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'17年10月放送分 |
第268回放送 17.10.05 |
第269回放送 17.10.12 |
第270回放送 17.10.19 |
第271回放送 17.10.26 |
♪番組の説明 祝・7年目突入!!『ゴロウ・デラックス』とは…? SMAPで一番おしゃべり好きの稲垣吾郎がMCを務める業界唯一無二のブックバラエティ 毎週1冊(課題図書)、巷で話題の本からベストセラーまで様々なジャンルの本を深く紹介!! さらに、 大御所作家先生からまだテレビに出ていないニューキャラまで幅広いゲストをお迎えし、トークする番組。 |
第270回放送 '17.10.19 24:58〜 ゲスト:松本零士 【課題図書】「松本零士 零次元マンガの描き方」 今夜は外ロケからスタートです。そして、いつも以上に変なのは、二人ともコスプレをしているという点。吾郎さんは漫画&アニメ・銀河鉄道999のメーテル、外山さんは鉄郎に扮してます。 吾郎:・・・。 外山:・・・。 吾郎:普通、逆ですよね? 外山:本当ですよ。 男女は逆だけど、身長差から考えると、そう不自然でもないというか。 外山:似合ってますね、でもね。 吾郎:もう…、延々とこういう仕事してるからね。もう、動揺しないから。 外山:本当(笑) 吾郎:でも、ちょっと久々で、こういう女装、うれしいわっ! 外山:あははは(笑)。そ、そうですか?(^^; 吾郎:こういうのはちょっと久々よ。(外山さんは)鉄郎? 外山:そう、私、鉄郎です。 吾郎:ってことは、今日は・・・ 外山:そうですよ、あの方が 吾郎:あの方、漫画家、大先生シリーズですね。 外山:はい。松本零士先生でございます。課題図書、こちらですね、『零次元マンガの描き方』 吾郎:マンガの描き方を? 外山:そうなんです。 吾郎:今、このタイミングで出して頂いて。 外山:はい。 吾郎:ねぇ? ということで、今夜は『伝説の漫画家シリーズ 第5弾』でございますぅ。銀河鉄道999、キャプテンハーロック、宇宙戦艦ヤマトなどなど、特定の世代にとってはたまらない漫画家さんです。SFマンガの先駆者にあたる方ですが、2012年フランス芸術文化勲章を受章されていたりもして、全世界でも読まれてる証拠です。 その松本零士さんのご自宅兼作業場である“零時社(れいじしゃ)”を訪問です。 玄関口には機関車の車輪がいきなり置いてあります。 外山:すごいですね。 吾郎:(銀河鉄道)999じゃないですか。 外山:こんな大きいんですね。 なんて話をしていると、唐突に松本零士さんご本人が吾郎さんと外山さんを出迎えに外まで出てきて下さいました。 松本:こんにちは。 吾郎:こんにちは。 松本:どうもどうも。よろしくお願いします。 吾郎:メーテルです(握手) 外山:哲郎です(握手) 松本:よろしくお願いします。 外山:ありがとうございます。今日は。 松本:この車輪ねぇ、この蒸気機関車に乗って私は上京したわけですからね。 外山:えっ。 松本:これはデゴイチ、D-51の車輪。 吾郎:あ、実際に… 松本:デゴイチの車輪なんですよ。これにピストンがついてる。 外山:こんな大きいんですね。 松本:ええ。一番大きい車輪です、日本の蒸気機関車の中では。 そうして、他にも何か見せたいのか、別の場所に移動しちゃう松本さん。吾郎さんと外山さんは後をついていくわけですが; 吾郎:先生は僕のメーテルと鉄郎に関しては何も触れて頂けない。 外山:そうなんですね(笑) ・・・(笑)。まぁ、外はすでに暗かったですしね(笑) 外山:先生、メーテルなんですけど。 松本:そうですね。・・・。 外山:ノーコメントで(^^;) 案内して下さった先は車庫。シャッターを開けると中には黒のレトロな車が。1960年代のクラッシックカー・モーガンだそうです。車のナンバーはもちろん“999”。車のナンバーがとられてるということは、公道も走るわけですね。 松本:モーガン。 吾郎:モーガン?! 松本:モーガン・プラス4 吾郎:名車ですよ・・・ 松本:輸入第1号車なんです、これ。 