ブスの瞳に恋してる

〜 第8話 「私、芸人になる!」 〜


  • [おさむの部屋]

    部屋のめざましが鳴る。その音で目を覚ましたおさむ。と、寝起き映像から始ったのは、吾郎ファンへのサービスと受け取っておこう(笑)

    めざましは、美也子がロンドンで買ってきたという誕生日プレゼントの時計。おさむがその時計のベルを止めようと手を伸ばすと、先にベルを止める美也子(って、本気で同棲復活してるのか、この二人・・・(;o;));

      美也子「おはよう」
      おさむ「ああ、おはよう」
      美也子「コーヒー飲む?」
      おさむ「うん。ありがとう。早起きだね」
      美也子「結局、朝まで書いちゃっててさ。おさむを起こしてあげようと
          思って」
      おさむ「そっか。はかどったんだ」
      美也子「まぁ、ね」

    なんて言いながら欠伸をする美也子をちょっと幸せな気分で眺めてるおさむ。(いいんだけど、なんとなく腹が立つシーンかも・・・(;o;))

  • [美幸の実家]

    その頃、縁側でぼやーっとしてる美幸。時間は朝の出勤時間。父親の義男や絵里が出かけようとしている。特に絵里は今日は試験がある日らしく、朝から単語帳を見ながらドタバタしてます。

      美幸 「絵里!」
      絵里 「ん?」
      美幸 「Do your best!」
      絵里 「最善を尽くせ・・・うん!行ってきます!」

    そうして、父娘そろって出て行きました。

      さと子「美幸は、今日は何するの?」
      美幸 「うーん、特に決めてないよ・・・」

    無気力な日々・・・

  • [どすこいラーメン]

    いつもの常連さんもやってきているどすこいラーメン。今日は松本もやってきていて、美幸が実家に帰ったことを花子から聞かされる。

      松本 「えっ、実家帰っちゃったんですか?」
      花子 「そう!」
      松本 「何で帰っちゃったんですか?」
      花子 「よくわかんないね」
      松本 「何があったんですか?」
      花子 「だって、言わないんだもん、そんなこと聞けるわけ無いじゃな
          い」

    「暫く寂しくなりますね」と松本は言うが;

      花子 「そのうち、あっけらかーんとして戻ってくるわよ!」

  • [関東中央テレビ・会議室]

    美也子にドラマの宣伝・話題づくりのために、番組に出るように言う柏木。だけど、過去に表に出る仕事を捨てた美也子としては;

      美也子「私、もう、出るのはやめた人間ですから。それに、今は脚本で
          ちゃんと評価されたいんです。元女優とか、そういう目で見ら
          れるのが嫌なんです」
      柏木 「そういったことは、私が責任持ってさせませんから」
      美也子「・・・」

    となるわけで、その申し出を受け入れる柏木。だけどさ・・・普通、何も無しの脚本家が、いきなりバラエティに出るなんて無理なわけで、ちょっと無理ある?(笑)

  • [関東中央テレビ・バラエティセンター]

    朝、ズバズバの打ち合わせの為にやってきたおさむと松本;

      松本 「おさむさん」
      おさむ「ああ」
      松本 「美幸ちゃん、実家に帰ったらしいですね」
      おさむ「えっ?・・・そうなんだ」
      松本 「知らなかったんですか?」
      おさむ「うん」
      松本 「おばちゃんも何で帰ったか、いつ戻ってくるのか知らないらし
          いんですよ。おさむさんだったら何か知ってんじゃないかと思
          って」
      おさむ「いや、俺も知らない・・・」

    なんて言いながらも、美幸の言葉を思い出すおさむ;

      美幸 『ああ・・・これで本当に何にもなくなっちゃったな・・・』

    責任感じちゃってるのかしら?でも、美幸に対しては、責任感じなきゃいけないほど、悪いことはしてないわけで・・・やっぱり恋なのか?(笑)

  • [美幸の実家]

    その頃、美幸は美幸で、その同じ状況での;

      おさむ『もう一度、彼女と付き合いたいと思ってるんだ』

    というおさむの言葉をぼんやりしながら思い出している。


    そんな美幸に洗濯物を干しながら;

      さと子「美幸・・・天気いいんだから、散歩でもしてきたら?」

    と。「うん・・・そうする」

  • [関東中央テレビ・バラエティセンター]

    斎藤が竹田に同じフロア内なのに、内線電話で話をしています。互いの姿をガラスを隔てて見ながら話すその内容は・・・;

      斎藤 「編成からむちゃデスに番宣でゲスト入れろって言われてんだけ
          どさ、ズバズバの方で何とかしてくれないかなぁ」
      竹田 「誰ですか、ゲストって?」
      斎藤 「藤原美也子だよ」

