ブスの瞳に恋してる

〜 第4話 「好き!でも好き!」 〜


  • [前回のおさらい]

    <ナレーション>
    それは奇跡だった。
    静まり返ったファッションショーの客席を、
    彼女はたった数秒で、爆笑の渦に変えた。
    僕は目撃した、
    笑いの神様がブスの天使に微笑む瞬間を・・・


  • [お好み焼き屋]

    おさむと友美ちゃんはお好み焼き屋さんでデートの真っ最中(ファッションショーと同じ日という設定でいいのかな…?)。
    この二人って、フランス料理とかそういうお店でのデート専門かと思っていたけど、こういうデートもするのね。しかも、ちっとも人目を忍んでないし(汗)。

    友美ちゃんが大ジョッキでビールを飲んでる横で、おさむ君はせっせとお好み焼きを焼いてます。

      友美 「ああ、おいしそう!早く食べたーい!!」
      おさむ「うん。今できるからね」

    そうして、おさむが構成を担当したファッションショーの話になり;

      友美 「ショー、上手くいってよかったね」
      おさむ「ありがとう」
      友美 「そういえば、あの人、面白かったね」
      おさむ「でしょ?そうなのよ、オモシロなのよ。ちょっと前から目つけ
          てたんだけどさ。俺も色んなタレント見てきたんだけど、中々
          いないタイプなんだよね。こう…、ただのブスじゃないってい
          うか。いや、まぁ、いやまぁ、ブスなんだけど。何ていうのか
          なぁ、こう…、ただそこに立っているだけで笑えちゃうタイプ
          なんだよね」

    おさむ君、思いっきり”ブス”連発してるよね?(^^;)。だけど、そんなに”ブス”を熱く語るおさむを見ていると、友美にとってはどこか面白く無い訳で;

      友美 「・・・」
      おさむ「やっぱり、天性なのかなぁ〜」
      友美 「知らない!」【怒】
      おさむ「よし、できた!食べよう、食べよう」
      友美 「いらない」
      おさむ「・・・??ん?俺、何か変なこと言った?」

    友美ちゃん、そっぽ向いて、ビールの大ジョッキを飲み干してしまいました。おさむぅ〜、もう少し女心を分かってやれよぉ〜。

  • [ファミレス]

    友美ちゃんがビールの大ジョッキを飲み干したごとく、ここでも大ジョッキを飲み干す男性の姿が。その男性は、美幸の父親の義男。ファッションショーが終わり、一家でファミレスにやってきたようなのだが、義男は思いっきり不機嫌だったりします。

      義男 「美幸、荷物をまとめなさい。お前を連れて帰る」

    と、突然美幸にそんなことを切り出す義男。先ほどのショーで美幸が笑いものになっていたことが気に入らないらしい。このままでは美幸は結婚できない、実家に戻って見合いをさせると言う義男に;

      美幸 「私は女優になるの!それに、ちゃんとした彼氏だっているんだから」

    と言ってしまう美幸。その彼氏と言う言葉に義男だけでなく妹の絵里までもが食いつき、引っ込みがつかなくなって、明日、家族に彼氏を紹介する事になってしまったのだ。

      美幸 「・・・」

  • [メゾン・ド・桜台]

    夜。そのまま美幸の部屋に転がり込む美幸の家族御一行様。美幸の家族は、美幸が翔子や弥生と同居しているとは知らなかったようですが、結局、狭い美幸の部屋で4人並んで眠る事に。いや、美幸だけは、おちおちと眠ることも出来ず、家族が眠った後に翔子や弥生に、彼氏を両親に会わせなきゃいけなくなったという顛末について、相談します。

    誰か頼めそうな人はいるかと思ってみるものの、浩太はフリーターだからダメ、井之頭はそれ以前にダメ・・・と思うと、適任者は周りにはいない、と美幸は主張するが;

      弥生 「本当は彼がいいんでしょ?」
      美幸 「えっ?」
      弥生 「おさむさんでしょ?頼んでみたら?」
      美幸 「いや・・・それはさぁ・・・」

    なんていわれて、すぐさまおさむが彼氏という状況を想像する美幸。

      美幸 「彼氏の」
      おさむ「山口おさむです」


    なんていうシチュエーションを想像しただけでにやけてます。そんな美幸を横で見ながら翔子は;

      翔子 「あたし・・・頼んでみようか?」
      美幸 「本当に?」

    色々と事情を知っている翔子は、自ら間に立つことを名乗り出ました。

  • [サッカースタジアム]

    翌日。

    とあるスタジアムで、斎藤はニヤリと笑い、その場でおさむに電話を入れる。

      斎藤 「おさむ?来たぞ!ついに『むちゃデス!』の視聴率、30%を超
          える日がやってきた!ビッグゲストを抑えた。あははは!!!」

    とってもご機嫌なんですが、こういうときの次の展開は不吉なことが待ってるんでしょうな…(^^;)

  • [関東中央テレビ・バラエティーセンター]

    おさむと松本がいる前で、先ほどの電話の続きを話する斎藤。(何で松本も一緒なんでしょうねぇ、これ?)

