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第9話「或る夜の出来事」 14.3.11 Tue PM9:00〜9:54
「なぜ君はここにいるんです?」
ここは聖南総合病院救命センター、初療室。今は稼働しておらず備品置き場になっている。ある晩、その場所に入ってきたのは同病院の外科部長森本和弘(長谷川公彦)。彼はこの後死体となって発見されることになる。 その夜、同じ備品置き場にやってきたのは、先日、同病院に配属されたばかりと語る眼科医、木原幸信(林遣都)と丸山陽子(室井滋)。さらに少し時間をおいて荒川勉(きたろう)が黒い大きなかばんを持って入ってきた。お互い不審人物ではと疑う中、部屋の隅に白い布を被った森本の死体を発見する。驚きおののく3人。 そこに福家警部補(檀れい)も入ってくる。福家は遺体に驚きながらも、木原たちに現場を保持するべく動かないよう指示を出す。が、刑事であることを証明するものを福家は持っていなかった。福家は、同僚=二岡の見舞いに来て手洗いに出た後迷いこんでしまったと説明するが、警察手帳も持たず、いつも通りの刑事らしくないいでたちのため誰も刑事だと信じてくれない。 福家は携帯も持っていなかったため、その場で唯一携帯電話を持つ木原が警察に通報。しかし、いっこうに警察は現れない。福家は3人に質問を重ねて現場の推理を始めるが、他の3人は刑事であるとは信じていないため、妄想の激しい人間と扱われてしまう。 福家はこの前代未聞の事態をどうやって切り抜けるのか? そして、森本死亡の真実に迫ることはできるのか? (以上、公式HPより) 聖南総合病院救命センターでは、その頃、盗難騒ぎが相次いでいた。 夜。警察署。 石松が一人、会議室である書類を見ている。それは、福家の経歴に関する書類だった。そこに田所がやってくる。 田所 「警部、お待たせしました。お願いします」 取調室にやってくる石松。無愛想に手にしていた書類をテーブルの上に置く。 石松 「石松と言います。お話伺わせて頂きますよ」 1人の20代の男・山岡が座るテーブルの正面に座る石松。書類に目を通しながら; 石松 「窃盗ねぇ〜。随分と色んなものを盗んだものだ。目的は?」 山岡 「だからぁ〜、むしゃくしゃしてやっただけですよ」 石松 「ほぉ〜」 山岡 「前の職場の上司が最低なやつだったんです。人のやることなす ことに細かく文句をつけてネチネチと説教。挙句にクビにされ たんですよ」 石松 「なるほど。気持ちは分からないでもない」 山岡 「ふっ。僕の気持ち分かってもらえるんですか?」 石松 「いえ、その上司の気持ちがです」 山岡 「・・・」 石松 「僕にも1人、非常に面倒な部下がいましてね。しかし、今夜は 気分がいい。今日は珍しく、その部下が何も問題を起こさずに 帰ってくれた。久々の平和な夜ですよ」 (きゃぁ〜、今回も石松警部、クールで素敵すぎるじゃないですかっ!!) 聖南総合病院救命センター。 森本を殺害したのは木原だった。誰も居ない備品置き場で森本を待ち伏せ、揉みあいになった末に頭部を撲殺したのだった。その直後、丸山がやってきたため、木原は、千条と偽名を使って新任医師になりすましていた。 木原は、森本は高い所の物を取ろうとして転落、頭部を撃って死亡した事故死だろうと“検分”する。 しかしながら、福家は現場の様子から、森本の死体にシーツがかけられていたこと、部屋にあった内線電話を森本が使おうとした形跡があったことを主張し、誰かに殺害されたのではないかと主張。だが、その場にいる3人は、福家が偽物の刑事であると思い込み、話を聞こうとしない。 荒川はシェスター製薬の営業次長だった。営業のためにやってきたと言うが、手にしたカバンのなかには大金が入っていた。だが、荒川はその大金を持ち歩いていた理由については何も言わなかった。 警察署。引き続き石松により山岡の取調べが続いている。 山岡 「あの、話はこれぐらいでいいでしょう?盗みに手を出したこと は悪かったと思ってますよ」 石松 「実は、僕が貴方から話を聞きたかったのは、窃盗のことだけで はないんです」 と、石松は意外な言葉を口にする。 山岡 「えっ?」 石松 「貴方が病院から盗み出した物の中に、このような2枚のカルテ がありましてね。