ブスの瞳に恋してる
〜 第3話 「(秘)合コン大作戦!!」 〜
[おさむの部屋]
夜。部屋で一人黙々と作業しているおさむ。
<ナレーション>
静まり返った部屋の中で、時計の音だけが聞こえていた。
僕の部屋にずっと置いてある目覚まし時計。
おさむの昔の記憶。朝、部屋の電話のベルが鳴り、その音で目を覚ますおさむ(きゃ、吾郎君の寝顔、寝顔♪)。電話の相手はもちろん、美也子だった。
おさむ「はい」
美也子『おきてくださーい。時間ですよ〜』
おさむ「ああ、ありがとう」
そうして、二人で街中を歩いている。
おさむ「昨日は起こしてくれなかったらヤバかったよ」
美也子「私がいなかったらどうするの?」
おさむ「えっ?ずっと寝てるでしょ。だからさ、これからもずっと俺の
モーニングコールして欲しいな」
美也子「何それ?それってプロポーズ?」
おさむ「えっ?ああ、そっか。今のはそう聞こえるか」
美也子「うん」
おさむ「ははは」
そして、しばらく歩くと時計屋さん。
美也子「あ、見て!」
おさむ「?」
美也子「これ、買ってあげる」
おさむ「うん?モーニングコールは?」
美也子「私がいなくなったら困るでしょ?」
おさむ「それは困るけどさ、ありえないでしょ」
美也子「うふふ(笑)」
<ナレーション>
彼女はその言葉どおり、その後、僕の前からいなくなった。
急いでアパートに戻ってくるおさむ。部屋に置かれていた美也子の物は全て消えていた。
<ナレーション>
目覚まし時計を一つだけ残して。
彼女との時間は止まってしまった。
でも、僕はいまだに、この時計がないと起きられない。
おさむ、切ないよぉ〜。胸キュンしちゃうやん。
[関東中央テレビ]
そうして、2回目のプレゼンの日。関係者が集まる中、おさむの説明が始る;
おさむ「モデルたちがそれぞれ子供を連れて歩く。今回のテーマの1つ
である家族を表現しながら、美しい服を見せるだけじゃない、
楽しいステージが展開できることと思います」
A 「なるほど。その方向性ならいいんじゃないかな?」
斉藤 「そうですか。いやぁ〜、よかった。素晴らしい・・・ガブさん
は?」
通訳 「大変興味深いと言ってます」
おさむ「最後に、僕の方でサプライズとして1点衣装を用意させて頂き
たいのですが」
A 「何言ってるんだ、君!これはガブリエル氏のコレクションなん
だ。そんなこと許されるわけないだろう!」
おさむ「お願いします。それがないと今回のテーマは完結しないんです」
斉藤 「おさむ!もういいから押さえろ」
通訳 「ガブリエル氏があなたの話を聞いてみたいと言っています」
斉藤 「いやぁ〜、こいつの話は訳さなくて結構ですから」
と、斉藤に窘められるが、めげずに;
おさむ「I'll make it happy. Please let me try!」
(必ず成功させます。やらせて下さい)
と、英語で直談判・・・・って、おさむって英語が話せるという設定なのか!!!!!(@o@)。ここで吾郎君の英語が聞けるとは思わなかったからびっくりだわ。
ガブリエル「What your concept?」
(コンセプトは何だね?)
おさむ「Smile, family...and beginning of beauty.」
(笑と家族、そして美の原点です)
斉藤 「おさむ、やめとけ!」
ガブリエル「Interesting! If you say so, why don't you try what
would you like it.」
(面白い。君がそこまで言うならやってみたまえ)
おさむ「Thank you so much!」
ガブリエル「Your welcome.」(←以上、英語が違っても怒らないでねー)
今回はプレゼンが見事に成功。ガブリエル氏にも受け入れられました。
おさむ「よし!」
その後、おさむは、駆け足で衣裳部屋に駆け込む・・・今日も短いけど吾郎君の走りが堪能できました(笑)。
おさむ「ごめん、山さんいる?」
山さん「あ?何だよ、おい。また急な発注かよ」
おさむ「山さん、頼まれて!ガブリエルと対決なんだよ」
山さん「ガブ??」
おさむ「明日までにこれ、できないかな?」
山さん「ああ・・・朝イチだ。朝イチで取りにこい」
おさむ「ありがとう山さん。ありがとね」
おさむ君にはいろんな味方がいるのね・・・。
[関東中央テレビ・ショーの会場]
会場ではステージの最終チェックが行われており、おさむとガブリエルが相談中;
おさむ「(もっと照明を明るくしては?)」
ガブリエル「(そうだね)」
おさむ「(登場順を変えてみては?)」
ガブリエル「(大丈夫、このままでいいよ)」
(↑当然、英語での会話です)
ガブリエルとのステージの打ち合わせを終え、今度はモデルとの打ち合わせを開始するおさむ;
おさむ「ショーの構成を担当します、山口です。よろしくお願いします」
その場には友美もいて、さりげなくサインを送ってみたり。
ここまでは調子よかったのだけど;
おさむ「今回、みなさんのうちの誰か1人に1点、僕の用意した衣装を
着て頂きます。僕が用意した衣装はこれです」
と、おさむが用意した衣装を披露した途端、空気は超微妙に;
おさむ「誰か、着たい人は?」
と聞いても、全員がドン引きしています。友美ですらフォローしようがなく、それどころか、若干の軽蔑が入ってる??
