第245回放送 '17.04.20 24:58〜
高田明「伝えることから始めよう」
オープニング。
吾郎:こんばんは。
外山:こんばんは。吾郎さんはテレビショッピング、利用したことありますか?
吾郎:(笑)・・・僕はね、あの…、実家ではうちの両親が何か買った記憶がありますけどね。
外山:ええ。私なんか夜、見てて、ああ、いいな、なんて思って、テレビ買っちゃったことがあります。
吾郎:あ、テレビあるんだ。お客さんじゃないですか。
外山:ふふふ(笑)
吾郎:買っちゃった、って…。
外山:今夜のゲスト、日本一有名な通販会社の創業者のこの方です。
すると、スタジオ内に;
♪ジャパネット ジャパネット〜
のメロディが鳴り響き、カメラが隣のセットに以降。するとそこには、今夜のゲストの高田明さんが通販スタイルで登場。でも、見慣れたテレビショッピングと比較するとちょっと落ち着いた声のトーンで話し始めます。
高田:高田です。あの、今回、私にはあまり似合わないことなんですけども、『伝えることから始めよう』というタイトルで本を出させて頂きました。私、30年近くラジオ・テレビの前で商品を伝え続けたんですけども、伝えたつもりが伝わって無くて、中々買って頂けない。これを繰り返し30年やってまいりました。だから伝えることっていうのは、”つもり”になっていたら本当に伝わってないんですよね。伝えることってこれだけ大事なことなんですっていうことが、少しでも皆さんに伝えることができたらという思いでこの本を出しました。機会ありましたら、手にとって是非、見て欲しいと思います。
ここまで語ったところで、吾郎さんと外山さんが高田さんと合流。
外山:(笑)。何か、いつもとちょっと違う感じじゃないですか?
吾郎:電化製品とか、宣伝する感じとはちょっと違って、何か恐縮されてるというか。
外山:お人柄すごく出てらっしゃる…
高田:テンションの話ですか?
吾郎:テンション…(笑)。僕も、『ファー↑↑』ってくると思ったんですけど。
高田:あれを今まで続けたら、僕の寿命はもう、あと何年しか続きませんので。じゃぁ、何であれテンション高かったかというのはですね、伝えたい思いがやっぱり強くなってるっていう。自分の情熱が段々、段々、ちょっと声を高くしてたっていう。
吾郎:えっ、これも伝えましょうよ、ちゃんと。
高田:いえいえ。
外山:
吾郎:買っていただきましょうよ、読んで頂きましょうよ。
高田:そうですよねぇ。1,600円ですから安いですよね?
一同:(笑)
吾郎:安い?安いですね。
高田:(笑)
さて、改めてテーブルに座ってトークです。
吾郎:不思議な感じですよね。
外山:はい。
吾郎:テレビ局でね、しょっちゅうお会いするわけでもないし、共演させて頂くわけでもないし。でも、ずっと見てるけど。
外山:本当ですね。
高田:やっぱりご覧頂いたこと、あるんですか?
