知的探検スペシャル3 『音楽狂時代』

02.03.04 Mon〜07 Thu 23:00〜23:45 フジTV系列


吾郎君がナビゲーターを勤める知的探検スペシャルの第三弾です。『記憶』,『時間』 に続いては、『音楽』。これは間違いなく、去年の吾郎君の『ショパン』の番組を見たスタッフがこのテーマに決めたに違いない!と私は勝手に思っているんですけれども(笑)、今回もとてもいいテーマでした。昨年までの進行役的な登場の仕方ではなく、今年は番組展開において中心人物になっておりまして、一言で言うと出番が多い!ってことで…(笑)。

第一夜は「なぜヒットする曲としない曲があるのか」。さまざまなヒット曲を世に出しているアーティストの方々のインタビューを交えて、そこから科学的にヒット曲のなぞを探るという番組構成になっています。とはいえ、今年は、科学的な視点はかなり簡略化されてましたけどね。


第一夜 「なぜヒットする曲としない曲があるのか」

   「ヒット曲を作りたい」・・・そう願った男が迷い込んだ不思議な空間・・・

# opening-1 チェロを弾く男

チェロを片手に席につく吾郎君。そして、チェロを弾き始めると、直後、背後の大木が大爆発します。背後で炎が上がっているというのに、吾郎君は全く動じない。

  吾郎 『僕を見ないで下さい・・・その替わり、耳を澄まして下さい』

これがこの番組共通のオープニングです。初っ端からこういう意味不明の(?)場面が展開してるところがまた好きですね。こういう贅沢な番組作りは好きです。


 知的探検スペシャル
   音楽狂時代 ♪=56



# 本編 1-1

  『ヒット曲って何だろう?ヒット曲を作る秘密が分かったらいいのにな。
   待てよ、ヒット曲って僕も作れるんじゃないか?僕もヒット曲を作ってみたい。
   ・・・ただ、そう思っただけなのに・・・』

近未来のSF映画にでも出てきそうな真っ白な空間。吾郎君がふと目を覚ましたその空間には、さまざまな計測器が置かれていて、そして自分の体と腕はチェアにチェーンで拘束されていた?!(いやん(←バカ))

  吾郎 「うわっ。うわっ、ちょっ」

ターバンを巻いた怪しい男達が吾郎君の覗き込み、続いて目の前に現れたのは、なぜか医者が手術をするときの衣装を着たさらに怪しい男性2人(いとうせいこうさん&小林克也さん)。”先生”の位置づけの小林さんと、”助手”の位置づけのいとうさんという関係かな?

  いとう「大丈夫ですか?」
  吾郎 「誰?」
  いとう「誰って、オイオイ。そりゃぁ、ないんじゃないの?」
  吾郎 「ここ、何処ですか?これ?」
  いとう「オイオイ。ヒットしたいんでしょ、あんたは?
      ヒット飛ばして、オリコンのって、サングラス掛けて、女の子とチャラ
      チャラチャラチャラやって、そういうことしたいんでしょ?

  吾郎 「ヒット?!」
  いとう「そうですよ、君がそう思ったからここに来た訳でしょ? …で、何枚?」
  吾郎 「はっ?
  いとう「だから、何枚売りたいの?」
  吾郎 「えっ、何、あの・・・枚数まで決めちゃっていいんですか?(^o^)
      (↑嬉しそうな表情が可愛いかも…(*^^*))
  いとう「ああ、基本ですよね。
      そうだな、先生あの…ミリオンぐらいにしときますか?」
  小林 「ちなみに、Bing Crosby の "White Christmas" は 30ミリオン」
  吾郎 「はい」
  小林 「Mariah Carey は 100ミリオン」
  吾郎 「ええ」
  小林 「ちなみに Mariah Carey のネコの名前はTOKIO」
  吾郎 「・・・」
  小林 「TOKIO」
  吾郎 「(笑)」
  小林 「(ネコをあやすように)くるくるくるくる、TOKIO,TOKIO…」
  吾郎 「・・・。
      あんまり関係ないと思うんですけど…(と言いながら、台本に戻して)
      あっ、じゃぁ、とりあえず、ミリオンで御願いします♪」

その吾郎君の言葉に、いとう氏、手にしたカルテに何やらメモる。

  吾郎 『ミリオンって、何て僕は幸せ者なんだ!
      これで僕は人生の成功者だ!

   − Why is it there are song to hit and not hit ? −

# 前説1

  『稲垣吾郎の音楽狂時代。第一夜はヒット曲にまつわる謎に迫ります』

というナレーションの流れるシーンにて、映像はチャップリンの無声映画のようなモノクロ&早送り映像。吾郎君は舞台裏の空間で、ぴょんぴょんジャンプしてみたり、音楽に耳を傾けてみたり、くるくるまわってみたりして、最後に、「OK?私にお任せを・・・」ってなジェスチャーをしてみたりして、コミカルに動いて見せます。こういうつくりの一つ一つがどれもツボで、今回の番組は非常に嬉しい。そして、最後は、カメラの前の暗幕を引いてクローズ。


# 本編 1-2

『吾郎ちゃん吾郎ちゃん』という女性の声で目が覚める吾郎君。もちろん、身体は椅子にチェーンで縛られたままです。

  吾郎 「あっ」
  いとう「稲垣さん」
  吾郎 「…」
  いとう「稲垣さん!」
  吾郎 「はい」
  いとう「稲垣さん!!」
  吾郎 「はいはいはい」
  いとう「これ、ちょっと聞いてみましょうか?」
  吾郎 「ああ、はい」
  いとう「でもちょっと違和感があるかもしれないんだけどね」
  吾郎 「違和感?
  いとう「違和感ぐらい何だよ!!ミリオン御願いしますっていうから僕がこれを
      用意して、入れて!!先生、これ!僕・・・


と、急に怒り出すいとう氏。そしてそれを宥める小林氏と、状況が把握できずに混乱する吾郎くんの構造がおかしい。

  小林 「ゴンドウ君、ゴンドウ君…」
      (↑ゴンドウっていうのがいとうさんの役名なのかな??)
  吾郎 「な、なんなん・・・
  小林、「ゴンドウ君」(必死になだめる)
  いとう「あなたが言うから!!!」(←エキサイト中)
  小林 「ゴンドウ君、ゴンドウ君…」
  吾郎 「何か、さっきから。そこまで怒ることですか?!
  小林 「イージー」
  吾郎 「そうですよね?」

と、なんとかいとう氏の言動が落ち着いてきたところで次に;

  いとう「それではいきますよ、稲垣さん」
  吾郎 「はい」
  いとう「稲垣さ〜ん」(←しつこく名前を連呼)
  吾郎 「はい、違和感ですね」
  いとう「違和感ですよ」

そして、吾郎君にヘッドフォンが装着され、ヒット曲の秘密が注入されます=VTRの紹介。今回はそういう展開なのね。


# VTR 1-1 『ヒット曲は違和感である』

つんく♂さん、ゴスペラーズのみなさん、小西康陽さん、LISAさん、タケカワユキヒデさんらのコメントを基に、適度な”違和感”がヒット曲の中には含まれているという説を展開。
バーラインの”最適複雑性モデル”『複雑さが小さいときには好奇心が沸かないが、最適の複雑性のとき一番好奇心が沸く。複雑すぎてもまた好奇心が沸かない』に従うと、最適の複雑性を持った音楽は人間にとって非常に心地よいものらしい・・・

# 本編 1-3

再び「吾郎ちゃん」というアシスタントの女性の声で目覚める吾郎君。

  吾郎 「うわっ」
  いとう「どうだ、理解できたかな?」
  吾郎 「はぁ、何となく」
  いとう「何となく???」(←不満げ)
  吾郎 「だから、要するに、シンプルな曲程、飽きやすく、多少難解な曲の方が、
      人は興味をひくってことですよね」
  いとう「ああ〜〜〜〜、そうやって何でも何でも分かったような感じで、何でも
      分かったような感じで、ペラペラペラって言う。
      何でそうやってペラペラペラって言うの?」
  吾郎 「自分だってそうやって、ペラペラペラペラペラ…
  いとう「僕は違います、僕は決してペラペラは喋っていません!」

などと意味不明のトークが続くと思ったら、さらにいきなり意味不明の展開へと移行;

  小林 「あのね、ヒット曲はクイズなんだね」
  吾郎 「ええ」
  小林 「(人差し指を立てて) クイ〜ズ
  吾郎 「(同じく人差し指を立てて) クイ〜ズ
      (ああ、なんだか好きだわ、この微妙な間)
  小林 「昔、23年ぐらい前かな?山口百恵が『美サイレント』を歌うとき。口元
      がパクパクパクってなる。急に音がなくなる。何言ってんだろう・・・
      気になって気になって何回も見て、未だに分からないけど、その時の感
      じは僕だけに何か話していたな、っていう気持ちになるんだな」(遠い目)
  吾郎 「・・・ちょっと意味が」