      おさむ「坂口?」
      松本 「まじで?!坂口が出るんですか!?」

    坂口という名前を聞いて、おさむはピンときていないようだが、松本は相当興奮している。

      斎藤 「どうだ、すごいだろぉ〜。ちょっと裏から手を回したら引っか
          かってきたんだよ!グチが!」
      おさむ「そんなすごい選手なの?」
      松本 「いや、すげーっすよ。日本の司令塔!世界の坂口ですよ!」
      斎藤 「あははははは。他局もオファーしてても大会前だから絶対に出
          ないっつってたんだけど、わが斎藤班の『むちゃデス!』なら
          出てもいいと、坂口本人が言ってんだ!」
      おさむ「じゃぁ、トークゲストか何かで?」
      斎藤 「それがなんと、コントをやりたいって言ってるらしいんだ!!!」
      松本 「グチがコントっすか!!!やべー!!それはやりたいっすね!」
      おさむ「・・・」
      斎藤 「あははははは」
      おさむ「松本、書けるか、その坂口が出るコント」
      松本 「えっ?!いいんすか、俺書いて!!!」
      斎藤 「お前はダメだ」
      松本 「えっ?」
      斎藤 「一流の選手は一流の作家とやりたいって、ご指名なんだ」

    と、一体、何のことかと思ったら、1冊の雑誌をもってくる斎藤。そこにはおさむの写真が大きく載った記事が。

      斎藤 「ああ、まったく。俺の知らないところでこんな取材受けちゃっ
          てさ、もう…」

    た、確かに一体、いつの間に…(^^;)。しかも、記事が大きすぎ!(苦笑)

      おさむ「・・・」
      斎藤 「兎に角、今週いっぱいでよろしく!!ね!さぁ、みんな30%目指
          して頑張るぞぉ!!!」
      一同 「おう!」

    おさむの記事には、『笑いの為ならなんでもします。』とそんな見出しが躍ってる。



    そうして、ズバットズバットのスタッフルーム。

    先ほどのおさむの記事が載った雑誌『SDO!』を、竹田らズバットズバットのスタッフが見ている。

      竹田 「『笑いの為ならなんでもします。』・・・へぇ、お前、こんな
          こと言ったんだ」
      おさむ「いやいやいや。言ってない・・・いや、言ったのかな?」
      佐藤 「イケメンカリスマ作家ですって」
      竹田 「へぇ、お前、カリスマだったんだ」

    って、イケメンの部分は皆が認めるところなんでしょうか?(^^;)

      おさむ「いやいや、勝手に書いてあるだけでしょ。止めてくださいよ」

    なんて話をしている横で、松本は面白くなさそうに背を向けている。さっきの坂口の話と雑誌の記事とのダブル攻撃で、同じ構成作家としては面白くないってことなのね。

      男性 「でも、この風格、どう見てもカリスマっすよねぇ〜」

    そして、それまでずっと背を向けていた松本が、ようやくおさむの方を振り向いたかと思うと;

      松本 「ねぇ、おさむさん。今週はむちゃデスで忙しいですよね?」
      おさむ「ああ。そうなんですよ。ちょっと抱え込んじゃってて」
      竹田 「そうなの?こっちも大変だよ、今」
      松本 「今週のグダグダ学園のコント、俺に全部書かせてもらえません
          か?」
      おさむ「えっ?」
      松本 「俺に勝負かけさせてもらえませんか?」

    と、自己アピールする松本。

      おさむ「・・・」
      竹田 「そっか。どっちみちグダグダも何か変えなきゃだしな。松本に
          やらせてみるか。いいか、おさむ?」
      おさむ「ああ、正直僕は助かりますけど」
      松本 「おさむさん、楽しみにしてて下さい」
      おさむ「おお」

    あれっ、”おさむ VS 松本”みたいな構図になるの???

  • [どすこいラーメン]

    美幸の生活状況を順番に見て廻る家族。どすこいラーメンでは、実際には毎日のようにアルバイトに入っているにも関わらず、女優業が忙しくて中々、バイトに入れないと嘘をつく。

  • [関東中央テレビ]

    再び関東中央テレビ。翔子が竹田を訪ねてやってきた。先日の合コンのときを思い出しつつ、うきうき気分でカフェにやってきた竹田。だが、話の内容は美幸の相談だった。

      竹田 「誘ってもらったと思ったら、そういうこと?」
      翔子 「おさむさんに彼氏役をやってもらったら、美幸、喜ぶと思うん
          です」
      竹田 「あれ、おさむに彼女がいるって、まだ言ってないの?」
      翔子 「はい。美幸の顔見てたら言い出せなくて」
      竹田 「そっか」
      翔子 「美幸、連れてかえられるかもしれないんです。そしたら・・・
          その・・・みなさんも」
      竹田 「俺たちがあの子を必要としている。君はそれを利用するってこ
          と?」
      翔子 「利用って、そんな・・・」
      竹田 「でも、単純に美幸ちゃんを助けるためっていうならやると思う
          よ」
      翔子 「!」
      竹田 「友達のピンチだもんね。助けてあげないと」
      翔子 「ああ、ありがとうございます」

    バラエティに出てもらうために協力するじゃなくて、『単純に美幸ちゃんを助けるためっていうならやると思う』ということは、おさむのことをイイやつだと竹田は思ってるってことなのかな?そして、そういう風に思う竹田さんもイイ人???

