ブスの瞳に恋してる

〜 第1話 「運命の愛と顔!?」 〜


  • [関東中央テレビ]

    関東中央テレビ玄関。そこにやってきたオレンジジャケットを着た男性が一人。

    <ナレーション>
    むかーしむかし、太古の時代、世の男性は美人に心を奪われ、
    世の女性は美人になる努力を惜しまなかった。
    では、一体、どんな女性を美人というのだろう?


    男はテレビ局の中を進む。

    <ナレーション>
    それは歴史とともに変化してきた。
    まず、文明開化とともに生まれたのはルックス至上主義。
    それは明治大正と続いたが昭和に入り、
    知性も兼ね備えた美人、いわゆる才色兼備の概念が生まれた。


    その男性は『バラエティセンター2部』を通り過ぎ;

    <ナレーション>
    そして現代になり、かねてからの健康ブームも相俟って、
    内側からの美人、すなわち身も心も健全でこそ美人、という概念が主流になった。
    内側からの美人。


    更にその奥が『バラエティーセンター3部』。「ズバットズバット」や「むちゃデス!」を制作しているセクションです。その一番奥にある「第1会議室」。

    <ナレーション>
    それはそれでいいとして、
    内側だけが美人の人は世の中は何と呼ぶのだろう?


    と、そのナレーション=おさむの呟きに答えるように会議室の扉を開けた瞬間;

      斎藤 「そりゃやっぱりブスだろう」

    という斎藤の言葉が飛び込んできた;

      おさむ「えっ?」

      売れっ子構成作家
       山口 おさむ 当然このドラマの主人公

    その会議室は、『むちゃデス』のコーナー企画を会議中。「こんなヤツはイヤだ!」と赤い文字で大きくホワイトボードに書いてある。既に会議は始っており、軽く会釈をしておさむは席に着く。その会議を仕切っているのは、番組プロデューサーの斎藤さん;

    その会議では、「ブス」を使った企画をやろうとしているようであった。

      「むちゃデス!」プロデューサー
       斎藤 三郎

      斎藤 「おさむ、何かねーか?ブスでこう…がつんとお茶の間をガッチ
          リと掴む絵が…」
      おさむ「絵?」

    その横から、同じく構成作家の松本が意見を述べる;

      「むちゃデス!」構成作家
       松本 良二

      松本 「こんなんどうですか?湯気の向こうに汗だくのブス」
  • [どすこいラーメン]

    松本がイメージしているのは、例えば、その頃「どすこいラーメン」で働く美幸みたいな人?

      女優志望「どすこいラーメン」アルバイト
       太田 美幸 何と!このドラマのヒロイン

  • [関東中央テレビ]

    引き続き舞台は会議室;

      斎藤 「そんな強烈なヤツがいたらイヤだなぁ〜」
      松本 「それがいるんですよ。あ、呼びます?ここの近所のラーメン屋
          でバイトしてるんですよ。あ、おさむさんが見たら絶対に笑い
          ますから!」

    と、松本に言われても乗り気になれないおさむ君。

      おさむ「あ、ただ、ブスって何だか悲しいっていうか、笑いに繋がらな
          いと思うんですよね」
      斎藤 「何、おさむ、この企画見えない?」
      おさむ「…うーん。まだ見えないですね」
      斎藤 「お前、どうするんだ、松本。先生見えないってよぉ〜」
      おさむ「あ、その先生っていうの、やめて下さいよ」
      斎藤 「またまた、先生〜」

    と言ってる間にも、松本はラーメン屋に電話を入れる。

  • [どすこいラーメン]

    どすこいラーメンでは、花子がその電話を受ける;

      「どすこいラーメン」店主
       里中 花子 ブス歴49年

      花子 「美幸ちゃん、ご指名だよ」

  • [関東中央テレビ]

    引き続き会議中なんだけど、おさむは無関心にテーブルの雑誌を眺めたり。雑誌の占いのページには;

      『牡牛座 アナタの運命を変える天子が舞い降りる予感!』

    あははは、ベタな展開(^^;)

      おさむ「同じ層の女性をターゲットにするなら、まだ占いの企画で**
          ると思うんですよね。その方が数字は堅いと思いますよ」
      斎藤 「本当?」
      おさむ「うん」
      斎藤 「じゃぁ、そっち」
      松本 「早っ!」
      おさむ「じゃぁ、松本。ブスネタは宿題ってことで頼むな」

    なんて言って、早々と退室しようとするおさむ君。忙しいのね。

      松本 「御意でござい」
      斎藤 「何、おさむ、この後も会議?」
      おさむ「まぁ、そんなとこです」
      斎藤 「いやぁ〜、売れっ子先生は違うなぁ」
      おさむ「だから止めて下さいよ、その先生っていうのは」
      松本 「ラーメンは?出前見なくていいんですか」
      おさむ「また今度な」

    おさむが会議室を出て、別のズバットズバットスタッフルームにいるメンバーに「後で顔出すな」と声を掛けたりしてますが、その間に、美幸が先ほどの会議室に到着到着。おさむくんとは見事なまでのすれ違いってことなのね。第1会議室から笑い声が聞こえるのを背後で聞きながらも、携帯を取り出して;
      おさむ「もしもし。ああ、ごめんね。あと1個会議顔出したらすぐに行
          くから」

    と、彼女に電話を入れることも忘れません。

  • [どすこいラーメン]

    店に戻ってきた美幸。交代の時間になり、浩太と交代。

      「どすこいラーメン」アルバイト
       清水 浩太

  • [夜の街中]