などと首をかしげていると、『美・サイレント by 山口百恵』の曲が流れます;

  小林 「ここ、ここ、ここ…。百恵ちゃ〜ん」(怪しいおやじだ…(笑))
  吾郎 「これ、何て言ってたんですかね?」
  小林 「僕だけに言ってたんだと思うんだな」
  いとう「あと、僕も、『粋なクロベイ〜』っていうのは、クロベイっていうのが
      居るんだと思ってましたし、今も微かに思っています」
  吾郎 「ああ」
  小林 「あれは黒い塀です」
  いとう「ああ、そうでしょ?」
  吾郎 「何か、お二人のその妙なテンポに・・・」
  いとう「どんなテンポ?こんなテンポ」

と言って、今度は吾郎君の耳元でいきなり鐘を鳴らすいとう氏。かなり大きな音なのだけど・・・;

  吾郎 「あれっ。あれっ。何かこの鐘の音って、何か耳障りじゃないですよねぇ?」
  いとう「あっ、それならばね、ええ、早速こちらを注入させて頂こうかな?
      (またまたヘッドホンを吾郎君にセットして) いってらっしゃい」


# VTR 1-2 『ヒット曲は1/fゆらぎである』

人間の脳波鼓動、そして脳波などは1/f周波数を持っており、人間の生態にとっては気持ちのいい周波数であり、その1/fを持つ音楽に人は心の安らぎを感じるものなのだ。そして、これまでのヒットソングの中で、最も理想的な1/fゆらぎを持つ歌が『らいおんハート』なんだって(笑)


# 本編 1-4

  吾郎 『うわ〜 何て気持ちいい忌んだ 1/fゆらぎのシャワーだ〜』

と、夢見心地でいる吾郎君の耳元で、またまた「吾郎ちゃん、吾郎ちゃん!」と眠りを呼び覚ます声が;

  吾郎 「うわっ、ああ」
  いとう「感じた?」
  小林 「どう感じた?」
  吾郎 「ああ、なるほどね、これで…だから、さっきの鐘の音は耳障りじゃなか
      ったんだ」

と、非常に物分りのいい吾郎くんだったのに、周りの反応はいまいち。それどころか、マシンガンを取り出し連打する小林氏。ああ、もう、見ているこっちもついていくのが大変だわ(笑)。

  いとう「ん?」
  小林 「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛・・・
  いとう「先生、撃ちますよ、撃ちます」
  吾郎 「ななななな、何ですか?」
  小林 「ヒット曲はマシンガンである」
  吾郎 「っていうか、何言ってるんですか?
  小林 「ヒット曲の秘密」
  吾郎 「いや、分かってますよ、分かってますよ。だから、つまり、ヒット曲は
      脳で感じるんですよ。1/fゆらぎを感じることによって、αな波が僕
      の脳に寄せては返すという感じでこれがヒットの秘訣なんですよ!」
  いとう「本当にそう思ってるのか?」
  吾郎 「僕は癒されたって…」
  いとう「癒された?」
  吾郎 「ええ」
  いとう「あなたちゃんと癒すことを考えてるの?じゃぁ、ハムスターたちが人間
      を癒すときに、癒す心はどうなってるの?。ハムスターたちは廻し車で
      クルクルクルって。チョコチョコって出てきたりティッシュをガリガリ
      って噛んで自分の巣箱に持っていって、自分で温まったりさ。それから
      自分の巣箱でフンをしちゃうけど、可哀想だけど、すごく可愛い訳じゃ
      ない?。そのことを分かってんのと言いたいわけよ、僕は!


と、台詞にも無いのにこれだけの言葉を一気に語るいとう氏。もう、吾郎君は対処するすべを完全に失っているようで…;

  吾郎 「だから、ひ、ヒット曲ですよね、今、テーマは?
      (↑マジで大混乱してます(^^;))
  いとう「じゃぁ、聞きますよ。君はサザンの曲を聞いたことがあるの?」
  吾郎 「ええ、よく聴きますよ」
  小林 「今何時?
  吾郎 「はっ?」
  小林 「まぁ、大体ね」
  いとう「あははは(笑)。サザンオールスターズ。上手いな先生、撃って下さいよ」
  小林 「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛・・・(マシンガン連打中)
      (もう一度、吾郎君に)今何時?」
  吾郎 「…あの、僕、ツッコミ出来ないんで…(笑)」

あっ、吾郎君、言っちゃった…(笑)。思わずスタッフからも笑い声が…。

  いとう「それは、よーく分かってます。特にハムスターの辺りから
  吾郎 「あっ、そうですか(笑)」
  いとう「では、サザンと聴いて頭に浮かぶイメージは何ですか?」
  吾郎 「んっ、またクイズですか?」
  いとう「クイズ?ええ、サザンと聴いて頭に浮かぶイメージは何でしょう?」
  吾郎 「ええ?そうだな・・・」
  いとう「早くしないと時間なくなりますよ。回りだしますよ、これ(椅子)が…」
  吾郎 「えーと、夏」
  いとう「はい」
  吾郎 「夏、賑わうビーチ」
  いとう「来た、来た」
  吾郎 「こう・・・ビキニ」
  いとう「時間なくなるよ」
  吾郎 「うーん、濡れたTシャツ」
  いとう「もっと、もっと」
  吾郎 「うーん、サンサンとした太陽」
  いとう「お前はサザンの何を聴いてきたんだ、それ!(怒)」
  吾郎 「ちょっと待って下さいよ」
  いとう「それ、全然分かってない」
  吾郎 「サザンのイメージを、別に普通…みんな、普通、その通りだと思ってま
      すよ、見ている方も

         (↑完全に設定を忘れている発言じゃないかい?(^^;))
  いとう「いや、サザンは賑わう海なんて、ちっとも歌ってないの!」
  吾郎 「(笑)」
      (↑笑う以外の対処ができないでいるとか?でも、可愛いから許す)
  いとう「(傍らにいる女性アシスタントに)ホイットニー、あれを聴かせてやれ」
  吾郎 「ちょっと、何? 済みません、ホイットニーって言うんですか?」
  いとう「ホイットニーですよ」
  吾郎 「彼女、ホイットニー? ああ、ちょっと」

と言ってる間に強引にヘッドホンを装着され、またまた思考は別世界に・・・


# VTR 1-3 『ヒット曲は切なさである』

サザンは「誰も居ない思い出の海」を歌い、浜崎あゆみさんは「孤独な私」を歌い、ミスチルは「弱い自分」を歌う。楽しさは外に向かう心理であるため複数の心理があるが、悲しみはうちに向かう心理であるため1つしかない。それだけ人は、切なさの方が楽しさよりも共鳴しやすい。


# 本編 1-5

  吾郎 『♪君を護るため・・・』

またまた、「吾郎ちゃん」の声で目覚める吾郎君;

  吾郎 「ああ」
  いとう「どう?切なくなってきた?」
  吾郎 「いや〜、何だか、涙が出ちゃいそうになりました」
  いとう「出ちゃいそうじゃダメじゃない。出なきゃ。出ちゃいそうじゃ困る訳。
      出してくんなきゃ」
  吾郎 「ええ、まぁね、その寸前って感じでしたが。(と、それ以上は無視して)
      なるほどねぇ。確かに人は楽しいことには共感しないけど、切ないこと
      には自分のことのように共感できる、ってことですよね?
      何かヒット曲の仕組みが分かってきちゃったなぁ〜♪」
  いとう「ん?今、何つった?」
  吾郎 「いや、切ないことには共感できると」
  いとう「ああ、君を見てると僕が切なくなりますねぇ」
  吾郎 「?」
  いとう「君の夢はそんなもんかね?日本、或いは世界でヒットしたからといって、
      そんな小さいもんかね?地球規模でのヒット曲ってものがあるわけ!
      僕の顔が『ガー』って赤くなっているの、分かる?」
  吾郎 「・・・(^^;)。ええ」
  いとう「すごい技術なわけ、これ。分かる?」
  吾郎 「(頷く)」
  いとう「ああ、じゃぁ、それき聴きたい?」
  吾郎 「聴きたいですね」
  いとう「聴いちゃいます?」
  吾郎 「聴いちゃいます」
  いとう「ああ、そうですか。よし、あれ、聴かせて」
  小林 「(アシスタントその2に向かって)セリーヌ!」
  吾郎 「ああ、今度はセリーヌなんだ(^^;)」
  いとう「聴かせますよ!」
  吾郎 「ん?何?」