吾郎:輸入第1号!? 松本:ええ。 吾郎:恰好いい・・・。ナンバーが999で。 外山:ねぇ? 吾郎:第一号が先生で、2号、3号っていうのはどなたが? 松本:あの・・・(石原)慎太郎さんもお持ちのはずだし。これで走り回っておりました。 外山:ええ〜! そうしていよいよお宅の中に案内して頂くわけですが、玄関の扉からしてすでに凝っていて、映画フィルムのリールに見立てて自ら設計されたものだそうです。凝り方が半端じゃないです。 中に入ると、まず置かれていたのは飛行機の座席(ビジネスクラスのシート)。玄関にいきなり・・・・なぜ??? 外山:何でここにあるんですか? 松本:あの・・・(飛行機が)禁煙になったために(椅子が)取り換えになって、放り出されて叩き売られて。 確かに椅子の肘置きにたばこの吸い殻入れがあります。このシート、編集者の方が待つ場所として設置したのだそう。吾郎さんと外山さん、その椅子にちょっと座らせてもらったりして。見ると、すぐ隣のディスプレイに、吾郎さん的に気になるものが・・・。 吾郎:あ、こちらに旧日本陸軍と海軍の戦闘機(の模型)が。 松本:そうですね、私の父親が乗ってたもんですから。陸軍戦闘機隊なんです・・・ 吾郎:あ、じゃぁ、これが隼と飛燕ですね。 松本:97戦闘隼と・・・それは飛燕か。 吾郎:飛燕ですね。水冷エンジンと空冷エンジンで。後ろにあるのは一式陸攻じゃないですか。 松本:そうですね。はははは(笑) 外山:何でそんな詳しいんですか?! 吾郎:空飛ぶライターって言われた 松本:そうそう。 吾郎:火がつきやすいんですよね? 外山:へぇ〜 吾郎:山本五十六さんが乗っていて、そこで撃墜されてしまったという、ライトニング(P-38 Lightning)の、アメリカ軍の。 松本:立派な飛行機なんですけどね。 吾郎:一式陸攻、僕もこれ、プラモデルで作りましたよ。 と、カメラにお尻向けて、ロケ忘れて模型に夢中の43歳www そして、そのディスプレイの横になぜかキリンカモシカの剥製が。松本さん自身がケニアでハントしたものだそうです・・・って、話がいきなり飛びすぎっ! 松本:ライオンと決闘に行ったんですけどねぇ、残念ながらライオンとは決闘できなくて、これ(キリンカモシカ)を食べちゃたんですよ。 スケールが違いますね。 そうしてようやく部屋の中に。玄関もそうですが、応接間にも所狭しと物がいっぱい置いてあります。応接間には古代生物の化石,銃やフィギュア,大量のマンガ等々が山積みにされてます。吾郎さんが気になったのは、腕時計のコレクション。機械好きが高じて大量の腕時計もコレクションするようになったのだそう。ご自身がデザインした時計なんていうのもあるそうで; 松本:メーテルモデルとフロム・ザ・ムーン・トゥ・マーズ・・・実際に今、宇宙飛行士の皆さんはこれをつけて飛んで下さってる。 吾郎:オメガと言えば、ねぇ、月に行った… 松本:そうです、そうです。 この松本さんがデザインした時計、オメガ社の方から宇宙飛行士用にと時計のデザインをお願いされたものだそうです。メーテルモデルの方の裏側にはメーテルのイラストが入ってます。 さりげなく置かれている漫画の中には、松本零士さんが小学生3年の頃に描いたというマンガも。学級文庫のために描いたそうですが、これがまたしっかりとしたコマ割りがされていて、当時、松本少年が興味があった恐竜やロケット何かも出てきます。すでにプロ並み! 次に外山さんが気になったのは、“5段マルチ撮影台”。アニメーション制作用の撮影台で、人物、背景などのセル画を順番に奥行きが出るように台に水平にセットし、上から撮影をするもののようです。松本さん手作りの品で、まだ日本製のアニメがない時代に、ディズニー映画に憧れて、アメリカの本に載っていた写真を参考にこのようなものを手作りされたんですねー。50〜60年ほど前の話で、1つ1つがすごい話だわ。 ちなみにこのアニメ制作を夢見て試行錯誤をしていた頃、手塚治虫さん,石ノ森章太郎さんと松本零士さんの3人がそろって逮捕されそうになった事件があったそう。