どちらも同じ筆跡、同じ日付、そして、患者 さんの名前も同じ、木原隆一さんであります。違うのは書かれ ている診断の内容・・・」 山岡 「内容?」 石松 「一枚目のカルテの方には狭心症と診断されています。ですが、 2枚目の方には、大動脈乖離の可能性ありと。貴方このカルテ、 どこで手に入れたんです?」 山岡 「どこ?って・・・。そんなのいちいち覚えてませんよ」 石松 「簡単に言いましょう。要するにこの2枚のカルテを書いた医師 というのは、過去に診断ミスを犯し、それを改竄した可能性が あるということです」 山岡 「・・・」 石松 「カルテに書かれてある担当医師の名前は、森本和弘、聖南総合 病院の外科部長です」 (おっと、ここで今、福家が関わってる事件と繋がってきたぁ〜!!これは新たな展開ですね。福家さんが密室で動けない分、石松さんが事件解決に向けて視聴者を誘導していく展開です。石松警部キャラも今回の役割に非常に合ってます!いいわ、いいわぁ〜) その聖南総合病院では、引き続き犯人探しが行われていた。 木内は、荒川が手にしている大金は森本への賄賂であり、その関係で森本を殺害したのではないかと主張する。逆に無実を主張する荒川は全員の身体検査や持ち物調査を主張した。そして、丸山のカバンの中から犯行に使われた警棒が見つかった。 丸山はこの場所で森本と密会を重ねていた。 引き続き石松により男の取調べが続いている警察署。 石松 「森本さんから話を伺う前に、できるだけ裏を取っておこうと思 いまして。この方について何か知っていることはありませんか?」 山岡 「うーん、病院をうろついているときに聞いた噂では、この人、 製薬会社から賄賂をもらったり、看護師に手を出したりとか、 石松 「ふん」 山岡 「最低な男みたいですね」 石松 「亡くなられた木原隆一さんですが、プロのテニスプレイヤーだ ったそうです。学生時代には弟さんとダブルスを組んでいた」 そして、石松は一枚の写真を示す。 石松 「こちらが隆一さんで、その隣が弟さんです」 その写真には、隆一の隣に、今まさしく福家と対峙している木原が写っていた。 聖南総合病院。 カバンから警棒が出てきたことで、今度は丸山が犯人ではないかと木山および荒川から責められていた。だが、福家はだからといって、丸山が犯人とは限らない、誰しもが隠す時間があったと主張する。 警察署。 石松 「木原さんが救命センターに運ばれた際に、手術にあたったのは 森本先生と、それから研修医。解離はかなり進行していて、 開いたときにはもう手遅れだったそうです」 山岡 「あの、どうしてそんな話を僕にするんです?とにかく、その、 木原って人が死んだのは、森本先生が初療で医療過誤をしたせ いなんでしょ?僕に言われても・・・」 石松 「『初療で医療過誤』?専門的な言葉をお遣いになりますね…。 そろそろ聞かせてもらいますか?本当のことを・・・」 山岡 「・・・」 石松 「あとは貴方の口から聞きたいんですよ、3年前、何があったの か・・・」 (ここで、今、石松警部が取り調べをしている男性が、今回の事件に関わっているということが明らかとなってきます。前回といい、今回といい、石松警部が事件解決に関わっているというのは、見ていて非常に分かりやすい展開♪最初からこういうドラマだったら良かったのになぁ、と返す返すも勿体無いな、と思う。) 病院では引き続き犯人探しが行われていた。 福家は、一連の千条の行動に疑問を抱いていた。医師にしてはやっていることに矛盾がありすぎる。 福家 「あなたは本当は誰なんです?」 福家は千条のシャツのボタンが外れていることを指摘する。森本ともみ合ってるうちに取れたのではないかと。今も森本の掌の中に握られているのではないかと。だが、シャツのボタンは千条が持っていた。今朝、ボタンが取れたのだと。 しかし、福家はその主張を更に覆す。そのボタンは福家がこの部屋にやってきたときに発見し、森本の掌の中に隠していたものだった。それを、千条が勘違いをし、自分のポケットに隠したのだ。つまり、千条がそのボタンを持っていることこそが犯人である証拠だったのだ。 そのとき、森本の携帯が鳴る。電話に出る福家。 福家 「こちら、森本先生の携帯です・・・・・もしもし?」 石松 『・・・なぜ君がいるんです?』 福家 「警部!!!」 