ブスの瞳に恋してる

〜 第7話 「愛と夢を失う日」 〜


  • [前回のおさらい]

      おさむ「おかえり・・・」
      美也子「ただいま」

  • [橋の上]

    おさむと美也子が抱き合っている姿を見て、美幸は抱きかかえていたプレゼントを地面に落としてしまう。そのまま引き返そうとして、落としたプレゼントをもう一度手にして、立去った。

    二人が幸せそうにしているのがなんだか腹立つんですが・・・

  • [どすこいラーメン]

    どすこいラーメンの店まで戻ってきた美幸は、店のロッカーにプレゼントをしまいこんだ。だけど、その姿を浩太に見られて;

      浩太 「美幸さん?」
      美幸 「忘れ物しちゃってさ、今、取りにきたところ」
      浩太 「そのロッカー、僕のですよ」

  • [メゾン・ド・桜台]

    家に帰ってきた美幸だが、翔子や弥生には何と言っていいのか分からず。結局、いつもの元気なキャラを演技をしながら家に入る。
    案の定、プレゼント作戦の話を期待して出迎えた翔子や弥生は、早速、結果を聞いてくる;

      翔子 「喜んでもらえた?」
      弥生 「どうだったのよ、サマーニット効果は?」
      美幸 「まぁ、落ち着いて落ち着いて。お二人のおかげでサマーニット
          作戦、大成功でございます!!」

    と、結局、こんな言い方をしちゃう美幸。

      弥生 「あんだけ手伝ったんだから、成功してもらわないと」
      翔子 「着てもらったの?」
      美幸 「もうね、すっごい似合ってたよ!サマーニットが皮膚みたいに
          似合っていたもん」
      翔子 「ええ、どんなの、それ!!」
      弥生 「そうか、サマーニットを着こなしたか」
      美幸 「うん、二人にもお礼言っといてって、おさむさんが」
      翔子 「えっ?何、私たちが手伝ったってこと言ったの?一人でやった
          ってことにしなきゃ、そういうことは」
      美幸 「嘘つきたくなかったしね」
      弥生 「じゃぁ、私たちにもおさむさんがニット着る姿見る権利あるよね」
      翔子 「ねぇ?」
      弥生 「是非、見てみたい、あのサマーニットを着こなす姿を」

    私も見てみたいです(笑)

      美幸 「そうだね、言っとくよ・・・」

    そう言って、どこか元気ない感じで自分の部屋に戻っていく美幸。先ほどのおさむと美也子の二人の光景が脳裏に浮ぶ。

      美幸 「・・・」

    ベッドに飛び込み、目に入ったニットの本を放り投げる美幸。

    その音を部屋の外で聞いてた翔子と弥生は、美幸に何かあったと察する。

  • [関東中央テレビ・会議室]

    バラエティ制作部のプロデューサ陣が集まっての会議。ホワイトボードには『2006年度5月第2週の視聴率』が書かれている。

    むちゃデス!   25.8%
    ヨクイルタイプ  19.2%
    ズバットズバット 14.3%
    モンキッキーズ  18.1%

    何気にいろんな番組のパロが入ってる???

      斎藤 「我が斎藤班のむちゃデスは以前、好調をキープ!ズバズバはど
          うだ、竹田ちゃん?」
      竹田 「調子の上がらなかったグダグダ学園を一時休みにして、新コー
          ナーを立ち上げました。女の格言っていう、おばちゃん層をも
          のです」
      斎藤 「F3層を味方につけると強いからな。で、どうなの、反応は?」
      竹田 「まだ反応は見てる段階です」
      斎藤 「誰か見たやついる?上島、見た、そのコーナー?」
      上島 「(眠りこけながら)ああ。中のコントは面白かったと思います
          よ」
      斎藤 「そりゃそうだよ。おさむと松本が書いてるんでしょ?あの二人
          は俺がイチから育てたんだからな」
      上島 「ただ、コーナー自体の発想はその辺のラーメン屋の壁に貼って
          ありそうな、新鮮味の無いおばちゃん層に拾った発想にしか見
          えなかったけどなぁ…」

    と、厳しい発言を・・・(ToT)。上島さんってば、絶対に友達いないよね?(笑)