    夜。一人バイト先から帰る美幸。帰り道には、街角の大看板に、モデルの蛯原友美の大看板もあったりして、それを見ながらポツリと呟く。

      美幸 「あんたはいいよなー」


    その頃、そのモデルの友美は、とあるホテルの一室で寂しそうな表情を浮かべたりしてるんだけどね。


    そんな美幸の後ろを、タクシーに乗ったおさむが時間を気にしながら通りすぎ、ここでも見事にニアミスで終了。おお、恋愛ドラマの王道やん!(おい)
    そんな運命の人が近くにいるのにも気付かずに、美幸はコンビニで買いもの。「それとブタまん1つ下さい」って、ちっとも女優になる気なんて無いんじゃないかい、この人?(その辺の設定が微妙なんだよなぁ〜)

  • [とあるシティホテル]

    ホテルの部屋で待ち続ける友美。

      友美 「もう、遅い!」

    と振り返ると、そこには待ち続けたおさむの姿が;

      おさむ「ごめん、ごめん。会議が押しちゃってさ」
      友美 「ね、この服どう?」
      おさむ「え?」

    と、どこか無関心っぽいんだな、おさむ君。

      友美 「今日の撮影で使った服なんだけどぉ、一目ぼれしちゃってもら
          っちゃった?どう?」
      おさむ「ああ・・・・どうって?」
      友美 「セレブっぽくない?」
      おさむ「???ああ、っぽい、ぽい。セレブっぽいね」

      おさむの彼女 超売れっ子モデル
       蛯原友美

      友美 「おさむさん、セレブの意味分かってないでしょう?」
      おさむ「(汗)」
      友美 「そうだ。ルームサービス、ワイン頼んでいい?」
      おさむ「ああ、いいじゃん。セレブっぽいじゃん。そうだな…あ、この
          イベリコ豚のなんとかっていうの、頼もうよ。何か、セレブっ
          ぽいじゃん」

    その頃、美幸は歩きながら豚まんを食べ非常に対照的ではあります。おさむと友里はホテルでイベリコ豚とワインだもんね。おいしそうー。

      友美 「おいしい!」
      おさむ「うん、うまいね、このイベリコ豚」

    そして、いいムードになったりなんかして、見つめ合ったりする二人ですが;

      おさむ「あ、あ、ちょっと待ってて」
      友美 「もう、何〜」
      おさむ「ちょっと思いついちゃった」
      友美 「また仕事ぉ〜?!」
      おさむ「今書かないとさ、おもしろくなくなっちゃうから」

    パソコンを取り出し、ネタを打ち込むおさむ君。「鼻から血」って。「それ、スマスマ特別編の話、まんまやん!!!」

  • [美幸の部屋]

    ・・・と、正しくその頃、その頃の美幸は通販で買ったバランスボール相手に悪戦苦闘し『鼻から血』を流してます(笑)。大きな音に驚いて美幸の部屋に飛び込んできたルームメイトの翔子にもあきれ返られたりして…;

      ルームメイト・OL
       佐々木 翔子

    その部屋は、美幸、翔子、弥生でルームシェアをしている部屋。

      美幸のルームメイト・コンパニオン
       寺島 弥生

    弥生も帰ってきて、合コンの愚痴を零してます。ここはそんな3人が行動生活しているお部屋です。

  • [シティホテル]

    その頃、おさむと友美の様子と言えば、おさむは相変わらずパソコンを前にネタを書き続け、友美はソファーでのんびりと;

      友美 「小田島さんってドラマ書いてる人でしょ?」
      おさむ「?」
      友美 「この本、面白いんだって。なけちゃうらしいよ」

    と言って、友美が手にしているのは、小田島が書いた『恋、ときどき愛』なんていうエッセー。本人が表紙の本で、いかにもなセンスの悪さが独特ですね。

      おさむ「その本の出版パーティが今度あるみたいよ」
      友美 「えっ?友美も連れてって!!友美、いろんな人に会いたいし」

    と、おさむに甘える友美ちゃん。そういうキャラなのね。

      おさむ「・・・」
      友美 「だってセレブのパーティなんでしょ?」
      おさむ「うん」
      友美 「格好いいよねぇ〜ドラマの脚本家って。映画とかも書いちゃっ
          たりするしさ。おさむさんが書いたドラマだったら、友美、ド
          ラマデビューしちゃうおうかな」
      おさむ「ああ。じゃぁ、俺も書いちゃおうかな」

    と、ここだけ見てると、ラブラブのカップルって感じなんだけどねぇ〜

  • [関東中央テレビ・バラエティセンター]

    翌日かな。『ズバットズバット』グダグダ学園の収録スタジオ。『スマスマ』の「アイドル学園1・1・1」のコーナーぐらいに思ってればいいのかしらん?(笑)。おさむは現場の編集室にやってくる。先に居た男性に声を掛け;

      おさむ「おはようございます」
      竹田 「おさむ、見た?小田島の本」

      「ズバットズバット」プロデューサー
       竹田 武

      おさむ「ああ、出たみたいですね」
      竹田 「恋、ときどき愛、だって。先生もいよいよ恋愛エッセーだよ」

    更に女性スタッフが台本を配りに来て;

      「ズバットズバット」デスク
       佐藤 一恵

      佐藤 「おはようございます」
      おさむ「おはよう」
      佐藤 「あ、いいですよ、この本」
      竹田 「いいわけねー、つーの。おもしろ、一切、無しだよ」
      佐藤 「・・・」
      竹田 「この人もドラマ書くようになって変わったよなぁ。昔は一緒に
          コントとか書いてたのに」
      おさむ「そうですよね」
      竹田 「こいつは魂売ったんだよ。お前は変わんないでくれよ」
      おさむ「わ、分かってますよ」

    <ナレーション>
    ドラマなんて書いた日には、
    そこまで言われてしまうバラエティの構成作家の世界。
    それはいくつもの番組をかかえ、会議から会議を飛び回り、
    おもしろい企画、面白いゲーム、面白い罰ゲーム、
    そんなことを毎日考え、時には自分の身を削って笑いを取り、
    そして、睡眠時間を削って原稿を書く。
    全てはタレントさんが面白く輝くために、
    視聴者に面白がってもらうために、
    それがバラエティ作家の住む世界・・・