吾郎:もちろんあります。
高田:ジャパネット。
吾郎:はい。もちろん、もちろん。外山さんもテレビを。
外山:はい。いやもうね、やっぱり買いたくなっちゃうんですよね。レイコップ(布団クリーナー)もそうでしたけど。
吾郎:結構、買ってますね。我々の仕事も伝えることですもんねぇ。
外山:そうですよ。
吾郎:まぁ、どんな仕事もそうだと思うんですけど。
外山:うん。
高田:1つの商品を10回、20回って、繰り返し繰り返し、色んなカメラの角度とか、自分の語り方とかを、分かりやすく伝える方法を考えているうちに、段々少し分かるようになってきたと。
その、どうやったら伝わるかについて高田さんがこれまで培ってきたものを記したものが今回の課題図書『伝えることから始めよう』です。
その伝えることの1つの例を述べた部分を吾郎さんが朗読します。
大画面テレビを売るときの言葉として、性能ではなく、そのテレビが家庭に1台あれば、どんな風に生活が、自宅のリビングが変るかを説明することを心がけていたようです。
外山:機能とかを説明するのではなく。
吾郎:うん。普通はしますよね、でもね。
高田:やっぱりどうしても性能アップをすごく、7〜8割アップを伝えて、最終的に価格が安い/高いっていう話になりますけどね。本当はそうじゃなくて、物は何で人は作ってきたんだろうと考えたら、やっぱり人の暮らしを楽にするとか、物が生み出す人への幸せっていうのはとてつもなく大きなものがあるっていうことを伝えたかったっていうことですよね。
吾郎:イメージがわくよね。
他にも電子辞書だと、そこに収録されている本を全てスタジオに揃えたり、家庭用のカラオケセットだと自ら歌って聴かせたり。実際のテレビショッピングの映像が流れます。
吾郎:面白い。これ、見ちゃいますよね。
高田:(笑)。カラオケでもねぇ、新婚の若い女性の人生を変えた事があるんですよ。
何でも、嫁いだ先の家庭で、昼間、姑さんと2人っきり。ご近所さんに知り合いも無く・・・というときに、この家庭用カラオケを購入したら、カラオケ好きの姑さんと毎日一緒に歌うようになったと。
高田:そうなんだ。このカラオケは、29,800円の価値じゃないね、っていう。商品ってそういうものがあるじゃないかと思うんですね。
元々はカメラ店を経営していた高田さんが、通販を始めたきっかけは、地元・長崎のラジオ局でラジオショッピングを行った際、5分で100万円を売り上げたという経験があったから。
吾郎:でも、ラジオだから(商品が)目に見えないじゃないですか。
高田:だから当時ね、始めた頃は、1万円以上のものは見えないからラジオでは難しいって言われたんですよね。
単純に“小さい”と言ってもどのぐらい小さいのかさっぱりわからない。ならば具体的に、名刺サイズだとかパスポートサイズだとか、分かりやすい他のもの表現を置き換えることが必要だと仰います。
そうして高田さんは1994年にテレビショッピングをスタートさせます。更に、総工費数10億円をかけて、自社のテレビスタジオを建設。かなり無謀とも思える行為ですが、とにかく時代の変化に即座に対応するには、番組を外注していたのでは間に合わない、自社でスタジオを作ることで、新商品を即座に紹介できる体制を整え、今の会社の基盤を作ったとも言えます。
吾郎:とは言っても、実際、自社スタジオを作るっていうのは。
外山:ねぇ?
吾郎:大変なことですよね、発想に無いよね、普通は。TBS作っちゃうみたいな。全く変りましたか、作って?
高田:変りましたねぇ。やっぱりスピード感。パソコンが(世の中に)出たときに、「これはダメだ!」と思ったんですよ。だって4ヶ月に1回、新商品に変るでしょ?
吾郎:はいはい、うん。
高田:それで、外部で(番組を)作ったら2ヶ月かかるんですよね、編集とかやってたら。そういうときには、放送の時には新商品じゃなくなるんですよ。スピードでいかないと、もう、テレビは続かないなと思って、スタジオつくろうと思ったんですよね。
そのジャパネットたかたの本社(佐世保)にカメラが潜入。
まず、1階のロビーには、商品を10万台とか100万台とか販売した記念に、そのメーカーから贈られたスペシャル製品(喩えば黄金の炊飯器とか)と感謝状が飾られてます。
テレビショッピングの番組制作スタジオの方にもお邪魔します。1つのフロアにぐるっと7つのセット(和室・洋室など)があり、入れ替わり立ち代り放送できるような作りになってます。出演者だけでなくスタッフさんたちも全てジャパネットの社員さん。出演者は全て自分の言葉で話し、台本・カンペは一切ありません。スタジオセットを移動しながらも製品説明を続けるという、もはや神業だわぁ〜。
そうして、スタジオには、普通のテレビ局には無いものが。今、どのぐらい注文の電話が入っているかを表示するモニタがセットされているのです。視聴者の顔は直接見えなくても、このモニタで反応を知る事ができるのですね。
吾郎:視聴者の皆さんというより、消費者の皆さんの声が電話の回数で伝わるから、僕らの仕事とはまたちょっと違うね。だってこれ、「つまんねぇなぁ〜」って思ってテレビ観てる方もいるかもしれないし。
外山:えっ、嫌ですねこういうのあったら。
吾郎:バロメーターで?今、面白いとか?
