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第8話「オッカムの剃刀(後編)」 14.3.4 Tue PM9:00〜9:54
「解決してみせますよ、1つ1つ。我々は絶対に解決してみせる」
城北大学講師、池内国雄(みのすけ)殺害事件で、石松和夫警部(稲垣吾郎)らは、界隈で発生している連続強盗犯による犯行と断定。前科を持つ今井圭三(柳憂怜)の行方を追っていた。福家警部補(檀れい)は、同大学特任教授、柳田嘉文(古谷一行)を捜査対象者としていたが、殺害証拠や動機を解明するには至っていない。そんな折、今井の遺体が神社の石段下で見つかる。警察は酔った今井が誤って転落した事故と判断し、被疑者死亡で一連の事件に終止符を打とうとしていた。 (以上、公式HPより) 夜。今井の死体が発見された神社。 それは、柳田教授(古谷一行)が、飲酒による転落事故にみせかけて殺害したものだった。一連の強盗は柳田が今井に指示をしてやらせたものであり、その強盗犯にみせかけて柳田が池内を殺害するという非常に計画的な犯行だった。そして、柳田は今井を殺害し、池内の殺害の罪も今井にかぶせた。 石松 「被疑者死亡か…」 田所 「残念です。この手で捕まえたかったのですが」 だが、福家は現場となった神社に落ちていたタバコの吸殻が気になる。誰かを待っていたのではないかと。 今井のマンションの部屋。 今井が住んでいたマンション。石松警部たちが家宅捜査をしている。 部屋からは凶器となったバッド,目撃証言から得られた犯人が着ていたような黒尽くめの服が出てくる。 田所 「事件に使用した凶器と見て間違いありません。服装も目撃証言 と一致します」 石松 「早急に鑑識に」 部下 「はい」 その横で福家もちゃっかりついてきてるわけですが、部屋に落ちていたメモ書きをいつものように写真で撮ったりしてると; 石松 「部外者が勝手に触らないで下さい」 福家 「!」 二岡 「部外者?」 石松 「君がこれ以上、捜査に関わることを僕は許さない。出て行きな さい」 福家 「・・・」 福家はそのまま部屋から出ていった。 (福家さん、反論しないんだね。自分が悪いと認めてるんでしょうか?とはいえ、この後のシーンで「私には捜査権は無い」とか言っちゃってるんですが、あっという間に捜査に首を突っ込み始めるところを見ると、全く反省の色は無く。意表をつく展開にしたいあまりに、どうもキャラクター設定が繋がっていないような気がします) 警察署。捜査本部。 捜査員がそれぞれに作業をしている。 田所 「今井が潜伏してた部屋ですが、持ち主は個人で不動産を経営し ていたもので、今井から結構な家賃を貰って、しばらくの間、 貸してたそうです」 石松 「どこから出たんですか、そのお金は?」 田所 「は?」 石松 「今井は最近まで公園で生活するホームレスだったんですよ」 田所 「それはあちこちで悪事を働いて溜めていたんでしょう。まぁ、 被疑者死亡は痛いところですが、事件が解決したのも、警部の 執念の賜物です」 石松 「ええ、実にあっさりと解決した」 田所 「は?」 石松 「血痕の残った凶器、襲った被害者の持ち物など、捨てることな く所持していまいた。ゆるぎない物証が次々と出てきています。 親切なぐらいにね」 田所 「いやぁ〜、それにしても、福家のやつに天誅を下して頂いて、 スカッとしてます!あいつがいないと風紀もよくなるな。あは はは(笑)」 その後、石松は黙ってしまい、福家が残した“写真”をじっと眺めている。(今回は石松警部が急に仕事ができる人になってます!こういう石松警部を早く見たかったわっ!熱く語る田所さんと、実に冷静な石松警部との対比がいいですね。こういうメリハリがドラマ全体に見られると、もう少しドラマとして見やすくなっただろうになぁ…) 一方、二岡は同僚から福家が実家に帰ったらしいと聞かされる。 城北大学。 