    美也子の名前が出て驚く竹田。竹田だけはおさむと美也子の仲が復活したことを知ってるだけにね(笑)。

      竹田 「!!!」
      斎藤 「今、うちの局で一番力を入れてるドラマの脚本家。はえーよな
          ぁ。オンエアはまだまだ先だっていうのにさぁ。元女優ってい
          う彼女のキャラを立たせて、こするつもりだよ。話題の頂点で
          ドラマオンエアって腹だな」
      竹田 「今のズバズバでそういうゲストを受け入れる枠はちょっと無い
          ですね」
      斎藤 「いや〜。今のズバズバだからこそ、やっといた方がいいんじゃ
          ないかなぁと思ってさ。編成にいい顔しておいた方が、何かと
          得だよ!よろしく頼む」

    と、ブラインドの向こうから手を振って電話を切る斎藤さん@嫌な感じ(笑)。

      竹田 「・・・」

  • [関東中央テレビ・食堂]

    そうして、先ほどの斉藤からの電話の話をおさむにする竹田。

      おさむ「・・・」
      竹田 「いやだよな・・・やりにくいよなぁ・・・。俺も番組の調子が
          よければ強気で断れるんだけどさ」
      おさむ「・・・」
      竹田 「申し訳ないm(_ _)m」
      おさむ「いや、そんな、謝らないで下さいよ」
      竹田 「!?」
      おさむ「分かりました。やりましょう!」
      竹田 「ああ、すまん」
      おさむ「仕事は仕事ですから。いちバラエティ作家として美也子と向き
          合いますよ」

    ようやくおさむの仕事っぷりが拝めるのね・・・(ここ最近、ご無沙汰だったもんなぁ)

  • [美幸の実家]

    抜き足・差し足・忍び足・・・状態で家に帰ってきた絵里。試験の結果がイマイチだった??そんな話はさておき、美幸が家に居ないことを確認すると

      絵里 「ねぇ、お姉ちゃん、東京で何かあったのかな?」
      さと子「ん?どうして?」
      絵里 「時々、ぼんやりしてるっていうか、寂しそうな顔してるからさ」

  • [美幸の実家近くの堤防]

    で、実際、美幸は水門(?)に腰掛けて、やっぱりぼんやりしてます。

  • [テアトルワールド]

    美幸から送られてきた”だるま煎餅”を食べてる井之頭さん。美幸のことを思い出したりしてますが、その宅急便の住所(群馬県高崎市安田町)を見て、B2の二人に『第8回安田町ニコニコ祭』なんていうビラを見せる。

      村田「町内会のお祭りの司会ですか?」
      井之頭「うーん、まぁ、そういうのもね、やっとくのも勉強だからね。
          ああ、なんか、なんかあれだな。その辺がなんか、太田君が住
          んでるらしいな」

    と、非常にわざとらしく言う井之頭さん。

      沢木「ん?」
      井之頭「いや、まぁ、まぁ、まぁ、ついでなんだけど、ね、太田君の実
          家があるらしくてね。で、今彼女実家に帰ってるから、まぁ、
          様子を見に行ったりってことも、まぁ、まぁ、まぁ、できるわ
          けなんだよな」
      村田「やります!!!!その仕事是非やらせて下さい!!」

    と、井之頭社長の提案に乗るB2の二人。ちゃんと泊まりの仕事にしてもらえるというサービス付です。

  • [メゾン・ド・桜台]

    美幸のいない部屋で、翔子や弥生も、美幸から送られてきた”だるま煎餅”食べてます。

      弥生 「手紙には元気ですって書いてあるけどさ」
      翔子 「美幸が敢えて元気っていうときって、大抵、元気じゃないとき
          だからねぇ。どうすんだろう、美幸」
      弥生 「心配しないでって書いてあるけどさ」
      翔子 「心配しちゃうよねぇ〜」

    と、美幸から煎餅と一緒に送られてきたダルマをみながら話す弥生。すると、突然、刑事ドラマ風に;

      弥生 「あっ、分かった!デカ長!このダルマ、美幸からのメッセージ
          ですよ!」
      翔子 「どういうことだ言ってみろ!」
      弥生 「私は、転んでもすぐ起き上がる・・・と」
      翔子 「・・・」

    うーん、イマイチ?(笑)

      翔子 「あのさ、そんな上手いこと言う余裕があったら、実家に帰って
          ないと思うよ」
      弥生 「まぁ、そうなんだよねぇ〜」

  • [美幸の実家]

    夜。縁側でダルマのようにコロンと転がった美幸。だけど、まだ起き上がれないで、一人涙を流す日々。

  • [おさむの部屋]

    おさむの部屋で一人、美也子は脚本をかいています。だけど、ちょっとぼんやりしているようですが、そこにおさむが帰ってきます;

