福家警部補の挨拶

 第1話「失われた灯」 14.1.14 Tue PM9:00〜10:09 

「係長と呼ばないでくれって言ってますよね、ショボイから」


  • [1 事件発生]

    水曜日 午前11:23

    人気脚本家、藤堂昌也(反町隆史)は、自分が書いたドラマの犯人役のオーディションがあると偽り、三室勘司(小林且弥)を呼び出す。車は三室に運転をさせ、藤堂の別荘へ向かう。


    水曜日 午後2:45
    別荘到着。三室は、藤堂に頼まれた拳銃とロープを用意していた。
    藤堂は三室に誘拐犯の役を与えると役作りを始める。自分が書いた台本を三室に読ませ、その台詞をボイスレコーダーに録音を続ける藤堂。
    そうして、しばらくすると、藤堂は三室に睡眠薬を飲ませて眠らせてしまう。三室が眠っている間に、藤堂は自分の事務所に電話。秘書の大城加奈子(水崎綾女)が出ると、三室に読ませて録音した脅迫文を再生した。自らが誘拐されたかのように偽装したのだ。


    水曜日 午後11:56
    その日のうちに、藤堂は骨董商の辻伸彦(有薗芳記)の家へ向かう。
    藤堂は辻から古い原稿の取引を持ちかけられていた。原稿は藤堂の脚本家としてのキャリアを脅かすもの。藤堂は応じるそぶりをして辻を殺し、家に火をつけて別荘に戻る。


    木曜日 午前7:03

    その頃、藤堂の事務所には石松和夫警部(稲垣吾郎)ら警官たちが詰めていた。

    (あ、思ったよりも早く警部さん登場♪)

    そこに、また脅迫電話が入るが、身代金8000万円を要求するだけで切れてしまう。

      大城 「あの声・・・」
      石松 「どうかされましたか?」
      大城 「電話の声に聞き覚えがあるような気がするんです」
      石松 「知り合いと言うことですか?」
      大城 「・・・」
      田所 「逆探知、出来ました。場所は山梨県韮崎方面。別荘で、所有者
          は藤堂氏本人です」
      大城 「あ、分かりました。あの声、三室です」
      石松 「三室?」
      大城 「藤堂さんのストーカーなんです」
      石松 「ストーカー?」

    田所は、同じく藤堂の事務所に詰めている部下に、山梨県警に協力を求めるよう指示し、同時に第13係に非常召集をかけるように伝える。

      石松 「大丈夫ですよ。藤堂さんはちゃんと助けますから」

    (警部さん、それなりに事件解決に対しては自信がある様子)

    たった今、13係に召集を掛けたばかりだが;

      警察官「あの、福家警部補だけ所在不明です」

    と、報告が。だが、石松は;

      石松 「彼女は・・・別にいいんじゃないか?」

    (これは、実際に居なくてもいいという意味なんだろうけど、この後の展開見てると、邪魔されないように、敢えて放火事件の捜査に行くよう、別途、指示を出したりしてたんだろうか?・・・そこまで意味はないかもだけど)



    木曜日 午前7:12

    火災現場。骨董商の辻の家が焼け落ちている。
    鑑識係の二岡友成(柄本時生)が同僚と現場検証を行っていたが、そこに二岡の天敵、福家警部補(檀れい)が現れる。


    木曜日 午前7:41

    偽装誘拐の電話を終えた藤堂は、薬で眠らせていた三室を起こす。全ては辻殺害を完全犯罪にするための策略だった。仕上げは三室を消すこと。それを知った三室は逆上して藤堂に襲いかかった。もみ合いの中、藤堂の撃った銃弾が三室を貫く。直後、警官たちが突入するが、傷だらけの藤堂が誘拐されていたことを疑うものはいなかった。

      藤堂 「完璧だ・・・」

    (ここまでが事件発生までの記述です)



  • [2 警部です]

    病院の廊下

    事件後、重傷を負った藤堂は病院に運び込まれた。翌日、石松は田所らと共に藤堂に話を聞くために病院にやってきた。

    (部下を連れてやってきたりで、確かに今回のドラマは偉くなったわね(笑))

      田所 「死亡したのは三室勘司、27歳。前科はありませんね。それから、
          被害者の藤堂氏…、顔面裂傷、打撲多数、骨折2箇所。むしろ
          反撃していなければ・・・」
      石松 「死んでいたかもしれない」
      田所 「はい」
      石松 「被疑者死亡か・・・つまらないですね」

