ブスの瞳に恋してる
〜 第11話 「最終決戦!VS美人」 〜
[美幸の実家]
夜。美幸の実家・居間で改まった表情で正座するおさむと美幸。
おさむ「えーと」
さと子「そういうかしこまったのは、お父さんが帰ってきたときに取っ
といたら。さぁ、どうぞ?」
おさむ「ああ・・・」
さと子「そういう・・・ことなんでしょ?」
美幸 「うん」
その頃、義男はさと子に美幸がおさむと来ると聞かされたものの、家に帰りづらく、一人居酒屋で酒を飲んで過ごす。嬉しそうなんだけどね。
実家のテーブルには、尾頭付きだ、お寿司だのご馳走が並び、あとは義男だけ。
さと子「もう、お父さん、今日は早く帰ってきてって言ったのに、何や
ってんのかしら?先に食べてましょうか?」
おさむ「あ、いやいや。お父さん、帰ってくるまでは」
絵里 「ねぇ、私、おさむさんのこと、何て呼べばいいのかな?」
美幸 「おさむさんでいいじゃん」
絵里 「ええ!お兄ちゃんがいいんだけど」
おさむ「いや、いいよ、お兄ちゃんでも兄貴でも」
絵里 「まじっすか?♪」
美幸 「何で照れてんの?」
絵里 「だって、お兄ちゃんが出来たんだよ。嬉しいじゃん!」
美幸 「意味分かんない」
と、楽しそうな会話が繰り広げられているところに、ようやく家の玄関に到着の父ちゃん。
玄関に並んだ美幸とおさむの靴を見つめる義男。幼い頃、靴もそろえずに美幸が靴を脱いで、家の中に入っていった光景を思い出す。
さと子「あ、お父さん、帰ってきた」
物音がしたので、玄関に向かう絵里。おさむは襟を正して義男がやってくるのを待つ。だけど、玄関の向こうで「お父さん、酔っ払ってんの?」なんていう絵里の声が聞こえてくる訳で。さらに、「今日はもう、寝る」なんていう義男の声が聞こえてきたわけで。もう、さと子さん、冷や冷や状態です。
絵里が無理矢理、義男を居間に連れてきて、いよいよおさむと義男がご対面!
おさむ「あ、突然お邪魔してすみません」
義男 「・・・」
絵里 「さぁ、乾杯するよ」
さと子「ほら」
絵里 「もう、みんな食べないで待ってたんだからね!」
義男が渋々着席して。
絵里 「乾杯の準備しましょう!」
おさむ「ああ、どうぞ・・・」
と、ビールをついで。
絵里 「じゃぁ、みんな揃ったところで、乾杯!」
美幸 「お父さん、報告があるの」
義男 「・・・」
で、おさむと美幸が、両手を床について構えると;
義男 「あ〜あ〜あ〜。寿司・・・食おうかな。寿司なんて久しぶりだ
もんな」
と、話をはぐらかしてます。
さと子「お父さん!二人ともわざわざ来てくれているのよ。どういうこ
とかわかるでしょう」
義男 「うん・・トイレ行ってくる!」
義男はそのままトイレにこもってしまいました。
さと子「ごめんなさいね。二人のことは、反対してるわけじゃないのよ。
初めてだから、こういうの」
美幸 「本当に、反対してないかな?」
さと子「嬉しいに決まってるじゃない!あんたが結婚することを誰より
も望んでたのが、お父さんなんだから」
美幸 「うん!」
絵里 「お兄ちゃん。頑張って!」
おさむ「うん
トイレから戻った義男は、今度は;
義男 「俺は・・・今日はもう、寝る!」
などと言い出す始末。「お父さん!座って!」と、美幸に言われ、仕方なく席に着く義男。そうして、今度こそ、緊張の瞬間があり、おさむが一歩下がって両手をついて
おさむ「・・・娘さんと」
と言った瞬間;
義男 「ダメだ!」
え゛っ(;o;)。
さと子「えっ?」
絵里 「えっ?」
おさむ「・・・(@o@)」
義男 「・・・いや、ダメだ。腹が痛い。トイレに行って・・・」
絵里 「ちょっとお父さん!!!」
で、おさむってば;
おさむ「・・・僕もトイレに行ってきます!」
と、おさむもトイレにGO!