      おさむ「ただいま!」
      美也子「あ!お帰り・・・ねぇ、相談があるんだけど」
      おさむ「あ、ちょっと待って!当てるから」
      美也子「?」
      おさむ「今度、ドラマの宣伝で番組に出なきゃいけないんだけど・・・
          でしょう?」
      美也子「そう!何で?!」
      おさむ「それは今度、俺の番組に出ていただくからです」
      美也子「ああ・・そっか。おさむの番組なんだ」
      おさむ「大丈夫だって。視聴者が美也子のドラマを見たくなるように、
          俺たちも協力するからさ。ま、それには笑いと言う包み紙が必
          要なんだけどね」
      美也子「うーん。ちょっとそこが心配」
      おさむ「まかしとけって。俺たちだってプロなんだからさ」
      美也子「おさむが居てくれるなら、大丈夫か」
      おさむ「うん!」

  • [関東中央テレビ・ズバットズバットスタッフルーム]

    そうして、ズバットズバットの関係者が集まって、美也子が出演するコーナーについての企画会議が行われてます;

      松本 「じゃぁ、コントに出てもらいましょうよ!そんで、藤原美也子
          に助教師役をやってもらうってどうですか、ね?『美人助教師、
          美也子!』…どうすっか?!どうすっか?!どうすっか?!」

    という松本の提案に、おさむと竹田以外のスタッフは言って盛り上がってますが;

      おさむ「・・・」
      竹田 「松本、コントは無しかな」
      松本 「ええ!!!だって、女優さんだったんですよね?頼めばやって
          くれるんじゃないっすかね」
      竹田 「ああ・・・何か他に無いかな。おさむ、どう思う?」
      おさむ「うん。基本的にはトークベースでいった方がいいと思うんです
          よ」
      竹田 「おお、そうだな。今回はそっちの方向だな」
      おさむ「本人に直接リサーチさせてもらって、後はそっからネタを拾い
          ですね」
      竹田 「じゃぁ、それ、すぐセッティングさせるわ。よし!じゃぁ、今
          日はこんなところで、お疲れ!」

    と、最後はやや強引に、非常によそよそしい空気を発しながらも解散。

    そこにおさむの携帯には友美ちゃんからのメールが入ります。

      おさむ「・・・」

  • [写真スタジオ]

    友美は今日もモデルの仕事中。撮影の合間合間にメールの着信を確認してますが、おさむからのメールは一通もなく

      友美 「もう・・・なんで返事くれないの?」

    携帯の待ち受けにしている二人で撮った写真なんかを眺めたりなんかして。二人、可愛いのにな・・・

  • [関東中央テレビ・会議室]

      おさむ「今回、ドラマの話はもちろんなんですが、少し質問の幅を広げ
          させて頂いて、美也子さんご本人の素の表情が垣間見られたら
          なぁ、と思ってまして」
      柏木 「できれば、ドラマの話を中心に」
      おさむ「ええ・・・でも、それだけでは番組にならないんです。ご理解
          下さい」
      柏木 「・・・」
      おさむ「海外での生活で、何か困った話とか、こう…、オモシロエピソ
          ードなんかありませんかね」
      美也子「ああ、すぐには。少し考えさせて下さい」
      松本 「例えば、執筆中の姿とか撮らせて頂いても構いませんか?密着
          取材みたいな形で」
      竹田 「????」
      おさむ「・・・ん?!密着はやばいんじゃないか?
      松本 「えっ?ええ、ええ、ええ、でも、興味あると思うんですよ。ど
          こでどんなところで書いてるのかなって」
      おさむ「いやいや、やっぱり、ほら、お邪魔じゃないか、な。ほら、創
          作中の姿は、鶴の恩返しみたいなもんだからさ。見られたくな
          いよな。ですよね?」
      美也子「(笑)」

    大慌てのおさむに対して、その慌てぶりを見て余裕で笑ってる美也子。何でそんなに笑ってられるんだ???

      竹田 「美也子さんの女優としての経歴はどの程度?」
      柏木 「それは全面的にNGでお願いします」
      美也子「・・・」
      おさむ「・・・」

    なのに、バラエティ番組に出る設定って、どーよ?!

  • [美幸の実家]

    夜になって。

    テレビで、日野陽仁さんが出演している刑事ドラマが流れてます。どうやら犯人役をやってるようで;

      女の子『お父さん!!!』
      父親 『来るんじゃない!!!』

    と、そんなドラマが流れている太田家の居間では、美幸だけがぼやーっとしています。そこに、絵里が飛び込んできたと思ったら、ズバズバにテレビのチャンネルを勝手に変えちゃってます。

      絵里 「おお!間に合った!」

    テレビに映ったのは、ズバットズバットの”女の格言”のコーナー?!