# VTR 1-4 『ヒット曲は海の中にある』

鯨の歌・・・鯨は何度も同じ歌を歌う。一頭のオスが発生した歌を他のオスが真似して歌っていく。そして、その歌は少しずつ変化していくため、そのときに鯨の歌っている歌が、太平洋でもっともヒットしている曲ってことなんですね。
ちなみにザトウクジラ鯨の歌は、らいおんハートより1/fゆらぎが完璧に近いらしい(苦笑)。


# 本編 1-5

  吾郎 「ああー、気持ちよかったな…」
  いとう「どうだい?ヒット曲は作れそうかな?」
  吾郎 「ん、何かこう、分かってきた気がしますね」
  いとう「イッヒッヒッヒッヒッ・・・(不気味に笑う)」
  吾郎 「ただ、もう少しこの際だから、いろんなことが知りたいかな?」
  小林 「イッヒッヒッヒッヒッ・・・(不気味に笑う)」
  吾郎 「ん?何ですか?次は何ですか?」
  いとう「次はね、次はすごいよぉ」
  小林 「ちょっとだけね」

と、言いながら吾郎君に迫る小林氏&いとう氏・・・という設定で、画面はフェイド・アウト。『あっ大変、ごろちゃんの身に大変なことがっ!!』というナレーションだけ残して、第一夜は終わっていくのでありました…(うわ〜ん、すっごく気になるじゃないか〜)


# 予告

冒頭の前説部分と同じく、モノクロ早送り仕様での吾郎君。拡声器のようなもののマイクを手に、カメラに向かって語る吾郎君;

  吾郎 『明日の音楽狂時代は、人類にとっての永遠の謎を追いかける。
      なぜ人は歌うのか?
      ニューヨーク
      奈良
      台湾
      …そしてあなたの大脳の中にその答えがあった』

   藤井 「外は寒いが、中は熱いぜ〜」
   吾郎 「この暑さ、吹き飛ばそうぜ〜」

  吾郎 『これを観ないでカラオケに行ってはいけない。
      もちろんお風呂で歌うのは、なお、いけない。以上、お楽しみに』


(02.04.07 up)

♪ # ♪ # ♭ ♪ ♪ # ♪ # ♭ ♪ ♭ ♪ ♭ ♪ ♪ # ♭ # ♭ ♪ ♪


第二夜 「なぜ人は歌を歌うのか?」

   「なぜ人は歌を歌うのか?」・・・脳科学で検証してみると意外な真実が!


# opening-2 スーザフォンを吹く男

スーザフォンを抱えて登場の吾郎君。大きく息を吸い込んで、音を発すると、その音楽の威力で背後の塔のオブジェが大爆発&大炎上。

  吾郎 『僕を見ないで下さい・・・その替わり、耳を澄まして下さい』


 知的探検スペシャル
   音楽狂時代 ♪=56



# 本編 2-1

番組冒頭、証明の落ちたスタジオで、吾郎君(Singar File No.1:Goro Inagaki)と藤井隆さん(Singar File No.2:Takashi Fujii)だけにそれぞれスポットライトがあたった状態で立っています。

第1問 『あなたは歌が好きですか?』
     Do you like to sing a song ?

  吾郎 「好きです」

  藤井 「好きです」

第2問 『思わずハナウタがでちゃうのはどんな時?』
     When do you feel like humming songs ?

  吾郎 「ん・・・自転車に乗ってるとき

第3問 『ハナウタで良く歌う曲は?』
     What kind of songs do yo hum the most ?

  吾郎 「あんまり言いたくないんですけど、結構、自分の歌」(^^;)

『歌って貰えますか?』

  吾郎 「えっ…(^^;)」(←ちょっと焦る)

とやや動揺する吾郎君。でも、ちゃんと歌ってくれてます。

  吾郎 「♪青いイナズマが・・・・焼き尽くす げちゅ」(^^;)

真顔の”げっちゅ”もいとおかし(^^;)(もちろん、スタッフも笑ってます)。

第2問 『藤井さんは、どんなとき、ハナウタが出ますか?』

  藤井 「ええと、あの楽しいことが来るであろう時です」

『よく歌う曲は?』

  藤井 「この後、歌わされるんですよね。それも踏まえてですよね?
      あの、ほんまのこと言いますと、矢野顕子さんの『春咲小紅』です」

『歌って貰えますか?』

  藤井 「喜んで」
  吾郎 「笑」
  藤井 「hum…♪(ハミング)」

但し、途中で『ありがとうございます』と言われ打ち切られてます(^^;)。

と、今回の番組メインパーソナリティ(?)の2人に、簡単に質問が終わった後、セットが明るくなり、西山喜久恵アナ司会で番組が進行していきます。

第2夜はパネルディスカッション形式。『なぜあなたは歌うのですか?』という問いかけに対して、アーティストを含めてさまざまな方々のコメントVTRを観ながらトークが展開されます。

Singar File No.3:ルイ・アームストロング 『みんなを喜ばせるため』
  「音楽は聴衆のためにやらないのなら、なんの意味も無い。肝心なのは、
   みんなを喜ばせることだ」

というコメントに対して、まずはトークを展開。

  西山 「…でも、お二人もやっぱりライブで…?」
  吾郎 「何か、分かるような気もしますね」
  西山 「実際にあれだけの人の前で立つとどうなるんですか?ライブのとき?」
  吾郎 「いや、一人だったら立てないですね」(オイオイ(^^;))
  西山 「ああ、そうですか?」
  吾郎 「やっぱり、5人いるんで…という意識でやってるのが良いのか悪いのか、
      分からないんですけど。これ、一人だったら…どうするんだろう、とか
      思いますけどね」
  藤井 「お客さんは、こう…見えてるんですか?」
  吾郎 「見えてますよ」
  藤井 「ああ、そうですか?」
  吾郎 「はい、結構、はっきり見えますね」
  西山 「えっ?」
  吾郎 「雨降ったりすると、盛り上がったりしますよね。お客さんも結構、濡れ
      ちゃったりとかすると、何かこう、全てが吹っ切れて。何か、同じこと
      を今体験してる、みたいな感じで。盛り上がりますよライブって、結構」
  西山 「ですよね」


# VTR 2-1 『なぜ歌をうたうのですか?』

この後、何組かのアーティストの方々(Singar File No.4:ROLLYさん,Singar File No.5:斉藤和義さん,Singar File No.6:スチャダラパーさん,Singar File No.7:デーモン小暮)に、同じ質問をしたときの映像が流れます。自分の考えていることを表現するために歌をうたう。歌をうたうことは快感に繋がるという…

…歌を歌うことはなぜ快感なのか?ハナウタは偏頭体を刺激し、これにより快感を得る。また、歌うことで身体の骨が揺れ(ボーンコンダクション理論と言うそうです)、その振動で胎児のころの母体の音を感覚を呼び覚まされ、気分が良くなる、なんていう理論も紹介されてます。


# 本編 2-2

再びスタジオで;

  藤井 「あの…確かにね、それは僕は前から薄々感づいていたんですよ、歌うこ
      とは絶対に快楽や、って。カラオケをすごく好きな人ってね、僕、ちょ
      っとね、ここだけの話…」
  吾郎 「ここだけの話?」
  藤井 「ちょっとね、軽蔑してしまうんですよ」
  吾郎 「ああ」
  藤井 「それは自分もそうやからなんですけど。何か、欲求をね、性欲とか食欲
      とか、貪っている感じで、すごく歌っている人がいるじゃないですか。
      うわーって。貪っている感じがすごく恥ずかしくて…」
  吾郎 「でも、やりそうですよ」(おいおい、また、失礼な…(^^;))
  藤井 「誰がですか?僕がですか?」
  吾郎 「そういうキャラクターですよ。僕っぽいですよ、今のコメント
      (そういうことを自分で言うか?(^^;))
  藤井 「ああ、いいよ、使ってくれて、全然
      (大人のリアクションだわ)
  吾郎 「(笑)。いや、いいですけど・・・」
      (いや、ここはちゃんと頂いておきなさいって!(^^;))


# VTR 2-2 『エクスタシーを感じるから』

Singar File No.8:奈良の長谷寺の僧侶の場合。声明(しょうみょう)西暦6世紀中ごろ中国から伝わった声楽曲。これを歌うことで、仏の前で全身全霊を投入することで、すーっと入っていくことができるという。