二岡は、池内の資料を返却するために城北大学にやってくる。柳田に挨拶に向かった二岡は、福家が謹慎しており、刑事を辞めるかもしれないと告げる。その話を聞いた柳田はほっとしながら、池内のパソコンから回収したデータを削除した。 柳田 「これで余計なものは全て消えたな」 (だからぁ〜、池内のパソコンをもっとちゃんと調べたらいいんじゃねぇのぉ〜?削除したデータ、あの程度なら復元できると思うわけで) 二岡が池内の研究室に資料を戻していると、そこに池内が発注していた復顔用の粘土が届く。 今井のマンションの部屋。 二岡は、1人で福家が残した報告書を目にしていると、謹慎中のはずの福家がやってきて、すぐに二岡が調べていた情報を聞き出す。結局、福家も引き続き1人で捜査を続けていた模様。 二岡は、今井と柳田の接点について福家に説明する。7年前、今井は誤認逮捕されていて、その無実を証明したのが柳田だった。それに部屋に落ちていたメモ書きから、池内が殺された時間帯、今井はこの部屋でクイズ番組を見ていたのではないかと推論する。つまり、今井に池内の殺害は不可能なのである。 福家 「でも、きっとまた同じことになる。どうとでも理屈はつけられ る。紙切れ一枚から出てくる不確定な推論よりも、部屋に凶器 があった、現場に毛髪があった、そういう物証の方が重要視さ れる。推論は決して物証には勝てない。柳田教授はそのことを よくわかっている」 (当たり前だろーが!!!ずっと私が第一話から言ってるだろー!(爆)。福家が証拠を軽く見すぎるのよっ!) 城北大学。 柳田の復顔に関する授業を聞いている福家。謹慎中の福家は、初心に戻るために科学捜査をイチから学びたいという。 柳田は、復顔には、何としても遺体の身元を割り出したいという情熱が必要だと言う。その情熱が警察に伝われば、本腰を入れて捜査を行う。 柳田 「そしてね、大抵のことは分かるんだよ、警察が本気を出せば」 柳田は、行方不明の妻を捜すためにこの仕事を始めたのだという。だが、現在に至っても発見はできていない。 BAR。 池内が殺害される直前に立ち寄ったバーにやってきた福家と二岡。 バンドマンの白石(ダイヤモンドユカイさん(笑))という男が店員として働く店で、二岡は池内の部屋を調べた結果について提示する。 柳田が過去に手がけた事件で、“池内の部屋に資料が無かった事件”が3件みつかる。そのうちの1件が、当時の鑑識資料が全く残っていないものがあった。15年前、小狭山で発見された身元不明の白骨遺体。 以前、科捜研に保管されていた資料が大量に紛失した事件があり、この鑑識資料はそれと一緒に紛失していた。 福家 「神様は本当に徹底して証拠を残さないのね」 福家は、教授の部屋にある奥さんの写真が、ある時期から結婚指輪がなくなっていたことが気になる。 (池内がどうやってその資料を手に入れたかを調べてはどうだろーかとも思う。そういう池内の行動を洗ったりはしないのかな?) 武蔵野南警察署。会議室。 今井死亡の新聞を手に、石松の元にやってきた柳田。二人っきりで話をしてます。(おお!今回のドラマで吾郎君と犯人とが2人っきりで対峙するシーンが見られるとは思って無かったわっ!今回の脚本、GJ!) 柳田 「私の教え子が殺された事件だ。解決されたようだと耳にして、 一応のお祝いに」 石松 「その節は私の部下がご迷惑をおかけしました」 柳田 「ああ、済んだことだ。しかし、いい部下を持って、君も苦労が 絶えんだろう?」 石松 「恐れ入ります」 柳田 「それにしても、1つ疑問なんだが、犯人である今井の死亡を、 警察は事故死だとはっきり発表をしていない。どういうことか ね?」 石松 「もちろん、発表するつもりです。ただ、今回の事件は世間から も非常に注目をされているので、できる限り正確に情報を集め なければなりません。余罪などもありますので…。しかし…、 確かにご指摘の通り、とりあえずの発表は明日にでも」 柳田 「それなら結構。