    なんておさむ君のモノローグの間に流れる「面白い企画」「面白いゲーム」を実際に一人で試しながら考えたりてる映像が、密かにツボだぞ。自室で1人、パソコン前に罰ゲームを実演しながらおさむに胸キュンしちゃうわ(笑)。ソファにジャケットと鞄がおかれたままで、家に帰ってすぐに原稿書き出したのね、みたいなのが分かるのもいいよね。

    <ナレーション>
    だけど、先生なんて呼ばれる立場になった今、
    視聴率、しがらみ、行政・・・
    そういったものに縛られ、昔は楽しかった世界が、
    今は色あせて見える。



    なんてことを思いながらも、今日もバラエティセンター3部にやってきたおさむ。松本が『ブスコーナー規格案』を斉藤に提出していた。

      おさむ「おはようございます」
      松本 「おはようございます」
      斎藤 「いや、すごいよ、松本っちゃんがめちゃくちゃ書いてきた」
      松本 「後半は自分で楽しくなってきただけなんですけどね」
      斎藤 「とりあえず、若手の女芸人集めて試験的に1コーナーやってみ
          ることにした」
      おさむ「あ、そうですか・・・僕的にはまだ見えないですね・・・」
      斎藤 「そう?」

    そこにやってきた、芸能プロダクションの社長さん。

      芸能プロ「テアトルワールド」社長
       井之頭 宏

    早い話が、『Mの悲劇』のときの刑事さんです(笑)。お久しぶり〜!! 井之頭は売り込むタレントリストを斎藤に渡すが、おさむはそれを見ずに;

      おさむ「俺、後ありますんで。じゃぁ、松本、後、よろしくな」
      松本 「はい」
      斎藤 「お、おさむ、来週のオーディション、お前も出ろよ」
      おさむ「はい」

    と去って行っちゃいました。だけど、そのタレントリストには太田美幸の写真もあったりするわけやね。お笑い部門じゃなくて、女優部門のリストだけど。
  • [美幸の部屋]

    その頃の美幸は朝からバタバタ。女優の仕事があるのに、寝過ごしたみたいです。

  • [関東中央テレビ・1階ロビー]

    おさむがテレビ局の1階ロビーを歩いていると、話題の小田島が声を掛ける。

      脚本家(元構成作家)
       小田島 彬

      小田島「おさむ!」
      おさむ「小田島さん、お久しぶりです」
      小田島「いや〜。あははははは。久しぶり〜。何やってんの、今?」
      おさむ「まぁ、相変わらずです」
      小田島「お前もさ、こっちこいよ。ドラマ当たるとでけーぞぉー。俺な
          んか、今度映画だよ、映画。やっぱさ、今はオモシロよりも純
          愛だろう、時代の空気は」
      おさむ「・・・そうなんですかねぇ〜」
      小田島「お、お前、来るよな、パーティ?ドラマのPとか紹介しとくわ。
          繋がっとくと色々と得だろう?」
      おさむ「ああ、是非お願いします」

    なんていう一方で、気難しそうな顔をした別のプロデューサーがやってきて;

      バラエティーセンター プロデューサー
       上島 聡

      小田島「上島さん、お久しぶりです」
      おさむ「お久しぶりです」
      上島 「・・・」
      小田島「今度、エッセー書いた出版パーティやるんですけど、よかった
          ら上島さんも顔出してくださいよ」
      上島 「俺、お前らそっち側の人間じゃないから」
      おさむ「あ、いやいや、お前らって。俺は違いますよ」
      小田島「おい、ちょっと待て、こら!何だお前、俺と一緒にされちゃ、
          イヤなのか?」
      おさむ「いや、そういうわけじゃ…」
      小田島「マジな話、お前もそろそろバラエティ卒業しないとな。あっち
          側の人間になっちゃっちゃぁ、馬鹿みるぞ」
      おさむ「はぁ・・・」

    やるせない気分になるおさむ。

    <ナレーション>
    あっちもこっちもそっちも大事。
    どっちに行きたいのか自分が分からなくなっていた。


    そんなことを思いながら、おさむは大きなため息をつくのだった。


    タイトル「ブスの瞳に恋してる」第1話



      小田島「あ、そうだ、おさむ。お前、今からちょいと時間あるか」
      おさむ「ええ、まぁちょっとなら…」
      小田島「ふーん、じゃぁ、寄ってこうぜ!」
      おさむ「どこに?」
  • [とある廃工場・ドラマ撮影現場]

    おさむが小田島に連れてこられたのはドラマの撮影現場。ユンソナちゃん(@本日の特別ゲスト)が激しい銃撃戦シーンをやってます。小田島が書いたドラマの現場のようです。

      小田島「ああ、そうだ。こいつね、山口おさむ。俺の後輩。そのうち、
          ドラマ書くから」
      ソナ 「あ、そうなんですか。そのときはお願いします」
      小田島「」
      おさむ「あ、いや、はい・・・」
      小田島「ちょびっとシャイ・・・あはは」

    なんて言われて、ここでも微妙な気持ちでいるおさむ。実はその撮影現場の片隅では、女優としてやってきたみゆきが監督のイメージと違うとダメだしされてます。見た目が・・・だということで。

  • [シチュエーション説明]

    別の日のテレビ局。おさむは今日は、「ズバットズバット」のスタッフルームで、佐藤さんと雑談中。佐藤さんは友美ちゃん表紙の雑誌を眺めてます。

      佐藤 「どうやったらこんな風になれるのかなぁ〜」
      小田島「ワインとイベリコ豚」
      おさむ「は?」
      小田島「ん?ああ、いや、何でもない」