# 本編 2-3

  西山 「如何でしたか?」
  藤井 「読み終わったら、気持ちよくなるって仰ってましたね」
  吾郎 「エクスタシーを感じると、仰ってましたよね。う〜ん」

と、これ以上はコメントできなかったようで…。普段の生活とは全く違う世界だから、コメントが難しいよね(苦笑)。


# VTR 2-3 『ドラッグをやめるため』

Singar File No.9:ニューヨーク ハーレムの女性の場合。歌うことで麻薬中毒だった地獄の日々から抜け出すことができる。ゴスペルを歌うことで、苦しみや悲しみから解き放たれたという。
この後、Singar File No.10:南佳孝さん,Singar File No.11:大槻ケンジさんのコメントも続きます。


# 本編 2-4

  西山 「ライブで歌っていて気持ち良いっていうのは残るんじゃないですか?」
  吾郎 「ライブは…、スイッチが切り替わるから、そりゃ、気持ちいいですね。
      お客さんも来て下さってますから」
  西山 「ああ」
  吾郎 「ノリノリだと(笑)、こう、結構、自分らの歌って、パート、分かれてる
      んですよ」
  藤井 「分かれてますね」
  吾郎 「僕が歌ったあとに、木村君が歌って…」
  藤井 「ええ」
  吾郎 「SHAKEとかで、木村君のパートって、結構・・・気持ちいいところなん
      ですよ」
  藤井 「勝手にもう、入っていってしまうんですか?」
  吾郎 「ええ。僕らが『♪Oh-』って言うと、『♪渋滞のタクシーも〜』」
  藤井 「はいはい、ありますね」
  吾郎 「そこなんか一緒に、『♪Oh-』つった後、自分も一緒
      に『渋滞のタクシーも〜』

  一同 「(爆笑)」
  藤井 「入るんですか?」
  吾郎 「結構ね、前の方のお客さん、笑ってますけど…(^^;)」
  藤井 「それは、後で木村さんが『ちょっとやめてくれよ』とか無いんですか?」
  吾郎 「バレないですね(^^;)」
  西山 「バレない?」
  藤井 「バレないんですか?(笑)」

  西山 「藤井さん、今度、初ライブがあるそうで…」
  藤井 「そうなんですよ。やらせて頂くことになってねぇ・・・」
  吾郎 「ちょっと、嫌そうじゃないですか?」
  藤井 「そんなことないですよ!何てこと言ういうんですか!」
  吾郎 「大丈夫ですか?」
  藤井 「いや、どうしようかな、と思って、本当に。どうしましょう。教えて下さ
      いよ、緊張しない方法とか」
      (それは聞く人間を間違えてると思うんですけど、たぶん…)
  西山 「そうですよ、アドバイスとか…」
  吾郎 「盛り上がった曲、何回もやったらどうですか?リピートして
      (またそうやって、いい加減なことを言ってない?)
  藤井 「(笑)。『もう一回いくよ〜!』みたいな?」
  吾郎 「そうですね(^^;)」
  藤井 「でも、あれは言いたいです。何か『外は寒いけど、
      中は暑いぜ〜〜〜』みたいなの、すごく言いたいです」
  吾郎 「『この暑さ、吹き飛ばそうぜ〜』」
  藤井 「そう。何か、そういうこと、いっぱい、言いたいですね」
  吾郎 「あっ、合いの手、一杯入れるっていうのはどうですか?
  藤井 「合いの手って、どういうのですか?」
  吾郎 「いや、だから何か、『カモン・セイ』…みたいな?」
  藤井 「カモン・セイ???」
  西山 「(笑)」
  吾郎 「いや、分からないけど。僕も意外と、苦手なんですよ
  藤井 「ああ、そうなんですか」
  吾郎 「みんなが『乗ってこうぜ!』とか言ってるときに、僕も紛れて(小声で)
      『カモン・セイ』(笑)」
  藤井 「言ったらよろしいがな、堂々と」
  吾郎 「僕もダメですね
  藤井 「ダメなんですね」
  吾郎 「慎吾なんかは、やっぱり『せーの、おっはー』」
  藤井 「ああ、なるほど。そういうのがあると強いですね」
  吾郎 「僕、無いんで…(笑)。結構、いつも困ってるんですけど。今度、教えて
      下さいよ

  藤井 「ちょっと、誰に聞いてるんですか!
  吾郎 「最初の雄叫び・・・」

吾郎君の適当なトークが炸裂って感じ・・・(苦笑)。そろそろライブに慣れてね。


# VTR 2-4 『自分達のことを忘れないため』

Singar File No.12:台湾のアミ族の場合。古くから歌と踊りを愛してきたアミ族は、彼ら独自の生活に密着した歌を、譜面も無く、口頭で伝承さてきた。しかしながら、時代の波に押し流され、それを受け継ぐ者がいなくなってきている…


# 本編 2-5

  西山 「自分たちのことを忘れないために・・・」
  吾郎 「そうですね」
  藤井 「寂しいことですよね、その若い方が歌ってなくて。言葉さえ喋らない…」
  西山 「60歳以上の方しか言葉はもう喋れないし、歌も受け継がれていないとい
      うことですからねぇ」
  吾郎 「うーん」
  西山 「この場合は譜面も何も無い」
  吾郎 「それは凄いですね」
  藤井 「それでずっと、何千年ずっと伝わってるって」
  吾郎 「もう、理屈じゃないんでしょうね。体で感じるものなんでしょうねぇ」
  西山 「あっ、そうですよね。体で受け継がれていってるから歌える・・・」
  吾郎 「でも、絶対に無くなったら後悔しそうですね」

  西山 「えぇ…、ここまで見てきて、色んな方の答えがありました。そろそろ、
      お二人に聞きます。まずは藤井さん」
  藤井 「はい」
  西山 「なぜ、あなたは歌うのですか?」
  藤井 「あの、答えはすごく簡単ですよね。あの、楽しくなるからだと思います。
      んで、お陰様で、そうやって人様の前で歌わせて頂けるチャンスを与えて
      下さっている以上、聴いて下さる方が、やっぱり楽しく受け取って下さる
      ように歌うことがもちろんベストやし、あるべき努力をしないといけない
      と思うんですけど。基本、そのハナウタが出るとか、ついつい歌っちゃう
      というのは、やっぱり楽しいことがあったりする…。うん、楽しくなるた
      めに歌う」

  西山 「さぁ、それでは、稲垣さん」
  吾郎 「そうですねぇ…」
  西山 「なぜ、あなたは歌うのですか?」
  吾郎 「難しいですよねぇ・・・。
      歌によって、僕の場合は、人とのコミュニケーションというか、対話がで
      きますよね。ライブなんかもそうですけれども、さっきも話しましたけれ
      ども。やっぱりその…、一緒になって歌を歌って、こう、その…キャッチ
      ボールって言うんですか、対話って言うか。
      一人じゃ、だから、有り得ないですね。さっきも言いましたけれども…。
      うん。やっぱり自分の場合は、5人で、グループで、SMAPとして歌を歌う
      ことが、うーん、一番、重要なんですかね」

ある意味、無難な回答かな?(笑)。でも、ごめんね、吾郎君、吾郎君の言葉を聞いて、いろいろと余計なことを考えちゃったよ、私・・・。


# VTR 2-5 『歌の持つパワー』

Singar File No.13:Tinaさん,Singar File No.14:Lisaさんらの答え。そして、先程のニューヨークでドラッグを克服するために歌を歌うという女性にゴスペルを教えている男性の言葉;

  『人の声だけのコーラスだから、素晴らしいパワーが溢れるんですよ。
   考えてみて下さい。人の生の声こそ最高の楽器なんですよ。
   私たちの声だけで表現するからこそ、声と声とが、人と人とが、
   直接、繋がるんです。それが大きなエネルギーとなるんです


# 予告

今回も早送りでコミカルな動きを示す吾郎君の映像での予告。まさしくチャップリンの映画のようなコミカルなBGMも流れてます。マイクを片手にカメラに向かって;

  吾郎 『明日の音楽狂時代は、思わず耳を疑いたくなる音楽の効能
        ダイエットできる音楽
        便秘が治る音楽
        恋愛上手になる音楽
        頭が良くなる音楽
        元気が沸いてくる音楽・・・』

   VTR 吾郎 『僕と付き合って下さい』
       木村 『いいですよ』

  吾郎 『その全てを聴いたとき、僕の体はどんな反応を示すのだろう?
      正直言って怖い。以上、お楽しみに』(カーテンをクローズ)


(02.04.14 up)

♪ # ♪ # ♭ ♪ ♪ # ♪ # ♭ ♪ ♭ ♪ ♭ ♪ ♪ # ♭ # ♭ ♪ ♪


第三夜 「音楽はどのぐらい体に効くのか?」

   “聴く音楽”から“効く音楽”へ。音楽の人体への影響を徹底検証!