    まぁ、確かにテレビ局的には数字さえよければそれでいいわけですが、だけど、竹田は会議が終わったところで斉藤に呼び止められて;

      斎藤 「ズバズバ、ここ踏ん張んないと、ちょっと厳しいからな」
      竹田 「・・・分かってます」
      斎藤 「上島が出してる新番組の企画、編成で評判がいいらしいんだなぁ」
      竹田 「そうですか」
      斎藤 「まぁ、むちゃデスが数字いいからさ、ズバズバが落ちると”目
          立つ”っていうのもあるんだけどさ。あははははは」
      竹田 「・・・」

    竹田さん、大ピンチ?!!!

  • [関東中央テレビ・ズバットズバットスタッフルーム]

    そうして、ズバズバのスタッフルームに戻ってきた竹田は先ほどの会議が後を引いて、かなり不機嫌な空気を漂わせています。
    スタッフの吉田にも「ホームページをプリントアウトしただけのものは資料といわないって言ってんだろう」みたいな感じで八つ当たり。その様子を黙って見ているおさむ。

      おさむ「・・・」

    そこに松本が上機嫌でやってきて;

      松本 「おさむさん」
      おさむ「?」
      松本 「俺、上島さんから番組誘われましたよ」
      竹田 「・・・」
      おさむ「へぇ。新番組か?」
      松本 「はい。詳しくは分からないんですけど、もう、楽しみっすよ」
      おさむ「あの人と番組やると、勉強になるからな。成立するといいな」
      竹田 「・・・」

    そこにおさむのパソコンにメールが。美也子とメール交換してる???で、こういうのを見ると、何だか腹立つんだよなぁ〜。まして竹田さんが大ピンチのときなのに。

  • [関東中央テレビ]

    その頃、テレビ局の一室にいる美也子のところに、ドラマのプロデューサー・柏木がやってきて、ドラマの打ち合わせ。そろそろキャスティングに入るようです。

  • [テアトルワールド]

    テアトルワールドの社長・井の頭に呼ばれた美幸。美幸の目の前に、美幸のスケジュール表を見せる井之頭。だけど中身は真っ白なわけで…

      井之頭「これが君の年末までのスケジュール。見ての通り真っ白だ」
      美幸 「はい」
      井之頭「これから仕事が入る予定も今のところ全く無い。これは僕の方
          針っていうか、まぁ、事務所の決まりごとなんだけどさ、25歳
          を過ぎても芽が出ない女優には、引退を勧めることにしている」
      美幸 「!!!」
      井之頭「別の人生をスタートしてもまだ間に合ううちにね。君が努力し
          ていることはよーくわかっている。その努力を、今度は芸能界
          以外の別のところに向けた方がいいんじゃないかな」
      美幸 「・・・」
      井之頭「あきらめる勇気も、必要だよ」

    ついこの間、『誓いのリング』のドラマのときには、頑張りを認めてもらったばかりだと思っていたのに、(美幸のことを思ってのことだとしても)掌を返したような対応だよね?この辺の展開にも無理を感じちゃうんだな…。

    この社長の言葉に対して;

      美幸 「あはははは。最悪なことってほんと重なるんですね。ドラマで
          よく見たことあるけど、こんなに辛いと人間ってリアルに笑う
          しかないんだな。はははははは」

    と美幸。素直に;

      美幸 「お世話になりました」

    と、社長に頭を下げて、部屋を出ていきました。部屋から出てきた美幸は、B2の二人と出くわして;

      美幸 「二人は今いくつ?」
      B2-2「24です」
      美幸 「あと1年・・・あと1年もあるんだから、頑張ってね。私さ、
          これになっちゃって。私みたいになんないでね」

    美幸はクビになったと告げ、帰っていった。

  • [関東中央テレビ・第3会議室]

    テレビ局の第3会議室。おさむは美也子に呼び出されて、仕事の合間にやってきた。って、堂々とテレビ局でデートですかい?(笑)