石松 『なぜ君が出るのかと聞いてるんですよ』 森本の携帯に電話をかけてきていたのは石松だった。そのとき、石松は田所と共にその病院に向かっていた。 (石松警部、早速、森本先生に話を聞こうとするなんて、行動早っ。) 石松 『・・・森本先生が殺された?福家君、君はどこにいるんです?』 福家 「聖南病院の救命センターです。・・・・はい、確保しています。 ・・・わかりました」 石松との電話を切る福家。 石松が来るまでの時間、丸山は、森本が既にガンで余命1年足らずだったと打ち明ける。 丸山 「先生ね、ずっと言ってたのよ、自分には一生掛けてお詫びしな きゃいけない人がいるって」 だが、木原は言う、「この男(森本)のせいで、兄貴は死んだんだ!」と。 福家 「いえ、そうではありません。助けようとしてたんです。病院を 荒らしていた窃盗犯が捕まったそうです。上司にクビにされ、 その腹いせにやったと。その上司と言うのは森本先生のことで す。そしてその窃盗犯というのは当時の研修医でした。本人が 全て自白したそうです。3年前に医療過誤を犯したのは自分で あると」 当時、森本は、研修医が書いたカルテを指導医である自分の名前に書き直していた。そして、木原隆一を助けようと、救命センターにかけつけたものの、結局、木原は亡くなってしまったのだ。 そこに石松警部が田所とともにやってくる。 石松 「福家君、被疑者は?」 福家 「彼です・・・」 荒川 「ちょっと、あんた、誰?」 石松 「(警察手帳を見せ)捜査一課の石松です」 丸山 「じゃぁ、この人は?」 石松 「福家警部補。捜査一課の刑事であり、私の部下です」 荒川 「妄想じゃなくて?」 丸山 「本当に刑事だったの?!」 石松 「木原幸信さんですね。あなたのことろに森本先生の弁護士から 電話があったはずですが。森本先生は遺族であるあなたに謝罪 をし、慰謝料を払おうとしていたそうです。もし、その電話に 気付いて居たら、こんなことは起きなかったんじゃないですか?」 木原は、森本を殺害する直前に携帯に掛かってきていた着信を確認する。そこに他の警官たちもやってきて、木原を連行していった。丸山や荒川も、話を聞きたいと田所が部屋から連れ出す。 福家 「ありがとうございました」 石松 「警察手帳は常に携帯すること。警察官の常識です!」 福家 「はい。申し訳ありませんでした」 石松 「福家君、君の経歴を調べました。2005年から7年間、公安部外 事第四課でイラン・イラク・シリア・エジプト・コソボに赴任。 キャリアとしてはエリートコース。しかし、2年前に自ら希望 を出し、捜査一課に入ってきた。なぜ君はここにいるんです? 捜査一課で何をしようとしてるんです?」 福家 「・・・」 (今回は何と、石松警部の台詞でTHE END。福家さん、一体、なぜに捜査一課に来たのか…。これで、実は石松警部がラスボス設定とかで、その悪事を暴くために福家が異動してきたとかでも萌えるけどな。) 石松 「私に任せて頂ければと思います。福家警部補の処分については」 (今までつまんなかった分、最後はおいしところをもっていってくれないかな、なんて思ったりする) |
Who are you? 今回は犯人にとっても、そして福家警部補にとっても、そんな疑問が投げかけられた回。 ドラマの展開は、今回は原作に無いオリジナルでしたが、ドラマの設定にあわせていい意味で改変されていて、中々興味深い展開でした。(肝心の事件は相変わらずイマイチだったけど)最初からこれぐらいのオリジナリティを出してもよかったんじゃないかなぁ(ぶつぶつ)。 というわけで、今回は石松警部、大活躍(?)です!(たぶん) 本編とは全く関係の無い事件の取調べをし始めたかと思いきや、一番核心を突いた捜査をしていたという、美味しいところを持っていく役どころ!石松警部の正しい使い方だったと思います(←やや脳内補正入ってるかもしれませんが(笑)) しっかり貫禄もあって、取調べをしている男性を恫喝するような雰囲気もまとっていて、しっかり上司としての役割も果たしてるし。吾郎君、年相応のいい男になったなぁ〜(って何様?>自分)。 今回のドラマの結論は、これがあと、2〜3話早く見たかった。せっかくのキャラクターなのに、勿体無いなぁ、となります。でも、今回はリピするよぉ〜。 (2014.3.16) |