ゴロウデ・ラックス'16年8月放送分

 

'16年8月放送分
第215回放送
16.08.04
第216回放送
16.08.11
第217回放送
16.08.18
第218回放送
16.08.25



♪番組の説明

祝・4年目突入!!『ゴロウ・デラックス』とは…?
SMAPで一番おしゃべり好きの稲垣吾郎がMCを務める業界唯一無二のブックバラエティ
毎週1冊(課題図書)、巷で話題の本からベストセラーまで様々なジャンルの本を深く紹介!!
さらに、
大御所作家先生からまだテレビに出ていないニューキャラまで幅広いゲストをお迎えし、トークする番組。


 

第218回放送 '16.08.25
山本健太郎「文房具図鑑 その文具のいい所から悪い所まで最強解説」

いつものオープニング。

吾郎:こんばんは。
外山:こんばんは。さぁ、今夜のゲストは番組最年少の13歳、中学生1年生です。
吾郎:今、話題の天才中学生?
外山:ねぇ〜?


今夜の課題図書は、中学3年生の男の子、山本健太郎さんが書いた『文房具図鑑』です。ちょっと話題になってますよね。
そもそもは自由研究で全て手書きで描いた文房具をテーマにしたイラストつきの解説書がとても完成度が高く、そのまま出版され、すdねい5万部を超える販売実績を誇る話題いっぱいの作品なのです。

吾郎:僕のこと、知ってますか?

そりゃ知ってるだろー、と思いつつ、年齢が3倍以上違うんだよね・・・(汗)

山本:ああ、もちろん知ってます。
吾郎:本当ですか?
山本:何回もテレビで。
吾郎:見てますか?
山本:はい、見てます。
吾郎:今、テレビ映ってますよ。みんな観てますよ、学校の友達。
山本:(放送が)1時だからわからないけど、緊張しますね。
吾郎:まぁ、でも、興味深いんで。オジさん(吾郎君も)、オバさん(外山さんも)、興味深いんで。
早速、本を朗読です。図鑑を描くキッカケとなったのは、母親から”白い本”をもらったことだと。お母様がイラストレーターの仕事をされてるんだそうです。

吾郎:これ、(168個の)文房具、どうやって調べたの?内容というのは。
山本:7割ぐらいは買ったり、持ってた物で試したりして、3割かそのぐらいはネットとか雑誌とか、調べたりして描きました。

中でもまず、吾郎君が気になった文房具は・・・

吾郎:”MONO”のね、今、健太郎君が着ているTシャツとか見ると、これは僕ら子供の頃から変ってないですから。

私自身は、シード社のレーダー消しゴムの方が馴染みがあるのだけど、消しゴムにも地域性があるのかな? (実際、シード社は、大阪の会社だけど)

この図鑑、全ての文具が実物大のイラストが載ってます。観察力もだけど、実物大というのがすごいのですよね。このMONO消しゴムも、色んなサイズがあり、実物を用意して、イラストの上に並べてみたり。実物とイラストがピッタリ一致。

そして、図鑑に載っている文房具は、それぞれ特徴が記載されており、実際に使ってみて、いいところも悪いところも両方がコメントされてます。

吾郎:(ぺんてるの修正テープ『カチット』について)「おもしろい形の修正テープだが、右手でもつと、とてももちやすい。(しかし、自分自身左ききなのでとてももちづらい。)」で、「かさねぬりはダメ。上書きもダメ」
山本:(笑)
外山:ちゃんとね、ここに書いてありますよね、修正テープ貼った上に書くとはがれる。


更にこの本のいいところは、それを受けて文房具メーカーのコメントも載っているところ。ぺんてるさんから『貴重な意見をありがとう。みんなが使いやすい商品を作れるようがんばります。(ちなみに一応、上書き・かさねぬりデキマス・・・!)』と。
なお、本に載っている『カチット』は緑色。スタジオに用意された実物はピンク色で、どうやら本が出た後に改良されたらしい。

山本:ちょっと改良されたらしくて、重ね塗りしてもOKになりました。
外山:健太郎君の意見で?もしかして。
吾郎:あはは(笑)
山本:わかんないですけど、多分。


ここからは、山田君も加わって山本さんが薦める文房具について。

【デルガード(ゼブラ) 486円(税込)】

芯が折れないシャープペンシルだそうで、吾郎君、実際にためし書き。

吾郎:あ、折れないね
外山:ええ、何で?結構、強く書いてますよね。
山本:秘密は軸にあって、中にバネが入ってて、力を入れるとバネが力を吸収する仕組みになってて、折れない。
吾郎:わかった、この、遊び部分があるんですよ。受け止めてくれるの力を。これ(バネ)がクッションになってくれるの。
山田:(芯が)出るのをガードしてくれるか”デルガード”!
山本:そうです。
吾郎:これ、すごい好き。


【オレンズ(ぺんてる) 540円(税込)】

今までは0.3mmの芯が一番細かったのが、これは0.2mmという芯の細さを実現しているシャープペンシルです。この細いペンを使って、今回の本のカバーを外した部分の表紙に、イラストも描いたりしてるんですって。