  • [美容院]

    その頃、とある美容院。友美がおさむの記事が載ったあの雑誌を見ている。その記事をのぞきこむ美容師の山咲トオルさん(役名不明)。

      美容師「『大事なのはオモシロかどうかそれだけ』・・・それだけって
          言われちゃってもねぇ〜」
      友美 「ねぇ〜」
      美容師「あら、でも、よーく見ると、いい男じゃない?」
      友美 「でしょ?」
      美容師「何?友美ちゃんお知り合い?」
      友美 「彼氏」
      美容師「ええ!!!!」
      友美 「内緒だよ」

    って、言っちゃったよ、友美ちゃん・・・

  • [関東中央テレビ・バラエティセンター]

    そして、関東中央テレビ。バラエティセンターのデスクで、先ほど斎藤に依頼された坂口出演のコント台本を書いているおさむ。

      斎藤 「どう、おさむ?グチのコント、進んでる?」
      おさむ「何とか。今、書いてるのなら、本人にも素に近い形で出てもら
          えそうです」
      斎藤 「さすが、一流は仕事が早いね!」

    そうして、おさむのパソコンを覗き込んで;

      斎藤 「何何???『PKコント?』・・・あ、わりい。言うの忘れて
          た」
      おさむ「えっ?」
      斎藤 「グチがどうせ出るんだったら、本格的なコントをやりたいって
          言っててさ。おまえが昔、書いてたブリブリマンのコントある
          だろう?」

    えっ、ブリブリマン???ど、どこかで聞いたことがあるような…(汗)。

      斎藤 「あれをやりたいって言ってたんだよぉ」
      おさむ「えっ?サッカー選手が?」
      斎藤 「そう。ブリブリマンの大ファンで、海外でも日本からわざわざ
          取り寄せて見てたらしんだな」
      おさむ「いやぁ、でも、素人ですからねぇ。寒いと思いますよ、クオリ
          ティ考えたら」
      斎藤 「いい、そんなものは!番組に出てさえくれれば数字はついてく
          るんだ。はい!書き直しよろしく!」
      おさむ「えっ・・・最初に言って下さいよ」

    相変わらず調子のいい斎藤さんと、それに振り回されるおさむの図。

  • [テアトルワールド]

    美幸はテアトルワールドでダンスレッスンを受け、その後、社長の井之頭が美幸の家族に、美幸の女優の将来について熱く語る。

    そして、「丁度仕事が入ってきた」らしく、『誓いのリング』というタイトルの台本を渡される。ただし、監督がリアリティにこだわる人ということで、役作りのために、本格的なトレーニングが必要だと言われる。それにやる気を見せる美幸。


    帰り道、テアトルワールドの事務所を出たところで、B2の二人が待ち構えている。二人は美幸と一緒にトリオを組みたいと申し出るが、美幸は両親がいる手前、「人違いじゃない?」と、スルー。

  • [展望台]

    その後、家族を観光案内する美幸。今度やってきたのは、展望台です。よくもまぁ、そんなにあちらこちらと1日で廻るよねぇ…。

    絵里は楽しそうにおおはしゃぎ。だけど美幸はちょっと落ち着かない感じでいる。そんな娘の姿を見た母親のさと子は優しく美幸に声を掛ける;

      さと子「安心した。美幸が毎日楽しそうで」
      美幸 「うん、何とかやってる」
      さと子「お母さん、美幸が元気なら、それで満足」
      美幸 「ありがとう」
      さと子「彼氏のこと、無理しなくていいよ」
      美幸 「えっ?」
      さと子「そりゃ、会ってみたいけど、突然じゃ忙しいだろうし、お父さ
          んには、私が上手く言ってあげるから」

    お母さんは娘の嘘に薄っすらとは気づいていたのかな?

  • [関東中央テレビ・ズバットズバットスタッフルーム]

    ズバットズバットのスタッフルームでは、松本がパソコンとにらめっこ。かなりにつまっているようです。

  • [関東中央テレビ・社員食堂]

    一方、食堂でパソコンを広げて台本を書いているおさむ。近くのテーブルに侍の格好をした男性が「それがし、馬に乗ったことは無いでござる…」と台本を見ながら台詞の練習をしているのが気になるおさむ。

      おさむ「どっかで見たことあるな・・・」

    そこに竹田がやってくる。

      竹田 「悪いな、おさむ。忙しいところ」
      おさむ「・・・」
      竹田 「どうした?」
      おさむ「あの人、誰でしたっけ?」
      竹田 「えっ?」
      おさむ「ドラマで顔は見たことあるけどな」

    なんてこっちがじっとそのお侍の格好をした男性を見ていると、愛想良く会釈をする男性。相手が誰かも分からないのに、それに合わせて会釈してます。えーと、どすこいラーメンの常連さん???

      おさむ「まぁ、いいや。どうです、松本?グダグダ、書けそうです?」
      竹田 「ああ・・・勝負なんてでかいこと言って、あいつ自分で自分を
          追い込んだから、かなりテンぱってるよ。ま、頑張らせてみる
          けどね」
      おさむ「そうですか。ああ、で、何です、話って?」
      竹田 「それなんだけどさ…」

    さきほど翔子から頼まれた話をおさむにする竹田。

      おさむ「偽装彼氏!?何で俺が?」
      竹田 「連れて帰られちゃ、かわいそうだろ」
      おさむ「いや、そうですけど・・・」
      竹田 「助けてあげたらどうか?ほら、いつか俺たちがあの子に助けら
          れるかもしれないんだから、それぐらいやってやれよ」
      おさむ「・・・」

  • [レストラン]

    夜。

    美幸の家族が美幸の彼氏がやってくるのを楽しみに待っている。まぁ、時間はとっくに過ぎているようで、義男だけは「時間を守れないのはろくな男じゃないな・・・」なんて既にご機嫌斜めではありますが・・・。

    外では美幸が翔子と弥生と一緒におさむがやってくるのを待っているが、中々現れず気が気じゃない。仕方なく、美幸が家族に本当のことを話に行こうとしたところで、おさむ登場。おっ、おさむってばちゃんとスーツに着替えてるぞ。今回は吾郎君の着替えが多いのは嬉しいなぁ〜σ(^^;)

      おさむ「ごめんごめん、遅くなって」
      美幸 「・・・」
      おさむ「俺に、任せておいて。この間のお礼!」

    と、渋々、偽装彼氏役を引き受けたのかと思ったら、結構、ポジティブ???