    と、否定するところを見ると、モデルと付き合ってるというのは公表されてない、ってことなのかしら?
    そこに竹田と松本がやってきて;

      おさむ「あれ?松本・・・」
      竹田 「おさむ、ちょっといいか?」
      おさむ「はい」

    と、竹田に会議室の外に連れ出されるおさむ。松本は『むちゃデス』で構成作家をやっていたが;

      竹田 「松本をさ、入れてみようかと思うんだけど、どう思う?」
      おさむ「ああ、いいと思いますよ。あいつ、ネタもかけるし」
      竹田 「そうなんだよ、いいんだよな、あいつ。おさむもなぁ、ネタと
          か書く立場じゃないし」
      おさむ「・・・」
      竹田 「何しろ忙しいからな。そろそろ新しい血、入れとこうかと思っ
          てるわけ」
      おさむ「まぁ、僕は楽になりますけど。ただ、あいつ面白いけど、ゴー
          ルデン向きじゃない企画も多いですよ」
      竹田 「そこ!そこが欲しいんだよ。昔のお前みたいにさ、ただ、おも
          しろいことやりましょーみたいなパワーをさ。ほんと、松本見
          てると、昔のお前とそっくりだよ」
      おさむ「昔の俺ですか?」

    そんな風に言われて、ちょっと寂しい気持ちになったりするおさむ君。この辺の感じが今回は好きかな。ある意味リアルな30代男の心境なんだろうね・・・

  • [テアトルワールド・オフィス]

    美幸に『むちゃデス!』の番組出演要請をする社長さん。でも、あっさりと「女優になりたい」と断られたりして…。その日に映画の撮影も入ってるらしいし・・・小さい仕事だけど。

      井之頭「分かった。分かったけど、君がお笑いコースに来てくれたら、
          即戦力だよぉ〜。特待生扱いなんだけどなぁ〜」
      美幸 「私、笑われるのは嫌なんです」
      井之頭「お笑いならドラフト1位なのになぁ〜」

    いくら社長が嘆いてみても、美幸の気持ちが変わることは無く・・・

  • [どすこいラーメン]

    おさむは松本に連れられて「どすこいラーメン」にやってくる。松本の”お目当て”は、アルバイトの女の子。

      松本 「おもしろですよ、おもしろ」
      おさむ「分かったから、ひっぱんなって」

    だけど目当ての美幸は休みだったりして、残念!

    店を出て、少し話を続けるおさむと松本君;

      松本 「ねぇ、ねぇ、おさむさん。俺、今、あっためてる企画があるん
          ですけど。深夜にすげー濃いコント番組やりたいんですよ」
      おさむ「ああ・・・、今は深夜も枠取りにくいぞ」
      松本 「だから、おさむさんに乗って欲しいんじゃないですか。おさむ
          さんがいれば、企画も通りやすくなると思うし」
      おさむ「Pは?誰と組むつもりなの?」
      松本 「俺、やったことないんですけど、上島さんとやりたいんですよ
          ね」
      おさむ「あの人、ハードル高いぞ。自分が面白いと思ったことしかやら
          ない人だから」
      松本 「それだからやりたいんじゃないですか。俺、そういう人とやり
          たいから、構成作家になったんですもん。やっぱ、自分が面白
          いと思ったことはやんなきゃでしょ!」
      おさむ「・・・」

    <ナレーション>
    昔の俺って・・・こうだったのか・・・。

  • [おさむの部屋]

    夜になって、ソファーに寝転んで天井を見つめるおさむ。

    <ナレーション>
    今となってはそれが上手く思い出せない。


    玄関のチャイムが鳴る。それとともに過去の記憶が蘇る;

    <ナレーション>だけど、ふとしたときに思い出す昔の彼女の姿は今でも鮮明だ。


    おさむが未だに忘れられない昔の恋人・・・

      おさむの元恋人
       藤原美也子

    昔の光景。アパートのチャイムが鳴り、おさむが玄関のドアを開けると、嬉しそうに美也子が帰ってきた。

      美也子「ねぇ、ねぇ、オーデションに受かったの!」
      おさむ「やったじゃん!」
      美也子「うん♪」
      おさむ「じゃぁ、何かお祝いしなきゃ」
      美也子「本当!!」

    <ナレーション>
    駆け出しの作家と女優の卵。よくあるどこにでもある二人だった。


    二人仲良くテレビの前で正座してじっと見てる。最後のエンドロールに自分の名前。興奮して手を叩いて喜ぶ姿は、孝太郎と尚美っちっくじゃないかい?

    <ナレーション>
    些細な事も、二人には幸せだった。それが突然、壊れた・・・



    時計は夜の9:10。部屋のチャイムはまだ鳴っている。ドアを開けると、それは友美だった。

      友美 「来ちゃった!」
      おさむ「あ、いらっしゃいませ」
      友美 「ふふ。お土産!」

    と二人仲良く部屋でケーキなんて食べたりして。

    <ナレーション>
    通信販売でミキサー買ったら包丁がついてくるみたいに、
    作家として有名になったら、たくさんの女の子が寄ってきた。
    すみません、何だかんだ言っても、綺麗な子にはかなわない・・・

  • [美幸の部屋]

    一方の美幸は部屋でパックして次の仕事に備えてます。

  • [関東中央テレビ]

    翌日。『むちゃデス!』の「若手女芸人対抗ヘンガオコレクション オーディション」の会場へ向かう、おさむと松本と斎藤。

      斎藤 「おさむ、『ブサイクがやってきた Ya!Ya!Ya!』だな」
      松本 「ブスの大行進ですよ!」

    なんて冗談を言いながら、廊下を歩く3人。丁度そのとき、逆方向からテレビ局の廊下を歩く美幸の姿が!!・・・運命の二人が出会うのかと思ったら、美幸とおさむの歩く廊下は別の回だったりするわけで、見事なまでのすれ違い(って、さすがにちょっと引っ張りすぎかなぁ〜)。


