[翌朝 SMAPの事務所]
古畑は前田を訪ねた。今日の5人のコンサートまでのスケジュールを確認するためだった。そこで古畑は5人が同じ孤児院出身であること (この設定は笑っちゃったわ、正直…(苦笑))、今回の会場は、その孤児院があった場所でいわばホームグラウンドであるということを聞く。
[スタジオ TMC]
古畑が中居,木村に会いにやってきたとき、木村はドラマの撮影中、中居はバラエティの収録中だった。控室で古畑が通り一遍等のアリバイを聞くだけで、話を切り上げた。ただ、最後に二人のサインをもらって…。
[舞台の稽古場]
次に古畑は稲垣の所にやってくる。(この舞台をやる稲垣っていうのは安直だけど妥当な線かな?(^^;)。まぁ、5人のキャラを分けるにはこれが一番やりやすかったんでしょうね…。)
稲垣 「ボクはリハーサル室でタップの練習をしていました」
古畑 「スタッフの話によりますと突然タップをやることに?」
稲垣 「ああ、本当はフラメンコをやるはずだったんですよ。でも、本番1時間前にカスタネ
ットが壊れてしまって。で、急遽タップを」
古畑 「稽古はお一人で」
稲垣 「その方が集中出来るでしょう」
古畑 「ああそうですね」
稲垣 「・・・ああ、そういういった意味では僕にはアリバイは無い。まぁ、ただ、1年前の
振り付けです。そう簡単に思い出せるもんじゃない。時間は30分しかなかった。もし
殺しに行っていたとしたら、とても思い出せない。これが僕のアリバイですね。以上
です、外に何か?」
(でも、どう考えてもタップをやったこと自体、説明が苦しいと思うぞ!)
古畑 「舞台のお稽古を?」
稲垣 「ええ」
古畑 「どんなものをおやりになるんですか?」
稲垣 「言ってもたぶん御存じないと思います」
古畑 「シェイクスピア?」
稲垣 「ハロルド・ピンターの背信」
古畑 「はい?」
稲垣 「(笑)聞かなきゃよかったでしょう?」
古畑 「ピンター?青春家族、拝見してました。確かいしだあゆみさんと親子役で…」
(青春家族、み、見たい…。何で朝ドラって再放送無いのかしら?)
稲垣 「何も無ければ、僕は…」
古畑はそれ以上は追求はしなかった。代わりにサインをねだっただけである。稲垣は何も言わず、頼まれるままサインをした。
[トレーニングジム]
続いて香取を訪ねる古畑。ここでも予定通りの会話が続ける香取。そして草なぎのアリバイを証明することも忘れなかった。納得する古畑だが、ここでも最後にはサインを貰うのを忘れなかった。
[公園]
最後に古畑が会ったのは午前中オフの草なぎだった。富樫との関係を尋ねられた草なぎは、富樫とは単なる以前からの知り合いで今の仕事を紹介したのだと答える。その後、古畑は草なぎにもサインを依頼し、5人揃ったサインと、もう一つ取り出した富樫のカバンの中にあったサインを草なぎの前に並べる…。
古畑 「
不思議な関係ですね、貴方と富樫さん。一方では仕事の世話してやるほど仲がいいの
に、一方ではサインを断るほど仲が悪い?」
その古畑の指摘に草なぎは何も答えられなかった。
[コンサート会場 客席]
古畑は今泉と西園寺を前にSMAPが怪しいと話す。昨日に限って、たまたま木村と香取の喧嘩をし、たまたまカスタネットが壊れ、たまたま草なぎが柔軟体操をしているのを香取が目撃し、たまたま木村が雪を作らせ、たまたま中居が150人分の弁当を注文し、たまたま草なぎの衣装が破られ、たまたま振り付けが変わった…こうなると全て故意であると疑わざるをえない。
それでもSMAPが犯人では無いと頑に主張する今泉「SMAPを疑うなんておかしいよ。あんないい奴らはいませんって」。古畑は、そこまで言うならSMAPが犯人でないという証拠を持って来いと今泉に告げる。
[コンサート会場 関係者入り口]
証拠探しに奔走している今泉(^^;)は、会場入りする稲垣を見つけて
今泉 「稲垣君!稲垣君!稲垣君、やっぱりワイン好きなの?」