      美幸 「何、これ?」
      絵里 「ズバズバの新コーナー。これね、超面白いんだよ!」
      美幸 「へぇ〜」
      絵里 「ズバズバってさ、おさむさんやってるんだよね?名前出てたよ」
      美幸 「ああ・・・うん・・・」

    テレビを見て、大笑いしている絵里。それを見た母親のさと子が;

      さと子「さっきまで試験が最悪だった〜、って落ち込んでたのに」

    と。そんな風に大笑いしている絵里を見て、おさむのことを思い出す美幸。

      おさむ『どんなにいやなことがあってもさ、笑ったらさ、忘れられるじ
          ゃない。俺、笑いってとっても素敵なことだと思うんだよね。
          人を幸せにもできる』

    だけど、部屋にやってきた義男がチャンネルを変えちゃって「そんなくだらないものを見てるんだったら勉強しなさい!」と一言。絵里は「最悪」と言い残して、自分の部屋にこもってしまいました。

  • [おさむの部屋]

    夜、仕事から戻ってきたおさむは、美也子に昼間のことを尋ねる。

      おさむ「あの柏木っていうプロデューサーさ、何で美也子の昔を隠そう
          とするわけ?」
      美也子「実はね、私がそういうの嫌だって言ったから」
      おさむ「ん?そういうのって?」
      美也子「元女優だからとかじゃなくて、ちゃんと脚本家として見て欲し
          いって」
      おさむ「でもさ、だからこそ、美也子に興味がある人がいるっていうの
          も確かだよ」
      美也子「うん」
      おさむ「トークの入口としてさ、なるべく多くの人に見てもらうには、
          言った方がつかみにはなると思うんだよな。ほら、脚本家とし
          ての話は、そっからちゃんとすれば視聴者にはちゃんと伝わる
          と思うし」
      美也子「そうかな…」

    どことなく美也子は不満そう?オモシロの視点からばかり話をするおさむに、どこか抵抗があるのかな?(まぁ、「自分<オモシロ」で話をされると、普通は抵抗あるよなぁ…)

      おさむ「あ、そうそう。俺がさ、美也子に海外でのオモシロエピソード
          無い?って言ったときに、考えておきます、って言ったでしょ?」
      美也子「だって突然だったからわかんなくて」
      おさむ「うん。ま、あれは会議の場だったからよかったけど、本番では
          兎に角、何か話さなきゃダメだよ」
      美也子「?」
      おさむ「トークの笑いはテンポだからね」
      美也子「私にできるかな」
      おさむ「できるよ!美也子が普段、やってることなんだからさ」
      美也子「・・・」
      おさむ「ああ、じゃぁね、そうだなぁ。うーん、海外での、困った話、
          ロンドン編」
      美也子「えっ?」
      おさむ「どうぞ」
      美也子「えっ?」
      おさむ「どうぞ、どうぞ」
      美也子「あ、あの・・・うーん、難しいよ」
      おさむ「ほら、テンポ、テンポ、テンポ」

    なんて楽しそうに話をしているようすは、普通にラブラブカップルでいいんだけど・・・

  • [美幸の実家]

    居間で寝ちゃってる義男に、毛布をかけてやってるさと子。

      美幸 「ねぇお母さんは、何でお父さんと結婚したの?」
      さと子「えっ?うーん、わかんないけど、笑顔かな」
      美幸 「笑顔?」
      さと子「職場でね、お父さん、とっても楽しそうに笑うの。ごつい顔を
          くしゃくしゃにして。周りのみんなも楽しくなっちゃうような
          飾らない笑顔で。見ている私まで幸せにさせる笑顔でさ」
      美幸 「へぇ〜」
      さと子「だから、意外と外見ですきになったのかも」
      美幸 「それ、意外だね!(笑)」

  • [関東中央テレビ・社員食堂]

    上島と松本が打ち合わせをしている場に遭遇しちゃった竹田さん。新番組の企画を立てているという話を思い出すと、二人が何を話していたか考えただけでも気が気じゃない様子。そんな竹田に、上島の方から声を掛けてきた。

      上島 「美也子をゲストに使うんだって?」
      竹田 「はい」
      上島 「お前が行政物件やるなんて珍しいな」
      竹田 「・・・」
      上島 「美也子の新しいスタートなんだ。面白く作ってやれよ」
      竹田 「はい」

  • [関東中央テレビ・ズバットズバットスタッフルーム]

    ぼんやりと、スタッフルームに置いてある”黒ヒゲ人形”を釣り上げたりなんかしている竹田さん。その隣で、美也子を使った企画についての雑談をしているおさむと松本。

      松本 「昨日のリサーチの感じじゃ、結構、やれること少ないですね。
          どうします?」
      おさむ「あれはあの…、柏木っていうプロデューサーが気を回しすぎた
          と思ったけどな。まぁ、こっちでギリギリの線で作って持って
          いって、あとは本人から直接OKもらった方がいいんじゃない
          でしょうかね?」
      松本 「そうですよね。向こうの言うことばっかりやってたんじゃ、ズ
          バズバでやる意味、なくなっちゃいますよ」

