ゴロウデ・ラックス'14年7月放送分

 

'14年7月放送分
第128回放送
14.07.17
第129回放送
14.07.24
第130回放送
14.07.31



♪番組の説明

祝・4年目突入!!『ゴロウ・デラックス』とは…?
SMAPで一番おしゃべり好きの稲垣吾郎がMCを務める業界唯一無二のブックバラエティ
毎週1冊(課題図書)、巷で話題の本からベストセラーまで様々なジャンルの本を深く紹介!!
さらに、
大御所作家先生からまだテレビに出ていないニューキャラまで幅広いゲストをお迎えし、トークする番組。


 

第128回放送 TBS:'14.07.17 24:41〜25:11
Guest:園 子温, 課題図書「非道に生きる」

オープニング

外山:こんばんは。
吾郎:こんばんは。
外山:今夜のゲストですが、過激な作品ばかり発表されるという映画監督が。
吾郎:楽しみですねぇ。
外山:ねぇ?
吾郎:まさか、この番組でお会いできるとは。


今回の課題図書は園子温さんの自伝「非道に生きる」です。テーブルに座ってトークスタート。

吾郎:びっくりしましたね(笑)、この方の年表を見て…
外山:面白い。
吾郎:映画の印象の方がね、どうしてもみんな強いから。


ここでゲストの園さん登場です。

外山:映画監督である園さんが、これ(今回の課題図書となった本は)自伝ですよね?
:そうですね、まぁ。
外山:(何で)出そうと思われたのかなと思うんですが。
:自分の人生ってそんなに面白いものだと思ってなかったんですよ。そういう事を書こうと思ってなくって、映画のHOW TO的な、作り方みたいな本を作ろうと思ってたんですけど、段々、自叙伝っぽくなってきて、幼少期からの話になっちゃったんですよね。
外山:かなり面白いというか、経験できないようなことを…(笑)
吾郎:そうですよ。


例えば幼少期に『何で服を着て学校に通わなければいけないんだろう?』と思い、フル○ンになって教室に入っていったり、それで怒られると次は○ン○ンだけ出して行ってみたりと、そういう実験好き(?笑)の少年だったわけですが、本人としては、”みんなが騒ぐ”のが大事だったんだろうです。

:これ、今の映画作りとあんまり変ってない。
吾郎:(笑)。人にショッキングを与えるしね、実験だしね。

その後も、奇想天外な人生を送っている園さんですが、そういう経験が映画のネタに反映されてます。
例えば、17歳で上京(家出)したときの『童貞を卒業したくて状況するもなぜか偽装結婚』というエピソードが、そのまま『紀子の食卓』という映画で使われてるそうです。

:東京出てきて。当時は真っ白いギターっていうのが青春の象徴だったんで、東京駅着いた途端、♪ジャランって弾きだしたら、すぐに女の人が寄ってきて、あの、この辺に24時間の喫茶店ありませんか?っていうから、僕の(脳内の)童貞翻訳機が「私とセックスしませんか?」って聴こえたから、ホテルならあそこにありますから行きましょうか、って言ったら、「ええ」って言うんで。東京は何でも叶う街と思って行って、部屋に入ったら、実はものすごく震えてたんですけど、実は童貞卒業するのに。でバッグから何か植木バサミを彼女が取り出して、「これで今から死にましょう」、ってなったんですよ。“えっ、セックスは?!”と思って。
外山:(笑)
吾郎:思いますよねぇ?
:事情はですね、何か、今、旦那とケンカ別れして、夜道を彷徨って、もう、死のうかと思ってたら、偶然にもあなたと会えた。これも何か神のお導きということで、2人で死ねって神が言ったようなもんだということで、全然訳がわかんないから、心中は…って思ってそうしてたら、じゃぁ、もう一つ選択肢を与えますと。明日、実家に戻るから、お母さんの前で旦那になりすまして一緒に暮らしてくれたら殺しません、みたいなことを言われたから、じゃぁ、そっちに従いますと。それで、そのあと、(実家で)随分若い旦那さんねなんて言われながら、はい、初めまして、ってやって…。
吾郎:暫く暮らしたんですか?
:はい、暮らしました。
外山:でも、童貞は卒業できたんですか?
:いや、そんな人と一度でもしたらですね、本当にやばいじゃないですか。”SEX or DIE”って感じで、絶対にしちゃいけないっていう。SEXと死がこんなに近いものとは思わなかったです。
吾郎:(笑)。近いんですよ!深いですね。
外山:(笑)。そうですね。
吾郎:SEXと死は近い…。最初に教わっちゃったという(笑)


この体験を元に作ったの『紀子の食卓』、吉高由里子さんがデビューした映画だそうです。最初はすごく下手だったそうですが、その引き出しを開けていくことでどんどん上手くなっていき、園さん自身も逆にこれが演出することだと気付かされたという作品にもなったそうです。


19歳 カルト教団に入信
その後、偽装結婚していた彼女さんとはどうなったのか分かりませんが、放浪生活をしていた園さん、空腹を満たしたいという理由だけで、カルト教団に入ったんだとか?!今度はその体験が『愛のむきだし』という映画に。

映画監督には24歳のときに自主映画を製作。それが「ぴあフィルムフェスティバル」で入選したことから、注目を浴びるようになったわけですが、ヒット作には恵まれず、約10年ほど“暗黒時代”をすごします。