    実際に両親に会う前に;

      美幸 「父は、お笑いアレルギーなの」
      おさむ「OK」

    と、最低限の情報を収集してから、いざ突入。美幸と一緒にやってきたおさむの姿を見た途端、絵里とさと子は口をあわせて;

       「かっこういい〜」

    と。ドラマの設定であったとしても、そうやって言われる役を吾郎君がやってるというのは単純に気持ちがいいのよね〜♪

      おさむ「遅くなって申し訳ございません。初めまして。山口おさむと申
          します。美幸さんにはいつもお世話になっております」

    と、とっても礼儀正しくご挨拶。『任せておいて』と言っただけのことはあります。

      さと子「母です♪」
      絵里 「妹の絵里です♪」
      義男 「・・・」

      おさむ「?!」

    何も言わない義男に対して;

      さと子「主人です。なんだか緊張してるみたいで。おほほほほほ。どうぞ」
      おさむ「失礼します」

    と、おさむが着席すると、ようやく義男が言葉を発します;

      義男 「失礼ですが・・・ご職業は?」
      おさむ「テレビの構成作家という仕事を…」
      さと子「どんな番組ですか?」

    と尋ねられて;

      美幸 「ドラマとか」  おさむ「報道です」

    と、二人同時に違う答えをしてます。

      さと子「え゛っ?」
      おさむ「・・・ドラマを報道しているんです。新ジャンルです」

    すごい嘘のつき方を…。超嘘つき!!!ありえねー!!(^^;)

      さと子「ほぉ〜」
      絵里 「お姉ちゃんと付き合って、どれぐらい経つんですか?」

    今度は事前に合わせようと、おさむが美幸に指三本を見せてから;

      美幸 「3年」      おさむ「3ヶ月です」

    せっかく数字はあわせたのにぃ〜(^^;)

      絵里 「えっ?」
      おさむ「3年と3ヶ月になります」

    おさむ、さすが言葉は上手い・・・(汗)

      絵里 「ながーい」
      美幸 「そうかな?」
      おさむ「それじゃぁ、お姉ちゃんのこと、何て呼んでるんですか?」
      義男 「そんなこと聞くな!」

    そんな質問にも動じずに;

      おさむ「美幸ちゃん・・・です!」

    と、ぬけぬけと答えちゃうのね(^^;)。一方の美幸は、おさむにそう呼ばれてまんざらでもない様子。というより、嬉しそー。

      おさむ「一言で仕事の内容は説明しにくいのですが、最近は、雑誌の取
          材なども受けておりまして」

    と、おさむは例の雑誌を開いて見せ、自分の写真が載っているページを提示して;

      絵里 「すごーい」

    と、相手が自分の写真を載ってるのを認識したのを確認して、すぐにおさむは雑誌を閉じてます。冒頭におさむの記事が出てきたのを、こんなところにも利用しているのねぇ〜

      おさむ「業界では、それなりの立場につかせていただいております」
      さと子「もう一度、見せて下さい・・・」
      おさむ「もう一度・・・」【焦】
      さと子「はい」

    当然、「オモシロ」なんて書かれている記事など美幸の父親には見れられないわけで、もう一度そのページを開いても、すぐに閉じなきゃいけません。

      さと子「あっ・・・えっ?」

    もう一度そのページを開けますが、何度やっても同じ事を繰り返してます。

      義男 「笑いが、どうとか、書いてありましたが」
      おさむ「はっはっは。お父さん、目がよくていらっしゃる。笑いなんて、
          くだらない、って書いてあります」
      美幸 「・・・」
      義男 「同感です!私は、テレビのお笑い番組ほど低俗なものはないと
          思ってます。あんなバカバカしいものを作っている人間の気が
          しれない!!」
      おさむ「おっしゃる…とおりです」
      美幸 「・・・」

    おさむのその言葉を申し訳なさそうに聞く美幸。そこにおさむの携帯に電話が;

      おさむ「ちょっと仕事の電話で・・・失礼します。もしもし」

    その電話の相手は、斎藤プロデューサー。

      斎藤 『おさむか?大変だ!今度はエージェントがグチにブリブリマン
          はやらせられないと言ってるんだ!』

    と、またまた聞いてた話と違うことが…

      おさむ「どういうことですか?!だって本人がブリブリマンでやりたい
          って言ってるんでしょ?」

    と、おさむの口から『ブリブリマン』なんて言葉が聞こえた途端、表情を変える義男。

      おさむ「ええ・・・ここはブリブリ1本で」
      義男 「!!!」
      おさむ「困ったなぁ…。でも、もう、絶対にブリブリで」
      義男 「ブリブリ?」
      美幸 「何か、業界用語じゃないかな?」
      おさむ「すみません、後で掛け直しますんで、後ほど」