外山:(チャンネル)回されちゃってるというのが…。
吾郎:(チャンネル)変えられちゃってるのが。
今まで販売してきた商品で最も高額なものは、電気自動車(280万円)、電気自動車の特徴=低燃費/低音というのをアピールしたら、夜中や早朝に配達するような豆腐屋/新聞配達などの業種の方に売れたんだそうです。
高田:やっぱり、どれだけ知っていただいて、どんな提案をするかによって、市場って、商品の伝わり方が違うんですよね。
外山:確かに、目の付け所というか、使い方の。
吾郎:それは車屋さんではやらないね。
ここからはセットを移して、特別企画、『GoronetTAKATA』です。
先ほどから話をして頂いている商品紹介を、今回スタジオで実演していただきます。紹介する商品はヴォイスレコーダー。
高田:ボイスレコーダーっていうのは、吾郎さん、知ってます?
吾郎:知ってます。
高田:使うところは?
吾郎:使うところ・・・僕は、例えば取材をして頂く時とかに、記者の方が目の前に置いて頂いて、回していいですか?って言われて、僕が喋っていると。
高田:外山さん、どうですか?会議で使いますか?
外山:そうですね、使います、使います。
というのが一般的な使い方ですが、高田さんは、年配の方にメモ帳代わりに使うことを提案します。物忘れしないよう、何かを思いついたときにすぐにボイスレコーダーにメモをする。ボタン一つで記録できるので、いつでもどこでも簡単に使うことができます。
吾郎:本来のICレコーダーの使い方ではないですもんね。
高田:それを紹介したら、シニアの方から圧倒的に注文が殺到したんですよ。
外山:へぇ〜。
吾郎:へぇ〜。
高田:後は、(吾郎さんに)ちょっと”軽い”を表現して頂いて・・・
外山:あははは(笑)
すると、吾郎さん、「軽い、軽い〜」と言いながら、ふわふわと放り上げたり手振りをしたりで、
高田:あ、下手です。(きっぱり)
外山:あはははは(笑)
高田:軽いですねぇ、って指で喋るんですよ。
と、ボイスレコーダーを指先だけで挟んで持って見せ、それだけ軽いことを説明。そうやって見せることで軽いイメージを持ってもらえると。ちなみにゴロネット価格4,980円だそうです(笑)
吾郎:(高田さんの説明に)引き込まれますね。
外山:そうですね。ねぇ、吾郎さん、どうでしょう?そういう通販番組の素質ありますか?
吾郎:(^^;)
高田:それはもう、すっごくね、表情の中に心が出られる方ですから、ショッピングは100%向いてます。
吾郎:本当ですか?
高田:はい。
外山:ねぇ。
吾郎:ああ、じゃぁちょっと何か、お仕事に困ったときにはよろしくお願いします。
外山:あはははははは(笑)
そこかよぉ〜
さて、エンディングですが、今回、高田さんから素敵なお言葉が;
高田:僕は伝えることっていうのは、“伝わっていないものをどうして伝えるか”っていうのもすごく僕のチャレンジだったんですよね。だから、ゴロウ・デラックスさんでは本の中の本当の魅了を掘り起こして伝えているっていうのは、僕が商品を紹介してきた30年間と一緒じゃないかなと思ったんですよ。だから、その本が何万人、何百万人の方に影響を与えるような、この番組だなというのを感じましたんで、すごくいい時間を過ごさせて頂きました。
吾郎:ありがとうございます。いやぁ〜、嬉しいですねぇ。
外山:嬉しい。
と、こうやって言葉で伝えて下さると、本当に嬉しいですね。
最後は山田くんのハンコ。さきほどのテレビショッピングでカラオケを紹介している映像から、カラオケで100点出した高田さんを。
(17.04.23 up)
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