【ノック式エナージェル(ぺんてる) 216円(税込)】

吾郎君にオススメのペンということなのですが・・・

山本:吾郎さんが左利きっていうことで、僕も左利きなんですけど。
外山:そうかそうか。
吾郎:あ、左利きだもんね。
山本:乾きが遅いボールペンだったら、ここ(手)にこうやって(左から右に)書いてるから。
吾郎:あ、(インクが)付く、付く!
山本:はい、付いて。あと、インクがバッてなって(紙面も汚れて)字が変になっちゃうことも。このボールペンは早く乾くボールペンで。
吾郎:そんなのあるんだ。

もちろん、ここでも試し書き。インクもゲルインキ式のもので、かすれることもないと。また、太さも0.3mm〜1.0mmと色んなタイプがあるようです。
山本さんはガッツリ書ける0.7mmが好きと。吾郎君も試してみますが;

吾郎:あ、太いねぇ。書きやすいけど、ちょっと太い。僕、ちょっと細いのが好きで、替えに行ったもん。僕、ずっと使ってるボールペンが1つあって、デルタっていうイタリアメーカーのね、それをずっと使ってて。人にもらったんだけど。

と、さらっと言ってますが、画面に表示されたのは、48,600円もするボールペン!(デルタドルチェビータ ミディアムオリジナルボールペン)。さすがだよぉ(@o@)

吾郎:それ、でも、芯が太かったから、替えに行った。
外山:あ、細いのに?
吾郎:そうそう。・・・それぐらいかな、ボールペンのエピソード(笑)


さて、ここからは山本君個人について。まずは文房具を好きになったきっかけについて。小学校の頃は面白系の文房具が好きだったそうで、”たんたん”という文房具屋さんがそういう系列の文房具が揃っていたんだそうです。こちらは面白消しゴムの品揃えが日本一というようなお店なんだそうです。山田君が山本君と一緒にロケを。こちらはもちろん消しゴム以外にも売ってます。

吾郎:(山本君は)どれぐらい持ってるんだろう、文房具。100本ぐらい?
山本:僕は、550個ぐらい。
吾郎:俺、2〜3本しかないわ。
外山:(笑)
吾郎:芸能人はやっぱりマッキー(ゼブラのマジックインク)、持ってなきゃいけないから。サイン…。マッキーの出が悪いと、マネージャーに怒るからね。
山本:(笑)


そして、山本君のご自宅拝見。物はたくさんありますが、散らかってるわけではなく、文房具がとても綺麗に並べられてます。お店からディスプレイ用の台を譲ってもらって、そこに並べられていたりと、見ていて楽しいですね。


話を戻して、山本君が薦める文房具の紹介を。

【パワータンク(三菱鉛筆) 216円(税込)】

ボールペンの欠点を全てなくしたと言うペンで、上向きにすると普通のボールペンだとインクが出なくなるのが、このボールペンは上向きでもずっとインクが出続けるのだそうです。吾郎君が実演してくれてますが;

吾郎:何か僕たちさ、通販の番組やってる?さっきから。
外山:あははは(笑)。本当!
山本:(^^;)
吾郎:リアクションも。
外山:パワータンク恐るべしですね。

更に、紙が濡れていても書けるボールペンだそうで、ノートを霧吹きでびしょびしょに濡らしても、サインが書けちゃいます。・・・・そのサインを書いたノート、びしょびしょでもいいから欲しいわ・・・。

吾郎:アウトドアでも使えるってことだよね、登山とか。(通販風に)さぁ、お値段の方は?
山本:(笑)
外山:ええ、三菱鉛筆から、200円です。
山田:ええ、安い!


【アーチ(サクラクレパス) 108円(税込)】

次に紹介するのは消しゴム。消しゴムカバーの部分に、滑り止めのグリップがついていて、とても消しやすいんだそうです。また、使っていくうちに小さくなっていく消しゴムにあわせて、カバーを切ったりしていきますが、きりやすいようにカバーに切り取り線がついていたりします。吾郎君実演してますが、普通、お尻側から切るのに、グリップがついてる頭の方を切ってるし。

外山:そっち側、あ、切っちゃう。
山本:(笑)
吾郎:あ、逆ね・・・
外山:そこ、グリップだから!!

いくら数々の工夫がされてても、使う人次第?!(爆)


【プラスチック消しゴム リサーレ プレミアムタイプ(コクヨ) 129円(税込)】
これは図鑑には載っていないのだそうですが(書き終わってから気付いたのだそう)、今回、ゴロウデラックス用に特別にイラストと解説を描いてくれました!
「とても消しやすいケシゴム。消しカスがよくまとまるし、とてもよく字が消える。色も黒でカッコウイイ。」

このケシゴムが余程お気に入りだったのか、消しカスを集めて、1つの塊にして持ってました。一度はやるよねー(笑)

外山:集めてたんですか、ずっと?
山本:えっと、授業中暇だったときに・・・。
吾郎:暇じゃないよ!