    空気を察して慌てて電話を切り、何事も無かったかのように家族の方を向くおさむ。

      おさむ「あ、すみませんでした」
      さと子「お忙しいんですね」

      義男 「短刀直入にお伺いします。うちの娘は、女優としてやっていけ
          るんでしょうか?」
      美幸 「お父さん!やっていけるかどうかじゃないの。私は、やってい
          きたいの」
      義男 「お前に聞いてない!」
      美幸 「聞いて!私は、ヒロインになれるだなんて思ってない。だけど、
          やりたいの!小さい頃、学芸会でしいたけとか、発泡スチロー
          ルとか、そんな役しかやったことないけど、楽しかった。いつ
          もいじめられて俯いてばっかりだったけど、子豚のお面を頭に
          つけて踊っている時は、楽しかったの。私を見て欲しいって、
          その時は思えた・・・。今日も、新しい役をもらって、がんば
          ろう、みんなに見て欲しいって、そんな風に思えるのは、この
          仕事だけなの」

    そんな美幸の言葉を聞いて、おさむが続ける;

      おさむ「僕は、夢に向ってまっすぐな彼女が好きです。我々の周りには、
          夢だった仕事についたのに、それを忘れてしまっている大人が
          沢山います。でも、彼女は失っていない。その魅力はいつか必
          ず人の心に届くって僕は信じています。見てあげて下さい、彼
          女が次にトライする役を。そして、これからも演じていくその
          姿を。彼女はもうすでに、素晴らしい女優です」
      美幸 「・・・」

    義男が立ち上がって美幸に話をする。

      義男 「父さんは、お前がこのまま女優を続けていくことを認めはしな
          い。ただ、決まっている仕事を途中で投げ出すような子に育て
          たつもりはない。今日貰ったその仕事、一生懸命やりなさい。
          俺もお前も、頑張ることぐらいしか、取り得はないんだからな」
      美幸 「うん」
      義男 「帰るぞ」

    その義男の言葉に、おさむと美幸は顔を合わせて微笑んだ。



    レストランを出たところで、さと子がおさむに言う。

      さと子「ありがとうございました。美幸の嘘に付き合って頂いて…」
      おさむ「いえいえ、とんでもござ・・・え!?」
      さと子「(笑)。今日一日で、あの子を支えてくれてる仲間がこんなにい
          るってわかったことが、一番の収穫でした」
      おさむ「・・・」
      さと子「これからも、美幸のことをよろしくお願いしますね」
      おさむ「はい」
      さと子「では、失礼します」

    おさむはさと子にゆっくり頭を下げた。

  • [夜の街]

    そうして夜の街。二人が歩くその背後にはライトアップされた東京タワーが浮かび上がる。

      美幸 「思ってもいないことをいっぱい言わせちゃいましたね」
      おさむ「ふふふ。一番辛かった嘘は、君のお父さんに言った、笑いなん
          てくだらないってやつかな」
      美幸 「すみませんでした。私のことでもいっぱい言わせちゃって」
      おさむ「ああ、あれは嘘じゃないよ」
      美幸 「えっ?」
      おさむ「君のいいところは、夢に向って真っ直ぐなところ。なのに、番
          組に出てくれなんて邪魔してたね」
      美幸 「ああ、そんな・・・」
      おさむ「さっきの君の言葉を聞いてさ、俺もがんばらなきゃなーと思っ
          たよ。次のドラマ、もうすぐなんでしょ。頑張って!」
      美幸 「はい♪」

    おさむ、いいヤツ過ぎるよぉ・・・(;o;)

  • [関東中央テレビ・ズバットズバットスタッフルーム]

    誰も居ない夜のスタッフルーム。

    更に松本は追い詰められていってるようで、収録まであと3日なのに、一向にネタがまとまらない。

  • [メゾン・ド・桜台]

    美幸は翔子&弥生と、ビールで乾杯。

      弥生 「あ、でもさ、親に合ったっていうのは、結婚もちかいんじゃな
          いの?!」
      美幸 「やめてよ。私、お父さんにちゃんと自分のことを言ったの、初
          めてかも」
      翔子 「言った以上は女優の仕事、頑張らなくちゃね」
      美幸 「うん」

    そうして、明日から、『THE PROMISE RING 誓いのリング』のドラマの役作りが始るのだ・・・

  • [東京プロレス]

    翌日。美幸がやってきたのは、『東京女子プロレス』。ベタだけど、リングというのはアイススケートのことではなく、プロレスのリングってことなのねん。美幸は、”コンドル”と呼ばれた女性(北斗晶さん)の特訓を受ける。

  • [関東中央テレビ・バラエティーセンター]

    関東中央テレビ・バラエティーセンターの会議室。今日はここでおさむはネタを書いてます。だけど;

      おさむ「ちゃんと1回、整理してから言って下さいよ!」

    と、携帯に向かって切れ気味に話をしてます。電話の相手は、斎藤Pだったりするわけで、昨晩、電話を途中で切っちゃった話の続き?

