第224回放送 '16.10.27
引頭麻実「JAL再生 高収益企業への転換」
最近、芸能関係の方とか、テレビでお見かけすることがあるゲストが多かったように思いますが、今回は会社にお勤めの一般人(よりは全国的に活躍されている方ですけどね)です。こういう方がゲストというのが、ゴロウ・デラックスらしさだという気もします。
吾郎:こんばんは。
外山:こんばんは。さぁ、今夜は、日本経済を知り尽くした女性が登場します。
吾郎:はい。
外山:バラエティ番組出演自体、ほとんど無い方なんですよ。
吾郎:経済の事、大丈夫ですかね、僕らで?
外山:ねぇ・・・・・
吾郎:えっ?
外山:そうですね。
吾郎:(笑)
外山:(笑)
妙な間がありましたが、今回はあくまでも勉強するというスタイルで。
ゲストの引頭麻実さんは、大和総研で専務理事を務める方。日本経済を牽引している一人として番組では紹介されてます。
引頭:こんにちは。よろしくお願いいたします。(名刺を差し出して)引頭でございます。
吾郎:あ、ありがとうございます。僕、名刺無いんですけれども。
引頭:はい、大丈夫です。
吾郎:顔が名刺でございます。
一同:(笑)
着席して改めてトークスタート。
吾郎:そもそも、大和総研というのはどういう会社なんですか?
引頭:大和総研というのは、一言で言うとシンクタンクということですね。
そのシンクタンクが何か、よくわからないんのよね、一般には(汗)。
引頭:まぁ、あの、経済とか、制度とかを分析して、国に対して「こういう風にしたらいいんじゃないか?」っていう提言をしたりですね、そういう会社です。
吾郎:へぇ〜。
そういう経済分析のプロの引頭さんが書いた今回の課題図書が「JAL再生 高収益企業への転換」。JALの経営破綻の分析と、回復した要因を取材して書き上げたものです。
外山:本当に何か、あ、これってJALだけの話じゃないぞっていう。
吾郎:そうですね。あらゆる世のなかの企業に通ずるものがあって。
引頭:そうですね。
ただ、引頭さんが書きたかったのは人間模様。JALの人がどのようにして変っていったのかというのを書きたかったと。元々はJALも国営企業なんですね。なので、従業員に自分たちの会社は絶対に潰れないという意識があったのだろうと分析します。
吾郎:具体的にはどのように改善していったんですか?
引頭:まず、プライドですよね。ナショナル・フラッグ・キャリアというプライド。あの…言葉を選ばずに言うと、お客様と航空会社だと何か航空会社の方が偉いみたいな少し上から目線的名ところが。
吾郎:へぇ〜。
引頭:やっぱりそのときには多少あったと思うんですね。
それを、プライドの場所は“お客様が喜んでくれること”と切り替え、客と向き合うことを考え始めます。
また、マニュアル主義の仕事のやり方。安全第一のマニュアルは大事なのだけど、関係ないところまでマニュアル重視でやりすぎはどうかという話です。本の中では、飛行機の工場見学に来た方に、飛行機のスクラップ部品を切断して、ストラップにして記念品として配布している活動を紹介しています。元々、スクラップを外に持ち出され、事故に繋がってはいけないというマニュアルがあり、それを20代の女性整備士が、マニュアルにひと手間加え、スクラップを更に切断して事故に繋がる可能性を排除することで実現させたものだそうです。
吾郎:危なくないけどね、スクラップにした部品、バラバラにしてあげたところで。ただ、マニュアル的にはダメなんだろうね。
引頭:そうなんです。
吾郎:これ、でも、確かにJALは変ったって言うよね。
引頭:まぁ、吾郎さんも飛行機乗られてるときに、機長さんが何か言うじゃないですか。
吾郎:はい。
引頭:こっちに何とかが見えますとかね。あれは同じ路線を飛んでても、機長さんによって仰ることが微妙に違ったりしてませんか?昔は一字一句一緒だったんですね。
吾郎:はいはいはい。ちょっと分かりますね。
引頭:分かります?
吾郎:その、機長さんのやっぱり姿が想像できます、今は。どんな方かっていうのが分かると安心にも繋がるんで。
引頭:そう。そういう風に自分の心を、お客様にお伝えする。
吾郎:自分の言葉で。
引頭:そうそう!そうやって変っていったというのが一番大きいですかね。
さて、ここで引頭さんの仕事に密着。
仕事場に到着すると(さすがに個室です)、当日の会議資料に目を通し、またいくつかの新聞にも目を通します。VTRで見ていたのは電気新聞、電力業界の業界紙です。震災以降、タイムリーですしね。ほかに日経産業新聞に読売新聞。これに自宅で読んでる新聞とあわせて、4〜5紙、毎日、目を通すそうです。
その後、10時から大和総研理事会(会議の様子は極秘)、12時から経済同友会幹事会を終え、午後2時にようやく昼食。後輩(といっても、部長さん)と一緒に食事されてました。
18:30〜一橋新経済人倶楽部という異業種交流会に出向き、人脈を広げ、交友関係の広さが伺えます。
吾郎:忙しいですね、でも。
外山:ねぇ?私たちの生活に直接関係しているお仕事って何かあるんでしょうか?
この3月まで、ガスの自由化について検討する委員会の委員もされていて、そもそも電力・ガスの自由化の意味について。1985年、電電公社がNTTに民営化され、今は今年の4月から電力小売の全面自由化、そして来年4月からはガスも自由化がスタートします。
吾郎君も外山さんも電力会社は変えてないという様子で、それに対して、「がっかり」という引頭さん。自由化により、消費者に選択肢が増えたことにより、料金が安くなる、異業種と提携して新しいサービスが受けられるようになるなど、メリットがあると。(個人的にはその辺は異論あるけど。)
吾郎:これね、みんな思ってると思うんですよ。貯金ってした方がいいのかな?って。
外山:お金持ちがお金を使わないからお金が回らないみたいな話ってあったり。
吾郎:あったりするじゃない。だから、その・・・ねぇ?実際、使った方が本当はいいのか?いやいやいや、貯金しといた方が、何十年後のことを考えると。
外山:いいんですよ、吾郎さん、使って。
吾郎:・・・
外山:ふふふふ(笑)
吾郎:何かさ、貯金の話してからさ、ちょっと見る目変ったよね、さっき。
外山:えっ?
吾郎:30秒前ぐらいから。
外山:(笑)
吾郎:貯金使わなきゃダメ?
外山:いえいえ。
吾郎:貯めちゃダメ?貯まっちゃダメ?!
引頭:中々ね、答えは難しいんですけど、バランスが重要だと思うんですね。貯めてばかりじゃダメ、使ってばかりじゃダメ。ということで、私がお薦めするのは自分への投資ですね、何か自分が自分に身につくとか、自分が喜ぶとか、自分がリラックスするとか。
吾郎:自分へのでいいんですか?
引頭:できれば吾郎さんは社会へにもお願いしたいんですけど(笑)
外山:(笑)
吾郎:・・・はいはい。
引頭:一応、言っておきますが。
番組最後の山田くんのハンコは、お札の肖像画になった引頭さんでした。
(16.11.06 up)
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