最後に山本君の将来について;

吾郎:やっぱりさ、将来の夢は文具メーカーに勤めるの?
山本:僕は、漫画家になりたいですね。
吾郎:そっか、こと細かい描写といい、作家とか漫画家さんとかなれるよね。

山本君、小学校2年の頃からギャグ漫画を描いたりしてるんだそうですよ。
最後に、山田君のハンコ披露の後、山本君から吾郎君にプレゼントが。手書きで”ありがとうカード”を作ってきてくれました。文房具の街をイメージしたイラストも描かれてます。

吾郎:漫画家さんになって・・・
外山:いつかね。
吾郎:また番組に来て欲しいよね。


(16.09.11 up)



 

第217回放送 '16.08.18
中村文則「火」,桃井かおり

オープニング。

外山:さぁ、今夜のゲストは人間の心の闇を書き続ける芥川賞作家さんです。
吾郎:はい。まぁ、僕も最近はですね、闇を抱えた人間を演じることが多いですね。
外山:演じることがね。

ん?演じる事はあるけど、そういうイメージが強いだけで、数としては、案外、少ないんじゃないかな?(笑)

吾郎:いや、もう、是非、お会いしたかったので。
外山:そうですね。
吾郎:楽しみにしておりました。

本日のゲスト 中村文則さん登場。2005年に芥川賞授賞されてますが、人間の中に潜む悪についてずっと書き続けられてます。

中村:(セットを眺めながら)すごい・・・華やかな場所ですね。華やかすぎて何か、落ち着かないです。
吾郎:いや、全然、全然。金色っていうだけで。
中村:きらびやかで。僕、明るい人間では無いですので。
吾郎:まぁ、何となく、本読むと、明るい人ではないのかなと。
中村:そうそうそう。こういうとこ行くと、何か、どっかに隠れたくなるっていうのがちょっとあります。
吾郎:いや、隠れないで下さいっ!
外山:二人は初対面なんですか?
中村:1回だけ、西加奈子さんのうちの花見で…
外山:出た。
吾郎:出た!!!(笑)
中村:西さんが、あの…、飼ってる猫があって、すごい警戒心が強い猫なんですよ。
外山:ええ。
中村:誰にもよりつかないんですけど、稲垣さんが一回、チャレンジして。
吾郎:そうですよ。
外山:
中村:そしたら、稲垣さんに、少し、寄ったんですねぇ。やっぱりさすがだなって。
吾郎:いやいや、全然。「おいで」って言っただけで。
中村:いや、でも、結構、粘ってましたよ!(笑)
吾郎:あははは(笑)
外山:(笑)

さて、ここから中村さんのプロフィール。
これまで、子供の頃から本が好きだと言う方が多かったですが、子供の頃は本には興味が無かったそう。 高校のときに、学校に行けなくなり、人間として自分はダメだと思っていた頃に、『人間失格』を読んだときに、”これは自分だ”と思うようになってから、多くの本を読むようになったのだそうです。

2002年、25歳のときに「銃」で身長新人賞を受賞し、作家デビュー。
そのころはお金もなく、フリーターをしていて、精神的にも追いこめられた気分になっていると。そのときのエネルギーが、この「銃」という作品には全部入っていると語っていらっしゃいます。

吾郎:しかもこれ、あれなんですよね。高島平なんですよね、舞台がね。僕、高島平なんですよ、出身が。
中村:あ、そうですか。
吾郎:はい。
中村:僕、あの当時、西高島平に住んでました。
吾郎:わかります、わかります!
外山:あははは(笑)
吾郎:僕が28, 9だから、俺もたまに帰ってたもんなぁ。あの頃の高島平か…。
外山:すれ違ってたりしてね、じゃぁ。
中村:気付きますよ、普通、稲垣さんだったら。
吾郎:いやいや。


ちなみに、「銃」の前に2作ほど作品を書かれていたものの、いずれも2作品とも一次予選で落選。それで、自分の何がいけないのかを考えるようになり、客観的に見る事が足りなかったと。

吾郎:客観的に見て修正する部分はあったんですかね?
中村:小説家の能力は、書く能力と読む能力が大事で、読む能力が高いと、その作品の何がいけないか分かるじゃないですか。
吾郎:はい。
中村:書いただけじゃ意味が無いので。これが、ちゃんとこう…、本屋さんに並んでいるのを想像しながら読むとか、そういうことをしていったときにですね、だいぶ、変りました。

この後も作品を次々発表され、2004年、27歳のときに「遮光」で野間文学賞を受賞、2005年に「土の中の子供」で芥川賞を受賞されます。いずれも暗い話ばかりなんですね。
作品は海外でも翻訳版が出版され、2014年にデイビッド・グーディス賞なんていう賞を受賞されてると、経歴を見ただけでも素晴しいです。

作品のテーマは毎回ご自身で考えていらっしゃるようですが、とにかく、書きたいこと=自分の中にあるモヤモヤした感じが途切れないと。それをベースに作品にされてるんですね。

吾郎:・・・・・・
外山:へぇ・・・・・・
中村:・・・・。大丈夫ですか?今、変な人が来たみたいになってません?(笑)。変な人をTBSに呼んじゃったみたいな?
外山:全然、全然。
中村:ダメだったら言ってくださいね。

