぎわら:同じような背景を探して。

    その研究のために、背景専用のスクラップブックを作成してお仕事をしていたそうです。

    外山:時代によって色々変わってきたりするものもあるんですか?
    むぎわら:そうですね、プッシュホンの電話になったり。
    外山:あ、昔はダイヤル式だったのに?
    むぎわら:黒電話だったんですけど。
    吾郎:黒電話だよね、野比家って。
    外山:どういうタイミングで変えるんですか?
    むぎわら:自分の家の電話が変わったということで。
    外山:あ、先生の?
    むぎわら:先生の(苦笑)
    吾郎:F先生のご自宅の電話が変わったから、野比家の電話も変わる。
    外山:あははは(笑)。
    むぎわら:変わりましたねぇ〜。その辺のことは先生も、時代と共にどっからか気にしだして。
    吾郎:そうだよね、無いとおかしいってなっちゃうもんね。
    外山:吾郎さん、何か好きな話とか、好きな道具?
    吾郎:道具だと何だろうね、みんなね。でも、タイムマシンが一番値段高そうじゃない。
    むぎわら:(笑)
    外山:だからぁ〜(笑)、大人の意見です、それは。
    吾郎:本当?でも、シンプルにタケコプターも。あの高さからの景色って見れないもんね。飛行機からの景色とか見れてもさぁ。
    むぎわら:結構、怖いと思うんですけどね。
    吾郎:タケコプター、まぁまぁ、故障しますしね。煙出てね。
    外山:そうそう。
    むぎわら:・・・(^^;)



    ミュージアムでは現在、映画の原作である大長編ドラえもんの原画が展示されてます。

    第一作が『ドラえもん・のび太の恐竜』(1980年連載開始)。その原画の前にやってきます。恐竜のピー助

    外山:でもなんか、ドラえもんをやったら吾郎さん、のび太君ですね。
    むぎわら:ははははは(笑)
    吾郎:うーん・・・。
    外山:ねぇ?ねぇ?!どう?
    吾郎:スネ夫でもないか。
    外山:スネ夫じゃないと思う。
    吾郎:でも、僕はずっとそう思ってたよ。ジャイアンにはなれないし、出木杉君でもないし。
    外山:あ、出木杉君…でもないですね。やっぱりのび太かな。
    吾郎:のび太、のび太。何にも自分じゃできないし。
    外山:のび太君・・・・いつもやさしいのび太君。
    吾郎:・・・・。それ何かさ、褒められてるのかな?
    外山:うん。褒めてますよ。
    吾郎:まぁね、しずかちゃんと結婚できる。
    外山:そうそうそう。
    むぎわら:

    この吾郎さんと外山さんの二人の関係っていうのもおかしいですよね(笑)

    映画では、吾郎さんが映画館に観に行ったのは『のび太の大魔境』(1981年連載開始 3作目です)

    吾郎:これ、最後、ジャイアンがちょっとやさしく・・・
    むぎわら:そのシーンがそこに。
    吾郎:ああ!ジャイアン泣いちゃってるよ。観たいなぁ〜。初期の作品、観たい。
    むぎわら:ここに僕があの、中学生の頃にポスター画コンクールに応募して載ったやつなんですけど。

    コロコロコミックスなのかな?当時13歳のむぎわら少年が描いた絵が載ってます。

    吾郎:めちゃくちゃ上手いじゃないですか?!
    むぎわら:いやいや…(汗)
    吾郎:これ13歳が描いたの?!!
    むぎわら:ありがとうございます。
    吾郎:そりゃ描くよね、ドラえもんを受け継いで。今思った。
    外山:なるべくしてですよ。すごい。
    吾郎:ドラえもんの後継者として、むぎわら先生、認めます!
    外山:認めます?(笑)
    むぎわら:ありがとうございます(笑)

    吾郎さん、一体、何目線?!(笑)


    さて、むぎわら先生=ドラえもん特集は次週に続きます。


    (17.11.12 up)



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