    さて、オーディション会場ですが、お笑い芸人が必死にヘンガオをして審査員の斎藤らにアピールしてますが、どうも頭痛がしてきてます、みなさん(汗)。

    同じ頃、美幸は天使の格好をして、別のスタジオで複数の女性たちと踊ってますが、やっぱり「これじゃぁ、おもしろすぎだろうが」という監督の一言で外されてしまいます。オーディション会場よりこっちの方が面白いってことかしらん?(^^;)


    再び「むちゃデス」オーディション会場。

      斎藤 「うーん」

    オーディションを終えた一同。頭を抱えてます。

      おさむ「やっぱりブスじゃぁ、笑えないですね」
      斎藤 「松本、笑えると言ったのはお前だぞ」
      おさむ「ええ、ああ・・・すみません」
      斎藤 「おさむ、これ、一旦白紙に戻すだな」
      おさむ「とりあえず今月は占いで乗り切る方向で…。じゃぁ、お疲れ様
          でした」

    と、一足先に会場を出るおさむ。そして、廊下を出ると目の前に、天使が現れた!!!

      おさむ「天使・・・」

    先日の雑誌に載っていた占いの文面を思い出すおさむ君。その目の前に、天使の格好をした美幸が、見事なまでにずっこけたりして・・・、その様子を目をキラキラさせながら見つめるおさむ君。おさむのその瞳は、ぐるぐる走る向坂さんを見つめる椿君のよう・・(笑)。

      おさむ「天使が・・・舞い降りた・・・」

    そこにやってきた斎藤と松本;

      松本 「あれ、どすこいラーメンの」
      おさむ「そうか!!!」

    美幸の方に駆け寄るおさむ;

      おさむ「君だったのか!!!」
      美幸 「?」
      おさむ「やっと・・・会えたよ」
      斎藤 「何だ?どうした?」
      おさむ「斎藤さん、みつけました!彼女は磨く必要の無い、ダイヤモン
          ドです!!!」
      美幸 「???」

    出会っちゃったのねぇ〜(^^;)

  • [美幸の実家]

    その晩、例えば、美幸の実家では、夜、元気に見有紀の妹が帰ってきたり。

      美幸の父
       太田義男

      美幸の妹
       太田絵里

      美幸の母
       太田さと子

    妹の絵里は天真爛漫な美人の女の子。母親のさと子も美人さんですが、父親は・・・(笑)。どうやら美幸は父親に似たという設定になっているらしいです。

  • [関東中央テレビ]

    次の日。テレビ局の社員食堂。竹田&松本と食事を取っている間も興奮が収まらない雰囲気のおさむ君。

      おさむ「やったぁ〜!!!ついに会えたよ」
      竹田 「久しぶりだな、おさむがこんなに興奮してるの」
      おさむ「いやぁ〜、すっげーおもしろなんですよ。な、松本!な?」
      松本 「いや、おさむさんが正直ここまではまるとは…」
      おさむ「いやいや、まだまだ俺の知らないオモシロはあったなぁ〜」
      竹田 「それよりか、どうすんだ?明日だろう、小田島の出版パーティ
          ー?」
      おさむ「そうだ、明日だ。すっかり忘れてた」
      竹田 「何だか豪勢にやるみたいだぜ、あの先生」
      おさむ「まぁ、行った方がいいんでしょうね、色々紹介してもらえるし」
      松本 「何かでも、そういうのって、面白とか無いんですよね?」
      竹田 「面白い訳ねーだろ?大体、主役が笑の魂捨てたやつだぜ。集ま
          るやつらも押して知るべしだよ」
      松本 「ああ、うわぁ、俺、そう言うの、なお更、笑い取りたくなっち
          ゃいますよ。あの…スカシてんじゃねーみたいな」
      おさむ「!!!そうだよな。その通りだよな、松本。ああ、思い出した
          よ!ありがとう、松本!!」
      松本 「どうしたんですか、おさむさん」
      竹田 「ちょっと昔のあいつが戻ってきたかもな」

  • [どすこいラーメン]

    そして、その足で「どすこいラーメン」にやってきたおさむ君。店にはお目当ての美幸はいなくて、浩太に交渉しています;

      おさむ「ねぇ、お願い。バイトの前に10分だけでいいから、って…」
      浩太 「???あなたは?」
      おさむ「えっ?えっと・・・彼女のファンかな(笑)」
      浩太 「?伝えときます」

  • [オープンカフェ]

    美幸を待つ間、友美に電話を入れるおさむ。

      おさむ「明日の小田島さんのパーティなんだけどさ」
      友美 『ええ、行けないのぉ〜』
      おさむ「ごめん、仕事なんだよね。必ず埋め合わせはするからさ」
      友美 『分かりました。はーい』

    と、彼女との約束はキャンセルして、オープンカフェでそのまま美幸を待つおさむ君。暫くして、美幸がやってきました。その様子を遠くなら眺めながらも;

      おさむ「何ておもしろなんだ・・・」

    と呟くおさむは、やっぱりかなり失礼なヤツだよね?(笑)。そういう設定なら、相手役はやっぱり女優さんじゃぁ、無理なんだろうな…。

      美幸 「あ、何ですか?私、バラエティとか出る気無いんで、そういう
          お話ならお断りしますけど」
      おさむ「いやいや、仕事の話じゃないんだ。まぁ、座ってよ」
      美幸 「?」
      おさむ「君はさ、彼氏とかいる?」
      美幸 「いるように見えますか?」
      おさむ「うーん。見えない。だから、頼みがある」
              (↑やっぱり失礼なヤツです)
      美幸 「何ですか?」
      おさむ「僕の彼女になって欲しい」
      美幸 「えっ?」
      おさむ「(^^;)」