(笑)。この番組、もっと変な人はいっぱい出てるしねー。

スタジオには、中村さんの創作ノートを。なんと、作品の内容がぼんやり見えた時点で、ノート選びから始めるんだそうです。

吾郎:いや、すごいね。ノートにこだわりがある作家さんって、あんまり聞いたこと無いよね?具体的にどういうことが書いてあるんですか?
中村:たとえば、思いついた言葉ですね。
吾郎:全員、そういうわけじゃないのかな、作家さんって。
中村:人によると思いますよ。僕の場合、ノートに書いて、そしてパソコンに打ち込みます・・・そのとき、ものすごく集中できるまでパソコンにいかないんですよ。1日で一番脳が働くときにパソコンに向かって、ものすごく集中する。
吾郎:へぇ…。
外山:それ、今だ!ってわかるんですか?
中村:大体、わかります。今日はここだなって思ったときに、一番働くときに集中していくと、あんまり覚えてないんですよ、書いた後。のめりこむんで。そうなると、人間の無意識まで降りていけて、ちょっと自分では思いつかないフレーズが思いついたりする。
吾郎:へぇ〜。
外山:ランナーズハイと言うか、ライティングハイ…
吾郎:その、何か、ハイというか、ゾーンの感覚を読者は味わえるんだね、読んだときに?体感できるんじゃない?
中村:そうかもしれないです。
吾郎:それが気持ちいいかもしれない、それ、読む人は、だって。
中村:ちょっと、降りてくるよりは、見つける感じですか。・・・大丈夫ですか?変な人になってないですか?
吾郎:全然。そういうの言わなくて大丈夫です(笑)
中村:大丈夫ですか?僕は大丈夫か不安でいっぱいなんですけど(笑)
吾郎:すっごい面白いですよ。本当に不安症で・・・早く岩の下に隠してあげたい。
中村:(笑)

ここで;

外山:中村さんの作品の中に、吾郎さんを登場させるとしたら?
吾郎:これは嬉しいねぇ〜。聞きたい。
外山:どんな感じなんだろう?
中村:やっぱり稲垣さんだと、やっぱり、完全犯罪をする人ですね。
外山:うーん。
吾郎:完全犯罪?
中村:こう、直接的な頃仕方じゃなくて、例えば知り合いの方にこう…、お中元を偽名で送って、まぁ羊羹か何か送って、その中の1個に毒を入れておくんですよ。で、それを食べるじゃないですか?で、それを稲垣さんは自分の部屋で隠しカメラで様子を見る。
吾郎:(^^;)
中村:で、食べて死ななかったら、「あ、今日の羊羹はあの羊羹じゃなかったんだ」っていう感じで、毎日こう・・・見てる。
吾郎:(笑)
中村:で、とうとう、その羊羹で食べて、ばたってその人が倒れたときも、表情は変らないんですよ。ただ、稲垣さんがいつもよりちょっといいワインを取って、それをちょっといいワインを飲むときに、あ、この人、今、喜んでいるんだなってそこで分かるっていう。

と、即興(じゃないのかもしれないけど)、すぐにこれだけストーリーが出来上がるのはさすが作家さんだし、さすがの稲垣吾郎ってことなのかな。


今回の課題図書は、単行本『銃』の中に収録された短編小説『火』。
かつて放火によって両親を殺害した中年娼婦の自らの半生を精神科医に告白するという内容。 ト書きが全くなく、一人語りのみの小説となってます。吾郎君がその冒頭部分を朗読。

そんな不思議な小説が、桃井かおりさんの脚本・監督・主演により映画化されました。

吾郎:映画化されていかがでした?
中村:桃井さんの演技が、えげつないというか。
吾郎:そうですねぇ。
中村:圧倒されて。
吾郎:こういうものはいつか演じてみたいって、みんな思うんじゃないですかね。まぁ、それを舞台とかでやられる方はいるんですけどね。
中村:舞台っぽい話ですけどね。
吾郎:そうですね、舞台だったら。
中村:絵が浮かびますよね・・・

なんて話をしているところに、ゲストがもう一人登場。その『火』の映画を監督された桃井かおりさんです

桃井:もうね、待ちきれないのよね。
吾郎:ああ!本物だ!!

吾郎:桃井さん、その、原作の「火」を読まれて。
桃井:(吾郎君に)大人になられて。
吾郎:あ、僕がですか?
外山:あははは(笑)
桃井:はい。
吾郎:話聞いてますか、僕の?
桃井:聞いてる、聞いてる。
吾郎:これ原作は、読まれて?
桃井:あのね、プロデューサーの方が、「映画に一番しにくい原作をもらったから、やらない?」って誘ってくれたんですね。それで、それならやろうかなって思って。
外山:(映画に)しにくいから映画にしようと思ったんですか?
桃井:そう。だって、1人称の喋り言葉で、全部が。ト書きも無いんですから。だからそれを考えたら、やっぱり一番困難なものだから、一番、勇気が奮えるかなぁ、と思って。
吾郎:中村さんはどうだったんですか?桃井さんが監督・主演をやられるって初めて聞いたとき。
中村:最初、全然、知らなくて。最初まだ、桃井さんが関わってない段階のプロットを見させてもらったんですけど、それは「火」を映画にするならこういうもんだなと思ったやつだったんですよ。でも、その後急に、ガラッと変ったんですね。何か、ものすごいものが出来てたんですよ。で、経験上、誰か新しい人に代わったのかな、と思って、で、僕は気軽な感じで「すごくなっててびっくりしました」って言ったら、「桃井かおりさんもお喜びになります」って言われて。「ちょっと待ってくれ!」と思って。「これ書いたの桃井さんなの?!」って思って。ちょうどその原稿から桃井さんに代わったところで。あんなびっくりしたメールは無いですよ。
桃井:(笑)


番組では映画のメイキングが流れます。撮影にはロスにある桃井さんの自宅を使って行われたようです。撮影は10日間・・・スタッフの食事も桃井さんが作られてましたが、理由はとにかくお金が無かったかららしい(笑)