    そう言いながら入った病室には、藤堂いた。藤堂はベッドから起き上がり、藤堂に当時の状況を話し始める;

      石松 「三室が現れたのは、昨日の午前11時半頃」
      藤堂 「ええ。いきなり拳銃をつきつけられて、すぐに縄で縛られまし
          た」
      石松 「そのまま別荘に?犯人は知っていたんですね、場所を?」
      藤堂 「私のストーカーみたいなやつで」
      田所 「テレビ局や撮影場では、ブラックリストに挙がっているという
          ことを確認できてます。かなり強烈だったようですな」
      藤堂 「役者志望とかで、最初は私もそれなりに接していたんですが、
          度を越すようになって」
      石松 「別荘についてからは?」
      藤堂 「物置で監禁されました。水と食事は一回だけ与えられました。
          ロープがほどけたのは・・・朝だったと想います」
      石松 「そこに三室が来た?」
      藤堂 「私は夢中でぶつかってて、そこから先は覚えてません」
      石松 「なるほど」
      藤堂 「私があの男を殺したんですね」
      石松 「あなたの行為は、刑法第36条第1項の正当防衛に当たる可能性
          が高い。警察官も現場を目撃していますからね。犯人が死亡し
          たのは残念ですが、何より、あなたの命が助かったことが重要
          なんです」
      藤堂 「刑事さん・・・」
      石松 「警部です

    (警部という呼称に拘りを持つ石松さん(笑))

    そこで石松の携帯が鳴り、藤堂から話を聞いている最中だった石松は、その携帯に出るよう、田所に渡す。(偉そーな警部さん(笑))

      田所 「石松警部の携帯です。福家か・・・何だ?!」
      石松 「!」
      田所 「警部、福家です」

    田所は福家警部補からの電話を石松に取り次ぐ。(だったら最初から出ればいいのに…)

      石松 「失礼。福家君、君の担当は放火殺人ですよね?」
      藤堂 「?!」
      石松 「どうしてそうなるんですか?理由は?・・・無理です。切りま
          すよ」
      藤堂 「・・・」

      藤堂 「刑事さん」
      石松 「警部です
      藤堂 「ああ、すいません・・・何か・・・事件でも?」
      石松 「いえいえ、藤堂さんには関係ありませんよ。(ひそひそ声で)
          福家君からの電話は取りつがなくていいですから」
      田所 「はい」
      藤堂 「福家・・・」

    藤堂の頭の中には福家の名前が残った。


    しばらくして、藤堂が入院している病室にその福家警部補がやってくる。既に石松達は引き上げた様子で、病室には藤堂しかいない。

    福家警部補がこの病院にやってきた目的は昨晩の骨董商の辻伸彦の放火殺人の捜査だった。 辻のお店に藤堂のデビュー作・映画「蒼い龍」のサイン入り脚本が置いてあったということで、話を聞きにきたのだ。辻とは3日前に会ったという藤堂。そして、それが最後だったと。が、福家警部補は、わずかな藤堂の話の中に、いくつもの矛盾が存在することをついていく。



    福家が病院から出たところで、警視庁に戻っていた石松からの携帯に電話が入る。

      福家 「はい」
      石松 「石松です」
      福家 「係長…」
      石松 「係長と呼ばないでくれって言ってますよね、ショボイから。

    (警部と呼んで欲しいという理由が、ショボイからなんですか?!(爆))

      石松 「君、今、どこにいるんですか?」
      福家 「あっ、えーと」
      石松 「また担当以外のことをやってるんじゃないでしょうね」
      福家 「いえ、してません」
      石松 「していますよね?何度も言いますが、君の担当は放火殺人です」
      福家 「分かってます、係長」
      石松 「警部
      福家 「放火殺人の被害者の辻さんが藤堂さんと知り合いだったんです」
      石松 「つまり君は藤堂さんに会ったんですね?」
      福家 「・・・」
      石松 「私の指示を無視して?…仮に知り合いだとしても、藤堂さんは
          放火事件の時間は監禁されていました。関係することは不可能
          です」
      福家 「・・・」
      石松 「福家君、放火殺人の報告書は毎日提出すること。以上、おしま
          いです」