  • [美幸の部屋]

    美幸は部屋に戻って、ルームメイトの二人に話をする。おさむは美幸に、『彼女同伴のパーティなのだが、彼女がいないから一緒に行って欲しい』と頼んだようなのだ。その話を聞いて、喜ぶ二人に対して、警戒する美幸。滅多に無いチャンスだけに、励ますのも難しそうな二人ですが、それでも美幸はおさむと一緒に出かける決心をするのでした。

  • [街中]

    夕方。おさむとの待ち合わせ。おもいっきりおめかししてやってきた美幸。そこにやっぱりおめかししてやってきた吾郎君、じゃなくておさむ君の衣装は、胸元スカーフで、吾郎のソナタっぽいんだな(^^;)

      おさむ「ごめん、遅くなって。いいねぇ〜、すごくいいよ」
      美幸 「親戚の結婚式で一度着たきりなんですけど」
      おさむ「いいよ、とっても」
      美幸 「(^^)」
      おさむ「じゃぁ、行こうか」
      美幸 「はい」

    並んで歩き始めた二人。

      美幸 「あの・・・1つ質問していいですか?」
      おさむ「何?」
      美幸 「どうして構成作家になったんですか?」
      おさむ「・・・。どんなに嫌なことがあってもさ、笑ったら忘れられる
          じゃない。俺、笑いってとっても素敵なことだと思うんだよね。
          人を幸せにだってできる。子供の頃から人を笑わせるのが好き
          だったから、この仕事を選んだんだ」
      美幸 「♪」

    そんなおさむの言葉に、多少は心がときめいちゃってるんでしょうか、美幸は?

    ある店のショーウインドー前で足を止める美幸。おさむはドレスの横にある帽子に目が止まり;

      おさむ「あ、そうだ・・・被り物・・・」

    被り物というのがバラエティ的なのね(^^;)

      美幸 「えっ?」
      おさむ「いや、帽子があるともっといいね」
      美幸 「えっ?」
      おさむ「ちょっと待ってて。帽子プレゼントしてあげるから」
      美幸 「いいです、申し訳ないです」
      おさむ「今日のお礼にさ」
      美幸 「えっ、でも・・・」

    店に入って行って帽子を選ぶおさむ。それを見る美幸は嬉しそう。

  • [パーティ会場]

    日も暮れてパーティ会場。『小田島彬 恋、ときどき愛 出版記念Party』

    受付にて;

      受付 「いらっしゃいませ」
      おさむ「山口おさむです」
      受付 「どうぞ、中へ」

    と、受付を済ませるも、おさむが同伴している美幸の姿を見て笑う受付嬢。彼女たちだけじゃなく、見る人見る人全員、美幸を見て笑い出す。満足感に浸るおさむ。

      斎藤 「おさむ!反則だよ、これ!(笑)」
      おさむ「紹介します。僕の天使、美幸です」
      美幸 「フィアンセの、エンジェル美幸です!」
      一同 「(笑)」
      美幸 「・・・」
      竹田 「彼女か、おさむの言ってた逸材っていうのは?」
      おさむ「ああ、美幸。こちら竹田さん」
      美幸 「フィアンセの、エンジェル美幸です!」
      竹田 「あはははは(笑)。松本にも見せてやりたかったなぁ〜」
      おさむ「えっ、あいつ来てないんですか?」
      竹田 「やっぱりやめとく、って言ってた」
      おさむ「もったいない」
      美幸 「!」

    そこに小田島も加わって;

      小田島「おさむ!!!いやぁ〜、来たか、サンキュー!」
      おさむ「紹介します、小田島さん。僕の・・・」
      美幸 「フィアンセの、エンジェル美幸です!」
      小田島「えっ?たは!(笑)、そうか、そうきたか!いや、おまえ、昔か
          らオモシロ好きだな!フィアンセときた!(笑)」
      おさむ「気に入ってもらえました?」
      小田島「おお!超オモシロ。ああ、そうだ、そうだ。みんなに紹介しと
          くよ。来いよ」
      おさむ「あ、はい」

    そうして、美幸を残して、小田島といっちゃうおさむ君。ひでーやつだ。
    皆が美幸を笑い、おさむは小田島に関係者と挨拶を交わし、そんな様子を見ながら、美幸は一人で会場を出て行く。その後姿を見て、後を追うおさむ。会場の外で;

      おさむ「ちょっと待って!!!もう帰るの?」
      美幸 「もう、お役目、終わったみたいですから」
      おさむ「君には感謝してるんだ」
      美幸 「こちらこそ、こんなパーティーに出席できて幸せです」
      おさむ「君に出会って、俺のオモシロ魂って言うか、昔の俺っていうか
          ね・・そう、その・・・ありのままの本当の自分を思い出すこ
          とができたよ。こうやってみんなの笑いを取ることが出来て、
          気持ちよかった!ありがとう」
      美幸 「あんな人たちにこびへつらって、笑ってもらって、それで気持
          ちいいんですね」
      おさむ「ん?」
      美幸 「あれがありのままのあなたなんですね。がっかりです」
      おさむ「あ・・・何言ってんだよ」
      美幸 「あなたの笑いは素敵じゃない」
      おさむ「・・・」
      美幸 「さっき、人を笑わせるのが好きだと言ってたけど、あなたがや
          ってるのは人で笑わせることです。自分だけ着飾って、人を笑
          ってるあなたは最低です」
      おさむ「・・・」
      美幸 「これ、お返しします」

    美幸に買った帽子とパラソルを押し付けられ、おさむは何も言い返せずにじっと立ち尽くした。

    おさむの前から走りさり、一人になった美幸は、静かに涙する。

  • [美幸の部屋]

    帰ってきた美幸を、迎えるルームメイトの二人だが・・・「やっぱ、どっきりでした」と言って部屋にこもった美幸にかける言葉が無い。次に部屋から出てきた美幸は;

      美幸 「あたし、絶対に綺麗になってやっから!!」

    と、気合入ってます。うん、泣いてる画よりそっちの方がいいわ。

  • [おさむの部屋]

    一方、帽子とパラソルを手にしたまま部屋に戻ってきたおさむは、先ほどの美幸の言葉を思い出してます。鏡越しの映像がかなり格好よすぎです、吾郎君!!!