吾郎:演じる人間として大変だったことって?
桃井:海外でまず(映画を)流したときに、桃井かおりだってバレてないので、無名だからわかんないじゃない?
吾郎:うん
桃井:患者さんみたいに見えないかなと思って、俳優だってばれたくないっていうのがすごくあったので。私、その技術を俳優として手にいれていたので。
吾郎:いいなぁ〜。
桃井:ガッツで!
吾郎:ドキュメンタリーだと思う方もいるかもしれないですね。
桃井:海外の映画祭は、4つか、もう、回ったでしょう?そしたら、私が監督で(舞台に)出てくるまでは、患者さんに、素人の人に芝居させたと思ってたと言ってた人もいたので。
中村:でも、あれはそう思いますよね。だって、桃井さんなんだけど、全然別の人みたいな、すごく不思議な気持ちにもなりましたしね。実は脚本頂いて、こういった脚本になる・・・脚本と映画ってまた違うんですよ。
吾郎:またちょっと違うんですね。
桃井:っていうか、全然。
中村:ええ、もう、全然違うものに。
吾郎:変えちゃって大丈夫???
桃井:もう、何かね、えっと、脚本は書いたんですけど、要らないなぁ、と思って、(頭の中で)覚えてるし、原作を。読んでるときに体に入ってるし、だから、俳優はセリフを覚えて、上手に言うっていうんじゃないのをやってみようと思ったので、何かその場で出てきてしまうものとか。何か生まれてくるものとか。そういうのをやってみようと思って。そうしないと「火」にならないと思って。
吾郎:これから公開なんですよね。
桃井:そう、あと2日(8月20日)ですかね。


最後は山田君の中村さんと桃井さん、2人のハンコで〆でした。

(16.09.04 up)



 

第216回放送 '16.08.11
能町みね子「能町みね子の純喫茶探訪 きまぐれミルクセ〜キ」

最近、ロケが続きます。今回のゲストは能町みね子さん。課題図書に『純喫茶探訪』とあるように、実際に純喫茶を訪問し、課題図書で紹介されているミルクセーキを頂きます。

って、ミルクセーキって、飲んだこと無い・・・σ(^^;)



ロケは都内某所からスタート。

吾郎:こんばんは、ゴロウ・デラックスです。
外山:はい。吾郎さん、今日はですね、ズバリ、これです!

今回の課題図書を手にしている外山さん。その課題図書の表紙には、ミルクセーキの写真がど〜んと載ってます。

吾郎:ミルクセーキ?
外山:はい。これでですね、30分、押し通します。
吾郎:飲んだ事あると思うけど、そんな馴染みは無いし。
外山:何か、懐かしい響きですよね?
吾郎:うん、レトロなね?あんまりピンとこない。


■ 喫茶 すーぱーみるく(新宿区) の場合

だけど歩いていくと;

吾郎:印刷工場だよ?
外山:そうですね。

と、名刺などの印刷屋さんの看板があるだけ・・・かと思ったら、低い位置に、この喫茶店の看板が出てました。この印刷屋さんの2階が喫茶店のようです。

吾郎:ちょっと雰囲気出てるね、これ。

すると、頭上から「吾郎さん」と呼びかける声が。

既にお店で、今回のゲスト、能町みね子さんが待って下さってました。お店のベランダ?のようなところから、ぐるっと階段を登って店にやってくるようにと、能町さんが案内を。階段を上がってみると、マンションの一角のような感じで、ひっそりとお店がありました。

吾郎:喫茶店???
外山:ね。何か、家に遊びに来たような・・・
能町:そうですね。ほっとしますよね?
外山:はい。

今回の課題図書は、こんな喫茶店のお店と、そのお店のミルクセーキを、イラスト付きで説明がされてます本です。

このお店の説明がされている部分をまずは朗読し、その後、“実演”。そもそも、ミルクセーキをどうやって作るのか?

吾郎:ミルクセーキって、作り方わかります?
外山:ミルクっていうからにはね、牛乳と卵が入ってるイメージありますよね?
吾郎:お店によって、ちょこちょこ違ったりもするみたいで、これ、厨房覗かせてもらってよろしいんですか?

36年前にお店をオープンしたときから変らない作り方を見せていただきます。
卵黄 3個分、牛乳3人分に砂糖をざっくり、バニラエッセンスを入れて、ミキサーで攪拌するだけ。
って、完全に見せちゃってますが(笑)、あっと言う間に出来上がりです。

吾郎:じゃぁ、早速、頂きます!!・・・・ん!おいしい!
外山:本当だ!
吾郎:あれ、こんな感じでしたっけ?
能町:こんな感じですよ。おいしんですよ。
吾郎:うまいね。
能町:なんでこれをみんなあんまり飲まないのか。


能町さん、元々純喫茶が好きだったので、そういう本を出したかったのですが、既に色々と出ていること、また能町さん自身がコーヒーが飲めないということで、ご自身が好きなミルクセーキならほかに書く人はいないだろうということで、今回の本が誕生したようです。

吾郎:子供の頃から好きだったんですか?
能町:好きでしたね。でも、子供の頃は田舎だったし、喫茶店というのもなくて、缶だったんですよ。
吾郎:缶がある?
能町:缶であったんです。

缶入りのミルクセーキ、POKKAから出ていたようですが、今は売ってないと。

そして、こちらのお店でミルクセーキ以外に気になるメニューと言うことで、お店の名前を同じメニュー『スーパーミルク』を注文。
なぜか緑の色がついたクリームっぽい飲み物が出てきました。こちらのオリジナルドリンクなんでしょうか? カキ氷のシロップ(緑色)と、牛乳、それを炭酸水で割り、最後にバニラアイスをトッピングした飲み物。 つまり組み合わせ的にはアイスメロンソーダですね。