      美也子「ごめんね。時間大丈夫?」
      おさむ「丁度次の会議まで時間あるから」
      美也子「そっか。よかった」
      おさむ「メールびっくりしたよ。美也子らしいけど」
      美也子「ラブレターかと思った」
      おさむ「全部、脚本の相談だもんなぁ」
      美也子「おさむの真似したんだよ」
      おさむ「えっ?」
      美也子「昔さ、随分分厚い置手紙だなぁと思って読んでみたら、全部コ
          ントの台本で、最後に一言、『感想求む』って」
      おさむ「ああ・・・やってたね」
      美也子「(笑)。ずっと一人で考えてたから、煮詰まっちゃって」
      おさむ「いいよ。考えるのは好きだから」
      美也子「♪」
      おさむ「このさ、登場人物のキャラクター設定なんだけど、確かに何人
          かもう少し何かを乗っけてあげた方がいいと思うんだよね」
      美也子「うーん、そうなんだよね。なんだろう。あんまり飛ばしすぎた
          かなぁと思ってて」
      おさむ「これはコントの発想なんだけどね」
      美也子「うん」
      おさむ「例えばこの二人組み、年齢設定を変えて、オッサンにしちゃう
          とかね」
      美也子「ふふふふふ(笑)」


    そうして日が傾いてきて夕方になってもまだ話し続けている二人。次に控えている会議をすっぽかしたわけじゃないだろうけど、それが終わってからもやってるってことなんでしょうか?

      おさむ「で、何種類ものサプリメントを飲んでるんだけど、いつも何の
          んじゃったか忘れちゃったり」
      美也子「ふふふ。ヨガ教室に通ったりとか」
      おさむ「そうそう。それで口癖は『健康のために楽しんでる(?)』」
      美也子「いつ言うの、そんなこと」
      おさむ「そっか。あ、こういうのはどうかな。あ、ちょっとやりすぎか
          なぁ」

    と、そんな二人のやり取りが延々と続いた・・・

    何はともあれ、二人はとっても楽しそうなんですが、いい加減にしろよ!!!【怒】

  • [観覧車?]

    その頃、美幸は観覧車から落ち込みながらも東京の街を眺めてみたり・・・

  • [テアトルワールド]

    B2の二人も;

      B2-1「何でクビなんかにしたんですか?!」
      B2-2「年齢制限があるなんて聞いてません」
      井之頭「うちには年齢制限なんて無いよ」
      B2-1「でも、先輩が」
      井之頭「そんな嘘でも付かないとさ、お宅ら、いつまでも夢にしがみつ
          いたままだよ。ここには毎年地方から夢を持って東京に出てく
          る子達が何人も来る。その中で本当に夢を叶えられる子なんて
          一握りもいない。でもさ、その夢をかなえることだけが幸せじ
          ゃないよ」

    二人に最強の助っ人のことは忘れるように言う社長。

  • [どすこいラーメン]

    落ち込みを隠しながら、夜のバイトをする美幸。いつもの常連客の日野さんから、お見合いを勧められたりなんかもしています。だけど、相手はバツ2&子供4人という相手らしい…(おいおい)

      花子 「美幸ちゃんはね、こう見えて、恋多き女なんだからね!」
      美幸 「こう見えてってどういうことですか?!(笑)」

    そんな話をしているところに、美也子が柏木と一緒に店にやってきた。美也子の姿を見た途端、(昨日の?)おさむとのツーショットを思い出し、思わずラーメンのどんぶりを落として割っちゃう美幸。

    一方で、役者さんでもある日野さんは、美也子を一目見て「あの人、女優さん」と気づく。昔、共演したことがあるらしいです。ちゃんと名前を覚えている美也子は偉い人です(笑)。そんなやり取りを見ていて;

      花子 「へぇ〜、女優さんにも色々いるんだねぇ。この子もね、女優な
          んですよ」

    と、美幸を美也子に紹介する花子さん。

      美幸 「こう見えて、女優です」
      美也子「こんにちは」
      花子 「大変だね、美幸ちゃんも。こんな綺麗な人がライバルじゃさぁ」
      美幸 「えっ?」
      花子 「あ、でもいいか。キャラ全然かぶってないもんね!(笑)」
      美也子「私・・・もう、女優はやってないんです」
      日野 「え、そうなんですか?それはちょっと勿体無い」
      美也子「いえ、向いてなかったんですよ、女優には」
      美幸 「・・・」