なんでもその頃、古道具屋のフィルムを買って違法で勝手に上映しお金を取っていた人たちが居たそうで、同じくフィルムを買って研究していた3人はその一味と間違われ、同じ日に家宅捜索を受けたそう。 松本:調書を取られかけて、『何のためにこれ(フィルム)を買うのか?』って言うから、『漫画映画を作る研究用であります』って言ったら、その刑事さん、『研究用?!研究用かぁ。そんならいいや。じゃぁ、頑張ってくれよ!』って背中をバンと叩いてねぇ、本当に励まして帰ってくれたんでね。3人そうだったんですよ。自称三大アニメマニア芋づる事件って3人で威張ってたんですよ。 そうして、手塚治虫さんが最初のテレビアニメを作ることになるわけですが、第一話の編集は松本さんの映写機を使って行われたそう。明日が試写会という前日に手塚治虫さんが持っていた映写機が壊れてしまい、松本さんのところにHELPが気がそうです。 吾郎:とにかくでもやっぱい絵だけじゃなくて、動かしたかったんですね、先生…。 松本:動かしたかった。うん、漫画映画を作るというのが最初からの夢だった。だからこれで自分で作ろうと思ったんですよ。だから16oじゃ大変だから、35oの撮影台まで買ってやったけど、お金が無いんですよ。17秒分ぐらいしかお金が、(セルが)買えないので、自分で作るのを諦めたわけですよ。それでインキンタムシになって助かったんですよ。 外山:えっ!?!??! 吾郎:えっ!?!??! いきなりの“インキンタムシ”というキーワードに目が点になる吾郎さんと外山さん。衛生状態も今ほどよくない時代の話なんでしょうね、感染して、とにかく『股座が痒くて血だらけで大変なことになるんですよ』という松本さん。股を掻きながら道を歩いていたら、おまわりさんに注意されてしまったのだそうですが、それで薬屋で薬を買って付けたら一発で治ったそう・・・突然何の話だという状態になってますが、そのインキンタムシのエピソードを漫画にしたのが『男おいどん』という作品で、4畳半の学生たちの様子(つまり自分の経験談)を描いたら、この漫画が大ヒットしたそう。特にこのインキンタムシのエピソードと治療法について描くと、全国から感謝の手紙が届いたそう(笑)。しばらくこのインキンタムシの薬のパッケージには、『男おいどん』のキャラクターが描かれていたそうです。 ちなみに、その感謝の手紙の中に、森木深雪という名前があり、そこから宇宙戦艦ヤマトの森雪というキャラクターが生まれたという話は余談ですが、面白いですね(笑)。 番組後半は、松本零士さんの仕事場へお邪魔。やはりもう、資料(小道具含む)が山積みで、どこに何があるか、ご自身でも何がどこにあるか、わからなくなってるようですが(汗)。作業机に並ぶのは、本当に昔から使われているもの。今だともっとデジタル化してるのかもしれませんが、手書きで描かれるその作業場には、ペン立てなど小学生の時から使っている道具も並んでます。絵をかくのは墨汁か証券用のインク。飛行機乗りだったお父様が使っていた計画定規(透明の板に分度器が書かれたもの。飛行角度を割り出していくために使う道具)なんかも、今でもコマ割りの角度決めのために使ってるんだそうです。逆に今は売ってないもののようなので、大事にされてると。 非常に様々な話をお伺いしましたが、まだ課題図書「松本零士 零次元マンガの描き方」については何もお伺いできてません!!!山田君の出番もなかったので、続きは次週、こうご期待! (17.10.29 up) |
第268回放送 '17.10.12 24:58〜 ゲスト:燃え殻 【課題図書】「ボクたちはみんな大人になれなかった」 いつものオープニング。 吾郎:こんばんは。 外山:こんばんは。さぁ、今夜なんですが、デビュー作ですよ。デビュー作がいきなり75,000部を突破しました、そんな作家さんがいらっしゃいます。 吾郎:すごいですね、今の時代で。 外山:ねぇ。デビューのきっかけはTwitterだそうです。 吾郎:Twitter発の作家さんというのは今の時代ならではでしょう、ねぇ? 外山:本当ですねぇ。 吾郎:外山さんのTwitterも、フォロワー1万人を超えてるみたいで。 外山:そうなんです!