      斎藤 『だから、最初から言ってるだろ?グチはブリブリマンのコント
          に出たい。エージェントはサッカーの話をさせたい。そういう
          ことだ』
      おさむ「サッカーの話をさせたいなんて、今始めて聞きましたよ!」

    と、会議室を出て、すぐ隣の斎藤のデスクの方に向かうおさむ。って、そんな至近距離にいるのに、電話してたんかい!。おさむは斎藤の姿を見ながら電話をしてますが、斎藤はそれに気付いてない模様。

      斎藤 「そう?そうだったっけ?」
      おさむ「もうー。トークゲストでいいんじゃないですか?」
      斎藤 「いやいや。グチはブリブリマンじゃないと番組には出ないんだ。
          だから、ブリブリマンがサッカーの話をする、っていうんで本、
          書けないかなぁ〜」

    と言われて携帯の電話を切るおさむ。

      斎藤 「もしもし。おい!おさむ!!!!おいっ!」

    で、直接、おさむは斉藤に;

      おさむ「むちゃデスよ・・・」

    と。

      斎藤 「(^^)・・・お前、それをやるのがむちゃデス!だろう?なぁ〜」
      おさむ「もうーーーーーーーーーー」
      斎藤 「よろしく!な!」

    おさむが「もーーー」と言ったのと同時に牛の着ぐるみが通り過ぎてます。かなりツボったかもぉ〜(^^;)

  • [東京女子プロレス]

    その頃、美幸は相当、しごかれてます。

      美幸 「これは夢のための努力。女優になるため!」

  • [関東中央テレビ・食堂]

    グダグダ学園の締め切りまであと2日。正直、行き詰っていると打ち明ける松本。

      松本 「やっぱり、どすこいラーメン使ってみたいんですけど」
      竹田 「最終兵器か・・・でも、あの子はおさむの思い入れの強い物件
          だからなぁ」
      松本 「そうなんですよ。だから誘いづらくて・・・」
      竹田 「それに、あの子はおさむが誘わない限り、動かないと思うよ」
      松本 「なんでですか?」
      竹田 「実はさ、あの子相当真剣に好きみたいなんだよ、おさむのこと」
      松本 「そうなんですか。・・・へー」
      竹田 「何?どうした?
      松本 「いや、別に」

    そこに、テラスでタバコ片手に太極拳みたいなポーズをして集中している上島さん。考え事をまとめているときのポーズなんだそうです。その上島に、竹田が松本を紹介する。

      竹田 「こいつおさむの下でやってる松本です。今度、こいつの担当で
          1コーナーやるんで、見てやって下さい」
      松本 「面白いことのためだったら、何だってやっていいんですよね?」
      上島 「竹田・・・こんなセンス無い質問するやつで大丈夫か?自分の
          やりたい事を成立させるのが俺らの仕事だろ?試聴者は手段な
          んて興味ねーや」
      松本 「はい、そうですよね!」

  • [どすこいラーメン]

    と、その言葉を受けて、どすこいラーメンにやってきた松本。美幸を外に呼び出し、「明後日の一日だけでいいから」と、グダグダ学園出演のオファーをする。

      美幸 「無理です。その日はドラマの撮影が入ってますから。それに、
          もうこういうことはやらないと、おさむさんには何度もお断り
          しました」
      松本 「その何度も来たおさむさんが、最近もう来てないでしょ?」
      美幸 「・・・」
      松本 「あの人諦めるのが早いんだよね。俺たち後輩にもさ、見込みの
          あるヤツには色々言ってくれるけど、見切りをつけたら、もう
          頑張れとしか言ってくれないんだ。その辺冷たいんだよね。で
          も、もし君がそうなったら、勿体無いなと思って。それで俺か
          らお願いに来た。今なら、おさむさんもまだ君を待ってる」
      美幸 「・・・」
      松本 「でも、これが最後のチャンスかもしれない。好きなんでしょ!?
          おさむさんのこと!!!」
      美幸 「・・・」

  • [東京プロレス]

    翌日。松本の言葉が気になりながらも、今日もトレーニングを続ける美幸。

      おさむ「君のいいところは、夢に向かって真っ直ぐなところだ」
      松本 「好きなんでしょ?おさむさんのこと!」


    二人の言葉が頭を交差する。そこに陣中見舞いにやってくる井之頭さん。

      井之頭「頑張ってるね」
      美幸 「怒られてばっかりで」
      コンドル「お前いい根性してるよ。今監督たちにさ、もっといい役で使
          ってくれって言っておいたから、明日は思いっきりやって、主
          役を食っちまいなよ」
      美幸 「ありがとうございます」
      井之頭「上出来!」

  • [関東中央テレビ・バラエティーセンター]

    会議室。その頃、おさむは斎藤から頼まれた”むちゃな”台本を何とか完成させていた。

      おさむ「よし・・・」

    会議室を出て、台本を斎藤に見せようとするおさむ。だけど、肝心の斎藤はおさむの姿を見るや、机の下に隠れちゃったりして、まるで地震発生時の避難方法みたいな感じ(^^;)

    おさむは机の下に隠れる斎藤を見つけて;

      おさむ「何やってるんですか?」
      斎藤 「受け取れない!!!!!その原稿は受け取れない!!!!」
      おさむ「はぁ〜〜〜〜〜〜〜。今度はどこが何を言ってきたんですか?」

    斎藤は、笑って見せながら;

      斎藤 「あはははははは(笑)。いやぁ〜、さぁ、話が全然違うんだよ!
          協会がさ、今更NGだよ、NG!」
      おさむ「NGって?!??!!」
      斎藤 「出演ドタキャンだ!あははは、大会前だからダメだって。もう、
          はじめに言えよなぁ〜」

    と、軽く言っちゃう斎藤さん。おさむ君、完全に脱力です。

      おさむ「いやいや、はじめにそれを聞いて下さいよ!」
      斎藤 「いやぁ〜、いい勉強になったな、おさむ!あはははは。ほら、
          みんな片付けろ!!!」

    椅子に座り込んで、おさむは頭をかかえこんだ。

  • [どすこいラーメン]