# opening-3 ピアノを弾く男

屋外に置かれた一台のグランドピアノ。その前に静かに着席する吾郎君。そして、いざ、ピアノの鍵盤をたたくと、その音楽の威力で背後の風船が大炎上。

  吾郎 『僕を見ないで下さい・・・その替わり、耳を澄まして下さい』


 知的探検スペシャル
   音楽狂時代 ♪=56



# 本編 3-1

今回の舞台は稲垣音楽医院。化学実験室のような一室で、研究に励むドクター;

  吾郎 『私が稲垣音楽医院を開業したのは2年前のこと。あらゆる病気を音楽で
      治す、私の音楽療法は、今まで数々の奇跡を起こしてきました。音楽を
      聴くだけでダイエットができる,恋愛が上手くいく,人付き合いが上手
      になれる・・・もちろん、健康にもなれる。そう、私は、メロディーと
      リズムで病気を治す、凄腕の音楽ドクターなのです』

続いての場面は、診察室。すご腕の音楽ドクターの割にはこじんまりしています(笑)。助手の宮川(宮川賢さん)が傍らに立ち、稲垣音楽医院の医師である吾郎君が女性の診察をしています。

  吾郎 「お薬のCDは、朝晩、食後に飲むように」
  患者 「はい、ありがとうございました」
  吾郎 「はい」
  宮川 「お大事に次の方どうぞ」

その女性が帰っていくのと入れ違いに、着物姿の女性が入ってくる;

  宮川 「あっ、女優の木村佳乃さんだぁ〜。先生!」
                    (↑非常に説明的台詞)
  吾郎 「はい、木村佳乃のさん。ミミファソドシラソ。うん、美しい音色ですね
  一同 「・・・」
  宮川 「どうぞ、お掛けになって」
  木村 「はい、失礼致します」
  吾郎 「はい(笑)。どうぞお掛けください。あの…今日はどうなされましたか?」
  木村 「あの…あの…モトリークルーのベストを置いてないかな、と思って」
  宮川 「えっ、何言ってんすか?わざわざ着物を来て、何を言ってるんですか?
      ねぇ、先生?」
  吾郎 「ああ・・・でも、とてもお似合いで
      (↑女性への心遣いを忘れない吾郎君(^^;))
  宮川 「そうですね」
  吾郎 「何言ってるんでしょうか?
  宮川 「(^^;)」

今回の出演者、吾郎くんと宮川さん、そして木村佳乃さんと三者三様すぎて、とても楽しいわ。それぞれ個性的ですねぇ〜。

  宮川 「まぁ、折角ですから、治療の方から・・・」
  吾郎 「・・・。そうですね。じゃぁ、まず問診の方から。
      恋人一緒にいるときによく聴く曲は、何でしょうかね?
  宮川 「これは診察に必要なんですか、先生?」
  吾郎 「関係あります」
  宮川 「あっ、そうですか?」
  吾郎 「ええ」
  木村 「恋人に限らず、一対一で人と対峙するときには音楽はかけません!
  吾郎 「・・・」
  宮川 「はっ?何かヤな感じぃ
  木村 「話に集中したいじゃないですか?
      でも、素敵な音楽が流れてくると、そっちにいっちゃうんですよ、私」
  吾郎 「じゃぁ、もし、その例えば恋人というか男の子が、ちょっと雰囲気だと
      思って、BGMでメロディがいい曲とかか掛けたらどうしますか?」
  木村 「大笑い!」(はっきりしていらっしゃる…)
  宮川 「大笑い?」
  木村 「稲垣さん、そういう曲、掛けるんですか?先生?
  吾郎 「いやいや、僕は、結構、やっぱ、す、好き・・・
      何ってるんでしょうか?

  一同 「(爆笑)」
  宮川 「掛けるですか?」
  木村 「いいムードに持っていくとか、そういうのを演出、意図が見えると…」
  吾郎 「そういうのは、だから、さり気なく無いんですよ!
  宮川 「あっ!」

「そうなんですよ!」と言わんばかりに、手にした問診票でパンと膝で叩いてみたりして…。とはいえ、木村さんには”立て板に水”状態でして;

  木村 「でも、それだったら、もっと分かりやすく、思いっきり、”今からいい
      ムードの曲をかけるから”って言われたほうが気持ちいいですし、”掛
      けてよ”、っていう感じ」

と、吾郎君の反撃も失敗し、撃沈しております(苦笑)。木村さん、手強いかも(笑)。ここままでは台本通りに進まないってことで、台本通りに話を戻して;

  吾郎 「それでは、木村さんに『恋が上手くいく音楽』というものをお教えしま
      しょう!」

と、ここで最初のVTRがスタート。


# VTR 3-1 『恋が上手くいく音楽』

アンケートを実施し、ラブラブな時に聴きたい曲のベスト10を分析した結果、『洋楽より邦楽,二人に共通する好きなアーティストの曲,バラード曲』という共通項が見えてきます。しかしながら、実際に告白のBGMとしては、同じドキドキ感を感じることのできる『テンポの速い曲』こそが、”恋が上手くいく音楽”である、という結論に?!


# 本編 3-2

そして、VTRの総括をする稲垣先生;

  吾郎 「恋する人の前でですね、魔法を使いたかったら、テンポの速い曲を掛け
      ることです」
  宮川 「(拍手) そうです先生。さすれば恋は上手くいくわけですね!」

ここで稲垣先生のBGM告白作戦始動!木村さんの声で心拍数を測定し、先程の理論を実証してみましょう!(いや〜、いい企画だねぇ(^^;))

  木村 「私ね、すっごい喜怒哀楽が激しい・・・」
  吾郎 「いまどこにいますか、喜怒哀楽?」
  木村 「喜、怒、哀・・・楽・楽・楽!
  宮川 「楽しいんじゃん」
  吾郎 「よかったぁ〜」
  木村 「ドキドキ。何か汗かいてきました」
  宮川 「そしたら始めましょう!スタートです!!」

BGMに『THE ROSE(by ベット・ミドラー)』の音楽が流れ、吾郎君自身も雰囲気を作ってみたりして;

  吾郎 「君とさぁ、こうやって2人いると、こう…僕の…ん〜、何かクサいかな?
      僕の、こう…居場所は君の胸の中しかないかなぁ、って思うんだよね

  木村 「う〜ん」
  吾郎 「聞いてる?
  木村 「聞いてる、聞いてる。居場所ね」
  吾郎 「まぁ、今、右を向いたり、左を向いたりしたら、すぐ負けてしまうから、
      真っ直ぐ、君だけを見つめたいんだよね。佳乃さん、僕と付き合って下さい

  木村 「そうですね。いいですよ」
  吾郎 「(照れ)・・・いいですか?」
  宮川 「ありがとうございましたぁ」
  木村 「ドキドキしてた、私?」

と、一応、吾郎君も頑張ってはいましたが、木村さんの心拍数は安定してました。やっぱりバラードだとダメなのか? ただ、先生はそれ以前にこのシチュエーションに対して限界が来ているようで;

  木村 「先生、大丈夫ですか?
  吾郎 「もう、だめだ〜 (>_<)
  宮川 「クタクタじゃないですか?」

やっぱりこういうのは、いくら吾郎君でも恥ずかしいよね(笑)。

さて、続いては、テンポの早い曲ってことで、BGMに『shake』が流れます(爆)。この段階で、既に吾郎君、非常にやりにくそうだったりする。吾郎君が切り出しにくそうにしていると、まずは木村さんから助け船が…;

  木村 「私、コレ、カラオケで歌ったことがある」
  吾郎 「・・・(^^;)。この曲、知ってる?」
  木村 「知ってる」
  吾郎 「いい曲だよね」
  木村 「カラオケで歌ったことある」
  吾郎 「あっ、そうなんだ」
  木村 「踊ったことがある」
  吾郎 「本当に?」
  木村 「あの時、誰がいたんだっけかな?・・・中居さんだ!」
  吾郎 「そ、そんなことしてんだ・・・(動揺)。負けてられないな」
  木村 「ドラマ一緒にやってて」
  吾郎 「中居さんの話はどうでもいいから。・・・僕と付き合わない?
  木村 「唐突ですね(^^;)」

と、早々に吾郎君はリタイアしております。

  吾郎 「もう、やだ、この曲・・・

(笑)。そりゃそうだよね。

  吾郎 「っていうかね、これは、みんながいちゃ、駄目な訳よ。
      2人っきりじゃないと、測れないよ、本当の値は。
      だって、最初、楽しかったもん
  一同 「(爆笑)」

吾郎君、マジで拗ねてます。ちょっと可愛い(*^^*)。


# VTR 3-2 『ダイエットに効く音楽』

続いては「サブリミナルプログラミング法」によるダイエット。音楽の中に、認知できないレベルでダイエットに効くような音源を入れ込むんだそうな。作曲は MC.BOO氏に依頼し、実際に曲作りを実施。被験者3名に試したところ、本当に効果あり???