    おさむの回想。アパートに戻ってきたおさむ。美也子に興奮気味に話す。

      おさむ「ねぇ、聞いてよ!!すっげー面白いこと思いついたんだ」
      美也子「何?靴ぐらい脱いだら?」

    そして美也子の手料理を食べながら;

      おさむ「絶対いけると思うんだよね。プロデューサーものってくれてて、
          企画書もってこいって言うのよ」
      美也子「(笑)」
      おさむ「絶対、いけると思うんだよねぇ〜。きいてんの?」

    そして、数日後、紙飛行機を作ってるおさむと美也子;

      おさむ「俺、おもしろいと思ったのになぁ〜。全部ボツだって」
      美也子「また書けばいいじゃん」
      おさむ「俺、自分が面白いとおもったことしか書けないからさ。やっぱ
          それじゃダメなのかな?」
      美也子「おさむはそのままでいいよ」
      おさむ「えっ?」
      美也子「ダメだったらまた紙飛行機にして飛ばせばいいじゃん!」
      おさむ「そうだな!」
      美也子「うん!」

    一緒に紙飛行機を飛ばす二人。うーん、癒されるわぁ〜、この二人のシーン。回想シーンだけでドラマを作ってくれてもいいぞ(おいっ)

    ・・・と、そんな過去を思い出すおさむ。

      おさむ「・・・」

    そうしてスカーフやらジャケットやらを脱いでソファーの上に投げる吾郎君が格好よすぎて何度もリピート(本日最大のリピシーン)。

  • [頑張るおさむと美幸]

    そうして、次の日から・・・

    美幸はダイエットのため、早速ランニングを始め、一方のテレビ局バラエティセンターでは;

      斎藤 「ダメダメ!これじゃぁ、数字が取れない!」
      松本 「俺、占いとか興味ないですからね」

    そこにやってきたおさむ君。斎藤が手にしていた『強木数子の余命宣言〜あんた!地獄に落ちるわよ〜』(←まんまだね(笑))なんていう企画書を取り上げ;

      おさむ「松本、占いも白紙に戻すぞ!」
      斎藤 「ん?何言ってんだ、おさむ」
      おさむ「そろそろ新しい企画考えましょうよ、な」

    と、かなりやる気を見せてます。

    トレーニングに励む美幸。

    おさむは、テレビ局の廊下ですれ違った上島に声を掛け;

      おさむ「あっ、上島さん。今、若い奴らと企画立ててて、上がったら、
          目通してもらえます?」
      上島 「俺、自分が面白いと思ったものしか・・・」
      おさむ「分かってますよ。じゃぁ、近いうちに」


    トレーニングに励む美幸を応援するルームメイト。今のところ、美幸の体重は65.4kgを指してます。


    おさむは更に、『ズバットズバット』担当の竹田にも;

      おさむ「はい、これ!」
      竹田 「おさむ?」
      おさむ「来週の収録ネタです」
      竹田 「だって、どうした、珍しいな」
      おさむ「若いヤツラに任せてられられないですよ」

    と。


    美幸も、トレーニングに励む美幸を応援する声も増え、体重もついに61.7kg。



    その後・・・。

  • [どすこいラーメン]

    夕刻。美幸に会いに『どすこいラーメン』にやってきたおさむ。

      おさむ「ダイエット?」
      花子 「そうなのよ、バイトも休みがちでさ。本当、困ってんのよ」
      おさむ「そうですか・・・」
      花子 「そんなことしなくてもいいのにねぇ。知ってる?女がダイエッ
          トをするときっていうのは、誰かに恋をしてるとき」
      おさむ「えっ?」
      花子 「もしくは傷つけられたとき、っていうのもあるけどね〜」

    そう言って花子は店の外で水をまきに出て行くが、残されたおさむはアルバイトの浩太に;

      おさむ「・・・」
      浩太 「あんたが誘いにきてからです、美幸さんが変わったの」
      おさむ「・・・」
      花子 「あんたが傷つけたんじゃないんですか?」
      おさむ「・・・かもしれない」

    などと、反省中。店を出てきたおさむ。

      花子 「ああ、あんた、美幸ちゃんに用だったの?」
      おさむ「ええ。一言お礼が言いたくて」
      花子 「ふーん。じゃぁ、自分で言いな」

    軽く会釈して帰ろうとするおさむ。

      花子 「あんた!あの子の何なのさ?!」
      おさむ「・・・。元彼です。1日しか付き合ってないけど」
      花子 「ああ・・・」

    店を後にするおさむ。

      花子 「いい男だねぇ〜。タイプ!」

    ・・・おさむ君、モテモテやん(汗)

  • [美幸の部屋]

    夜。美幸のルームメイトは、夕食の時間。だけど、美幸は何も食べずにダイエット。何も食べない美幸を心配してます。その間、美幸へ部屋にこもってメイクの練習中。

  • [おさむの部屋]

    おさむは部屋でパソコンを前に原稿を書いてますが、ぼんやりすることも多くて・・・。そこに友美からの電話が。

  • [レストラン]

    友美の誘いに応じて、レストランで一緒に食事をしているおさむ君;