    そして一方的に石松警部は電話を切った。そのまま今回の事件の捜査本部にやってきた。

      田所 「警部」
      石松 「?」
      田所 「病院につめている所轄からの報告で」
      石松 「福家君が現れた」
      田所 「はい」
      石松 「田所君、誘拐事件に関する報告書を福家君には渡さないように
          してくれますか?」
      田所 「わかりました」

    で、その横で、正しくその報告書のコピーを二岡はしてる最中だったりするのですが…(笑)。




  • [3 記者会見は明後日です]

    その足で二岡は近所のラーメン屋にやってきて、福家にその報告書を渡す。その報告書を見ながら、福家は二岡を連れて藤堂の別荘までやってくる。

    福家が気になったのは、藤堂の車のタイヤについた泥はね、玄関に置かれた藤堂と三室の靴、脅迫に使われた固定電話。
    更に、三室が事件前に出向いた場所に行き、最後に藤堂の事務所にやってきた。事務所には藤堂がいるので、既に退院して、既に何日か経っている設定なんでしょうか?

    (最初は事件を追うために日時を正確に表示していたのに、この辺は不親切かなぁ。)

    秘書に、事件前日に別荘に通話記録があったことを尋ねたり、辻との関係を聞いたり、その辻の家で焼け残った金庫に入っていた骨董品で見覚えがあるものがないかと尋ねたり。

      福家 「藤堂さんは、辻さんはどうして殺されたんだと思います?」
      藤堂 「面白い男だったが、敵も多かったからね」
      福家 「誰かに恨まれていた?」
      藤堂 「かもしれない」
      福家 「もしくは、誰かを脅していて口封じに殺された・・・、という
          可能性もあります」

    そして、福家は、藤堂の誘拐事件について、三室の前日までの行動や藤堂の別荘で見てきたことについて、気になる点を藤堂の前で語りかける。直接、藤堂が犯行を行った証拠となるものではなかったが、藤堂はその指摘の1つ1つに苛立ちを感じ始める。



    夜になり、警視庁に戻ってきた福家。福家しか居ない会議室(?)に、石松がやってくる。
    (思わぬところで出番が!)

      石松 「福家君、報告書」
      福家 「提出します。そのためにこちらに来たので」
      石松 「今日、三室の拳銃の入手経路が割れました。想像していた通り、
          暴力団経由で売人が三室に売ったと吐いたそうです」
      福家 「そうですか」
      石松 「物証も十分に揃いました。捜査本部も解散します。それなのに
          君ときたら、捜査資料を勝手に持ち出して独断捜査・・・」
      福家 「・・・」
      石松 「何をしているんですか?」
      福家 「・・・」
      石松 「今回の件に関して上層部は明後日、藤堂氏と合同記者会見を開
          きます」
      福家 「合同記者会見」
      石松 「警察としては、被疑者死亡は人質の人命を優先させた結果であ
          るという正当性をアピールします。藤堂氏も、三室死亡が完全
          な正当防衛であったことを世間に認めてもらう。いいですか、
          この事件は終わるんです」
      福家 「袖が長いんです」
      石松 「?」
      福家 「殺された三室の袖が長いんです」
      石松 「何を言ってるんですか?」

    福家はバッグに入れている捜査資料を持ち出す。

      福家 「これは遺体発見時の三室の写真です。上着の袖が長くて、手首
          が完全に隠れています。なのに手首には撃たれた時の三室本人
          の血痕が付着しています。ここです」
      石松 「・・・」
      福家 「撃たれた時、三室は両手を挙げていたんです。拳銃を構えてい
          た藤堂氏に対して、命乞いをしていたように見えませんか?」
      石松 「・・・」
      福家 「私には三室が犯人だとは思えないんです」

    福家の主張に対しては反論せずに黙って聞いている石松警部。だけど、話が終わると福家に渡された捜査資料を机に叩きつけ;

      石松 「記者会見はあさってです」

    とだけ福家に伝え、石松は部屋を出ていった。


    (このシーン、警部さんとしては、福家に反感を持っているようでもあり、そうはいってもきちんと福家の主張は聞いてるんですよね。福家が言ってることの正しさも理解はしたようだし、それがゆえに、記者会見までの猶予を与えたようにも見える。・・・と、この辺、今後、警部さんのキャラをしっかり描いていって欲しいな。)



  • [4 世のなかに完璧なんてありません]