それで市民も安心するだろう」 柳田も安心して席を立とうとする。 石松 「ところでですが、犯人の今井が亡くなった夜に、柳田教授は、 どこで何をされておりましたでしょうか?」 柳田 「・・・・・・・・君は、何を聞いてるんだ?」 石松 「…ああ、これは失礼。もしかしたらそのときも、福家が教授に ご迷惑をお掛けしていないかと思いまして」 柳田 「ああ、そういうことかね。それなら大丈夫だ。その夜は何事も 無く研究室でゆっくりと仕事ができたよ」 石松 「そうですか」 柳田 「もう、福家君のことは許してやりたまえ」 石松 「いえ、そういうわけにはいきません」 柳田 「ふん」 石松 「・・・」 玄関まで柳田を見送りにやってきた石松と田所。 柳田 「それでは、頑張ってくれたまえ」 石松 「ありがとうございます」 田所 「失礼します」 柳田が車に乗り込む姿を見ながら、田所が石松に尋ねる; 田所 「私も教授に聞かれたのですが、どうして警部は今井の死を詳し く発表されないのですか?この事件には警察の威信が掛かって ます。上からも早く捜査を切り上げて早急に対応せよと」 石松 「万が一ですが、別に犯人がいたとしたら」 田所 「は?」 石松 「その犯人も分かっているはずですよ。警察というものが威信の かかった捜査に弱いと」 (きゃぁ〜!吾郎君、格好いいわぁ〜。既に警部さんは全てを見通している感じで、今回は本当にいいです!今まで本当に仕事ができないキャラクターだったからなぁ。そういう意味ではキャラ豹変?!(汗)) バー。 なぜか白石が働くバーで、復顔した頭蓋骨を眺めている福家。そこに二岡がやってきて、紙マッチに書かれたメモを提示する。 福家 「これよ二岡君。池内さんはちゃんと残しておいてくれたのよ。 ようやく突破口が見つかった」 柳田教授の研究室にやってくる福家。 福家は、失踪した教授の妻の実家にいってきたと告げる。その実家には妻に関するものは全て柳田が妻を捜すためという理由で持ち出していた。一方、科捜研にある妻に関する歯形などの情報も紛失している。 福家は、全ては柳田がやったことではないかと告げる。妻の殺害も含めて。15年前に発見さた白骨遺体こそが柳田の妻の白骨であり、柳田は復顔を偽装したと。だが、この程度では柳田は罪を認めはしない。 柳田 「福家君、君はねやはりあのとき責任を取って刑事を辞めるべき だったんだよ」 福家 「これが私の責任のとり方です。事件を解決することが」 福家は、自らが復顔していた白骨遺体が証拠だと主張する。それは池内が所有していた資料から再現したものであり、その資料は池内の研究室にあると・・・そう柳田を挑発し、池内の研究室に柳田を向かわせる。 福家 「池内さんは証拠をメモに残されていたんです、マッチに」 テーブルに並べられた数多くの中から紙マッチの資料写真の中から、事件当日、池内が所持していたマッチを手にする柳田。だが、その柳田の行動を見て、福家はそのマッチを手にすることは犯人でしか知りえない。柳田は、事件前に見たものだと弁明するが、そこに書かれた「White Stones」というメモ、それはバーの店員がバンドを宣伝するために事件当日に書いたものだった。 福家 「あなた、自白されたんです」 (おいおい、結局、物的証拠じゃないじゃねーかっ!っていうねw) 福家 「こちらとしては、過去の事件だけでなく、現在の事件も同時に 解決しなければ意味がありませんでしたので」 柳田 「過去の件は否定したはずだ。その件について証拠は無いだろう」 となったところで、このタイミングで石松警部が自ら登場!キター!!!!! 石松 「証拠ならこちらに」 柳田 「君・・・」 石松 「15年前、柳田教授が復顔を手がけられた白骨遺体の本物の鑑識 資料です」 柳田 「何?」 石松が手にしていた“証拠”を柳田は手に取る。 石松 「その資料を元に科警研の方に復顔作業を依頼しました。