(やっぱり典型的なネタとしてはソムリエになるんですね(^^;))
と他にも個々に会場入りするSMAPのメンバーを捕まえて記念撮影(爆)。
[コンサート会場 客席]
古畑がやってきて、スタッフが本日のコンサート用の雪を作っているのを眺めている;
古畑 「これ(紙の雪)は、どうして三角なんですか」
松阪 「この方が落ちた時に奇麗に見えるんですよ。ほら」
その後、富樫について話を尋ねるがあまりいい評判は聞かれない。ただ富樫は草なぎとは親しかったと…。
[コンサート会場 SMAP控室]
草なぎ以外のメンバーが揃い、そこで中居はカバンの中から警備員の制服を取り出す。何物か(暴力団)が外部から警備員に変装して侵入した風を装おうとしているのだった。「いいね」と乗り気の香取に対し、「やめといた方がいいんじゃないかな?泥沼にはまりそうな気がする」と否定的な稲垣。それでも香取は「やらないより、やった方がいいんじゃない?でもこの『東京衣装』のタグは外しといた方がいいっしょ」とタグを外す。「えっ?それ『東京衣装』からくすねて来たの?…木村君、どうする?」と稲垣は木村に尋ねる。最終的には木村の判断でしばらく様子を見ることになった。
[コンサート会場 客席]
今泉は集めた証拠である数々のビデオ(爆)を古畑に報告する。
[コンサート会場 入り口]
古畑は会場入りする草なぎを捕まえる。
[コンサート会場 準備室]
古畑は草なぎに肩の打撲についての質問を投げかける。西園寺が草なぎが午前中に病院に行ったという事実を確認している。咄嗟の質問に何も答えられない草なぎ。
[コンサート会場 SMAP控室]
草なぎは控室にやってきて古畑に肩の打撲の質問を受けたと他のメンバーに報告する。
稲垣 「このままじゃ、時間の問題だね。剛と富樫の関係も今にばれるな」
そこで5人は先制攻撃をしかけることを決心する。
[コンサート会場 準備室]
先制攻撃・・・古畑を呼び草なぎと富樫の関係を先に話し始める中居,木村,草なぎ,香取 (あれっ、ごろちゃんは?)。草なぎの叔父が3年前に自動車事故を起こしその相手が富樫だったこと、それを元に叔父は富樫に脅迫され、結果、自殺してしまったこと。自殺する前に、お金に困ってやばい仕事をしていたこと。そのネタを元に富樫は草なぎを脅してきたこと。それで仕方無しに草なぎは富樫に金を渡し、今の仕事を世話したこと…。
草なぎ「でも信じて下さい。僕は殺してなんかいない」
[コンサート会場 2Fロビー]
古畑との対決を終えた中居,草なぎ,香取の3人。
中居 「大丈夫か、剛?」
草なぎ「うん、緊張したけど、なんかすっきりした」
そこに普通に登場の稲垣(^^;)。
香取 「吾郎ちゃん」
中居 「お前どこ行ってたんだよ」
稲垣 「食事」(^^;)
香取 「今、古畑さんとこ行って来た」
草なぎ「富樫のこと全部しゃべっちゃった」
稲垣 「そうなんだ」
中居 「お前、全員参加って言ったべ」
稲垣 「忘れてた。御免」(爆)
と答えて通り過ぎていった(苦笑)。「ホント、マイペースだな吾郎ちゃんは…」と呆れ顔の香取。(ごろちゃんのマイペースぶりが、こういうところで表現されるというのもツボのような、笑っちゃうような、複雑な気分。でも、この描写だけでこの後の稲垣が怪しいという展開もちょっと安直だよなぁ、というのがファンとしては正直なところ。もう一つダメ押しがあったら納得もできたのですが…。)
[コンサート会場 喫茶コーナー]
売店でコーヒーを飲もうとする古畑はそこに木村がいることに気づく。木村は古畑に挑戦的な態度を示し、その場を立ち去る。
[コンサート会場 機材室]
香取の閉じこめられていた部屋の検証にやってくる古畑と西園寺。丁度、そのとき、窓の外に一台の車が停車する。
[コンサート会場 ステージ]