びっくりしちゃった。あははは(笑) 吾郎:僕も台本読んでびっくりしたんですけど(^^;) 席に移動しながらもそのままTwitterの話をしたりして; 吾郎:何でTwitterやってんの? 外山:Twitter…、何かラジオの番組でやらされて、そのままになってるだけなんです、正直言って。 吾郎:あんまり更新してないんですか? 外山:全然。 吾郎:1万人が待ってるんだよ? 外山:・・・そんなことよく言いますよね?(笑) 吾郎:あはは(笑) 外山:よく言いますよね?(笑) Twitterはやっぱりマメじゃないと続けられないですね(笑) 吾郎:でも、この方すごいんですよ。 外山:すごいですよねぇ〜。 吾郎:小説もすごい面白かったし。 外山:そうですね。 吾郎:さらっとね、読めて。 外山:はい。ではちょっとお呼びしましょう。 前振りが長くなりましたが、ここで今夜のゲスト燃え殻さんが登場。今回の課題図書「ボクたちはみんな大人になれなかった」は燃え殻さんのデビュー本。にもかかわらず、発売一か月で発行部数75,000部までいったヒット本です。 吾郎:専門の作家さんでは・・・ 外山:ねぇ、ないんですね。 吾郎:普段は何の仕事を? 燃え殻:えーと、テレビの美術制作の方をやってます。 外山:ねぇ? 吾郎:美術さんってことですか、要は? 燃え殻:はい。 外山:燃え殻さんの会社にはゴロウ・デラックスも大変お世話になっているんですよ、実は。 過去には、2016年5月5日放送『課題図書:日本史著名人の身体測定』のときに出てきた、歴史上の人物たちの等身大パネル、これらが燃え殻さんの会社で制作されたものだそうです。 吾郎:聖徳太子がやたら背高いってやつでしょ、当時。 外山:そう! 燃え殻:そういうのも作ってました。等身大パネルとか、イラストとか、フリップだったりとか。今日、僕、作ってきたんで。 と、自らのプロフィールが書かれたフリップを取り出す燃え殻さん。 吾郎:これ、自分で? 燃え殻:はい。 外山:あ、これ、作ってきて下さったんですね? 燃え殻:はい。 吾郎:写真も(自分で)選んだんですね。 燃え殻:これ、いいやつを選びました。はい。 吾郎:こだわりポイントはあるんですか、フリップの? 燃え殻:納期以外はあんまりこだわってないっていうか。 外山:ああ。 燃え殻:納期が間に合わないとぶっ飛ばされるんで。あの、納期以外はわかりやすく。 吾郎:色合いとか? 燃え殻:色合いは… 吾郎:ゴロウ・デラックスのこの番組にあわせたんですね。 燃え殻:はい、そうです。 外山:燃え殻っていうのは、何で燃え殻にしたんですか? 燃え殻:Twitterやるときに、何かもう、全然考えずに、その時すごい好きな元キリンジの堀込さん…堀込泰行さんの燃え殻っていう曲が、僕、すごい好きで。 吾郎:へぇ〜。 燃え殻:それをもう、ハンドルネームに。何かもう、申し訳ないんですけど、本当に軽い気持ちで、はい、やりました。 元々はTwitterで日常を綴っていただけだったのが、多くの人に支持され、フォロワーが14万人以上に。やがてその表現力が出版社の目に留まり、今回の本の出版となったんですね。 ここで当時のツイートを1つ紹介。
吾郎:あははは(笑)。 外山:これはわかるわ(笑) 吾郎:わかるね。 外山:うん。3大うるせえよっていうのが面白いですね。 吾郎:“ビームスのバイヤーみたい”って多分、わかんないですよ、ビームスのバイヤー。 燃え殻:僕も、僕も見たことないんですよ。 吾郎:見たことない。 外山:あはは(笑) 燃え殻:ないですよ。ビームスのバイヤーってもう、イメージ=勝てない、って感じがするじゃないですか。 吾郎:TSUTAYAのAVコーナー・・・これ、自分も居たってことですよね? 外山:(笑) 燃え殻:まぁ、そうなんですよね。よくいる場所・・・(汗) 吾郎:よくこういう気持ちを思い浮かびますよね。 燃え殻:元々、すごい、ラジオのはがき職人みたいなことをしてたので。何かそれに近い物があるんですよね。 吾郎:何かね、つながってるんですね。 燃え殻:はがきの中のこのサイズっていうか、その中に起承転結をつけなきゃいけないじゃないですか。