    翌日。
    いつものラーメン屋。辻の仕事の記録から藤堂とつながりがある人間を探すよう頼まれた二岡君。これだけの短時間でちゃんとそれを掴んでくるあたり、二岡君って実は優秀(笑)。

    そこで浮上したのが曽根真という人物。曽根は既に亡くなっていたが、その実家に出向き話を聞き話を聞く。


    その足で、藤堂の仕事場にやってきた福家。
    藤堂に、高校時代の文芸部の友人、21年前に亡くなった曽根真について尋ねる。
    福家は、藤堂のデビュー作「蒼い龍」が、曽根真が生前書いていたものではないかと問いかける。そして、自分が考える今回の事件の全貌を藤堂に語り続ける。
    だが、証拠は無かった。

      福家 「けれど、あなたが犯人です」

    (いやいやいや、これはなぁ・・・。原作がどうなのか読んでないので分からないですが、証拠は欲しい。絶対に欲しい。じゃないと警察じゃないよぉ〜)



    そして、翌日。記者会見の日。
    会見が行われる会場(ホテルのロビーらしきところ)で、ダンボールを抱えて福家がやってくるのと待ってる二岡君。石松警部ももちろん、田所さんと共に会場にやってきてます。

    そこに、直前まで福岡に出かけていた福家がやってきて、二岡と合流。と同時に、会場に居た石松の元に、田所から福家がやってきたと報告が入る。

      田所 「警部」
      石松 「何です?」
      田所 「福家です。現れました」
      石松 「どこです?」



    福家は”証拠の品”を持ってまっすぐ藤堂の元に向かった。手にしていたのは、藤堂が辻の家で見たという”カップ”だった。

    そこに石松もやってきたが、福家の推論を黙って聞いている。

    福家が手にしている“カップ”は福岡のコレクターに頼まれて辻が海外のオークションで手に入れた骨董品だったが、だが、それは燭台とセットのものであり、その燭台は、福岡のコレクターに送ったメールによると、殺される直前に辻が壊してしまったもの。 つまり、藤堂が監禁されていたはずの時間帯。カップのみとなった燭台を見ることができたのは、辻を殺した犯人しかありえない。

      福家 「藤堂さん、証拠はあなたの口から生まれていました。あなたが
          辻さんと三室さんを殺したんです」
      石松 「(田所に)記者会見は中止です。急いで下さい」

    (ここで、警部さんの判断、非常に早いんだよね。こうなる展開を最初から期待していたのが分かります。)

    藤堂は観念して自分が犯人であることを告白する。

      藤堂 「まさか、こんなことで失敗するとは・・・完璧だと思ったんだ
          が」

      福家 「世のなかに完璧なんてありません。だから人は人を殺すんです」



    (以上、余韻とかそういうものもなく、ドラマは終了します。ある意味、潔いドラマとも言えるのかな)



  • [予告]

      石松 「そういう捜査は冤罪を呼ぶ可能性があります」

    (警部さんがイスに座っているポーズがもう…(*^^*))




  • [感想]

    感想保留。

    よくよく考えたら、倒叙物と呼ばれるカテゴリーのドラマって、しっかり見たことがなかったことに気がつきました(汗)。
    ドラマのできばえとしてはそれほど不満はない…つもりなのだけど、最終的に“証拠”となるものが弱すぎて、痛快さといったものが得られなかったのが寂しかったりしました。
    福家さん、状況証拠は色々と述べてましたが、物的証拠がないことには、ドラマとしての説得力に乏しい。犯人しか知りえない事実というには弱いようにも思うし。
    ただ、この辺は原作がそうだったと言われれば反論の余地がないので、第一話は感想保留とさせて下さい。

    吾郎君演じる石松さんは、今回、珍しいキャラ作りをしていたなぁ。吾郎君本人もインタビューで言ってましたが、“警部”といつもより偉いキャラクター(笑)。実際、そこにステイタスを感じているキャラクターで、いつも上から目線で語るキャラクターです。舜ちゃん@トライアングル→櫂君@TAKE FIVEと刑事役は経験してますが、今までとは少し違った雰囲気は上手く作り出していると思います。ある程度のバックボーンはきちんと持ってるキャラクターなのかなぁ。どういう風に描かれるか、どう吾郎君が演じるかは素直に楽しみに待ちたいと想います。


    (2014.1.19)




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