    さっきの後遺症で、そのままどすこいラーメンでやけ食いするおさむ。吾郎君のこういうシーンも珍しいな・・・

      花子 「何?やけ食い?」
      おさむ「当たりです。つまらないこともありますよ」
      花子 「じゃぁ、毎日つまらないことがあればいいのに・・・」
      おさむ「ん?」
      花子 「そしたら毎日てくれるでしょ?」

    そういいながら、おさむをみつめる花子さん。と、同時に焦るおさむ君。確かに怖いよね(^^;)

      おさむ「・・・勘弁して下さい(汗)」
      花子 「あははは(笑)」
      おさむ「ははは(笑)。ごちそうさま」
      花子 「はい」

    そこに、美幸が出前から戻ってくる。

      美幸 「!!!」
      おさむ「あ、明日だよね、ドラマの撮影」
      美幸 「はい」
      おさむ「がんばって!」
      美幸 「はい」
      おさむ「じゃぁ」

    そう言っておさむは出て行ったわけですが、美幸は松本が「見切りをつけたら、頑張ってとしか言ってもらえないんだ」という言葉が正しく頭の中で一致しちゃったのですわ。

    花子は花子で;

      花子 「やっぱりお客さんに毎日来てもらうには、メニューを増やさな
          きゃダメかなぁ」
      浩太 「ああ・・・でも、何かこだわりがあるんじゃないんですか?」
      花子 「うん。死んだうちの人がねぇ、大事なものは1つしかないって。
          二兎を追うものは何とやらってね」

    その言葉をまたまたタイミング悪く聞いちゃった美幸。何が大事か、帰り道、一人で考え込んじゃってます。

      美幸 「本当に大事なもの・・・1つしかない・・・か」

  • [関東中央テレビ・収録スタジオ]


    そうして、グダグダ学園収録の日・・・


      松本 「ねぇ?新人の子、来てない?」

    と、他のスタッフに尋ねる松本。だけど、美幸の姿はそこにはなく。


    かといって、美幸のドラマの撮影現場では;

      井之頭「これは・・・遅刻」

    と、美幸は姿を現さない。



    結局、美幸は関東中央テレビに向かっていたのだった。玄関で待っていた松本に案内される美幸。


    編集室には主要スタッフの集まっている。

      松本 「おはようございます。おさむさん、楽しみにしていて下さいよ」
      おさむ「???あいつ、随分自信あり気ですね」
      竹田 「ああ・・・」

    松本は来ていた上島にも挨拶をする。



    一方、収録スタジオには、女子高生の姿をした美幸が現れる;

      スタッフ「リハーサル前に紹介します!転入生役の大島美幸さんです!」
      一同 「(拍手)」

    その状況をモニタ越しに見るおさむ。

      おさむ「!!!!!」

    慌てて松本に駆け寄り;

      おさむ「松本、これ、どういうことだよ」
      松本 「おさむさんがぬるいことやってるから、俺が口説いてきたんで
          すよ」
      おさむ「お前!!!」

    おさむは、下のスタジオに降りていく。おさむと美幸は目が合ったが、そのままリハーサルがスタートする。

      松本 「さぁ、いよいよ最終兵器の指導っすよ」



    リハーサルスタート。グダグダ学園で先生役の男性が、転入生を紹介する。だけど、美幸は中々、セットの教室の中に入ってこれない。おさむはその様子を黙って見守る。
    やがて出演者に半ば強引に教室の中に連れてこられたが、結局、何も言えずに固まるだけ。当然、オモシロなどというのは期待できない状況で;

      松本 「ええ!!!見掛け倒しかよ・・・」

    そうして、ついにリハーサルの真っ最中に美幸は瞬間、気を失ってしまう。

      おさむ「!!!」

      松本 「ああ・・・最悪・・・」

    慌てて美幸に駆け寄るおさむ。

      おさむ「大丈夫?」
      美幸 「すみません・・・私・・・できません」

  • [関東中央テレビ・控え室]

    二人っきりのおさむと美幸。互いにじっと黙ったまま、座っている。この部屋って、まんまTMC??

      美幸 「すみませんでした」
      おさむ「どうして来たんだよ?」
      美幸 「・・・」
      おさむ「大事な仕事だったんだろ?そのために頑張ってきたんじゃないの?」
      美幸 「はい」
      おさむ「じゃあどうして!?」
      美幸 「自分の意思で決めました。大事なのは、こっちだって」

    その言葉を聞いて、思わず立ち上がって美幸に大声を出すおさむ;

      おさむ「じゃぁ君は・・・あの時家族に嘘ついてたのかよ!残念だよ!
          がっかりだよ!君が言っていた夢っていうのは、女優をやりた
          いっていうあの話は!!!そんなに簡単に捨てられるものなの
          かよ!」

    おさむにそう言われて、半分、泣きそうな美幸;

      美幸 「違います!・・・でも・・・」
      おさむ「何が違うんだよ!」

    おさむに、そう大声で言われて、ついに告白しちゃう美幸;

      美幸 「好きなんです!!」

      おさむ「・・・」

    ここの吾郎君の微妙な表情が好き!

