福家警部補の挨拶

 第3話「プロジェクトブルー」 14.1.28 Tue PM9:00〜9:54 

「なんともシュールな死体だねぇ」


  • [1 事件発生]

    『スワンプ・インプ』社長で、フィギュア造型家の新井信弘(北村有起哉)は、大手玩具メーカー『丸吉』とコラボ企画を進めている。それは『丸吉』が販売する『銀河戦士ブルーマン』の新フィギュアの造型を新井が製作するという大きなプロジェクト。新井の会社に品物を納める塗料会社の小寺浩二(中山祐一朗)も興味津々。小寺は営業でサンプル塗料を渡すために新井の元にやってきたのだが、新井はサンプル塗料を受け取ると、慌しく次の仕事に向かった。

    新井が急いでいたのは、『ブルーマン』のリニューアル会議に出席するためだった。会議は長引き、終わったのは深夜0:14。ようやく『ブルーマン』のデザインが決定し、試作品を急ぐ『丸吉』に、新井は一晩で作ると約束。しかし、新井はフリーの造型家、西村浩(片桐仁)の作業場へ向かった。

    深夜1:55。
    十数年前、『丸吉』が限定品で販売し、マニア間では高値で売買される『ミリバール』というロボットフィギュアの贋作が出回る事件があった。西村は贋作を作り、売ったのが新井だというのを嗅ぎ付け、その事実を『丸吉』にばらすと新井をゆすりにかかる。
    新井は持参した本物の『ミリバール』と偽物の交換でけりをつけようとする。だが、あくまで金を要求する西村を思い余って持参した本物の『ミリバール』を使って撲殺。新井は偽物の『ミリバール』をカバンに仕舞い込む。そこに小寺が西村の発注した塗料を届けに来た。西村の死体を発見し、パニックで立ち去ってしまう小寺。物陰に身を潜めていた新井はあることを思いつく。
    それは小寺に西村殺害の罪をなすりつけようというものだった。西村の作業場にあったフィギュアを持ち出し、小寺の職場の倉庫に隠した。

    5:43。自分のオフィスに戻った新井。


    (公式HPより(下線部分は補足しました))




  • [2.なんともシュールな死体だねぇ]

    朝、殺害現場を臨場する石松警部たち。現場検証が終わり、塗料が顔にかかった死体をしみじみ見て;

      石松 「なんともシュールな死体だねぇ」

    何とも石松さんらしい表現が本日の第一声(笑)。
    と、そこに福家が現れる。

      石松 「風邪ですか、福家君」
      福家 「いえ、埃っぽいですね、ここ」
      石松 「というより、現場を間違っていませんか?君を呼んだ覚えはな
          いんですが」

    構わず現場を見て回る福家。
    福家は二岡を捕まえ、現場検証の結果を聞きだす。棚の上にフィギュアの足型が埃となって残っていたことから、犯人はフィギュアを盗み出すことが目的だという推論を聞きだす。

      田所 「警部、被害者が最後に電話した相手です。名刺もありました。
          クレオという塗料会社の営業マンだったようです」
      石松 「話を聞きに行きましょう」
      田所 「はい」
      石松 「福家君、その派手なメイク、何とかして下さい」

    そう言い残して、石松は現場を出て行った。



    その頃、新井のオフィスでは『丸吉』の担当者と作成したての新生ブルーマンのフィギュアを披露する。
    新井が『丸吉』の担当者を見送った後、社長室に戻ると、そこには福家が居た。



    福家は、西村の殺害現場から持ち去れてたフィギュアを特定しようと、殺害現場に置かれた雑誌でみかけた専門家として、新井の元を訪ねたのだ。埃の足跡からフィギュアを特定していく新井。
    と、同時に、福家はそれらフィギュアよりも断然価値のあるミリバールを犯行に使ったのかが気になると口にする。



    警察では、小寺の取調べが行われていた。石松たちは小寺が西村殺害の容疑者であると判断したのだ。

      石松 「小寺さん、凶器に付着していた指紋ですが、貴方の指紋と一致
          しました」
      小寺 「だからそれは…」
      石松 「あなたの営業者のカーナビにも昨晩、西村さんの仕事場に訪れ
          た記録が残っていました」
      小寺 「確かに西村さんの仕事場には行きました。でも、僕が訪ねた時
          には、もう死んでたんです」
      石松 「そこにあったフィギュアも盗み出しましたね」
      小寺 「そんなことしません」
      石松 「あなたの会社の物置に隠してありましたよ」
      小寺 「そんな・・・」

    物的証拠としては十分ではある。(そうだよねぇ、普通、これだけ条件が揃えば逮捕するよね…。と石松警部をフォローしてみる。動機がよくわかんないから、早計とか言われるのかなぁ)




  • [3.イメージ以上のフィギュア]

    留置所に入れられた小寺の元に、福家がやってきた。福家は小寺から話を聞くが、小寺はあくまでも自分が犯人ではないと主張する。



    福家は、次に『丸吉』の担当者に話を聞く。『プロジェクトブルー』の企画会議後、『ブルーマン』のフィギュアを新井が製作には一晩かかるであろうと。

      担当者「さすが新井さんですよ。しかも仕上がりもイメージ以上で。僕
          が発注した色合いとはちょっと違う部分もありましたけどね。
          でも、そこがよくて」



    再び新井の元を訪ねる福家。
    新井は既に小寺が殺人の容疑で逮捕されたという話を聞いていた。だが福家は;

      福家 「それに、まだ小寺さんが犯人と決まったわけではありませんので」

    と告げ、新井を西村の作業場に連れてきた。福家は、事件翌朝、現場で撮影した写真を新井を見せながら、棚の上には、埃でミリバールの足跡がついていたのにもかかわらず、殺害に用いられたミリバールはピカピカだったと話す。