  すーぱーみるく
   親切に目の前で作ってもらいました。謙虚なマスターです。
   (文 能町みね子)


そして、場所を移動。今回はお店をハシゴするんですね。


■ 喫茶 KONA(文京区) の場合

2軒目のお店は、ミルクセーキをシェイカーで作るお店で、従って、この店ではミルクセーキを、『ミルクシェーク』という名前で出してます。

材料は先ほどのお店と同じく卵黄・牛乳・砂糖を入れ、先ほどの店と違うのは、最後にバニラエッセンスを先ほどの店の3倍(3滴)入れてます。氷を入れてシェイクして完成。ミキサーを使うと氷が砕けて水っぽくなるため、シェイカーを使っているので濃厚なものが作れるそうです。


吾郎:(飾りの)パインが面白いですね。黄色味がさっきより強いですね。

一口飲んでみて、先ほどの店より、少し甘いという感想に。

吾郎:違うんだね。
外山:お店によって。面白い!
能町:微妙な差が説明しづらいですね。

ミルクシェーク以外に、能町さんがこの店で頼むメニューなナポリタン。ナポリタンを食べてからミルクシェークを飲むと、また違った美味しさがあったそう。

そうして実際に注文して、ナポリタン(秘伝のミートソースを使ってるのがポイント♪)が登場。

吾郎:何か、懐かしい!何か本当、昔食べたナポリタンみたいな。アルデンテ過ぎないのがいいよね。易しいね。
能町:軟らかくていいですよね。
吾郎:うん。
外山:どうですか、この(ミルクシェークとナポリタン)組み合わせは?
吾郎:組み合わせはね・・・組み合わせは・・・これ、どうかな?(汗)。ナポリタンとミルクセーキ?
外山:うん。
吾郎:組み合わせは、分からない。
外山:(笑)
吾郎:さらっとしたイタリアのワインとかの方が合うと思う。
能町:いや、それはちょっと、意見があわないですね。

  KONA
   ミルクシェークとナポリタン、私は合うと思うんだけどなあ。
   でも落ち着く雰囲気を堪能していただけて何よりです。
   (文 能町みね子)



■ 喫茶 ロマン(文京区) の場合

最後に、今回の課題図書の表紙に写っているミルクセーキを出しているお店に。カタカナで『ロマン』とあるところが、その書体も含めて、またレトロな雰囲気を出してます。
お店も実際、レトロな。。。

吾郎:いやぁ、すっごい雰囲気。何か映画のセットみたいな。

こちらのミルクセーキは、卵黄3つ&牛乳を入れるのは他の2軒と同じ。ここにバニラアイスにガムシロップを加え、バニラエッセンスを3滴入れてミキサーで攪拌。氷の入ったグラスに注げば出来上がり。

能町:さらっとしている。
吾郎:氷が少なめで。どちらかというと1軒目の味に近いのかな?バニラビーンズの香があんまりないね。
能町:バニラアイスを使ってるんですか。
吾郎:アイス使ってるから、ビーンズで逆に香つけてないから、エッセンスで。

そうして、ロマンに来たら食べないと損するメニューとは、“スパゲッティーロマン”?!

ベースはナポリタンなのですが、最後に生卵が載ったものとなってます。かき混ぜて食べるのが正解なのかな?吾郎君、一口食べて;

吾郎:あ、これ、すっごい好きかも!本当に。優しい!
能町:おお、やった!
吾郎:ナポリタンに卵って入れないよね?

外山:すーごい好きなんでしょうね、進んでますもんね。あははは(笑)
能町:そうですね。私も、何か・・・ガンガンいってる。
外山:そうそうそう。

吾郎君、正直すぎるのだな(笑)

  ロマン
   角のないまるい窓、角のないやわらかいママさん。
   (文 能町みね子)


そうして、ナポリタンを堪能したところで、山田君のハンコ。ミルクセーキを飲む能町さんで、「可愛くして頂いて」ととても好評でした。

(16.08.27 up)



 

第215回放送 '16.08.04
蜷川実花「蜷川実花になるまで」

またまた今回もロケです。

外山:さぁ、今夜はゲストの方のお仕事場に伺いました。
吾郎:最近、ロケ多いですね。
外山:ねぇ、そうですね?もうね、入れば、あ、あの方!ってすぐ分かる。
吾郎:入ったらすぐ分かる?お邪魔しま〜す。

中に入ると、いきなり「赤」を基調とした室内。

吾郎:うわぁっ!すげ!何だこれ!色、色彩がアミューズメントパークに来たみたい。
外山:本当ですね。ごめんくださ〜い。

出迎えに来て下さったのは、蜷川実花さん。

外山:(事務所のデザインが)ぴったりですね。
蜷川:オフィスなので、入ってきたときにいっぺんに世界観がわかってもらえるようなのがいいなと思ったのと、びっくりしてもらおうと思って。
吾郎:びっくりしますよね。
蜷川:かなりやらかしてる感じですよね(笑)。しかも、ここ、賃貸なんですよ。
吾郎:えっ、やっちゃっていいんですか、それ?
外山:(@o@)
蜷川:でも、よく見ると、壁紙的なところしか貼ってないんですよ。だから出るときは白く戻せば普通のお家に戻るはず(笑)
外山:へぇ〜。
吾郎:中、とんでもないことになってそう!
蜷川:(笑)