      美幸 「おさむさんのことが、好きなんです」

      おさむ「・・・」

    ついに美幸は泣きながら話す。

      美幸 「松本さんが、おさむさんがもう私に飽きてるかもって。だから、
          これが最後のチャンスだって言われて。私、おさむさんともう
          会えなくなるって・・・」

    その美幸の言葉に、一瞬、絶句するおさむ。

      おさむ「そ・・・そんな理由で・・・そんな理由でここに来たのかよ。
          大事な仕事を蹴って!」
      美幸 「もう自分がわかんなくて・・・好きだから…好きだから・・・」
      おさむ「ここはさ・・・そのさ、好きだからとかそういう理由で立ち入
          る場所じゃないから!!!」
      美幸 「(涙)」
      おさむ「まだ間に合うなら早く現場に行けよ!」
      美幸 「(更に涙)」
      おさむ「早く行けって!!」

    おさむに追い立てられるようにその場を走り去る美幸。


      おさむ「・・・」

  • [関東中央テレビ・廊下]

      松本 「あの・・・わざわざ来てもらったのに、すみませんでした」

    スタジオ出てきた竹田と松本は、上島に詫びている。そこに、おさむが部屋から出てくる;

      松本 「あ、大丈夫でした?どすこいラーメン。」

    おさむは松本の姿を見るやいなや、松本にかけ寄り、むなぐらを掴む。美幸にはあんなことを言っておきながらも、美幸のことを大切に思ってるのがよく分かるよねぇ〜・・・って、えっ、大切に思ってるでいいのよね?

      おさむ「お前自分がやったことわかってるのかよ!?」
      竹田 「おい、やめろ、おさむ!!」
      松本 「わかってますよ。自分がやりたいことを成立させようとしただ
          けです。俺、おさむさんからそう教わったんじゃないですか。
          違います?」
      おさむ「お前のやり方は最低だよ!」
      松本 「最低なのはあの子でしょ。俺たちあの子のこと過大評価してま
          したよ。あんなことも出来ないなんて」

    松本に殴りかかろうとしたその手を、上島が止めた。

      上島 「久しぶりに面白いもんを見たな。竹田、お前、いい若いもんを
          飼ってるな」
      竹田 「・・・」
      上島 「俺たちのやり方に正解なんてねーんだよ。正解を決めるのは番
          組を見た試聴者だ。俺たちに正解を決める権利はない。それは
          覚えとけ」
      おさむ「・・・」

    そうして、上島は手を離し、階段を上りながら;

      上島 「おさむ、あいつ面白れーな。子豚ちゃん」
      おさむ「・・・」

  • [関東中央テレビ・外]

    既に外は夜。

    テレビ局から出てくるおさむ。

    タクシーに乗り込むと、そのラジオから流れるのは、あのDJの番組だった。

        『人を好きになるって素敵なことだよね。
         好きって言葉は、たった二文字で、
         口に出したら1秒もかからずに言えてしまう言葉だけれど、
         その短い言葉の裏には、一冊の小説にも書ききれない深い思いや、
         その気持ちに至るまでの大切な時間が刻まれている。
         だから、好きって言葉は、重たくて、大事なんだよ』

    おさむはそのラジオのメッセージを聴きながら、最初に出会ってからこれまでの美幸の顔を思い出す。おさむのその目には、薄っすらと涙が。

  • [国際線の飛行機内]

    同じ頃、日本の上空を飛ぶ飛行機には、おさむの元彼女の美也子が乗っていた。隣に座る男性が英語で美也子に話しかける;

      男性 「(やっと着きますね)」
      美也子「(そうですね。7年です)」
      男性 「?」
      美也子「(帰ってくるまでに7年かかりましたから)」
      男性 「(ああ、では、久しぶりの日本は変わっているかもしれませんね)」
      美也子「(浦島太郎の気分・・・)」
      男性 「(ウラシマタロ?)」

    美也子の手には、おさむのあの雑誌SDO!の記事が・・・。おっ、この雑誌、3度登場なのねん(^^;)。

      美也子「変わってないのは、私だけかなぁ・・・」

  • [美幸の実家]

    そうして、いよいよ『誓いのリング』のオンエアの日。その映像を見守る美幸の家族。

      絵里 「お姉ちゃん、どれ?」

    結局、みゆきは覆面を被ったレスラーの役だったのでした。

    って、折角しんみりしながら見ていたのに、最後はそういうオチかよっ

to be continued …

[次回予告]

  おさむ「・・・」


<第4話感想>

段々、いい感じで見れるようになってきました、このドラマ。私自身がこのドラマの見方を分かってきたからかな、とも思ってましたけど、実際、今回のドラマの評判は上々なのかな?
今回は、ストーリーに矛盾を感じるところがほとんど無かったような気がします。これまでは、美幸のオモシロが理解できなくて、その度に引っかかっていたのですけど、今回は『美幸のオモシロ』がなかったのが一番見やすかった要因かな。・・・って、それじゃぁ、このドラマを全否定することになっちゃうような気がしますが(汗)。

前半は偽装彼氏&グチネタで笑いを取り、後半は美幸のおさむへの思いを表現する部分で涙を誘う展開で、ベタだけどいいリズムでドラマが展開されましたね。1回の放送で2度おいしいというか、コメディ要素の吾郎君と、シリアス要素(怒りモード)の吾郎君と、両方が見れて、それぞれにリピート頻度が高かったです。

次回は元彼女登場と今彼女と付き合ってることがばれちゃったりと、一気に2つの展開がやってくるんですね。順番にやってくるわけじゃなくて、一気にやってくるところが、通常の恋愛ドラマのパターンと違って贅沢ですね。あまり飛ばすと、全部で12話もあるのに、やることがなくなっちゃうんじゃないかと心配しちゃうけど、それだけ予想外の展開になっていくことを期待していいのかな?

(06.05.07)


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