    警察では小寺の取調べが続いていた。取調べの様子をマジックミラー越しに見ている石松の元に福家がやってくる。

      石松 「心配しなくても彼で決まりですよ。君はまた、関係ないことを
          調べているとの噂が」
      福家 「少々、気になることが・・・」
      石松 「この案件を君に担当させた覚えはありません。いいですね」
      福家 「はい」



    数日後。
    相変わらず新井をつけまわす福家。
    福家は、ずばり、ミリバールの贋作を作ったのは新井ではないかと尋ねる。福家は15年前、学生時代の友人に、その友人の実家にある工場の機械を使わせてもらい何かを製作していたという事実を掴み、それはミリバールだったのではないかと。

      福家 「思うに、昔、『ミリバール』の贋作を作った人というのはフィ
          ギュアに対して相当に深い愛情があったのではないかと。本物
          の『ミリバール』は、見る目を持った人からすれば、あまり出
          来がいいとは言えないそうですね。しかしマニアたちは、それ
          が希少だからという理由でお金を出します。そんな物の価値が
          分からない人たちを皮肉るように、とある1人の造形家が出来
          のいい贋作を作った。むしろこっちの方が本物なんだと・・・。
          愛情がなければあれだけのものは作れません」




  • [4.愛です]

    定食屋。
    二岡を誘い、食事を取る福家。二岡から『ブルーマン』のデザイン案が事件の前日にネットに流れたという事実を聞き出す。



    警察に戻り、福家は石松に駆け寄る;

      福家 「石松警部!」
      石松 「その件は言ったはずです」
      福家 「警部!」
      石松 「僕は急いでるんです」
      福家 「警部!」

    急ぎ足で廊下を進む石松に食い下がる福家。福家も普段は石松警部の言うこと無視して捜査しておきながら、最後の最後は一応、こうやって許可は求めに来るのよね。考えれば不思議なドラマ。

      石松 「福家君、ここがどこだか分かっていますか?」

    というのも、石松警部が急いでやってきたのは男子トイレ(爆)。なんてお茶目なシチュエーション(笑)。まぁ、石松さんも福家さんも、真顔で話を続けるわけですが…。偶々個室から出てきた田所さん、2人がトイレで話しているのを見て焦ってますよ。

      福家 「小寺浩二さんの件、待っていただけないでしょうか?」
      石松 「無理です。予定通り明日、検察に引き渡します」
      福家 「新犯人は新井社長です!」
      石松 「証拠はあるんですか?」
      福家 「・・・」
      石松 「話になりませんねぇ。笑いモノになりますよ」
      福家 「もし、小寺さんが犯人でないとわかったら、送検してしまった
          石松警部が笑いものになります」
      石松 「ふん・・・」

    石松さん、それ以上は何も言わず。また許しちゃったかな、福家の単独行動を…。



    福家は留置所の小寺の元に向かう。西村の元に向かったのは、頼まれた塗料とサンプル塗料も渡そうと思っていったのだと語る。

      小寺 「あの…こんなときに聞くのも何ですけど、ブルーマンの新作は
          完成しましたか?」
      福家 「もうすぐです。新井さんは、あなたにもらったサンプル塗料を
          ブルーマンに使ったそうです。とてもいい出来だと」
      小寺 「よかった。けど、びっくりですね。ブルーマンで色が変るなん
          て」
      福家 「どういうことですか?」



    新井の職場を訪ねた福家。今度は証拠を持参して。
    福家はクレオから頼まれた塗料をかわりにもってきていた。それは先日、小寺が持ってきたサンプル塗料と同じもの。
    だが、その塗料はブルーではなく、ゴールドだった。ブルーは小寺が西村に渡したサンプル塗料の色、そして一方のゴールドは小寺が新井に渡したサンプル塗料の色。
    新井は、殺害現場から立ち去る際に間違えて殺害現場にあったブルーの塗料を持ち出してしまったのだ。そのブルーの塗料を仕事場に戻り、ブルーマンのフィギュアに使った。

      福家 「証拠は、最初からそこにあったんです。あなたがあの夜、事件
          現場にいたという何より証拠が」

    塗料の成分は、世間には発表されていない材料を使用しており、調べれば分かる。

    そこに石松警部もやってきて;

      石松 「小寺浩二の送検を見送らせて頂きました」

    咄嗟に新井は目の前のブルーマンのフィギュアを手にし、証拠を燃やしてしまおうとする。が、新井はフィギュアを燃やすことはできなかった。

      石松 「どうして・・・」
      福家 「愛です」


    (今回は最後のシーンに石松さん登場しただけマシかなぁ。何で出てきたのかよくわかんないけど)




  • [予告]

      石松 「顔でも洗ってくるんですね。僕は酔っ払いは嫌いなんです」

    (もう、よくわかんないや、このドラマ)




  • [感想]

    第3話も、第1話と比べると証拠を突きつける過程にそれほど無理を感じなかったので、展開としては納得いくものでした。ただ、福家さんに関しては、もう少し、その行動原理を何とか示してくれないと、主人公に感情移入できず、辛いかも。単に悪を憎んでいるとか、過去のトラウマが何かあるとか、単に趣味でやってるだけなのか…。福家さんだけでなく、次が第4話なので、それぞれのキャラクターのバックボーンも多少は描いて欲しいです。

    特に石松警部のね!(笑)

    石松さん、さすがに年齢設定43歳ですし、家族がいたりするのかなぁ、とか知りたいし。石松さんが関わった過去の事件が、何か大きな問題に発展するとか、そんなよくある展開のドラマも見たい。原作には出てこないキャラクターなのだし、1話ぐらいそういう番外編をやってもいいなじゃないかしらん?


    (2014.2.2)




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