そうして、前代未聞のトイレの扉を挟んでのご挨拶。
おさむ「お父さん、そのまま聞いて下さい。僕は、お笑いの番組を作る
仕事をしています。お父さんには、ご理解頂けないかもしれま
せん。でも、僕にとって一番大切なことは、笑えることなんで
す」
その話を、便器に座りながら聞いてるとーちゃん。
おさむ「美幸さんは、その・・・僕が一番大切にしているものを満たし
てくれる、たった一人の女性なんです。美幸さんは、僕を、そ
して日本中を、笑わせてくれます」
そのおさむの様子を、後ろからじっと聞いている美幸。
おさむ「そしてそれが、僕を日本中で一番幸せにしてくれるんです。僕
は美幸さんの笑顔が大好きです!その笑顔をずっと見ていたい
から!だから僕は、ずっと美幸さんを幸せにします!」
美幸 「(;o;)」
そして、おさむがトイレのドアの前で土下座をする。
おさむ「お願いします!!美幸さんを僕に下さい!!」
しばらくの沈黙のあと、義男が言う。
義男 「美幸は、私の可愛い娘です。私にとっては自慢の娘です。だけ
ど美幸は、私に似たばっかりに、あいつには散々今まで苦労を
かけてきました。子供の頃から、からかわれて、いじめられて、
何度も家に泣きながら帰ってきました。それは全部、私のせい
です。私に似たばっかりにね」
おさむ「・・・」
ここから、父ちゃん号泣。
義男 「・・・だけど美幸はね、私がそう言うと、笑うんです。私はお
父さんの娘でよかったって、笑うんです。私はね、美幸には、
ず〜っと笑っていて欲しい!幸せになって欲しいと、心から願
っています!君のような人が、美幸と結婚したいと思っている。
それは嬉しいですよ!でも、信じていいんですか?もう、美幸
が傷つかないって、信じてもいいですか?」
その義男の言葉に対しておさむは;
おさむ「約束します!僕はお父さんに負けないくらい、美幸さんを愛し
続けます!」
男前じゃん、おさむ!!!!
やがてトイレのドアが開く。
おさむ「!」
義男はおさむの手を取り;
義男 「娘を、幸せにしてやって下さい」
おさむ「はい!!」
その様子を見守っていた美幸の瞳から涙が溢れて、さらにその様子を、さと子や絵里もじっと見ていた。
そして、雰囲気はころっと変わって、全員で大宴会!とーちゃん、『愛しのエリー』?を歌ってます
<ナレーション>
お父さんの、どうかと思う歌を聞きながら、
僕は、この家族と育った美幸ちゃんのことを、
ますます好きになった。
そして、彼女を産んでくれた二人に、
心から、感謝していた。
to be continued …
[次回予告]
『今日、僕は、結婚式という人生最大のイベントを迎えようとしていた』
<第11話感想>
返す返すも『美也子編』の冗長さが口惜しい・・・
今日ぐらいのテンポとかノリとかがあれば、先週ほどの暴言は吐かなかったと思う今日この頃(吐かないとは言わないけど)。それにしても、久々におさむが主役のドラマを見たような気がするなぁ(主役なのに…(T_T))。久々にナレーションも復活して、嬉しい限りでございます。
おさむが、あそこまで結婚に突っ走ってしまう理由がやっぱりわかんないけど、そうやって突っ走る感じがこのドラマなんだろうなぁ、と思うので、今回に限っては(限った場合には!)これはこれでOKでした。もちろん、10話までの話を考えると非常に違和感を感じるのですが、むしろあっちが本論から外れてると思っていると思えば、案外、すっきりするんだな。”5話のラストで、美幸から手紙を貰って走り出したおさむ”から、途中の話はすっ飛ばして、”10話で生放送のスタジオに向かって走るおさむ”につなげると、それほど違和感無いと思う。いや、絶対にその方が話は通じると思う!!!(って、そんな連ドラってどーよ?(;o;))。
まぁ、何はともあれ、今回は、対美幸の映像は、比較的心穏やかに見れました。教会でのプロポーズもほのぼのしていていいんじゃない?
一方で、ズバズバの方の描き方は、もうそれこそグダグダでしたけどね。ここでもまた、前回までの描写は何〜にも反映されておりませぬ。美幸がズバズバの救世主になるんじゃなかったのかなぁ〜。おさむが「終わらせませんよ」と啖呵を切ったのは何だったんですかねぇ〜。その辺のアイデアが無いなら、そんな思わせぶりな描写をするなって感じです。それともそういったもやもやが、すっきりするような奇跡的な最終回が見られるのだろうか?
・・・って、書いてるうちにまた愚痴になってしまった。
おまけ:ついでにサブタイトルの「最終決戦!VS美人」は、どう考えても違うよね?「美幸さんを僕に下さい」とか、つけるならそっちだと思うのだけど。
(06.06.25)
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