      おさむ「この間はごめんね。色々忙しくてさ」
      友美 「それより、今日のおさむさんのファッションの方が、友美的に
          はNGなんですけど!」
      おさむ「ああ、それもごめん」

    そうしてテーブルの上には、天然の生牡蠣が。吾郎君、好きそー(^^;)

      友美 「うわぁ〜、おいしそう!やっぱ天然だよね、牡蠣と女は!」
      おさむ「ん?」
      友美 「モデルの中にもさ、天然モノと養殖モノがいるからね」
      おさむ「何それ?」
      友美 「だからぁ、整形とか豊胸とか、無理なダイエットとか、そうい
          うのをやってるモデルは養殖。友美は天然モノ。なーんにもし
          てないから、そのまま召し上がって下さいって感じ!」
      おさむ「・・・。そのまま・・・」

       『おさむはそのままでいいよ・・・』

    元カノの美也子の言葉がリフレインし、それと同時におさむの中で、美幸の姿が思い浮かぶ。

      おさむ「そりゃ、天然モノが一番おいしいよね・・・」
      友美 「ん?」
      おさむ「ごめん、ちょっといってくる!」

    と、レストランを飛び出し、どすこいラーメンに向かうおさむ。うわぁ〜、吾郎君走りだぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(絶叫)

  • [どすこいラーメン]

    一方、どすこいラーメンでは、無理なダイエットで倒れそうになりながら仕事をしてる美幸。加えて、メイクもいつも以上に頑張ってますが・・・び、微妙だよ、それは(汗)。そこに、おさむがやってくる。店に飛び込んできて、一人、一昔前のドラマの主人公のような勢いだったり(笑);

      美幸 「・・・」
      おさむ「ありがとう」
      美幸 「・・・」
      おさむ「ありがとうございました。その前に・・・ごめんなさい」

    深々と頭を下げるおさむ。吾郎君のお辞儀の仕方は綺麗です。

      美幸 「はぁ?」
      おさむ「この間は、君を傷つけてしまった。本当にすまなかった」
      美幸 「そんな大きな声で止めて下さい。何のことか分かりませんけど、
          別に傷ついてませんから。それより、こっちこそ偉そうに言っ
          てスミマセンでした」
      おさむ「いや、おかげで目が覚めた!本当に、ありがとうございました!」
      美幸 「ちょっと、他にもお客さんがいるんです。何一人で勝手に熱く
          なってんですか?」
      おさむ「君が思い出させてくれた!本当の自分を!!それなのに・・・」

    美幸の顔をまじまじと見るおさむ。

      おさむ「それなのに・・・」
      美幸 「・・・」
      おさむ「何やってんだ、この顔は!!!」

    と、おさむはテーブルにおかれたおしぼりに手を伸ばし、それでいきなり美幸の首根っこを掴んで、メイクを落とそうと顔を拭き始めます。

      美幸 「ちょっ!!!痛い!ちょっと」
      おさむ「そんなんじゃないんだ!!!」
      美幸 「あたしは、綺麗になるんです!絶対綺麗に!」
      おさむ「ダメだ!こんなことしなくていいんだって!!!」
      美幸 「綺麗になりたいんです!!!」
      おさむ「ダメだ、このままでいいんだよ!」
      美幸 「離して!!!」
      おさむ「君は君のままでいいんだよ!背伸びしないでそのままでいいっ
          て、君が俺に教えてくれたじゃないか!!!」
      美幸 「じゃぁ、私はずっとブスのままでいいって言うんですか?!!」
      おさむ「ああ!そのままでいいんだ!そのままのブスのままでいいんだ
          よ!!」
      美幸 「どうして?!!」
      おさむ「その方が・・・」
      美幸 「・・・」
      花子 「・・・」
      おさむ「その方が・・・」
      美幸 「・・・」
      浩太 「・・・」
      おさむ「おもしろいからだ!!!
      美幸 「はぁ?!!!」

    そっちかよっ!!!!

    <ナレーション>
    このブスの天使に僕が恋をするのは
    まだまだずっと先の話だ…


to be continued …

[次回予告]

  おさむ「彼女の笑顔を見て下さい!」


<第1話感想>

さてさて、始ってしまいました、「ブスの瞳に恋してる」。

そこそこ評判はいいようですね。でも、個人的にはまだちょっと微妙かなぁ〜(笑)。
最初見て、「ブス」というインパクトのあるタイトルを持ってきた割には、そこからイメージしていたものと比べると思ったよりも弾切れてなかったというか、真面目なドラマというか、そんな印象を持ちました。もっととんでもなドラマでもよかったんじゃないかなぁ、って。

もっとも、どうしても初回、特に前半は登場人物の紹介が中心でもあったので、そういうつくりになるのは仕方ないのかもしれないですけど。前半は二人が出会うことすら無かったですしね。

中盤以降、二人が出会ってからは話が進んできてからは、楽しく見てましたので、2話以降、どういう持っていき方をするかなのかもしれません。まぁ、でも、いずれにせよ、まだ、私の中で若干、きついなぁ、という思いは消せないかもしれませんが(す、すみません(汗))

えーと、吾郎君的には、キャラとしては前回の連ドラ『Mの悲劇』と比較すると、素直に見ることが出来たような気がします。『Mの悲劇』は性格的に見ていて30代の男の割には思考回路の未熟さにイライラしてたんですけど、今回はどっちに進めばいいのか分からずに悩んでるところとか、リアルな30代の役って気がして、今のところおさむのキャラは好きになれそうです。美幸をオモシロだけのために傷つけて、嫌なやつではあるんですけど、あとは無理なく美幸に惹かれていく過程を描いてくれれば・・・

いずれにせよ、2話が勝負かな。視聴率的にも踏ん張りどころだしね〜(汗)。


(06.04.16)


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