友美 「・・・(--;)」
おさむ「ああ、えっと。この服のコンセプトはですね」
A 「着れるわけないじゃない。行こう」
B 「何、あのセンス、馬鹿にしてんじゃないの?」
おさむ「ああ、待って下さい。これにはきちんとした意味がありまして。
お願いします、聞いて下さい」
友美 「・・・」
友美も何も言わずに行ってしまった。
おさむ「・・・」
おさむも衣装だけじゃなく、それに合うモデルも用意しておくべきだったのにね。そもそも無謀というか、無茶と言いうか、その辺が甘いというか、この脚本・・・(ぼそっ)。
その頃、テレビ局のロビーでは、美幸が妹の絵里と、そして両親と合流していた・・・って、両親も??
絵里 「ごめん!バレちゃった」
さと子「だって、家族で行こうハチハチフェスタでしょ?」
義男 「ファッションに興味があっただけだ。これ、お土産。食ってけ」
美幸 「もう・・・」
美幸を出迎える竹田と松本。だけど肝心のおさむは、今はバックステージにいるということで、美幸はそちらの方に案内された。
舞台裏・・・モデルたちが準備を進める中、スタッフの控え室で落ち込みっぱなしのおさむ君。おいおい、おさむ、軟弱すぎるぞ!
斉藤 「おさむ・・・もう、頼むから余計なことしないでくれよ」
おさむ「僕にはもう、何も出来ないですから」
斉藤 「それでいい。それでいいんだよ!な!」
斉藤は部屋を出て行くが、おさむはそのまま一人きり。竹田に案内されてやってきた美幸が、偶然、おさむが持参した衣装を片付けている様子を目撃してしまう。
美幸 「???」
寂しそうな表情をするおさむに、声を掛けれずにいる美幸。その背後をモデルたちが「やっぱりバラエティの人はねぇ」「ありえないでしょ!」「所詮はお笑いだもん」「だから素人の人はいやなのよ」と言いながら、控え室を出て行くのが聞こえた。
その頃、会場では次々と観客が入ってきている。美幸は結局、おさむには会えずに戻ってきた。関係者席で家族一同、2Fバルコニーにある特別席を用意してもらっていたようで、美幸はその場にいた竹田におさむのことを尋ねる;
美幸 「おさむさん、どうしたんですか?何か元気ないみたい」
竹田 「ああ、詳しいことは分からないんだけど、何かもめたみたい。
あいつの用意した衣装、誰も着てくれないみたいなんだよね」
美幸 「そうなんですか・・・」
寂しそうに会場に立っているおさむに目が行く美幸。一方のおさむは、上島が会場にやってきたのを目にしながらも、ただ、黙って唇をかみ締めていた。
いよいよファッションショーが始る。
そのショーの先頭に登場したのは友美ちゃん。おさむのプランどおり、子供を連れて登場し、会場は大いに沸く。
だが、そうして会場が沸いていたのは最初のうちだけ。ショーが進むに従って、会場には沈黙が流れ、居眠りする人、おしゃべりする人、席を立っていく人・・・。おさむは、客席の後方で、ただじっと黙ってうつむいたままでその場に立っている。美幸はそんなおさむの様子が気になって仕方がない。
『会場のみんなが笑っている。その笑い声の中に俺がいる。そうい
ったショーにしたいんだよね』
おさむの言葉を思い出す美幸。
『すげー事思いついちゃった!!!』
『期待してて!最後に俺がサプライズを用意するから』
そんな言葉を思い出し、美幸は決めました!