    と、作家の二人はそんなことを言いますが;

      竹田 「松本の言うことも分かるけどさ、今回は成立させないとまずい
          んだよ。なんせ、編成の目があるからさ」

    というのがこの番組のプロデューサーの意見。

      おさむ「とりあえず材料揃えて、こっちの提案だけはしてみましょう」
      竹田 「それで大丈夫かな」
      おさむ「大丈夫ですよ」
      竹田 「・・・」

    おさむ君、自信満々で言いすぎだよ・・・(汗)

  • [美幸の実家]

    やっぱりボーっとしている美幸だったが、さと子の

      さと子「美幸、東京からお友達がいらしたわよ!」

    と言う言葉に、「友達?」と反応。一体、誰の子とかと不信に思って玄関を覗いてみると、B2の二人が!!!

  • [関東中央テレビ・ズバットズバットスタッフルーム]

    今日もスタッフの誰かがラーメン注文してますが、出前にやってきたのは、浩太君。浩太は部屋にいるおさむを見つけると;

      浩太 「話があるんですけど」
      おさむ「?」

    と、呼び出す。オフィスの人目につきにくい陰で立ち話をする二人;

      浩太 「美幸さんが、実家に帰りました」
      おさむ「俺のせいだって・・・思ってる?」
      浩太 「はい。俺悔しいんです。美幸さんを引き止めることも、慰める
          こともできなくて」
      おさむ「君は美幸ちゃんのことを」
      浩太 「好きですよ」
      おさむ「!」
      浩太 「あの人の笑顔に元気もらってましたから。その笑顔を作ってた
          のも、奪ったのも、たぶん、あんたです」
      おさむ「・・・」
      浩太 「美幸さん、きっと帰ってくると思います。だからそのときは」
      おさむ「?!」
      浩太 「・・・。すみません」

    それ以上は言わずに浩太はおさむの前から立去る。

      おさむ「・・・」

    えーと、えーと、おさむにどうしろと???(汗)

  • [美幸の実家の近所]

    土手に座って、美幸はB2の二人に、自分のお笑い嫌いについて話す。

      美幸 「私さ、こんな顔だから小さい頃からよくいじめられて。からか
          われて笑われて。そのうち、人が笑っているのを見たら、自分
          が笑われてるんじゃないかと思ったりして」
      沢木「おいしいですねぇ〜」
      美幸 「えっ?
      村田 「私たちの世界って、自分の欠点とか不幸な過去とか、全部おい
          しいネタにしちゃうんですよ」
      美幸 「私には絶対無理」

    だからこそ、おいしい美幸の顔が欲しいというB2の二人。そんな二人に対して、美幸は怒って、土手の上から突き飛ばしてしまう。土手を転がり落ちるB2の二人を見て、笑い転げる美幸。って、笑ってるやん!(笑) ここから何かが変わっていくのね。

  • [どすこいラーメンの近くの橋]

    夜。店の近くまでやってきたおさむ。

      おさむ「・・・」

    でも、それ以上はどうしようもないわけで…

  • [美幸の実家]

    大笑いしながら食事をしている美幸&絵里&B2の二人と、それをもてなすさと子。

    そんな大盛り上がりの状況で、堅物男の義男が帰ってきます。義男がバラエティ嫌いなんてことも知らずに、ネタをやってみせたりするB2。言葉を失いながら、食事もとらずに部屋に行こうとする義男。だけど、動揺しているのか、鴨居に頭をぶつけたりして(思わず”謎の下宿人”の舞台を思い出しちゃったわ)、B2の二人はそのオモシロぶりに大笑い。義男はさらに不機嫌になって、部屋に戻ってしまいました。

    そっか、美幸は顔だけじゃなく、オモシロも父親譲りだったんだ・・・


    夜も深まり、美幸の部屋で寝る3人。そこで、なぜか家族の貧乏ネタをしはじめるB2。

      美幸 「本当に何でもネタにしちゃうんだね」
      沢木 「だから楽なんですよ」
      美幸 「えっ?」
      沢木 「何かやなことがあっても、ネタにして笑ってもらったらそれで
          楽になっちゃうんです。先輩も話してくださいよ。私たち、思
          いっきり笑いますから!」
      美幸 「私は絶対無理。私はそんな風になれないな」

    頑なに拒否する美幸に対して、今度は村田が貧乏ネタをし始めた。それを聞いて、大笑いする美幸。少しずつ元気を取り戻しているようで、そんな美幸の笑い声を、こっそり聞いているさと子と絵里・・・そして義男。

  • [移動車]

    仕事を終え、車に乗り込む友美。今日もおさむからのメールを待っているが;