    美幸は割ったどんぶりを片付けようとして指を怪我してしまい、そのまま店の奥に引っ込む。更衣室の鏡を見ながら「諦める勇気も必要だよ」井之頭のその言葉を思い出し、同時に、ロッカーに入れていたおさむのためのプレゼントを手に取りじっと見つめる美幸。

  • [友美の仕事場]

    友美の仕事場。メイク室。

    次の仕事の準備中に、携帯でVサインをした自分の写真を取りメールで送信。

      『
       すごく
       すごく
       すごく会いたい』
       
    なんていう文書つきで。もちろん、メールを送った相手はおさむな訳で…

  • [おさむの部屋]

    その頃、部屋で仕事をしていたおさむは携帯の着信で友美の写真を確認する。熊のぬいぐるみに目が行くおさむ。だけど友美からのメールには返事は出さないのね。

    一方、美也子からパソコンに届いたメールには・・・ちゃんと応対してるのか…

  • [どすいこいラーメン]

    松本&吉田(?)&佐藤がそろって店にやってきて、夜食を食べてます。

      松本 「そういえばさ、美幸ちゃん、おさむさんにプレゼントしたの?
          何か編んでたヤツ」
      浩太 「・・・」
      美幸 「それがさ、編んでる途中で気付いたの。やっぱりサマーニット
          は無しだなぁ、って。危なかったよ。完成してから気付かなく
          てよかったぁ〜」
      松本 「見たかったな、おさむさんのニット姿」
      佐藤 「意外と似合うかも」
      美幸 「最初にそう思ったんだけど、どうよ、サマーニット着こなす男
          って」
      佐藤 「ああ、やっぱ無しかも」
      美幸 「でしょ?ふふふふ、あはははは」

    と、無理してる美幸。(誕生日プレゼントにサマーニットが無しということには気付いただけでもよかったんじゃないかと・・・(って、そういう問題じゃないか・・・(汗)))

  • [関東中央テレビ・廊下]

    翌日。打ち合わせでも終わったところなのか、おさむと竹田が一緒に並んで廊下を歩いています。

      おさむ「最近、らしくないですよ」
      竹田 「ああ、上から色々言われてさ」
      おさむ「『バラエティ作ってる人間は、辛いときこそ笑顔でいろ』って、
          自分で言ってたじゃないですか」
      竹田 「・・・そうだよな」

    と、そんな風に竹田を励ますおさむだが、目の間に美也子がやってきたのを見ると;

      おさむ「じゃぁ、お疲れ様です」

    と竹田と別れて、美也子と一緒に消えて行った。ああ、やっぱりかなり腹立つってば!!!

      竹田 「・・・」

  • [関東中央テレビ・第3会議室]

    今日も二人で脚本の相談?

      美也子「昨日、おさむと話したおかげで、すごい色々浮んできちゃった」
      おさむ「俺もあれから色々考えちゃったよ。仕事あるのに」
      美也子「ごめん。迷惑かな」
      おさむ「ああ、いいよいいよ。俺が勝手に考えちゃっただけなんだから
          さ」
      美也子「ありがとう。あ、ここの近くにあるラーメン屋さん昨日行った
          んだけど、あそこで働いてる女の子、知ってる?女優やってる
          って子」
      おさむ「・・・ああ、知ってるけど」
      美也子「いいキャラクターだよね」
      おさむ「・・・」
      美也子「あの子見てたら、すごい想像力かきたてられて、それで思った
          んだけど、ヒロインの妹って、今は学生ってことになってるじ
          ゃない。でも、何か夢があって、そのためにバイトしてるって
          いう設定にしたほうがいいのかな、って思って」
      おさむ「・・・」

    少しは美幸のことを思い出した?今回の放送分では、おさむが美幸のことを思い出したのを見ると、正直、ホッとする。ついでに友美ちゃんのことも考えてやってくれ!!!