そうして、蜷川さんの作業場となっている部屋に。やはりこちらも真っ赤でした。

吾郎:すごい!!
外山:ええ!ここ、書斎ですか?!
蜷川:はい。
吾郎:ええ!
外山:真っ赤!
吾郎:落ち着かないんじゃないですか?
蜷川:意外と落ち着くっていう・・・

部屋のエアコンまで真っ赤になってます(こちらも貼紙ですが(笑))。

吾郎:何か、すごい!仮面舞踏会みたいなものとか。
蜷川:何か好きで集めてたら、こんな感じになってしまい(汗)。撮影に使ったりもするんですけど。
外山:赤って興奮するじゃないですか、色的に?何か仕事するときに集中できるんですかね?
蜷川:そうですね。引っ越しても書斎だけは赤にしてるんで。こだわりの赤い部屋なんですけど。割と落ち着きもするんで。皆さん、ここにいらっしゃると、「あ、本当にそういう人なんですね」って納得されて。
吾郎:(笑)。そっかそっか。


さて、今回の課題図書は『蜷川実花になるまで』。これまでの半生を振り返ってのことが書かれてます。
カメラマンになるまで、普通であればそのような学校を出たり、アシスタントについて勉強をしたりという段階があるのですが、蜷川さんの場合は、誰にもつかずに、自由に写真撮影を始めたそう。

とはいえ、子供の頃から、演出家の父親の世界観と、キルト作家である母親の色彩感覚の影響を受け、センスは磨かれていたのかもしれません。

大学を出て最初に出した写真集『17 9 '97』(1998年)で今のスタイルは現れていて;

吾郎:この、色彩というかね、見たらわかる
外山:本当ですね。
蜷川:これが一番最初に、大学出てすぐに出した写真集なんですけど、割と今と全然かわんないんですよね、お花があったりとか。
吾郎:これ(写真の色)って元々ある色なんですか?
蜷川:そうです、そうです。全然、調整してない。
吾郎:後から色を足すって事は。
蜷川:こういう花の色を撮ってるだけで、そうやって探していくと、世の中割と、光にあふれてて、色にもあるれてて。

1996年、23歳のときに第7回ひとつぼ展でグランプリを授賞。ここで、演出家蜷川幸雄の娘ではなく、蜷川実花個人として認識されたといううれしさがあり、とても鮮明に覚えていると語っていらっしゃいます。
当時は、絶対に父親のコネは使いたくなかったと。なので、相当苦労されたようです。

吾郎:僕だったら、絶対、コネ使う!
蜷川:あははは(笑)
吾郎:絶対使う!!
蜷川:今だったらその方が早かったな、と思うんですけど。
吾郎:すぐ僕、自分の名前使いますもん、よく。
蜷川:本当ですか?(笑)
吾郎:お店予約するときとか。
蜷川:あはははは(笑)
吾郎:『すいません…』
蜷川:フルネームで言うんですか?
吾郎:『稲垣吾郎と申しますけど・・・』
外山:いやらしい。
吾郎:(笑)

2001年、写真集『Pink Rose Suite』『Sugar and Spice』で第26回木村伊兵衛写真賞授賞。この2冊の写真集は、片や旅先で撮影した風景もの、片や人物を中心としたもので、蜷川さんの作品の両面を写し出した物。また、2冊を同じサイズにしたら、書店で並べて置いてもらえるかもという、そんな考えもあったんだそうです(笑)

吾郎:何か冷静ですごい戦略的ですよね。情熱とか、若さの何か・・・ファッションというだけではなくて、何か、意外と。
蜷川:自分の作品が自分のものじゃないぐらい冷静に判断できる目と、何も見えないで猛進できる目と、その2つが欲しいなという風にいつも思ってるんです。
吾郎:ええ!すごいですね。自分のプロデュースとかマネージャーみたいなもんだよね。

そうして、母親になり、また生死に対する見方が変った部分と、一方で、母親=聖なるものというのを求めないでという反発とかもあったそう(笑)。
そうして2人目のお子さんができたときは、案外、状況を受け入れて、子供が生まれても作品は作り続けられるという、考え方も落ち着いてきたと。

吾郎:少し我々とは、みんな同じ世代だもんね。何か、変ってきますよね、40歳ぐらいになってくると。
蜷川:変るぅ〜。
吾郎:何かもう、受け入れられるというか。
蜷川:そうですよね。
吾郎:何か、こう思われようとか、自分はこうだって言っても、ちゃんと努力だけしてれば、決めるのはやっぱり世間だし。
蜷川:そうですね。何か、ちょっと突っ張ってたものがほどけるというか。
吾郎:ほどけます、ほどけます。自由になりますよね?