      友美 「今日も無しか・・・」

    返事が来ないので、自分からメールを送ってみる。

  • [おさむの部屋]

    夜。おさむは部屋で友美からのメールを受け取る。

      『あれ?
       もしかして
       私フラれちゃってる?
       友美』

    おさむはそのメールを見ながら、美也子の方をちらっと見る。美也子は相変わらず部屋で脚本を書いていて、そして、友美にメールの返事を返した。

  • [移動車]

    そして、移動車の中で、おさむからのメールの返事を待っていると;

      友美 「来た!」

    と思って喜んでメールを開いたら;

      『会って話がしたい』

    とだけ書かれたつれないおさむからの返事。

      友美 「・・・フラレちゃったか・・・」

    涙する友美ちゃん。心配するマネージャーに;

      友美 「ごめん。ラジオつけて」

    とだけお願いする。


    ラジオをつけると、ジューシー中島の番組が・・・。

  • [美幸の部屋]

    美幸とB2は同じ部屋に布団を並べて横になり、同じラジオを聴いていた。

        『ここで、ホットな情報をゲットしました。この歌声以外は全て謎
         のベールに包まれた歌姫MIYU。そんな彼女が、いよいよメディア
         にその姿を現すそうです。MIYUのビジュアル、MUSTチェキです!』

      美幸 「へー。どんな顔してるんだろう」
      村田 「どうせ美人じゃないっすか?歌姫って顔の」
      沢木 「だよね!」

    こういう前振りがあるってことは、本人が登場するってことなのね・・・(ぶつぶつ)

  • [移動車]

    ラジオは続き、ジューシーが「恋に躓いてしまったあなたへ」とリスナーへのメッセージを送る。

        『当たり前のようにそばにいた彼との別れ。無くして初めて、彼の
         存在の大きさに気づいたりするよね。それはまるで、夕暮れに沈
         む太陽を見て、初めて太陽の存在に気づくのに似ている。自分が
         彼の太陽に照らされて輝いていたこと、彼の温かさに、包まれて
         いたこと。沈んでしまった太陽の後には、真っ暗な夜が訪れる。
         無くしてしまった彼の姿は、もうどこにもない。でも、空を見上
         げてごらん。今度は、月が君を見ているよ。失くしたことで、今
         まで気づかなかった景色が、見えることだってあるんだ。無くす
         ことは、全てを失うことじゃない。ジュテームボクー。聞こえた
         かい?』

    少しだけ微笑みを浮かべる友美ちゃん。

  • [関東中央テレビ・会議室]

    翌日。おさむたちは、柏木、そして美也子と、ズバットズバットの企画について、おさむたちが練った企画の提案をしている。

      おさむ「こちらの提案としましては、脚本家としての美也子さんのご紹
          介が終わったあとに、やはり女優時代の経歴を少し紹介させて
          頂きたいんですが」
      松本 「こちらで編集した秘蔵VTRを見て頂いて、それにリアクショ
          ンが欲しいんです。できれば、『聞いてねーよっ!』っていう
          テイで」
      柏木 「そういうのは困るって言ったじゃないですか」
      松本 「あれでしたら、一度、VTRを見て確認して頂いてもかまいま
          せん」
      美也子「・・・」
      柏木 「その必要は無いです」

    柏木は机を叩いてあからさまに怒り出す;

      柏木 「竹田さん、話が違うじゃないですか!美也子さんは過去と切り
          離したところで評価されたいとおっしゃっているんです!そん
          な昔のビデオを掘り返して笑いものにするなんて!」
      美也子「・・・」
      おさむ「・・・」
      柏木 「こちら側で作成した美也子さんへの質問事項です。そちら側の
          余計な演出は、一切ナシと言うことでお願いします」
      松本 「それじゃぁ、うちでやる意味が!」
      竹田 「松本!・・・分かりました。ご要望に添えなくて申し訳ありま
          せんでした」

    そうして、柏木が提示した質問事項の書かれた用紙を受け取る竹田。

      柏木 「もっとまともなことを考えて頂けると思ってましたから、残念
          です」
      竹田 「すみません」

    そして、そんなやりとりを聞いていて、ついにおさむは;

      おさむ「竹田さん、もういいですよ。やめましょう!ここまで言われて
          やる必要ないですよ」

    と、切れちゃってるし・・・(汗) 椿君は、どんな理不尽な要求でも受け入れたのに、そこが現代っ子のおさむ君と違うところなのかしら?(まぁ、あれとこれとは状況が違うけどねぇ〜)

      美也子「・・・」
      竹田 「おさむ・・・」
      おさむ「我々はあなたの言う、余計な演出にプライドを持ってやってい
          るんです!そうやって今まで、番組を作ってきたんです。これ
          からもその姿勢を崩すつもりはありません。我々の番組に、誰
          かの言いなりになって作っている時間なんて1秒もないんです!」