  • [どすこいラーメン]

    夜。今日もバイトを終えて店を出て行く美幸だが、後姿がどうも寂しそう。浩太は美幸のことについて花子に相談する。

      浩太 「最近、無理してるっていうか、何か嫌なことでもあったのかな
          って」
      花子 「だから?」
      浩太 「だから、店長、話だけでも聞いてあげれば、と思って」
      花子 「ほっときゃいいよ」
      浩太 「でも」
      花子 「自分で言いたきゃ自分で言うだろ。それまで放っておきな。そ
          れに、時には落ちるところまで落ちることも必要だからね。ず
          どーんと。一番下まで落ちてみて、初めて見える答えもあるも
          んだよ」

    悟ってますね花子さん。

  • [メゾン・ド・桜台]

    家に帰ってきた美幸。翔子と弥生がテレビゲームをしてきたところに帰ってきたけど、なかなか相談ごとを持ち出せない。

      翔子 「ねぇ、大丈夫かな?」
      弥生 「・・・」

    今日も黙って部屋にこもった美幸を見て、心配する翔子と弥生。

  • [美也子の泊まっているホテル]

    ホテルで脚本作りをしている美也子。キャラクター設定が充実していってます。そして、ふと、おさむにメールを出す美也子。

      [送信]

  • [おさむの部屋]

    おさむも台本作りをしていた最中で、立ち上げていたパソコンに[メール受信]の表示が;

      まだ仕事中?
          Miyako.F


    それにすぐに返事を返すおさむは、一番、お互いにお熱な感じってことなのかな。美也子が受け取ったメールには

      まだ仕事中…

    と。

  • [メゾン・ド・桜台]

    美幸は部屋で一人、落ち込み続けていて・・・

  • [ファミレス]

    なのに、おさむと美也子はメールのやりとりは延々と繰り返しているわけで、ついには、深夜のファミレスで二人で一緒にパソコンを持ち寄って、向かい合ってそれぞれに仕事をしています。

      美也子「ああ、今日はここまで」
      おさむ「ずるいなぁ。もう終わっちゃうの?」
      美也子「うん。まだかかりそう?」
      おさむ「いや、俺ももう、終わるかな」

    じっとおさむの姿を見ている美也子。それだけで幸せなのはよーく分かるんだけどさぁ〜(汗)

      おさむ「ん?」
      美也子「うーうん」

    やがて、おさむの方も仕事はひと段落したようで;

      おさむ「よし、俺も終わった」
      美也子「あ、お疲れ様」
      おさむ「お疲れ様」
      美也子「作家は孤独だなぁって思うのって、書き終えた瞬間だよね」
      おさむ「うん。一人で自分に乾杯したりしてさ」
      美也子「そうそう。自分にお疲れ様って言ったりね」
      おさむ「本当はその場で誰かの反応を見たいんだけど、そうもいかないから」
      美也子「うん。そうだよね」
      おさむ「あ、俺が今書いたコント見てよ、久しぶりに」
      美也子「いいの?」
      おさむ「びっくりすぐるらい成長してないよ、俺」

    そうして、パソコンを美也子の方に向けるおさむ;

      美也子「あははは。あはははは(笑)」
      おさむ「どこ?どこで笑った???♪」

    そうして、おさむは美也子の隣に席を移動する。

      美也子「」
      おさむ「ここでしょう?ね。自信あったんだよなぁ」
      美也子「・・・。またこうやって毎日おさむの仕事を隣で見れたらいいのにな」
      おさむ「えっ」
      美也子「・・・」
      おさむ「・・・」

    そうして、黙って頷くおさむ。

      美也子「♪」

    えーと、えーと、もしもし????

  • [公園]

    翌朝。

    滑り台の上で考え事をしている美幸。子供に「変な顔」なんて酷いことを言われたりしてますが、その子と父親の様子を見ていて、自分の父親のことを思い出す美幸。

  • [カフェ?]