古畑は再度、アリバイを検証するためにSMAPメンバー5人を集める。古畑は香取のいた機材室からは弁当屋の車が部屋の窓を遮っており、駐車場にいる草なぎの姿は見えなかったはずであることを告げる。そうなると、草なぎ,香取のアリバイは崩れ、その部屋鍵を持っていた中居、中居と一緒にいた木村のアリバイも怪しくなる。残る稲垣のアリバイも事前にタップの練習をしておけば済む話である。つまり5人ともアリバイは無い。
古畑 「言いたいことはそれだけです。皆さん、本番頑張って下さい」
[コンサート会場 準備室]
男子トイレから発見された警備服が古畑のいる部屋に運び込まれる。
[コンサート会場 SMAP控室]
古畑,今泉,西園寺はSMAPの控室に警備服を持ってやってくる。中居は警備服を着た怪しい人間を、昨日会場内で見たとを報告する。まずは服の出所から当たるべきだと古畑は西園寺に命じる;
古畑 「君ね、『東京衣装』に電話して」
SMAP 「!?」
警備服に『東京衣装』のタグが付いていたのだ。部屋を出る古畑,今泉,西園寺。
香取がゴミ箱を調べると捨てたはずのタグが無い。ということは誰かがタグを衣装に付け直したということになる。
木村 「ネックレスの時からおかしいと思ってたんだよね」
木村は5人の中に裏切り者がいると考えているのだ。「まあ、だいたいの見当は付いてるけどね」と木村が稲垣の方を振り向いて言った。
木村 「お前さっきどこへ行ってたんだよ」
稲垣 「ん?」
木村 「みんなで古畑に会いに行ってるとき、お前何処に行ってたんだよ!」
稲垣 「何で言わなきゃいけなんだよ」
木村 「どこ行ってたか聞いてるんだろ!」
稲垣 「答えたく無いな」
木村 「最初からお前だけ乗り気じゃなかったもんな」
稲垣 「いや、ちょっと待って。悪いけけど僕じゃないよ」
木村 「お前だろ」
稲垣 「違うよ」
木村 「お前しかいねーだろ!」
稲垣 「何とか言ってよ」
中居 「今はやめとけよ、木村。ステージのことだけを考えろ」
木村 「お前しかいねえんだよ!」
と稲垣に跳びかかる木村を他の3人が慌てて止める他の3人。
稲垣 「…僕だってSMAPの一員なんだからさ…。そんな事するはずないでしょ」
(ようやくここで吾郎君のこのドラマでの存在意義が出てきたような…。この最後の
吾郎君のつぶやきは結構、好きです。でも、こういう役回りって、微妙だなぁ…)
[コンサート会場 準備室]
本番まであと15分。古畑は状況から一番怪しいと思われる中居を呼び出し尋問する。古畑は中居に向かって告げる。
古畑 「私はね、誰かが私にメッセージを送っているような、そんな気がしてならないんです
よ。つまり、あなたを疑え、というメッセージ」
[コンサート会場 エレベーターホール]
本番前。古畑はコンサート会場に向かおうとエレベータに乗り込もうとする。今泉が乗り込もうとしたとき、エレベータが重量オーバーのブザーが鳴る。エレベーターの重量制限の表示は420kg。その文字を見たとき、古畑の頭の中のナゾが一気に氷解する。
[コンサート会場 準備室]
部屋に戻って来た古畑はSMAPコンサートパンフを開く:
古畑 「えー、SMAPの5人は力を合わせて、憎むべき強請屋をこの世から葬りました。確かに
同情すべき点は多い。しかし犯罪は犯罪です。残念ながら今回は決定的な証拠はあり
ません。そういう場合は、犯人に自供してもらいましょう。5人全員は無理でも一人
を落とす事は簡単な事です。実はこれから、ちょっとした罠を仕掛けてみようと思い
ます。問題はですね、ターゲットを誰にするか。誰ならば一番簡単に口を滑らせてく
れそうか…(コンサートパンフのページを開きながら)え〜、責任感の強い彼(中居)
か、悩める青年(草なぎ)か、個人主義の彼(稲垣)か、一見お調子者のムードメーカー
(香取)か、それとも挑戦的なこの男(木村)か…。私、古畑任三郎でした」
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