# 本編 3-2

  吾郎 「問診をまた続けたいと思います」
  木村 「はい、御願いします」
  吾郎 「初めてハマった音楽のジャンルは何でしょうか?」
  木村 「ヘビメタ」
  宮川 「あ、ヘビメタ? それは何歳ぐらいのときですか?」
  木村 「中学ぐらいのときに、アメリカに住んでたんですよね。
      だから Motley Crue,Guns N' Roses …」
  吾郎 「ああ」
  木村 「えー、Skitrowとか、Metallicaとか、そういう所から入ったんですよね」
  吾郎 「あー」
  宮川 「ちなみに先生は?」
  吾郎 「僕も近いかもしれないですね」
  木村 「あっ、そうなんですか?」
  吾郎 「うん、僕も結構、顔に似合わず激しい曲が好きで…」
  一同 「(笑)」
  吾郎 「と、当時は、だったんですけど…」
  宮川 「自分で言ってますね」
  吾郎 「そうなんですけね」

  吾郎 「最近、一番・・・ハマってる音楽と言うのは?具体的には?」
  木村 「RICKIE LEE JONES っていう・・・」
  吾郎 「ふーん・・・古い人ですね?」
  木村 「そうですね。ものすごい、声が綺麗で…」
  吾郎 「へぇ…」
  木村 「あの…で、彼女の歌う POP POPっていうアルバムがあって…それが彼女
      がスタンダードナンバーをカバーした…。本当によくて、すっごい素敵
      ですよ」

  吾郎 「木村さん」
  木村 「はい」
  吾郎 「あなたは音楽に詳しすぎます。正直ね、こんなに手強い
      ゲストがくるとは、私…先生も思ってませんでしたね
  宮川 「大丈夫ですか、先生?」
  吾郎 「まだまだありますから。次の研究を見てもらいましょう!」


# VTR 3-3 『人間関係を修復できる音楽』

人間関係をよくする音楽ということで、ここで登場したのはクラッシック。脳にα波が出て心が安らぎ、すぐには怒ることのできない状態になるらしい。(ほんと?(笑))


# VTR 3-4 『最新音楽療法』

その他、色々と稲垣先生の研究成果が紹介されてます。便秘に効く音楽,スーパー記憶術,元気が出る音楽・・・音楽には様々な作用があるのです。


  吾郎 『音楽と医学、その不思議な関係は、まだまだ研究段階・・・
      しかし、いつか私の研究は認められるだろう。
      今はこの一言だけ:“音楽を聴く者は救われる”』


(03.02.16 up)

♪ # ♪ # ♭ ♪ ♪ # ♪ # ♭ ♪ ♭ ♪ ♭ ♪ ♪ # ♭ # ♭ ♪ ♪


さて、いよいよ最後の第4話です。もう、この4夜のレポを書きたいが為に、1〜3夜を書いてきたと言っても過言ではないぐらい、このラストエピソードは気に入っています。でも、肝心の音楽を文字に出来ないこのもどかしさ…。その辺はお許しを…m(_ _)m

第四夜 「なぜ泣ける音楽があるのか?」

   自分が求む心地よさを感じる音楽を探す旅へ。究極の“癒し系”音楽とは?


# opening-4 ティンパニーを叩く男

ティンパニーの前に立ち構える吾郎君。しかし、背後に居るのは”犬”。このティンパニーを叩くと一体どうなるのか?と迷いつつも、演奏を始める吾郎君。その時、吾郎君の背後に爆発が起こり、吾郎君自身が天高く吹っ飛んじゃう?(^^;)


# 本編 4-1

誰も居ない、とある劇場のロビーにやってくる吾郎君。

  吾郎 『その日、一通の招待状が届いた。だからあの劇場に行ったんだ。いや、
      だからというのは正確じゃないな。別に行きたい訳じゃなかった』

そして、手にした自分宛に届いた招待状を開く;

  吾郎 「『必ずお越しください』『今夜、あなたが聞こえる』」

招待状には、プログラムもなく、そのメッセージだけが書かれていた。首を傾げる吾郎君。そこをマント姿に仮面をつけた男が通り過ぎる。さらに、もう一人のあやしい人物(パンチユーホーさん) が現れる;

  吾郎 「うわっ」
  パンチ「ようこそ」
  吾郎 「どうも」
  パンチ「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」
  吾郎 「はい」

そして、劇場内に吾郎君を案内するパンチ君。ただ、たとえ、シリアスにやっていても、パンチ君が出てきた段階で駄目だよねぇ(苦笑)。

  吾郎 『何も聞かなかった・・・いや、正確に言うと聞けなかったんだ』

劇場内に入ろうとすると、先ほどの仮面の男が近づいてくる。吾郎君はそれに気づかないが、一方の気づいたパンチ君はそれを制する。

  パンチ「(仮面の男に) もう少し待て」
  吾郎 「は?」
  パンチ「いえ、どうぞ」

パンチ君を残し、劇場内に足を踏み入れる吾郎君。その劇場には・・・

  吾郎 『客は僕・・・と、もう一人いた。・・・菜穂・・・いや、正確に言うと、
      この時点では謎の女だ』

そうして、招待状に書かれた『座席 No.C−15』の席に向かう;

  吾郎 『何だ?何かの悪戯なのか? それとも・・・そこまで考えたところで、
      自分の席に辿りついた』

その席の隣の席に座っていたその女性に話しかける;

  吾郎 「あの、お隣、よろしいでしょうか?」

  吾郎 『今、考えれば聞く必要はなかったんだ。そこは僕の席なんだから…』

そして、吾郎君が自分の座席に座ると、すぐに劇場の照明が落ちた。そして舞台のスクリーンには、先ほどの仮面の男(3夜に引き続き、宮川賢氏、ご登場)のシルエットが浮かび、客席の吾郎君と女に話しかける;

  男  「ようこそ。あなたの泣ける曲は何ですか?」

  吾郎 『驚いたけど、答えはすぐに浮かんだ』

  吾郎 「ショパンの『雨だれ』…」
  戸田 「"The Firebird" ストラビンスキーの火の鳥」

  男  「それでは、その曲を口ずさんで下さい」
  吾郎 「・・・。ピアノなんですけど(^^;)」
  戸田 「(^^;)」
  男  「鼻歌で結構ですよ」
  吾郎 「♪タンタタン…」
  男  「では、お隣の方」
  戸田 「(^^;)・・・ごめんなさい」

ここでどこからか案内役のパンチ君、再登場です。

  パンチ「どうも。当劇場の案内係です。戸田さん、口ずさんで下さい」
  戸田 「・・・(^^;)」
  吾郎 「(反抗して)口ずさめる訳じゃいじゃないですか、台詞なんだから
  パンチ「いや、台詞でも、泣ける曲というのは思い入れがあるんでしょ?」
  戸田 「すみません」
  パンチ「何でしたっけ?」
  戸田 「火の鳥です」
  パンチ「誰?」
  戸田 「ストラ、ビンスキー」
  パンチ「ちょっと噛んでますよ」
  吾郎 「ちょっと、何でこれ、(台本を)中断してるんですか?これ、お芝居なん
      ですよ、やめて下さい」
  パンチ「いや、、吾郎ちゃん」
  吾郎 「吾郎ちゃんじゃないよ!
  パンチ「口ずさんで下さい」
  吾郎 「♪タンタタン…(ピアノを弾く仕草をして)タンタンタン…」
      (と、すぐに応じる吾郎君が可愛い・・・(^^;))
  戸田 「本当に知ってるんですか?」
  パンチ「ちょっと待ってください。全然、泣けて無いじゃないですか
  吾郎 「(^^;)」

  パンチ「あの…本当に泣ける曲」
  吾郎 「ありますよ、それは」
  戸田 「私がですか?」
  パンチ「はい」
  戸田 「えっ、いっぱいありますけど。その時の気分によって違いますけど」
  吾郎 「ほら、それが一番・・・」
  戸田 「結構、中島みゆきさんとか…」
  パンチ「中島みゆきさん…曲名は?」
  戸田 「『エレーン』とか…」
  吾郎 「ああ、渋いなぁ…」
  吾郎 「僕ね、ありますよ、1つ。あの…僕、結構、アニメのエンディングって
      泣けます