    そうしておさむは、今度は美也子に向かって;

      おさむ「美也子さん、残念ですが、うちの番組であなたをご紹介するこ
          とは出来ません」
      美也子「・・・」

    おさむ・・・勝手に決めちゃってるし(笑)。

      おさむ「松本、行くぞ!」

    おさむはそう言い、会議室を後にする。後に続く松本。残った竹田も;

      柏木 「竹田さん、いいんですか、これで?」
      竹田 「この通りやってもらえるところを探して下さい」

    そうして、竹田もおさむの後を追って、会議室を出て行った。

  • [美幸の実家]

    そうして、祭が始る時間帯。美幸の家族は全員そろって祭に出かけることに。

  • [『第8回安田町ニコニコ祭』]

    イベントが開かれているステージのある広場。美幸たち家族は、会場の後ろの方に席を見つけ、そこに座った。

    暗くなってきて、B2の司会で進むステージ上のイベントは、じゃんけん大会の後は、カラオケ大会。地元のおっちゃん&おばちゃんが自慢ののどを披露してます。楽しそうに見ている義男を、横で眺める美幸。そんなとき;

      村田 「あ、またすごい人を見つけちゃいましたよ!」
      沢木 「太田さんちの大黒柱!」
      B2 「太田義男さんです!どうぞ!!」

    突然名前を呼ばれて、義男は戸惑いながらもステージの上へ。緊張してか階段でこける義男に「おいしいなー!」とB2の二人。緊張しているかに見えた義男だったが、やがて『いとしのエリー』を歌い出した。しかも、とびきりの笑顔で!!!

       『おかあさんは、何でお父さんと結婚したの?』
       『うーん、わかんないけど、笑顔かな?』

    昨晩のさと子との会話を思い出す美幸。そして、いつかおさむと話したことを思い出す。

      おさむ『会場のみんなが笑っている。その笑い声の中に、俺がいる…。
          そういったショーにしたいんだよね』
      美幸 『本当に、笑いが大好きなんですね』
      おさむ『うん。何よりも、大好き』
      美幸 『私には、それがまだわかりません。この先ずっと、わからない
          かも』

    たぶん、少しだけおさむの気持ちが分かった気がした美幸でした。



    歌を歌い終え、父がステージから戻ってきた。すると次はやっぱり;

      B2 「やっぱり最後はこの方、それではご紹介しましょう!あのお父
          さんから生まれたこの方、我らが先輩、太田美幸さんです!!
          
    どうぞ!」

    B2の二人に呼ばれ、美幸波会場全員の注目を浴びる。そして、立ち上がって;

      美幸 「聞いてないよー!!!」

    そして、美幸はステージに。義男が階段でつまずいたところで同じようにつまずくお約束も忘れずに。そうして、美幸はステージに立ち、自分の不幸話を話しはじめる。

      美幸 「えー。ご紹介に預かりました、義男の、娘です!」
      会場 「(笑)」
      美幸 「まだ、何も喋ってないから。まー、私も年頃ということで、恋をしまして。あ、もちろん、人間の男ですよ」
      会場 「(笑)」
      美幸 「それでですね、これが見事に失恋しまして、いろいろあったんで、笑ってやってください、私の失恋話を!」

    美幸は失恋話をオモシロ話に変えて話し続け、その話を聞いた会場は笑いに包まれた・・・。美也子はオモシロエピソードを何も言えなかったけど、美幸はそこを乗り越えちゃった女の子なのね・・・


    その美幸の姿を、黙って見ている義男。



    やがて、美幸のトークが終わり、ステージ上のプログラムもこれで終わり。

      B2 「ありがとうございます。本日のスペシャルゲスト、太田美幸さ
          んでした!本日の司会は、地下二階からてっぺん目指す!笑い
          の女革命戦士、B2!!」

    と、B2の二人が決めポーズをしたところに、美幸が割って入って;

      美幸 「三人合わせて、B2でした!」

    会場からは盛大な拍手が三人に送られた。

  • [美幸の実家]

    家に戻った美幸は父と向き合い話し出す。その二人の様子を見つめるさと子と絵里;

      美幸 「私、東京に戻ることにした」
      義男 「そうか」
      美幸 「前は反対されたまま東京に出ていったから、今回は、ちゃんと
          賛成してもらってから行こうと思ってる。私ね、あの子たちと
          一緒に、お笑い芸人になる!それで、もう1度頑張ってみたい」
      義男 「・・・」
      美幸 「帰ってきたときは、ずっとここにいようと思ってた。それぐら
          い落ち込んでたの。でも、笑ったらその時は全部忘れられた。
          笑いっていいなぁ、って思えたの。もし自分が何かをして人に
          笑ってもらえたら、どんなに素敵だろうって初めて思えた…。
          それにね、私の顔っておいしいんだって。この顔でいじめられ
          て、女優にもなれなくて、でも、この顔だから出来ることがあ
          るって、やっとわかったの。うつむいたり飾ったりしないで、
          この顔に自信を持つことが、ブスに生んでくれた二人への恩返
          しだと思って…」