それが 先ほど福家が見せたものです。既に、スーパーインポーズ法で 頭骸と奥様の顔写真を照らし合わせました。この遺体、間違い なくあなたの奥様です」 柳田 「どこに残ってたんだ、こんな資料!」 石松 「大抵のものは見つかるんです、警察が本気を出せば」 (ああ、この警部、格好良すぎっ!←今回、こればっかり) 柳田 「君は、部下のくだらない推論を信じて動いたっていうのか?」 石松 「部下がまた不始末を起こしているようなので、上司として責任 を取っただけです」 福家 「・・・!」 石松 「重ね重ね、私の部下がご迷惑をお掛けしまして申し訳ありませ ん。後は私が本部の方でじっくり話を聞かせて頂きます。池内 さんの殺害、今井の殺害、そして、奥様殺害の件も」 柳田 「私を逮捕することが、警察にとってどれほど大きな損失になる か、分かっているのか?私でなければ解決できない事件がある んだ」 石松 「解決してみせますよ。1つ1つ。我々は絶対に解決してみせる。 これもその1つです」 柳田の発言を石松は一蹴する。(ああ、今回の警部、惚れるわ♪) 石松 「福家君、諸々の件、報告書は明日までに提出すること。いいで すね」 福家 「はい」 そして、石松は池内の研究室をを出ていった。 柳田 「妻は私の仕事を理解しようとしなかった。そして浮気をしてい てね。口論の末に、気がついたら手が出てた。本当にこの世に 何千と言うありふれた事件だったんだよ。私の理論どおりに行 けば証拠など何も残っていなかったはずなんだ」 福家 「はい。ですが、持っている捜査員はいたんです。当時の詳しい 事件資料を引退してもなお」 柳田 「誰もオッカムの剃刀を理解していなかったというわけか…」 福家 「人は理論どおりには動きません。たとえそれが、神様の言うこ とでも」 石松 「福家君、君の経歴を調べました」 (石松さんの存在理由がようやく出てきた?) |
前回の放送では、福家さんは結局、物的証拠がないとダメだと思い知らされたという結論だと思ったら、解決編である今回、凝りもせずにいつもどおりに自白を誘導しただけという。そんな脚本でいいの? したがって、事件解決の流れとしては、モヤモヤが残ってしまいました。 今回だけを見るとそれなりに盛り上がったのだけど、前回との繋がりを考えると実は全く繋がっていないような気がします。 池内の研究室から持ち出した証拠は何の役にも立ってないし…。 福家が「私には捜査権が無い」なんて言った直後から捜査しまくり。福家さん、少しは学習能力ありますか?と言いたい気分だったわ。 前回、石松警部が激怒したのも、結局何だったのかと。“福家が捜査を外された”というフェイクを作り出したかっただけなのかと。 というわけで、今回はもう、石松警部の格好良さだけを語るがいいのかな、と(笑) 石松警部はとっても仕事ができるヤツでした。これまで全く役に立たなかったのに、この急展開は何なのだと思ってしまいますが、それでも今回、神様の犯した犯行を暴くには、石松警部の働きが無かったら成し得なかったのですよ。 もっと裏を読むなら、福家警部補を捜査から外したのも、勝手に単独捜査をするであろうことを読んでの行動のようにも思います。前回、福家に怒鳴ったのも、こうなることが最初からわかっていたんじゃない?って(笑)。まぁ、最初から柳田に証拠も無い段階から犯人扱いしちゃって、1人暴走しているのは明らかでしたからね。上手く距離を置かせたんでしょう。 そして、結果、福家が捜査から外れたと柳田をも油断させ、自分は影でこっそり物的証拠を固めていたという!!! そういう雰囲気を醸し出して、最後の「解決してみせますよ。1つ1つ。我々は絶対に解決してみせる。」という発言ですよ!ああ、石松警部、惚れます。 先週の激しく怒る石松警部もよかったけど、今回の黙して語るという吾郎君の演技はやっぱり最高だと、改めて思った次第です。 (2014.3.16) |