  戸田 「ああ」
  吾郎 「タイガーマスクのエンド曲(みなし児のバラード)とか」
  とだ 「うーん、悲しい」
  吾郎 「色々ですよ、だから。ただ…、何となく、今のこの雰囲気では〜、僕は
      ショパンと答えて、戸田さん演じる役は…」
  戸田 「は、ストラビンスキー」
  吾郎 「ストラビンスキーの火の鳥。そういうムードだったんですよ。嘘は別に
      決してついてませんよ」
  パンチ「その時々によって変わるものですか、やっぱり?」
  吾郎 「しつこいですね(^^;)。まだやるんですか、これ?(^^;)

  男  「結構です。ではこちらをお聞きください」


# VTR 4-1 『あなたの泣ける曲は何ですか?』
高田渉さん(私の青空 by 榎本健一)、乙武洋匡さん(Over by Mr.Children)、村上ポンタ秀一さん(FEEL LIKE MAKIN'LOVE by MARLENA SHAU)のコメントが続きます。


# 本編 4-2

  男  「このように、泣ける音楽は人によって様々です。なぜ泣けるのかという
      理由は、大きく4つに分けられます。
      1.聞いた頃の思い出がよみがえるから
  戸田 「失恋したときに聴いた曲。よくある話ね」
  男  「2.歌詞に共感するから
  吾郎 「うん、例えば、負けないでという歌詞に励まされたり、分かって欲しい
      と訴えかける歌詞に、自分を投影したりして、色んな共感がある」
  男  「3.好きな映画やドラマで流れていたから
  戸田 「映像やストーリーが曲と結びつく…これも平凡な理由ね」
  男  「ほー、あなたにはそういう経験がないと?」
  戸田 「映画やドラマに結びつけるなんて音楽に対する冒涜だわ」

そこで、突然、劇場に流れる「幸せになるために」by 中山美穂・・・

  戸田 「(^^;)」
  男  「どうですか、そのときの思い出と結びついてませんか??」

三度、パンチ君登場;

  吾郎 「何なんですか、だから、これは?
      これは、どっちのモチベーションでやればいいんですか?
  戸田 「頭が混乱してきました」
  パンチ「戸田さん、戸田菜穂さんが主演した朝の連ドラ『ええにょほ』の主題曲」
  吾郎 「ああ、そうなんだ」
  パンチ「中山美穂さんの『幸せになるために』」
  戸田 「はい」
  パンチ「思い出すでしょ?」
  戸田 「思い出しました」
  パンチ「ね、主題歌。どういうことを思い出しました?」
  戸田 「あの、舞台になりました丹後半島の伊根町とか、ロケに行った所を思い
      出しました」
  パンチ「どういう想いですか、今?」
  戸田 「すみません」
  パンチ「すみません、って許さん」
  戸田 「(^^;)。何でですか〜」
  パンチ「うそ、うそ」
  吾郎 「(^^;)・・・僕も朝ドラ、デビューですから」
      (出た、吾郎君の朝ドラ話!)
  戸田 「そうか、青春家族…」
  パンチ「えっ?」
  吾郎 「平成元年ですから…知ってますよね?」
  戸田 「私、知ってますよ」
  パンチ「もちろんですよ」
  吾郎 「(ドラマは)どうでした、パンチさん?」
  パンチ「ロボットが出てくる?
  戸田 「何で朝ドラにロボットが出てくる?(^^;)」
  吾郎 「それ、(ロボットなのはステージの)あの人じゃないの?」

  吾郎 「でも、ありますよ、ドラマの主題歌で思い出というのは。ただ、この、
      あの・・・戸田さんがやってる役の人は、そんなの関係ないわ」
  戸田 「冒涜だわ」
  吾郎 「(真似して)冒涜だわ」(←おねぇ言葉がちょっとツボ)

なんてやり取りをしているところに、強引にステージの男(宮川さん)が台本の方に戻したりしてまして;

  男  「ふつふつと思い出が蘇ってキュンとしたわけですね」
  パンチ「誰ですか?」
  吾郎 「誰ですか、あなたは(^^;)」


  男  「では、4つ目のメロディが泣けるからというのはどうか?初めて聴いた
      曲なのに、そのメロディになぜか泣けてきたという経験を持つ人は多い
      のです」
  吾郎 「確かに、始めて聞くメロディで泣けるというのは不思議だ。このときは
      黙るしかなかった。しかし女は違った」
  戸田 「で、その答えはもう用意してあるんでしょ?」
  男  「相変わらずですな」
  戸田 「あなたもね」
  男  「菜穂様」
  戸田 「菜穂?」
  男  「メロディ自体が人間の感情を刺激する。これはどういうことなのか?。
      二人の科学者がこの質問に答えます」


# VTR 4-2 『メロディーで泣けるのはなぜ?』

聴覚心理学を専門とする宮崎謙一教授と、音楽心理学を専門とする大串健吾教授が登場し、科学的な説明を行ってます。トレハブ教授の実験「音楽と感情の関係は学習によるものが大きい」を引き合いに出し説明されてます。しかしながら、必ずしもそればかりではないケースもあり、未解明の部分が多いという・・・

  『その曲で泣けるのですか?その理由は本当に正しいのですか?


# 本編 4-3

  吾郎 「その理由?」

♪BGM 雨だれ − ショパン作曲

  吾郎 『突然、劇場に曲が響いた。いや、突然のように聞こえただけで、ずっと
      鳴っていたのかもしれない。でも、何故この曲が・・・?
      僕は、この曲を聴くと、止め処なく涙が溢れる。この曲は、ショパンが
      マジョルカ島の雨を描写したといわれている曲だけど、僕は、その島も
      雨だれにも、特別な思い出はない。・・・でも、なぜか泣けるんだ』

(このあたりの演出、好きですね。ショパン,マジョルカ島・・・、間違いなく一年前の『ショパン』の番組を意識して作られた番組に違いない!と私は勝手に思ったりしています(でも、そうだよね、きっと))

そういう思いにふっていたところ、隣に座っている女が突然、語り始める。

  戸田 「あなたが6歳の夏、その日は夕方からひどい雷雨だった。友達はみな、
      迎えに来た母親と下校していった。
      待てど暮らせど、あなたに迎えは来なかった。あなたは泣きながら強い
      雨の中をびしょ濡れで!」
  男  「菜穂様!」

男の静止に女は沈黙する。だが、女が語った言葉は、全て事実だ・・・;

  吾郎 『!・・・その日のことは自分でも忘れていた。
      でも、彼女がそれを知っているのは、ちっとも不思議なことじゃない。
      このときは驚いたけど』

  吾郎 「どうして、そのことを?」
  男  「音楽が人間の感情に与える大きな影響…。私たちは神の草笛の音色に、
      怯えることしかできないのでしょうか?こちらをお聞きください」

  吾郎 『これは何だ?』

劇場のスクリーンには再びVTRの映像が映し出されます;


# VTR 4-3 『なぜ人が音楽で泣くのか?』

精神的ストレスを喜びなどのプラスの感情に変えることができる。神経内分泌科学を専攻する町田武生教授の解説が加わり、脳内にストレス物質CRHがたまると不機嫌になるが、これを効率的に体の外に出すのが涙であり、音楽を聴くことでそのCRHを外部に出すことができる。

このVTRの合間に涙を流す吾郎君のイメージ映像が挿入されます。惚れ惚れするほど綺麗な映像(*^^*)。

  吾郎 『僕たちは脳を癒すために本能的に音楽を聴いているんだ・・癒し・・・』


# VTR 4-3(の続き) 『あなたにとって癒しの曲は何ですか?』
鈴木弘子さん,ゴスペラーズの皆さんらのコメントVTRが挿入されます。


# 本編 4-4

  戸田 「ねぇ、この人にも聞いてみたら?どうせまた、陳腐な答えでしょうけど」
  男  「なるほど…。では聞きます、あなたにとって癒しの曲は何ですか、稲垣
      さん?」
  吾郎 「・・・ジョン・レノンのイマジン」

♪BGM 「imagine」 Keiko Lee

ピアノの弾き語りが終わり、吾郎君と戸田さんの二人の拍手が劇場内に鳴り響きます;