32歳 ヤクザの娘にハメられる
ヤクザの娘に、レイプしたことにされ、一つ間違えば殺されるような、そんな経験をしたそうです。そうして出来たのが『地獄でなぜ悪い!』。
こうやってエピソードを1つ1つ聞いてると、もう、無茶苦茶ですね(笑)



そうして、今回、「非道に生きる」の中から、東京に出てきたときのエピソードを、園さん自身が特別に脚本を書いて下さり、それを吾郎君が演じることに。もちろん、お芝居の演出は園さんです。

外山:さぁ、そして、監督がゴロウ・デラックスのために脚本を作ってきて下さいました。園子温の役を(吾郎君に)やってもらうのがいいなと思って、書いてみたんですよね。
吾郎:すごい。監督の役ですよ。

ストーリーは先ほどの園さんが17歳で上京したときのエピソードをベースにしたもの。簡単ではあるけれど、セットも用意されて、今夜のゴロウ・デラックス、お金がかかってます。相手の家出女性役を園さんの奥様で女優さんでもある神楽坂恵さんが演じてくださいます。

神楽:こんばんは。
吾郎:はじめまして。

で、本番前にざっくりとしたリハーサルをやっただけで;

:まぁ、何かできそうですね。できそうです。じゃぁ、頭からやりましょう。

ってことで、早速、本番。

    園子温脚本 『非道に生きる』

Scene1 東京

:この本、『非道に生きる』に書いた当時17歳だった僕が、あそこで今、立っています。

という園さんのモノローグからスタート。

吾郎:はぁ、やっと憧れの東京にやってきた!花の東京。よし、ここで一旗あげてやる!

ギターをかき鳴らしながら;

吾郎:♪東京にやってきたぁ〜誰か女の声かけてくれないかなぁ〜できれば〜ちょっとこう〜魅力的な〜胸の・・・
神楽:あの・・・
吾郎:?!
神楽:あの、すいません。
吾郎:・・・本当に女の子が・・・(*^^*)
神楽:えっ?
吾郎:あ、いや。
神楽:24時間営業の喫茶店ありませんか?
吾郎:あ、ありますよ。

と言いながら、女性の胸元を見てしまう。

吾郎:あ・・・・・・ホテルなら向うにありますよ。
神楽:行きましょう。
吾郎:はい。


Scene2 ラブホテル受付

吾郎:すいません。
外山:はい。こんばんは。部屋ですか?
吾郎:はい。
外山:空いてますよ。
吾郎:あ、じゃぁ、あの…1部屋?1部屋って言うの?
神楽:お願いします。
外山:1部屋。
吾郎:はい。
外山:楽しんできて下さい。
吾郎:ありがとうございます。


Scene3 ラブホテルの一室

吾郎:何か・・・
神楽:あの!
吾郎:はい。あ、何か、シャワー?
神楽:いや。(植木屋の剪定ばさみを取り出して)ここで、死にましょう?
吾郎:はい???
神楽:2人で心中しましょう!
吾郎:いやいやいやいやいや。
神楽:あの、実は私、今、こう…旦那とケンカして、飛び出してきて。それで死のうかなぁって思ってたら貴方に会って。これも何かの運命だと思うんです!だから、一緒に死んで下さい!!
吾郎:いやいやいや。・・・何かあるんでしたら、僕が本当、聞きますよ、お話。何か、病んでるとかあるんですよね、心がとか。
神楽:わかった!わかった!わかりました!わかりました!じゃぁ、明日、実家に帰るから、母の前で旦那の演技をして!
吾郎:....(-o-)
神楽:嫌なの?
吾郎:いや、…
神楽:じゃぁ、死にましょう!
吾郎:あ、すいません。
神楽:えっ?
吾郎:見えないじゃないですか。
神楽:何が?
吾郎:旦那に見えます?
神楽:いいの!関係ない。死にたい?
吾郎:いや。死にたくない。
神楽:死にたい?
吾郎:いやいやいや。
神楽:やりたくない?
吾郎:いや。やりますやります。
神楽:死にたい?どっち?やりたい??
吾郎:やりたい、やりたい。むしろやりたいです!

  スタッフ:(苦笑)

神楽:わかった。
吾郎:やらせて下さい。
神楽:わかった!ありがとう。


Scene4 BED SCENE(おまけ)

神楽:ねぇ、する?
吾郎:する?
神楽:する?
吾郎:いや、もう、いいです!
神楽:したいんでしょう?しましょう?
吾郎:いやいや。したかったですけど。いや。
神楽:(強引に押し倒す)
吾郎:大丈夫です!いや、さっきはしましたけど。いやいや。あの…(とりあえず抵抗)。大丈夫です。僕、ギターで歌いますよ。
   :
   :
   :
THE END
CAST:稲垣吾郎 神楽坂惠 外山惠理
監督・脚本:園子温
制作:ゴロウ・デラックス制作部

即興芝居が終わり・・・

吾郎:こんなことがあったんですね、でも。本当にね。
:はい。怖かったですよ。リハーサル、全然やってないじゃないですか?
吾郎:はい。
:それでここまで面白くなるって、素晴しいですね。
吾郎:いえ、そんなことないですよ。(奥様の)目が、本当怖かったです。
神楽:いやいや。

そうしてラブホテルのフロント窓口からひょこっと顔を出す山田君。そういえばすっかり忘れてたよぉ。最後の消しゴムハンコの時間です。園さんの姿を彫ったハンコを色とりどりで並べてました。


(17.08.13 up)



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