それとTwitterがちょっと似てて、それを読んでくれる人たちが、何か思ってくれたりとかすると、勝手に僕はラジオに投稿してるようで、うれしいんですよね、そのリアクションが。 吾郎:なるほど。 そういう燃え殻さんの実体験に基づいて書かれた恋愛小説が今回の作品。 吾郎:まさに本当に僕なんかの世代のね、小説なので。ピッタリと、ドンピシャなんで。 燃え殻:年代だけはピッタリです、はい。 吾郎:でもね、あの…、好きなものとか、やっぱり好きです好きです。僕も小沢健二さん大好きですし。 燃え殻:はい。 吾郎:フリッパーズなんかもすごい好きでしたし。 燃え殻:ええ! 吾郎:すごいわかるなぁと思いながら。 燃え殻:あ、そうなんですか。 吾郎:うん、何か(過ごした)世界とか環境は違うけど、こういうものに対する憧れ?まぁ、サブカルって言っていいのかな?まぁ、サブカルに対する憧れが、逆にすごいメジャー中にいたからこそ。 燃え殻:ああぁ。 吾郎:ちょっとそういうものに… 燃え殻:ありました? 吾郎:逆に憧れてました。 燃え殻:あ、そうですか。 吾郎:も、もう、本当に。だからすごいわかりますよ。 燃え殻:ああよかったぁ。 今回の小説は、実体験。仕事のことを書こうとしたときに、燃え殻さんが働いていたテレビの美術制作の職場は“ブラック”を超えて“漆黒の闇”のような世界であり、そういう時に支えてくれた彼女の話を出版社の人にしたらそれが面白いのでは?ということになったようです。 さらに、恋愛に加えて、自分が生きてきた1990年代〜2000年ぐらいの混沌としたような空気感を持たせれば、ご自身としても書きやすいと思い、そんな様々な気持ちが籠った小説となったようです。 物語のスタートも実体験で、Facebookで偶然、元カノの名前を見つけたことからスタート。『知り合いかも?』と、友達の友達のつながりの中で元カノの名前が出てくることは、確かにありそうです。 その部分の記述を吾郎さんが朗読。 ちなみにその彼女は、自らをブスだというような女性。それでもそれを堂々と言うようなところに圧倒されながら、音楽や映画などの好みに対しての影響も受けたりしたようです。 吾郎:僕もその世代の時に、お付き合いはしてないけど、憧れる女性はいて。はい、2つぐらい上で。 燃え殻:はい。 吾郎:アシスタントやってたんですよ、カメラマンの。すごく影響が大きかったですね、その人が言ってる例えば写真集とか、美術的な… 燃え殻:買って読んでみたりとか? 吾郎:はい。映画もそうですし、音楽の影響もそうですし。すごくそこも共感ができて。 外山:うん、うん、うん。 吾郎:なんか影響を与えてくれる人って、すごく存在として大きかったのは分かる気が・・・ 今日の放送は、何気に吾郎さんが自分のことを語ることが多いですね。同い年の方がゲストだからついついいろいろと話しちゃってるんですかね。 ここで、外山さんの朗読は、主人公と彼女との間で繰り返された文通について。その文通では、先ほど話が出た小沢健二,フリッパーズギター,オリジナルラブ,コーネリアスといった“渋谷系”についての思いを互いに綴り続けたという内容。 吾郎:香りますね、当時の。小沢健二さん。 外山:はい。 吾郎:芸能界でお会いする機会は少なかったんですけど、でも何か夜とかそういうまぁ、遊びに行ったりとか、まぁ、それこそクラブとかで、そういうとこでお会いすることが何度かあって。 燃え殻:へぇ〜 外山:へぇ。吾郎さん、クラブとか行ってたんですか? 吾郎:だって、当時って、ディスコが終わってクラブとかが出始めてきて。 外山:ふーん。 吾郎:そういう友達の影響もあったから。しょっちゅう… 外山:へぇ。〜 燃え殻:だから、僕、本当に聞きたいことがあって、クラブに行ったりする、小沢健二さんにも会ったりする吾郎さんと僕は同い年なんですけど、僕の90年代とかひどいんですけど、その90年代とかにどうだったのかと。 吾郎:そうですよね。 燃え殻:すごく詳しく聞きたいと思って、今日、フリップを作ってきましたんで。 日向のゴロウ&日陰の燃え殻・ボクたちの90年代ライフ!
