レポ中、< >はシーンの説明,(( ))は個人的なコメントです。
<とある駅 夜遅く>
最終バスを逃した遠藤道子は、急に降り出した雨を避けて駅前のファミレスに向かう。
<道子の入ったファミリーレストラン ダイナーキング店内>
相席の大きなテーブルに案内される道子。隣には野田和夫。向かいの席には深見沢栄一、谷山泰道(これが吾郎君ね)。野田が道子に;
野田 「あのー、お話ししませんか?」
と話しかけたのをきっかけに道子と野田は二人は会話を始める。そこに花火(^^;)の刺さった巨大パフェが運ばれてくる。大笑いする面々。これをきっかけに会話に加わる深見沢、谷山。巨大パフェを称して;
谷山 「テレビの罰ゲームみたいですよね」
「一人じゃ頼まないですよ」
と。しかしそのパフェは道子の反対隣に座っていた女性、大村由紀が頼んだものだった。気分を害し、トイレに席を立つ大村。気になり後を追う道子。
<ファミレスの女性トイレ>
道子は由紀に謝りつつ「あなたもどう、しゃべらない?」と誘いをかける。
<再びファミレスのテーブル>
テーブルについた5人の前に、例の巨大パフェが並ぶ。
谷山 「なんか合コンみたいですね。」
まずはそれぞれ自分の姓を名乗る5人。その後、野田や谷山がそれぞれのイメージを語り始める;
深見沢→『天井裏の魔術師』(By 野田が例えた言葉)
*実は競馬の好きな隠居老人。借金取りに追い回されている。
谷山 →『呉服屋の若旦那。親父の愛人に手を出して勘当中(^^;)』(By 野田)
*実はパソコンに対してしかコミュニケーションがとれない元美術教師。
ファミレスで一人、客の似顔絵を描いている孤独な青年。
道子 →『PTA会長』(By 谷山)
*実は満たされない日々を送っている中年主婦。ミステリー作家志望。
野田 →『ただの小市民』(By 谷山)
*実はリストラされたエンジニア。家族も実家に帰っている。
大村 →『雑草女』(By 谷山)
*実はエステで借金を抱えているOL。彼氏に振られたばかり。
道子が自宅に電話を入れようとしたときに、ある人相の悪い男が一億の現金を運ぶという話をしているのを聞く。最初現金強奪犯と勘違いした道子だったが、この男は店の売上を運ぶ役目の人間だった。
暫く時間が経って、窓の外ではその現金輸送車が店から出て行く。その様子について語る5人。それを見て:
谷山 「戴いちゃいましょうか、一億円?」
現金は男性3人が集金しており、強そうな人間は一人だけで、盗むのは見るからに簡単そうである。一方のこちらの5人は、初対面同士であり、まるで接点が無く、足もつきにくい…。カプチーノを飲みながら5人は冗談半分で現金強奪の計画を練りはじめる。
やがて雨が上がってそれぞれ帰ろうとする道子,野田,由紀に谷山が声を掛ける。
谷山 「決めときませんか、次の打ち合わせ?1週間後とか、また金曜日に。
いろいろ調べときますよ、僕。」
だが、谷山以外の4人は現金強奪の計画を練るという大人の遊びを楽しむだけで満足して帰っていく。絵を描き続ける谷山。スケッチブックにはギャング姿の5人の絵が…。
<道子の自宅、そして他の4人もそれぞれの現実…>
そこには道子の日常が待っていた。そして野田,由紀,深見沢にもそれぞれの現実が…
そして谷山にも谷山の現実…部屋で一人パソコンに向かって話をしている;
谷山 「今日、ファミレスで会った無名人。1月ぶりに人と話しました。
1番 ただの小市民,2番 PTA会長…」
<一週間後、再びファミレスで>
道子は谷山の台詞が気になり店にやってくる。それは他の3人も一緒だった。結局、再び5人が集合し、谷山は1週間バイクで現金輸送車を尾行し、調査した結果を報告する;
現金輸送は経理部長関根と他2人で実施。日・水・金曜日にチェーン店の集金に回る(このときの店のBGMがルパンV世のテーマでしたね(笑))。谷山の判断では、現金強奪のチャンスはチェーン店の1つ「ラスベガス」のみ。ここで関根一人が輸送車に残り、かつその関根が新聞とコーヒーを買いにコンビニに立ち寄り、車がガラ空きになる約40秒。関根がコンビニに入っている間に、その間にこちらの車を輸送車に横付けし、輸送車のトランクを開けダミーのカバンと入れ替える。さらに関根がコンビニにいる時間を延ばすための作戦として、道子が関根の前に、ガムを一個もって1万円をもってレジに並ぶ・・・。これが谷山の立てた計画だった。
車の鍵の製作は野田、現金袋の製作は道子、車の運転は運転のタイムの早い人が担当することになる。少しずつ熱心に計画を語り始める5人…:
由紀 「今日も現金輸送車、来るのよね。だったらみんなで尾行しない?」
乗り気の5人は野田の車で尾行を始める。