そして、今、2人のお子さんを育てながら、仕事もされてるわけですが、限られた時間でやるという効率的になったのと、「諦めですかね」とおっしゃってましたが(笑)、神を降臨させられるようになるんだとか(爆)

吾郎:作家さんもおっしゃってますよね?
蜷川:そうでしょ?!
吾郎:もうこの時間は。
蜷川:降ろさざるを得ない(笑)

蜷川さんの最近の作品として、文春文庫の”夏の青春フェア2016”で5人の女性の作家さんの作品のカバー写真をてがけたそう。

蜷川:作家さんにしてみたらずっと書かれていたことの最後のパッケージだったりとか。CDでもずっと色んな方たちの作られた曲の一番最後の表面のコーティングというか、手に取るきっかけになるものなので、それはすごいいつもこう…背筋伸ばしながらというか、気合入れてやってますね。
外山:へぇ〜。すごくいい人ですね。
蜷川:いい人?(笑)
外山:何かもうちょっと違う感じの方かと思ってました。

世間一般では、怖い人だと思われているようで・・・(汗)


人を撮影するときのスタイルは?

蜷川:基本的にはその方の持っているものを撮らせてもらう感じなので、指示、全然しないんですよね。こういう気持ちで、とか。優しい顔をしてくれとか。
吾郎:あ、しないんですか?
蜷川:しないんですよ。笑ってくれもよっぽどのことがないと言わないし。
吾郎:笑ってくれ笑ってくれっていっつも言われますよ
蜷川:そうでしょ?笑えるか!って思うでしょ?
外山:あはははは(笑)
吾郎:『可愛いぃ〜』とか言われて。
蜷川:可愛いは言っちゃうかもしんないけど。何か、言葉で乗せるみたいなことが嘘っぽくて嫌で。それより何となく撮っていたら、満足してるかしてないかって分かるじゃないですか。喋んなくても撮って撮られて、意外と繋がるものがあるんで。
吾郎:女性と男性って違います、やっぱり?
蜷川:ふふふ(笑)。女性の方が安定して撮れるんですけど、男性はすごい好みが写っちゃうかな。
外山:へぇ〜。
蜷川:何かこう、より素直に写っちゃうんですよ。格好いい!って思ったら、格好良く写るし。みんなやっぱり素敵な人撮ってるので、基本的にはうきうきワクワクしながら撮ってますけど、その中でもズバ抜けていいときっていうのはありますね。
吾郎:へぇ〜、気になるね。
外山:今日は特別に吾郎さんを。
吾郎:本当ですか?
蜷川:すいません、こんな話の流れで撮るの、恥ずかしいですけど(笑)
吾郎:いや、僕は嬉しいですけど、緊張しちゃいますね。
外山:普段、本当こういう撮影(テレビの企画での撮影)はお断りされていると?
蜷川:そうですね。初めてです(笑)
吾郎:光栄!
蜷川:どうして今回、撮影、受けてくださったんですか?って聞かれたんですけど、シンプルに『吾郎ちゃんに会いたいから』って【照】
外山:あははは(笑)
蜷川:すいません。
吾郎:ありがとうございます。
蜷川:なので、頑張って撮ります。

そうして、蜷川さんがテレビの企画で初めて行う撮影会。事務所にしているお宅の玄関口に置かれたソファーで撮影会を行います。

吾郎:何か持ってるんですけど。
蜷川:(笑)
吾郎:何か持ってるんですけど。花ですか?
蜷川:(ソファーに)横になって頂きたくて。
吾郎:こんなスーツで、メガネで大丈夫ですか?
蜷川:最高です。ふふふふ(笑)。何なら(ネクタイを)キュキュキュと(緩めて下さい)

と言われても、さほど緩めない吾郎君。堅いのねw

蜷川:(ソファーのクッションの上に)頭を載せていただき、足上げちゃっていいんで、楽な感じで。上半身しか写んないと思います。
吾郎:はい。アラーキーさん以来ですね、この番組で。
外山:そうですね。
蜷川:ああ!そうなんですか!光栄です。

撮影開始。シャッター音が静かに鳴っています。

吾郎:何かこう、撮られてて、不思議な、安心感がありますね。
外山:ええ〜、そうですか?
吾郎:うん。シャッターの切るタイミングとかが心地いいです。ちょっと偉そうですけど。
蜷川:嬉しいです。
吾郎:撮られてる立場からすると。

撮影は10分ほどで終了。その後、蜷川さんのスタッフさんと撮った写真をパソコンでチェックしています。

吾郎:朗らかな感じで、撮られててもさ。
外山:ねぇ?
吾郎:看護師さんみたいな感じ。はい、こちら。すぐ終わりますから〜。注射右手で〜
蜷川:痛くない注射を打つ人みたいとか。
吾郎:そうそう。何か不思議な・・・癒される感じ。
蜷川:女性には婦人科の先生みたいとか言われますね。

そうしてできた写真。

吾郎:面白い、何か(花の中に)埋まってて。よくわからないのがいいですね。
蜷川:はい。
吾郎:花に埋もれてる感じが。男の人でもこういう…、何だろうな、蜷川さんの、花とかさ色彩とかって、おかしくないしね。
蜷川:そうですね。でも、やっぱり稲垣さんに似合うんだと思います。
外山:ねぇ?そうですよね?私も、何言ってんだろうて思ってしまいました。
吾郎:(笑)
蜷川:誰でも似合うわけじゃないです。
吾郎:でも、何か、僕、あまり写真撮られるときの顔じゃないです。本当はもっとスカしちゃうかもしれない。
外山:違います?
吾郎:ちょっとこう、スカしてるのもあるけど。
蜷川:これはこれで格好いいですよ。
吾郎:本当ですか?いいですね、面白いですね。
蜷川:写真って面白いんですよね。

最後に山田君のハンコ。カラフルな色を使った作品に仕上がってました。



(16.08.21 up)



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