    その頃、友美は雑誌の取材中。

      記者 「友美ちゃんが今、一番欲しいものはなんですか?」
      友美 「なんだろう。時間かな?」
      記者 「お忙しいですもんね。もし時間があるとして、まず、何をしま
          す?」
      友美 「やっぱり、恋人とすごしたりとか」
      記者 「??!?!??!!?」
      友美 「勘違いしないで下さいね。友美の恋人って仕事のことですから。
          今よりももっともっとお仕事したいってことですよ」

    マネージャーの顔は引きつっていますが、友美ちゃん、やっぱり寂しそうにしているわけで・・・

  • [どすこいラーメン]

    かなり無理して仕事をしている美幸。

  • [関東中央テレビ・ズバットズバットスタッフルーム]

    ズバズバのスタッフルーム。おさむと竹田がふたりだけで静かに話をしています。

      おさむ「上から何言われてるんです?」
      竹田 「ここんとこズバズバ、数字、落ちてんだろ?」
      おさむ「ええ」
      竹田 「そこを上からつつかれてさ。もっと数字取りにいけってよ」
      おさむ「頑張りましょうよ」
      竹田 「頑張るよ!でもさ、数字数字で番組作って、それが俺たちのズ
          バズバなのかな、って」

    ねぇ…。全ての番組で同じことが言えるよね。かといって、ファンも一緒に、視聴率で一喜一憂しちゃってるわけで。

      おさむ「まぁ、それは・・」
      竹田 「俺はやっぱり自分たちが面白がれるモノを、これからもしっか
          りと作っていきたい。それで数字が取れなくて番組が終わる事
          になってもな」
      おさむ「終わるなんて、そんなこと言わないで下さい」
      竹田 「・・・」
      おさむ「もう一度頑張りましょうよ。番組始った頃みたいに。上から何
          言われても、怖いものなんて無かったじゃないですか」
      竹田 「そうだな」
      おさむ「終わらせませんよ!」
      竹田 「あははは(笑)」
      おさむ「あははは(笑)」

    そうだよ、そうだよ。一所懸命に仕事してるおさむが見たいぞ!!!!

      竹田 「よし!プロデューサーと作家の話はここまで。で、これはさ、
          友達として聞くけどさ、何、美也子とヨリ、戻したの?」
      おさむ「えっ?」
      竹田 「いや、別に、それはいいんだよ。ああ、でも美幸ちゃんにはち
          ゃんと伝えてあげないとな」

    いやいや、竹田さん。美幸に対してもだけど、友美が先だって!!

      おさむ「・・・」
      竹田 「お前の誕生日プレゼントのために、あの子、ニットか何か、一
          所懸命編んでたの、知らないだろう?」
      おさむ「・・・」
      竹田 「愛情があるなら、最後はけじめつけないとな」

    美幸の顔が思い浮かぶおさむ。で、だから友美のことは???

  • [おさむの部屋]

    夜。部屋で仕事をしていていると、美幸の色んな表情が思い浮かんできて・・・

    これまでの美幸の色んな表情が思い浮かぶということは、美幸に対して愛情が無い訳じゃないんと思っていいんでしょうか?

    朝、そのままソファーで眠ってしまっていたようで、目を覚ましたおさむは、美幸に会いにいく。

  • [どすこいラーメン]

    みゆきを訪ねどすこいラーメンに訪れたおさむ。

      おさむ「今、ちょっといいかな?」
      美幸 「・・・。はい」

  • [川沿い]

    美幸を外に呼び出して、話をするおさむ。

      おさむ「言いたいことがあって」
      美幸 「私も聞きたいことがあります」
      おさむ「何?」
      美幸 「私、見ちゃったんです。おさむさんが橋の上で女の人といるの。
          その人、お店ににも来たんです。元女優さんで、今は脚本書い
          てるって言ってました」
      おさむ「・・・。彼女とは、昔付き合っていたんだ」

    その言葉を聞いて、覚悟はしていたものの、相当の衝撃を受ける美幸。

      おさむ「7年前、彼女は突然いなくなって・・・。だけど、彼女のこと
          を忘れたことは一度も無かった。何度も忘れようとしたけど、
          いつもどこかに彼女がいて」
      美幸 「・・・」
      おさむ「これから、もう1度、彼女とつき会いたいと思っているんだ。
          それをきちんと伝えたくて」
      美幸 「・・・。やっぱりな。お似合いですもんね、二人は。あ〜〜あ。
          これで本当になんにも無くなっちゃったな」