  男  「如何ですか、癒されましたか?」
  吾郎 「もう、癒されたどころか、もうこのまま早く家に帰りたいですね」

で、またまたパンチさん登場が登場し、フリートークタイムに突入です。

  パンチ「素晴らしかったですね」
  吾郎 「ちょっとさ、これ、お芝居じゃないよね、今ね。いいんだよね、喋って
      てね?」
  パンチ「はい」
  吾郎 「ちょっと、すごい、言葉を失ってしまいました、僕は、今」
  パンチ「ねぇ…」
  吾郎 「良かったねぇ…
      (↑こういう吾郎君の素直な言葉って好き)
  パンチ「やっぱり癒されました?」
  戸田 「はい、すごい、お声がいいですね。こう低くて、ハスキーな声してて…」
  吾郎 「いやー、格好いいよなぁ〜。
      僕もやりたいなぁ、ああいうの〜

  パンチ「ピアノ弾けるんですか?」
  吾郎 「(^^;)…弾けない。やりたい、でも
  パンチ「ダメじゃないですか」

  パンチ「ちなみに、あの、影の方は、癒しの曲は…?」
  吾郎 「急に振られてますが…」
  男  「えっ、僕ですか?」
  吾郎 「はい」
  男  「私のことは結構です」
  吾郎 「ほら。これ、何か、(宮川さんと)妙な関係ですよね、パンチさんと」
  パンチ「いや楽屋が一緒なんですよ」
  吾郎 「俺、心配してたの、一人で何を話してるのかなぁと思って(^^;)。
      パンチさんは何?一応、使わないと思いますけど、聞いておきますけど

  パンチ「使わないって…。僕は…」
  男  「わかりました」
  パンチ「待ってください」
  戸田 「あれっ(^^;)」

  男  「やはり、あなたならその程度のお答えでしょう・・・」
  戸田 「で、他には無いの?あなたの癒しの曲」
  吾郎 「誰もが癒される音楽・・・」
  戸田 「!」
  吾郎 「・・・って、そんな曲は無いのかな」
  戸田 「存在しないわ・・・今は」
  吾郎 「今は?」
  男  「誰もが癒される究極の音楽。もしそれが作れれば、音楽芸術は新時代を
      迎えるでしょう」

という流れで、いよいよ番組はクライマックスに!!!


# VTR 4-4 『誰もが癒される音楽は作れないのか?』

この曲作りを東儀秀樹氏に依頼します;

  東儀 「その…癒し、誰もが癒される曲を作るか作らないかの前に、曲に対して
      癒しの作用っていうのが、の定義ですね、それを僕ははっきりとさせな
      くてはいけないんじゃないかと思うんですけれども。
      って言うのは、これが癒しだっていう定義が、音楽にはまるで必要が無
      いんじゃないかと、思うんですよ。だから音楽と名の付くものは、全て
      癒しの要素をどこかしら持っていると。僕も今まで癒しの曲を作ったっ
      ていうつもりは毛頭ないし。
      だけど、誤解して欲しくないのは、僕の作った曲を聴いて癒しになった
      という意見は、とっても嬉しいことなんですよ。それは本来あった音楽
      の本来の形がそこでまっとうされているんだなぁ、っていうフィードバ
      ックを僕は感じるので、凄く良かったと」

VTRは少し中断して、劇場に場面が戻ります。ここから、スクリーンの中と劇場の客席にいる吾郎君とがシンクロしていくわけですね。

  吾郎 『癒しを意識せずに音楽と向き合う・・・。
      突然、貝殻を手渡された。そういえば、昔、貝殻の耳に当てると、海の
      音がして心地良いとよく言った。でも、あれは海の音じゃない。流れる
      血の音、自分の身体の音だ。人間の体の音、細胞の音・・・宇宙の音。
      そうだ、もし森羅万象を音にできれば、人間のための究極の音楽になる
      かもしれない』

このシーン、客席に居る吾郎君にはパンチさんにより貝殻が手渡され、そして、スクリーンには貝殻を耳に当て、音を聴く吾郎君の映像が映し出されます。スクリーンの中の吾郎君は「白」。波の音をバックに、目をつぶってじっと耳に当てた貝殻の音を聴いています。この吾郎君の映像も、とても気持ちよさそうで、世界が無限に広がっていきそうで、そしてもちろん吾郎君は綺麗で、好きなカットです。そして;

  男  「人間のための究極の音楽を作るため、プロジェクトを立ち上げる」

と、再びVTRに画面は戻ります;


# VTR 4-4(続き) 『人間のための究極の音楽』

究極の音楽を作るために、作曲:東儀秀樹氏/演奏:新フィルハーモニー交響楽団/音の採取・編集:茂出木敏雄氏をメインとし、人間の身体の音、流れ星の音、遺伝子の音・・・をもとに、究極の音楽作りが始まります。


# 本編 4-5

  吾郎 『そして、全ての謎が解けた』

二人しか居ないはずの劇場。なのに、客席全体から拍手が沸きあがる。そして、ステージ上の影の男が吾郎君の声で語りかける;

  男  「人間のための究極の音楽。それは森羅万象の妙なる音色に乗せ、人間の
      鼓動や宇宙の神秘の調べが織りなすメロディ」

さらに菜穂と呼ばれた女性の口からも、吾郎君の声がこぼれ出る;

  戸田 「ついに僕はたどり着いた・・・かもしれない」

驚く吾郎君の前で、さらに舞台上の男は、シルクハットを取り、180度回転しこちらに背を向け、両手を高々と掲げる。そのとき、舞台の幕は上がった・・・;

  「今在ることへのセレナーデ」
    【作曲】東儀秀樹/【編曲】大島ミチル
    【演奏】東儀秀樹/新日本フィルハーモニー交響楽団

劇場内に流れる音楽に、自然と涙のあふれ出る吾郎君と菜穂。そして・・・そのオーケストラの指揮を目の前でとっていたのは、吾郎君自身・・・となりにいる女性も吾郎君自身・・・


曲が終わり、一人劇場に残る吾郎君;

  吾郎 『この曲があなたの癒しになったかどうかは分からない。ただ一つ言える
      のは、人は誰しも、音楽を持っているということ。そして、その内なる
      音に耳を傾けたときに、自分にとっての音楽が聞こえてくる。僕は音楽
      だし、音楽はあなた。音楽と人間は同義語かもしれない。
      多分、僕はそのことに気づくためにこの劇場に招待された・・・』

そして、招待状を開く吾郎君。その招待状の差出人の欄には自分の名前が・・・

  吾郎 『・・・いや、正確に言うと招待したんだ・・・』


Ending

  吾郎 「そうだったのか・・・」

と、いきなり呟く吾郎君。先程の劇場の舞台裏という雰囲気の空間です。隣には戸田菜穂さん、そして、パンチ君も近づいてきます;

  戸田 「(^^;)。まだやるんですか?」
  吾郎 「あれ、もう終わりですか?」
  戸田 「はい(^^;)」
  パンチ「お疲れ様です」
  吾郎 「お疲れ様でした」
  戸田 「お疲れ様でした」
  パンチ「どうぞ。お茶です」

  パンチ「吾郎ちゃん。えっ全員、吾郎ちゃんだったっていうことなんですね?」
  吾郎 「今回のストーリーで言うと、そうですね。みんな僕だった。お客さんの
      あの拍手の時…大喝采の時も、お客さん一人一人も、僕だったんじゃな
      いかなって…」
  戸田 「私も?」
  吾郎 「そうですね」
  パンチ「僕も・・・???」
  吾郎 「いや、君は違う!
  パンチ「え、君って…」
  吾郎 「パンチさん違う!」(強行に拒絶する吾郎君(^^;))
  パンチ「ちょっと後半、出番無かったですけど」
  戸田 「(^^;)」
  吾郎 「戸田さんも、何かこういうスタイルはねぇ…」
  戸田 「はい、初めてで…」
  吾郎 「お芝居だか、素なんだか分からないですよね?」
  戸田 「お芝居と素が行ったり来たりして」
  吾郎 「戸田さんもありがとうございました」
  戸田 「あ、ありがとうございました」
  吾郎 「何か、訳分かんない空間で」
  戸田 「いえいえ」
  吾郎 「はい」
  パンチ「吾郎ちゃんの空間ですからね」
  吾郎 「違います!(^^;)」

そして、番組の収録が終わろうとしているのに、まだまだ話し込んでいそうな吾郎君(^^;)。そんなに去りがたい雰囲気でもできたのか?

  吾郎 「ああ、もうダメなんですか?」
  パンチ「終電がなくなる・・・はい」
  吾郎 「終電・・・。タク送があるんじゃないですか、今日?これね、後5分で
      タク送出ますよ、みなさん」
  パンチ「いや、みんな、電車で帰りたいって…」

と、うだうだ言っているうちに番組終了。こうやって最後、静かに終わるというのもいいですね。それにしても、タク送って言葉、初めて知りました・・・(苦笑)


(03.02.23 up)


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