<夜中、野田の車で現金輸送車の尾行を開始する5人>
尾行の最中の車での会話…。いつもインターネット上で話をしているという谷山。
深見沢「それじゃぁ、君は何かね。
その…インターネットという人といつも話をしているのかね?」
谷山 「(^^;)。いや、インターネットは人じゃないんですけど…」
苦笑混じりに答える谷山は、車が停車した休憩時に自分の過去について話し始める;
谷山 「実は僕、高校で美術を教えていたんです」
その後興したパソコンソフトの会社も半年で失敗し人と話せなくなったという。教師を辞めたのは実は生徒を妊娠させたことが原因だった。
谷山 「最悪だったのは僕の方で、責任逃れをしようとして彼女を傷つけちゃって。
・・・人間嫌いと言うより、僕は自分が嫌いなんです…」
<尾行中、ガススタンドの前>
道子 「もし、刑務所から出て最初に何食べます?」
そんな冗談を楽しみながら尾行を続ける5人。
<尾行中、最後の店 ラスベガス前>
真剣な4人の様子に少し不安になる道子:
道子 「ねえ、みんな真剣な顔をしているけれど、本気?」
深見沢「後何年生きるか分からないけれどこのままじゃ私は終われないんだ」
その言葉に他の2人も答える。
由紀 「何かすごいことして、立ち直りたいのよ」
野田 「風穴空けたいんだ、人生に」
しかし、一方の道子はなかなか踏ん切りがつかない。とりあえず4人で計画を実行に移すことに。
<日がかわって、それぞれの準備の光景>
それぞれが担当のものの準備を進めていく。ガソリンスタンドにアルバイトとして潜入した野田は、現金輸送車の鍵型を入手。車の運転は、練習の結果、深見沢に決定。
一方、道子も自分の新しい人生のページを開こうと最終的には参加を決意し、ダミーの現金輸送カバンを作り始める。
<また日が経って、ファミレス ダイナーキング>
それぞれ準備物を持ち合う5人。計画の実行日は、関根の行動を再度分析した結果、「決行日は阪神が勝った日の翌朝、早ければ木曜の朝」に決定する。
<水曜日の夜>
日常の主婦業をしながらもラジオの阪神戦を聞く道子。阪神が逆転勝ち。(5人の結果の聞き方が個性が出てます。谷山は当然ネットからの情報。)いよいよ、現金強奪計画を実行に移す時間となる。
配置につく5人。野田,深見沢,由紀は野田の車に集合し、ラスベガスの近くの空き地に待機する。谷山はコンビニのカウンターで由紀の用意した携帯電話を通じてメンバーに指示。道子もコンビニに到着し、準備は整った…。
そして・・・いよいよ現金輸送車がラスベガス前に到着する。予定通り、関根がただ一人現金輸送車ににこり、そして谷山と道子の待ちかまえるコンビニに入ってくる。谷山はその様子を見ながら、缶コーヒーを棚からひとつ取り出しながら「スタート!」。計画が動き出す。外で待っていた深見沢は車を輸送車に横付けし、野田は由紀と自分の作った鍵で輸送車の後ろの扉を開ける。谷山が缶コーヒーを宙に放り投げながらの映像が入り、緊迫した場面が続く。棚からガムを手に取る道子。缶コーヒーを手に、道子を見守る谷山。だが・・・「中止!中止!」谷山の声が響く。コンビニで道子を見て呆然とする谷山。道子は計画を実行に移さなかったのだ。
<街の公園>
夜が明け、5人が揃っている。そこで道子は行動を移さなかった理由について語り始める:
道子 「やる必要がなくなったの」
道子はガムを手にとった瞬間、いつもの自分とは違う自分になることができたという。それを聞いて、他の4人も変わった自分に気づく;
野田 「錠前屋になって、毎日鍵を作るから」
由紀 「100人に振られても、101人目に当たりゃぁいいんだよな」
深見沢「万馬券でも当てよ」
一方、一番残念そうな表情を示す谷山だったが、他のみんながいいのなら…と納得する:
谷山 「この三週間こんなに人としゃべったのは初めてでした…」
<数日が経って…昼間のファミレス ダイナーキング>
自宅の留守電に、自分の決心を伝える道子。テーブルに戻りカプチーノを注文し、原稿を書き始める宮本。タイトルは「さよなら五つのカプチーノ」 その様子を見ながら別のテーブルで道子の似顔絵を書く谷山。その似顔絵には「ミステリー作家」のコメント付きで・・・。
<エンドロール>
ギャング姿の5人が歩いています。赤いバラの花がワインポイント。バラの花以外はセピアカラーの映像というのがまた良いです。
<メインキャスト>
遠藤道子 :宮本信子さん
野田和夫 :伊武雅刀さん
谷山泰道 :吾郎君
深見沢栄一 :金田龍之介さん
大村由紀 :鈴木砂羽さん
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