その頃、客席の後方に一人いたおさむはついに会場を出て行こうとする。上島が見つめる中、黙って頭を下げ、後ろめたさを感じながらも会場の扉を開けた。そこにベルの音が響く。おさむは驚いて会場に戻り、ステージをみつめる。
そのステージに現れたのは、3輪自転車に乗り、おばさん衣装で前掛けをして登場した美幸だった。(まぁ、これはある意味、美幸じゃないと似合わない衣装ですな。おさむは最初から美幸をイメージしていたのか?(そんなことは無い))
長ネギの入った買い物籠を手に、客席に愛想を振りまきながらステージ上でパフォーマンスをする美幸。お尻振り振り歩く姿に客席は大笑い。
おさむ「これだ。これがやりたかったんだ・・・」
やっぱりおさむの考えることは私には理解できないかも…(汗)。と、それはさておき、実際にファッションショーは大盛り上がり。美幸の家族は驚きと笑いが交錯した表情をしてますが、竹田と松本はそのサプライズにハイタッチして喜びを表してます。
ショーの最後には美幸を取り囲むように子供が登場し、その光景を見て、上島は黙って拍手をしていた。
そして、その美幸の姿を見つめるおさむは・・・
ステージが終わった会場で、モデルと関係スタッフ、そしておさむがいた。最後のサプライズを見て、クレームをつける斉藤。
斉藤 「おさむ、あんな衣装出してどういうつもりなんだよ!一体、何
考えてるんだ!折角のガブリエルさんのショーなのに」
おさむ「・・・」
だがそこに、拍手をしながらガブリエルとその通訳がやってきた。
ガブリエル「(最後のサプライズは本当に良かったよ。みんなに説明し
てあげな。)」
おさむ「(はい)」
ガブリエルに支持されたことで、おさむが斉藤らに自分の考えを訴え始めた;
おさむ「僕のテーマは笑いと家族、そして、美の原点でした。美の原点
とは何か僕がたどり着いたのは母親でした。みなさんに子供を
連れて歩いてもらったのは、モデルさんたちをお母さんに見せ
たかったんです。誰でも幼い頃はどんな格好をいても自分の母
親が一番美しい。それが原点だったはずです。だから僕は最後
に日本の母親をデフォルメしたあの衣装を出したかったんです」
ガブリエル「(僕にはすぐに分かったよ。だって彼女はマイマザーにそ
っくりだったからね。ははははは)」
おさむ「だけど、僕の力だけでは足りなかった。彼女があの衣装を着て
くれたおかげで完成したんです。彼女の持つ笑いの力が、会場
にいる家族たちを笑わせたのです」
ガブリエル「(君と仕事ができて楽しかった。グッジョブ!)」
おさむ「Thank you.」
ガブリエルと握手を交わすおさむ。そうして、ガブリエルは;
ガブリエル「(あのトップモデルに僕からお礼を言っておいてくれよ)」
おさむ「Yes.」
そのガブリエルの一言で、おさむは美幸の元に向かうが、美幸は会場の外で、父親にこっぴどく叱られてました(^^;)。そんな美幸の姿を、微笑ましく遠くから見つめるおさむ。
<ナレーション>
この時、僕はご機嫌過ぎて、気付かなかった。
新しい時計の針が、もう、動き出したことを。
to be continued …
[次回予告]
おさむ「がっかりだよ!」
<第3話感想>
かなり楽しめるようになってきましたσ(^^;)
今回は、ネタバレは出来る限り見ないということと、ドラマで出てくる疑問点(矛盾点)はできるだけ無視すること(笑)、これらを心がけながら見てました。
それでも、最後のおさむが用意したサプライズはありえなかったですけどね。あれのオモシロさはやっぱり私には理解できないですし(関東と関西の笑の違いという理由だけじゃないよね?)。
今回は美幸とおさむの距離が近づいたのかな、と思ったりもしましたが、一方で完全に「美幸はオモシロ対象でしかない」と宣言もされちゃったりして、ちゃんと連ドラの山あり谷ありが用意されている感じですね。
でも、ドラマを見ている方としては、純粋に吾郎君(のキャラ)が、イケメン扱いされていたり、モテモテキャラだったりするのは悪い気はしないのよね♪そんな間違った楽しみ方をしています。
あと、今回は、昔の彼女のことを思い出す憂いの表情だけでなく、仕事で窮地に立たされたときの表情なんていうのも楽しめて、その辺を密かに楽しんでおりました。ただ、ちょっとあっさりし過ぎるかなぁ。モデルさんに拒絶反応を示されたときも、もっと自分の意見を主張しちゃって何とかしようとするところとか見たかったよぉ。こっちは椿一の生まれ変わりだと思って見てるんだからさ(笑)。
次回は、美幸が告白しちゃうんですかね。続きの展開にドキドキ。
(06.04.30)
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