    美幸はそうおさむに言って、そのまま泣きながら走り去った。

      おさむ「・・・」

  • [どすこいラーメン]

    美幸は泣き顔で店に戻ってくる。だけど、店長の花子に;

      花子 「美幸ちゃん、悪いけど今日はもう、帰ってくれるかな。そんな
          顔をして店に立たれたんじゃ、折角のラーメンがまずくなっち
          ゃうからね」

    なんていわれちゃってます。「すみません」と謝って店を出て行く美幸。

      浩太 「ちょっと店長!」
      花子 「あんたももう、かえっていいよ。美幸ちゃん、帰っちゃうよ!ほら!!」

    そうして、浩太に美幸の後を追うように、さりげなく促す花子。

    浩太は店の外で美幸に声を掛け;

      美幸 「どうしたの?」
      浩太 「もういいです。無理に笑うのはやめて下さい。何があったか知
          らないけど、俺、美幸さんのそういう顔を見るのは辛いんです」
      美幸 「優しいね。でも、ごめん。今優しくされると、私、泣いちゃう
          から。私の泣き顔、酷いんだ。見てるともっと辛くなっちゃう
          よ」

    そう言って美幸は浩太の前からも立去った。

  • [メゾン・ド・桜台]

    家に戻ってきた美幸は、今日も証拠や弥生に何も言わずに部屋にこもる。

  • [どすこいラーメン]

    翌日。すでに時計はもうすぐ昼の12時をさそうとしているというのに、今日は美幸の姿はありません。浩太が心配していますが、何の連絡も無いようです。

  • [メゾン・ド・桜台]

    部屋で一人考えている美幸。思い悩んで、一度、実家に戻る事にしたようです。

  • []

    そうして、美幸は花子と浩太に実家に戻ることを伝え、そして翔子と弥生には手紙を書きます。

       『翔子と、弥生姉へ
        突然ですが、私、暫く実家に帰ることにしました。いつ戻るのか、
        今は決めていません。ちょっとなのかずっとなのか。理由は、もう
        バレバレなのかもしれないけど、おさむさんに完璧にふられちゃっ
        たんですね。私、勝手に舞い上がってたから、落ちたら痛くて痛く
        て。そんなにおさむさんのこと、好きだったんだなぁ、って、逆に
        びっくりしているくらいです』

    もちろん、あのニットも不要な訳で、店の前のゴミ箱に捨てちゃったよ!!!!!ええ!!!!!!おさむのニット姿、もう一度見たかったのにぃ(そっちかい!)。でも、実は店長がそれを拾っていて、みたいなこと、このあとにないのかなぁ。密かに期待してるんですが(未練?)。

       『それともう一つ理由があって、これが結構ヘビーなんだけど、女優
        を辞めることにしました。夢を諦めるのは、失恋よりも辛いことで、
        もう、東京には何もないなんて、空っぽの気持ちになっちゃったん
        だよね。そんなわけで、ここ2〜3日、二人には心配かけたと思う
        けど、何も聞かずに黙っていてくれた二人には心から感謝していま
        す。せっかく手伝ってくれたニット、渡せなかったけど、無駄にな
        っちゃってごめんね。実家に帰ってこれからのこととかゆっくり考
        えてみようと思います。しばらく留守番よろしくお願いします。』

  • [ラジオ局]

    一方、こちらも元気の無い友美。仕事中で、ジューシー中島がDJをしているラジオ番組に友美がゲスト出演しています。恋について聞かれ;

      中島 「さて、今日はゲストにモデルの蛯原友美ちゃんにお越し頂いて
          いるわけですが、僕も大ファンなんですごく嬉しいです。そん
          な友美ちゃんは、今、忙しくて恋もする暇、無いのかな?」
      友美 「恋、したいんですけどね」

    またマネージャーさんが大慌てな状態ですが、差しさわりの無い範囲で話を続けて;