    黙って話を聞いてる義男。(つーか、「ブスに生んでくれた」というのは両親にとってはキツイ言葉なんじゃないんでしょうか?(汗)
    そこにさと子も加わって。

      美幸 「お父さん、お母さん。ブスに生んでくれて、ありがとう」
      義男 「お前はどうしていつも、苦しい道ばかりを選ぶんだ?父さんが
          お笑い番組が嫌いなのは、嘘の笑顔ばっかりだからだ。その中
          で、お前は本当の笑顔でいられるのんか?」
      美幸 「わからないけど、頑張る!」」
      義男 「父さんお前に、いつも笑顔でいて欲しい。お前の本当の笑顔は
          周りを幸せにするから。頑張りなさい!」

    父が微笑みながら美幸にそう言った。

      美幸 「ありがとうございます!!」

    美幸も涙を浮かべて微笑んだ。

      絵里 「お姉ちゃん、DO YOUR BEST!」
      美幸 「おっし!(笑)」

  • [おさむの部屋]

    いつもと同じ雰囲気で美也子が待つ部屋に帰ってきたおさむだが;

      おさむ「ただいま」
      美也子「おかえり」
      おさむ「今日はごめんね、結局、あんなことになっちゃって」
      美也子「いいよ、おさむがいってたこと、間違ってないと思うし」
      おさむ「せっかく美也子の再スタートを応援できるチャンスだったのに。
          でも俺たちにも譲れない線というのがあって」
      美也子「「わかってる。ありがとう。力になってくれて」

    そうして、いつものように、一見、いつものようにそれぞれの仕事の姿勢に入るおさむと美也子。だけど・・・

  • [美幸の部屋]

    再び東京へ行く荷物をまとめる美幸。もう、何の迷いもなく。

  • [関東中央テレビ・バラエティセンター]

    翌日。斎藤と竹田は、美也子の件で話を;

      斎藤 「藤原美也子の件はこっちで引き継いだから。まぁ、こっちで上手くやっとくは」
      竹田 「すみませんでした」
      斎藤 「竹田ちゃん、これ、貸しな」
      竹田 「はい」
      斎藤 「だけど、まずいよ、ズバズバ。これで余計編成に目つけられた」

    竹田さん、ピーンチ!!!おさむ、責任取れよ!!!

  • [どすこいラーメン]

    お昼時で大忙しのどすこいラーメン。ズバズバから出前の注文が入ったけどすぐには対応できず。そこに、美幸がどすこいラーメンに戻ってきた。

  • [関東中央テレビ・ズバットズバットスタッフルーム]

    ズバズバ会議室。一同、深刻な表情で…

      竹田 「これで事態が悪化したのは確かだな」
      おさむ「すみません。俺が熱くなっちゃったばかりに・・・」
      竹田 「いや、ありがとな」
      おさむ「えっ?」
      竹田 「俺も大切なことを思い出したっつーかさ。みんな、こっから一
          気にずばっとまくってくぞ!」
      一同 「はい!」
      おさむ「がんばりましょう」
      松本 「さーて、このピンチを乗り切るには」
      おさむ「誰かが救世主にならないとな。俺か、お前(松本)か・・・」

    と言うときに、非常にお約束な展開ですが;

      美幸 「毎度ー!どすこいラーメンです!」

    と、これ以上ないっていうぐらいのタイミングで美幸復活!!

      一同 「!!!!!!!!!」
      おさむ「(@o@)」

    えーと、えーと、やっぱり救世主???

to be continued …

[次回予告]

  おさむ「もう、絶対に美也子のことを悲しませない」


<第8話感想>

個人的には好きだったんだけどな、第8話。

結構、世間の評判に流されやすいので(早い話が視聴率…(;o;))、上手く書けないけど、笑える部分もありつつテンポよく見れた気がして、演出面で悪くないかなぁ、と。やっぱり、笑えたり元気になったりする部分があって、そしてちょっと泣けるなんていうベタな展開が、一番、この番組らしいかなぁ、と思うので。

ここ2〜3話は、おさむは美也子のことばかりが頭にあるし、美幸は落ち込んでばかりだし、そんな展開が延々と続いていたのできつかったですけど、今回はようやくそれからようやく脱出できて、光が見えてきたかなぁと思えたし。美幸も復活して、あとはおさむだなぁ、と。

そう、あとはおさむなんだよね・・・(まぁ、それが一番、問題視されてるのかもしれないけど)。せめて、出番、増やしてくださいって。主役だよ、主役!!!

(06.06.04)


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