このフリップでどうしても最初に目が行くのは、1992年の『鶯谷の専門学校に通い挫折生活』という燃え殻さんに対して、『高級車マセラティを乗り回すセレブ生活』という吾郎さんの対比でしょうか?(爆笑) 吾郎:あはは(笑)。ずっと言われますよね、この間のオンエアから。 外山:ずっと(笑) 吾郎:だって頑張って働いてたもーん。 燃え殻:まぁまぁまぁ。 外山:頑張って働いてた、確かに。それはそうだと思います。 吾郎:そうだよっ!そんな女の子と外でデートもできないしさぁ。 外山:そうですね。 燃え殻:謝罪ですね。 吾郎:(笑) 外山:それはね、車に行きますよね、お金がね。デートで使うとか無いですもんね。 吾郎:うーん、だって、税金対策しなきゃいけないじゃん。 燃え殻:あはははは(笑) 外山:やだー!そんな未成年で、やだ!!! 一方、その頃、燃え殻さんは広告の専門学校に通っていたのですが、その学校が倒産。それにより、就職も広告関係の仕事につくこともできずに、結果、1995年には、『エクレアが流れる工場で労働』という、広告とは全く関係のない仕事についたようです。 その頃、吾郎さんは『70年代ソウルが流れるクラブで夜遊び』していたわけですが・・・(って、かなり聞こえが悪いですね(汗)) エクレア工場では1日12時間、7,000円ぐらいの肉体労働をしていたようです。 吾郎:いろんな方がいたんでしょうね。 燃え殻:いろんな人がいました。でも、ほとんど外国の方で。そういう意味では、吾郎さんのクラブで夜遊びと近いですね。 吾郎:あははは(笑) と、今だから冗談も言えるのでしょうけど、ご本人曰く、『不安で不安でしょうがなかった』と。 吾郎:そういう若者がいたんだ、同い年で。 外山:ねぇ。 吾郎:何をやってんだ、僕はこれ。 外山:(笑) 燃え殻:いやいや。 吾郎:まぁ、全然、違うか・・・僕の環境と。 燃え殻:いや、もちろん、仕方ないですけどね。 吾郎:僕も、忙しいは忙しかったですけど。またちょっと違う・・・ 燃え殻:でも、全然寝れないとかありました? 吾郎:そうですね。やっぱりドラマのスケジュールとかも、今よりもタイトだったよねぇ。不安とかも感じる時間とかもないくらい。何かとにかくずーっとキラキラ、キラキラ、キラキラ、キラキラ。 燃え殻:でも、不安っていうのは僕も一緒かもしれないですね。まったくキラキラはないですけど。その、あんまり不安を感じる時間がないんですよ。 吾郎:そうそう、やらなきゃいけないから。 燃え殻:やらなきゃいけない。その前に納期があるんで、その納期の方が不安なんですよ。 吾郎:いやいや、わかりますわかります。 燃え殻:だから、あんまり深刻に考える時間がなかったから続けられたっていうのももしかしたらあったのかなぁ、って。 吾郎:環境は違うけど、まぁ、お互い一所懸命はやってたわけだし。間違ってはいなかったわけだから。 燃え殻:自分なりの一所懸命。 吾郎:ね、それで今、こういうところに座らせてもらってるっていう意味ではうれしいですよね。 燃え殻:ありがたいなぁ、って思います。 吾郎:まぁだから、同じ・・・。すれ違ってるかもしれないですよ、渋谷とか原宿で。 燃え殻:絶対ないと思いますけど、だとしたらうれしいです。 最後、山田君のハンコはなぜかエクレア食べてる燃え殻さんでした。 (17.10.22 up) |