      中島 「したいけど、できない?それともする相手がいない?」
      友美 「うーん。これ友達の話なんですけど、好きな人がいるのに会え
          ないんですって。それって辛いと思いません?」
      中島 「OK。今日はそんな友美ちゃんの友達に、ジューシーからメッ
          セージを送ろうかな」
      友美 「嬉しい!!(拍手)」
      中島 「恋する相手が遠くにいたり、忙しくて会えなかったり。そんな
          ことが理由で恋をあきらめてしまった人、多いんじゃないかな。
          でも恋に、時間や距離って、本当に大切なのかな。大事なのは
          好きな人を思うその気持ちだよ。もっと強くずっと彼を思い続
          けてごらん。目を閉じれば、彼はいつでも君の側にいるはずだ
          から。時間も距離も超える力、それが恋の力だよ。ジュテーム
          ボクー。聞こえたかい?」

    そのメッセージをじっと聞いている友美。そして実家に帰るバスの中で長距離聞いている美幸。

  • [美幸の実家]

    夜になって、実家に戻ってきた美幸。

      さと子「あら!どうしたの?お帰りなさい」
      絵里 「何で何で何で!!何で帰ってきたの?!」
      美幸 「自分の家なんだから、理由がなくったって帰ってきてもいいで
          しょ!」
      絵里 「仕事は?」
      美幸 「オフもらったから」

    父親も顔を出すが、何も言わず美幸の顔を見る。

      美幸 「ただいま」
      義男 「・・・」

  • [おさむの家]

    一方、おさむは今日も家で一人仕事をしている・・・と思ったら、そのおさむにコーヒーを差し出す美也子。

    おーーーーーーーーーーーーーーい!!!

    いつの間にか、おさむの机で自分のパソコン広げて仕事までしていますよ、この人!!!
    いや、どっちもどっちなんだけど、強烈に腹が立ってきた!!!!!友美、ここに乗り込んできて修羅場になってもいいぞ!!!!!!私は許す!


  • [美幸の実家]

    実家でくつろぐ美幸。居間には東京に行ったときに撮った写真が飾られていて、美幸出演のビデオテープが山積みに。思わず涙を流す美幸。

      義男 「まだ寝ないのか」
      美幸 「うん」
      義男 「最近、夜中に目が覚めてな。これも年だな。お前も飲むか?」
      美幸 「うん」

    コップにビールを注ぎ、そっと差し出す義男。

      美幸 「聞かないんだね」
      義男 「あ?」
      美幸 「どうして帰ってきたかって」
      義男 「・・・ああ」
      美幸 「私ね、東京から逃げてきたんだ。もう、全部無くなっちゃって。
          だから、だから私・・・(;o;)」
      義男 「もういい、美幸。嫌なことがあれば帰ってくればいい。ここは、
          お前の家なんだから。な」
      美幸 「うん」

to be continued …

[次回予告]

  おさむ「いちバラエティ作家として、美也子と向き合いますよ」


<第7話感想>

今回は無かった事に・・・(汗)

美幸がどん底まで落ちるという主旨の放送分なんだとは理解しつつ、最初から最後まで違和感アリアリで、感想もレポも、上手く表現できませぬ。それぞれの登場人物の行動原理が私にはよく理解できなくて。

なんだろうなぁ、そもそもおさむはやっぱり仕事が出来るから格好いいという位置づけだと思うのだけど、段々、そういうオーラがなくなってるし(笑)、美幸もポジティブシンキングなキャラなのだろうけど、最初から最後まで落ち込まれると見ているこっちは見るに耐えないというか。

美也子と一緒にいるときのおさむは、本人は幸せなんだろうけど、格好よく見えないんだな。ドラマの設定上も、美也子がいなくなって結果的に頑張ったおさむは仕事も成功していってるわけで、そんなことを考えると、美也子と一緒にいることはマイナスなんじゃないかとさえ思ってしまうのよね。同じことが美也子にも言えるけど・・・と、ドラマのキャラを心配しても仕方ないんだけどねぇ(笑)。

あと、今回、何か違うと思ったら、吾郎君=おさむのモノローグが無かったですね。すなわち、それだけおさむ側の描写がなされていなかったということなんじゃないかと。たとえ優柔不断キャラだとしても、おさむが何を考えてるのか、美幸や友美に対して、どう思ってるんだろうかという部分ははっきりと提示してもらいたいかなぁ、と思ったりします。

おさむが主役なんだしさぁ〜


(06.05.28)


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