第268回放送 '17.10.05 24:58〜 ゲスト:沼田真佑 【課題図書】「影裏」 いつものオープニング。 吾郎:こんばんは。 外山:こんばんは。さぁ、今夜は第157回芥川賞を受賞された方でございます。 吾郎:デビュー作で芥川賞受賞って、すごい。快挙ですね。 外山:早速、お呼びします。沼田真佑さんです。 芥川賞受賞の沼田真佑さん登場。今回は直木賞受賞の方は出演して頂けなかったのかな? 沼田さんには吾郎さんの方から花束が渡されます。 吾郎:おめでとうございます。 外山:おめでとうございます。 沼田:ありがとうございます。・・・・・・・・・。 沈黙(笑) 吾郎:緊張されてます? 沼田:いや、いや・・・。 本人否定されてますけど、やはり緊張されてるんでしょうね。デビュー作で受賞ということで、受賞以前にそれほど表に出ることはなかったでしょうし。テレビ出演も今回が初のようです。 着席してトーク。まずは受賞の話を。 吾郎:受賞の知らせっていうのは、どこで聞かれたんですか? 沼田:文藝春秋の近くの、何か、カフェみたいな。 外山:編集者の方が、まず(電話を)取られて? 沼田:はい。どうも僕の方に最初掛かってたらしいんですけど、僕が気がつかなくて。編集者の方に電話来て。2人でいたので、僕にもすぐ伝わった、みたいなことなんで。 外山:(笑)。ちょっと待って。気付かないっていうのはどういうことなんですか? 沼田:いや(汗)、これは、僕には直接来ないという風な、まぁ、僕の聞き違いかもしれないんですけど。 外山:ふふふ(笑) 沼田:・・・と聞いてたんで、(携帯を)バッグに入れてて、気がつかなくて。 吾郎:すごいでも、会見のときも(服装が)ラフな感じで。 沼田:そう。本当に部屋着っていうか、こう…シャワー浴びた後に、汗が引いた後に羽織るような、こう…、何ていうんですかね、浴衣みたいな感じで着てるシャツだったんですね。 吾郎:・・・(苦笑) 外山:それほどもう、絶対に取らないだろうと思っていらっしゃったっていうことなんですよね? 沼田:本当にそうですね。 外山:ねぇ? 吾郎:今着てるシャツでは無いですね? 沼田:今は違います(汗) 課題図書は『影裏』。東日本大震災が起きた岩手県が舞台となってます。 今回の芥川賞の受賞は、岩手の自然を描いた描写力が決めての1つとなりました。その自然を描写した部分を外山さんが朗読。 吾郎:でも、岩手って本当に自然が多いですよね? 沼田:はい。 外山:何で岩手を舞台にして書こうと思ったんですか? 沼田:住んでる場所を書くのが一番、説得力があるというか。 吾郎:こういう本当に山とか川とかっていうのには、やっぱりいっぱい行かれたんですか? 沼田:はい、もう、近所で。車で5分ぐらいですかね。 実際にその舞台となったのは岩手県 生出川(おいでがわ)。沼田さんが慣れ親しんだ土地です。今回番組では実際に沼田さんに案内して頂き、そのVTRが流れました。 勢いよく夏草の茂る川沿いの小道。 一歩踏み出すごとに尖った葉先がはね返してくる。 「影裏」にはそんな一文があるそうですが、実際の光景も川沿いに雑草が生い茂るそんな光景。さらに川沿いを進むと、いつも沼田さんが釣りをする場所にやってきました。 しばらく行くとその道がひらけた。 行く手の藪の暗がりに、水楢の灰色がかった樹肌が見える。 吾郎:(小説に出てくるのは)あんな感じだよね、確かに。 外山:読んでてね。 吾郎:それが描写ってものなんだね。 この小説には、セクシャル・マイノリティ、いわゆる性同一性障害を抱える男性が登場します。その男性(=主人公の元恋人)が性適合手術を受け、主人公の前に女性として登場するシーンを吾郎さんと外山さんが朗読。 吾郎:ここ、どきっとしますよね。こういう人物を登場させた、セクシャルマイノリティみたいなのを描いたのは? 沼田:何年か今まで生きてる間に、そういった方に、友達になったり会うことはあったんですね。結構大変だなって思った印象がありまして。彼ら、彼女らの言葉が(頭に)残っていて。助けたいとかじゃなくて、ふっと出たんですね。 吾郎:結構、小説の中ではマイノリティってものをテーマにされてるんですか、やっぱり? 沼田:色んな状況で人はマイノリティになると思うんですね。 吾郎:うん。そうですね。 沼田:そういうものを、こう・・・すくう・・・『すくう』っていうのは助けるじゃなくて、こう…ザルですくうって言うか、すくい取るのが文学の一つの役割だと。 ただ書いているというだけではないんですね。 吾郎:何かこう…芥川賞作品ってやっぱりそういうマイノリティとか、そういったものが根底に絶対ありますよね。 沼田:結構、偶然でしょうね。 吾郎:ええ〜。本当ですか? 沼田:本当に。ある程度大枠は決めるんですけど、そこから自然とそれてくんですね、小説書いてくと…いるときに。「小さくまとまるなよ」っていう呼びかけみたいなのが。で、そっちの方に行ってみるんですよ、失敗を覚悟で。 吾郎:その何かコントロールができなくなった時っていうのが、一番いいパフォーマンスができますよね と、吾郎さん、自らの体験も含めてそんなコメントを。 『影裏』には、先述のように東日本大震災の様子が描かれてます。 沼田:この話、2010年〜2011年ぐらいの話なんですけど、あの時代の人や社会を書けばですね、自ずと震災のにおいがしてくると思うんですね。だからあくまでもその時代の人を書いただけで、その時代の人を書いたら震災のにおいがしたっていう。 吾郎:時代が先? 沼田:はい。時代が先ですね。立ち上ってきたにおいが、まぁそれは途中から意識しました。 今回の影裏というタイトルは、特に意識したものではないと仰います。作中にこの言葉を部屋に飾っている70代の人が出てくるのですが、この人物が選んだ言葉が、影裏という言葉なんだというイメージが思い浮かんだんだそうです。本当に意味は無いんだと仰います。 ちなみに、今回の沼田さんの受賞は、岩手県では始めての芥川賞受賞なんだそうです。地元でのサイン会の様子もVTRで紹介されてました。そこには沼田さんの“生徒”もやってきていて、地元では塾で英語を教えているんだそうです。 外山:先生に会いに来てるじゃないですか、生徒。どうでした? 沼田:最初、全然気がつかなくてですね、本当、いっぱいいっぱいっていうか、(本にサインを)書いてて。(顔を上げたら)『あっ』って。 外山:あははははは(笑)。反応が薄い! 吾郎:でも、嬉しいんですね、岩手の方。 外山:本当ですよ、岩手県民として誇りに思うって。 吾郎:そっとしておいて欲しいタイプの方なのにね。 沼田:本当にそう(^^;)。本当にそうなんですよ。 吾郎:書きたい人なんだ。 外山:そうなんですよ。 吾郎:もう、嫌なの、テレビとか。マイクとかつけられて。 沼田:いや…(笑) 吾郎:しょうがないですよ、だって。芥川賞取っちゃったもん。 沼田:そうです、はい。 外山:そうですよね。これからは本当ですよね? 吾郎:次会った時、羽田(圭介)さんみたいになってたら、僕、ビックリしますよ。 沼田:いや…(汗) 吾郎:すっげー喋って出てきて。 沼田:いやいや。 今回の作品はデビュー作ということですが、芥川賞のほかに『文学界新人賞』も受賞されてます。 吾郎:ちゃんと賞金は貯金してますか? 沼田:賞金は・・・新人賞の賞金ですか? 吾郎:50万円。 沼田:車検とか自動車税、まぁあの、国民年金の滞納で全てなくなりました(汗)。 外山:あはは(笑) 吾郎:(芥川賞の賞金の)100万円は貯金しましょう。 沼田:そうですね。まだちょっと国民年金がまだ…。 吾郎:まだ残ってる?(汗) 沼田:(笑) 作家さんって、売れないことには生活大変なんですね・・・。 最後は山田君のハンコ。ヤマメを釣った沼田さんです。 (17.10.15 up) |